【個】少女有罪判決
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
旧校舎の、とある一室。
ほとんど廃棄された様な研究室の隅。
電源の入っていない機械のように、黒い影が佇んでいる。
*Location
何かしらの研究設備のようだ。
しばらく、使われた様子がない。
#虚ヶ谷・ワチカ
#ドリーム
(
#ズィーベン・フィーア )
0
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
わっちは約束したンだ。
ムジカを殺さないって。あの子の望みを聞くンだって。だから、……わっちはどちらの排除も出来ない。
――ドリームさんは、どうしてどちらかが消えなきゃって思うの?
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「個体差はあれど、肯定。」
「『私達』は、この地に『元』が不在が故に。」
「『元』の影響を強く受けているが。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「箱庭学園の廃棄は。決定済み故。」
「この地にいた、当個体の『元』も、それを受け入れた。」
「我らの目的は、最終人類史の奪還。」
「……その目的に反する存在は、ここに有り得ない。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「……交渉決裂。」
(黒い影が、発煙筒を投げる。)
(筒からは、黒い煙が立ち込め、研究室を黒い煙が満たし、黒い影が煙に紛れる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
――『元』? ドリームさんにも元の個体があるンだ。
(わっち何も知りません、みたいな顔で首を傾げる。けれど光写さぬ彼女の瞳は、誰よりも雄弁に『元』が誰であるかを物語っているようで)
…そっか。受け入れて……。
……。(そんな資格はない。判っている。其れでも僅か、祈ったって良いだろう。恐らくは“あの子”のバックアップだったろう人に、祈ったって)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
って、ええぇぇ!! もう!? もう決裂なの!!?
(拳銃を持ったまま、転がって来た発煙筒に気付く。……室内では不利! 咄嗟にそう判断したわっちは素早く背後にある扉へと駆け出して、扉を開けようと)
……なんというか、『元』らしいっちゃらしいけど……!! 兎に角視界を…!!
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「無論。」
「『私達』は単独では存在しえない故。」
(機械の瞳は、その祈りの仕草を見て。)
「それに意味はない。」
「それを受ける価値も。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「この場所は研究室。」
「只人を、復讐者とせんがための。」
(先刻取り付けた「翻訳機能」もまた、復讐者が当然に備える機能の、再現の一つ。)
(後を追いながら、研究室に備えられた道具に手を伸ばす。)
「そのために、犠牲を積み重ねてきた。……無辜の民も含め。」
(手にしたのは、ビームサーベル。)
(教室の外へ向かう少女の背を追い、切り裂かんと振りかぶる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
わっちがやりたいからやったの!!!
(価値がないなンて、例え“バックアップ”であるキミであっても聞きたくなかった。わっちにとってはさ、あの子はさ、唯一無二の友達なンだもん。誰より価値ある宝石なんだもん)
(扉を素早く開けて飛び込むように廊下へ、)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
え……ッ、きゃあああ!!
(衝撃的な言葉に振り向いたのがいけなかった。背中から脇腹にかけてをビームサーベルがなぞり、焼いて、斬り付ける。わっちは咄嗟に銃を構えた。咄嗟でも銃を構えて)
(銃弾を二発。乱雑だが、キミに向けて撃てただけでも大したものだろう)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
(血飛沫が舞う。廊下の向かいに背中を打ち付けて、空気を吐き出す。)
……ッ、い……ッた……!!
(其のまま座り込みたくなる身体を叱咤して立ち上がる。片手で脇腹に触れた。モツは出てない。傷は浅い、平気! 立てる!)
…只人を復讐者にって……其れも、アレか。“こっち側”に来たいから……?
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
(廊下へ出て、黒い煙は廊下に流れ出て、目を凝らせば見れる程度に薄まる。)
「不覚。」
(浅い。と察すると同時に、サーベルを引き戻し。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
(2発放たれた銃弾の、片方を断ち切るも、2発目の銃弾がサーベルを弾き飛ばす。)
「必要があればそうし。」
「必要がないならそうしない。」
「バックアップは、飽く迄バックアップ故。」
「『学園』が正常に運行された時点で、その研究に意義はない。」
(弾かれたサーベルを拾おうともせずに、距離を詰める。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
はぁ……ッ、
(浅いけれど、浅いだけだ。傷は傷、相応の苦痛を訴えて来る。文字通り焼かれるような痛みを感じながら息を止め、吐いて、吸って、止めて。わっちはワールドハックを改めて発動させた。球状に世界が切り分けられて、わっちの周囲の煙を妨げる。これで少なくとも呼吸は維持できる)
必要があるとかないとか、そんなンじゃない……!
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
意義があるとかないとか、そんなンじゃない!
バックアップでもして良い事と悪い事があるでしょ!? 何にも能力がない、普通の人を――復讐者に、する、なんて……(悍ましい、と、言葉にするのさえ憚られる)そんな! そんな事……許されない…!
(怒り。声音に籠ったものはそうも言えるだろう。この旧校舎ではわっちも何故か“悪意を抱ける”。其れは多分、ムジカが悪意を捨てていないから。)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
意義がないのなら、なンでわっち達を殺そうとするの?
……わっちは判るよ。バックアップの人達にだって、意思があるからだよ。こっちに来たくて、壊れている世界から逃げたくて、だから戦ってるンでしょ?
其れを意味がないなンて言わせないよ。この研究は許せないけど、其れだけ必死だったって事なんでしょ!!
(何に怒っているのかも判らないまま叫ぶ。多分、意味がないって断じられた事にだと思う。銃を構えて、息をする。薄くなったとはいえ煙で前方は未明。ならば……煙でも遮れないくらいに接近された一瞬こそが最大のチャンスだ)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
(胡乱な瞳は、眼前の少女を見上げるように。)
「賭けられているのは、歴史全体。」
「個人の命や尊厳など、天秤にかけるまでもなく軽い。」
「そう考える人がいたまで。」
(……それは、学園の校章と、正反対の思想で。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリーム】
「『私達』には……▓▓▓▓▓■▓▓▓▓には、分からない。」
「『不要』と切り捨てられ、なお生きようとする意志が。」
(機械のような……機能としての口調に、意思のようなものが混ざり始め。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ドリー▓】
「正常に運行している学園への攻勢は。」
「最終人類史の奪還という目的から大きく逸脱している。」
「世界と共に、滅び逝かないのであれば。」
「無為な争いの理由は排除されなければならない。」
(接近。外すことが困難なぐらいの距離から、少女へ向けて。)
(銃弾が放たれる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
――そンな事、
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
、、、、、、、、、、、
世界なんていま関係ないでしょうがッッ!!!!
(接近した! 互いに銃口を向け合う。ああ、激情が頭に立ち上り、胴から血が噴き出すんじゃないかと思う程に)
今はね!! わっち達の学園と!! そっちの学園の!! 話をしてンの!! 判らない!? 判らない訳ない!! あの子が……あの子が!! どれだけ苦しんでいるかを知ってる!?
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
いつだっていつだっていつだって、わっちが何をあげても何をしても、申し訳なさそうにしてるのをキミは見た事ある!? 不要だって言われるのは嫌だよ、わっちだってそうだった! でも……判ってくれとは言わないよ。ただ彼女にだって、“恵まれ過ぎた”悲しみがあるンだ……!!
(少女の銃口は――天井を向いていた)
(発砲音が一度して、銃弾が天井に向けて吐き出される。)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
.、、、、、
(只人ならば、そうだろう。)
(だが、少女は復讐者である。“恵まれていた”? そうかもしれない。キミたちはきっと憎く思うだろう。恵まれていた悲しみだなんて。だからわっち達には――受け止める義務がある)
(銃弾は天井に着弾しない。着弾音がしない。)
……消えたくないンでしょ、ドリームさん。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
叫んで。わっち、受け止めるから。
生きたかったって、其の叫びを受け止める。わっちは此処にいる。キミが憎むべき「学園の生徒」だ。
世界なんてどうでもいいよ、今はここにキミとわっちしかいない。ねえ、キミは本当にこの戦いを無為だと思ってる? 本当に、キミたち自身に価値はないって思ってるの?
(銃弾は首と肩のあわいに突き刺さる。弾かれたように肩が跳ねて血が飛沫き、其れでも少女は“再定義”をやめなかった)
(天井に着弾するはずだった銃弾は、其の行き先を書き換えられる)
(――すなわち、ドリーム。キミの銃を持つ肩である)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【ド▓ー▓】
、、、、
「世界だけが!」
「『私達』の存在理由だった!」
「▓▓▓▓▓■▓▓▓▓も、『私達』も!」
(外さない。)
(この距離なら、外す理由がない。)
(そう撃たれたはずの銃弾は。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【▓▓ー▓】
(本物の復讐者の持つ、「怒り」というものに気圧されなければ。)
(影の銃弾は、確実に急所を穿っていたはずである。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【▓▓▓▓】
(書き換えられた銃弾が、影の肩を貫いて。)
(その手に持っていた銃の影が、地に落ち消える。)
「……。」
「『それ』は、知らなかったな。」
「銃の扱いで、『元』の技術が貴女に負けるとは。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【▓▓▓】
(何かの壊れた音がする。)
(「影」を「ドリーム」という機能として留めておいた何かが。)
「……『私達』は、望んで実験を受けた。」
「世界のためなら、バックアップでいいと。貴女達を憎む理由なんて何もない。」
(掠れながらも、人間らしい喋り方で。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
違う。
(わっちはキミに突き付ける)
、、、、、、、
世界があるからキミがあるンじゃない。
、、、、、、、
キミがいるから世界があるンだ。
わっちとキミとじゃ、窓の外の景色一つ取ったって見え方が違うだろ。
(鎖骨辺りを割ったか。弾丸は見事に少女に突き刺さっていて、凄まじい痛みが脳へと上がって来る。噛み殺す。噛み殺す。押し殺す。意地の張り方だけは自信がある)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
だってそうだろ。
世界ってのは、わっちにとって“自由と怒りの象徴”だった。でもキミにとってはどうだ?
(推測だけれどね、と付け足す。)
――薬学に“魔法の弾丸”って理論がある。其れを少し…わっちなりに解釈したっていえば良いのかな。…文字通り、隠し弾だ。
正直ギリギリだった。ていうかギリギリ。
(血が制服を汚していく。其の制服には既に汚れた跡がある。)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
――……憎んだって良いンだよ。
キミには其の権利がある。
(ヒトの面影をみて、わっちは眉を下げた)
キミ達の献身を、世界は放り捨てた。其れは紛れもなく事実だ。わっち達は其れを知らなかったけれど、知らなかったで済まされる問題じゃない。
この件に関しては“無知は罪”なンだとわっちは思う。
……其れでも、キミは…憎まないっていうの。
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【▓▓者】
「『私達』にとって、世界は守るためのものだった。」
「だから、ドリームと混ざり合ったんだと思う。」
「『元』になった人の“眼”も、ドリームも。『世界を維持』するためのものだから。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【被▓者】
「貴女も、『私達』も、▓▓▓▓▓■▓▓▓▓も。」
(ノイズ音が混ざりながらも。)
「正しいことをしていたと信じてる。」
「……だからまあ、復讐者になれなかったのだろうけど。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月1日
【被験者】
「でも、ありがとう。……改めて。」
「と言っても、『私達』にも名前なんてないんだけど。」
「▓▓▓▓▓■▓▓▓▓による人工復讐者計画の被験者の集合体。が『私達』の呼称かな。」
(ノイズのように、その体は消えかけていて。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月1日
―――。
(もう構えてもいなかったのだけど、今度こそ、拳銃を持っていた手をだらりと下げた。)
そっか。キミ達にとっての世界は、護るべき、維持すべきものだったンだね。
――そう。あの子の目は、世界を観測するためのものだって聞いたから。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
どうかなあ。
わっち、正しいなンてよく判んないから。案外間違ってるかも知れないよ。
(困っているような、笑っているような、どちらともつかぬ表情だった)
でも、キミ達は。さっき怒鳴りつけたわっちだけど、断言するよ、断言する。
キミ達は間違ってなんかいなかった。最期まで、影になっても、世界を護るために戦った。
ただ、……立場が少し、違っていただけなンだろうね。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
――じゃあやっぱり、ドリームさんだね。
人工復讐者計画の~、なンて長すぎるよ! 夢ってのはもっと無限大で、広がって、広がり続けるもの!
∞
ね! そういう意味でも、キミは夢幻だ!
(キミの間近で、震える手を差し出す)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
――たとえキミ達が消えても。
わっちはキミ達と戦った事を忘れない。キミ達はわっちの中にいる。
だからこれは、“また会おう”の握手だよ。
(キミは受けても受けなくても構わない。ただ、わっちが握手したいって手を差し出しただけ)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
【被験者】
「あれは、世界を観測し、維持するためのもの。」
「尤も、それを設計した世界はもうないみたいだけど。」
「……『元』がどう使うかは、勝手かな。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
【被験者】
「どうでしょう?」
「それでも、『私達』も他の方々も。」
「貴女方だけに頼るのが、正しくないと思ってバックアップを用意したのですが。」
「……『私達』が間違っていたとは思いませんけど、彼らの怒りも正統なものでしょう。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
【被験者】
「……名前まで、貰ってしまいました。」
「過ぎたものです、『私達』には。」
(ドリーム。機構と同じ名前でも、『私達』を指す名前。)
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
【被験者】
「迷惑ばかりかけてしまったけど、最後にもう一つ。」
(握手に答えるように手を伸ばして。)
「『それ』を、『元』に渡してくれると嬉しい。」
「▓▓▓▓▓■▓▓▓▓の研究資料で、『私達』の居た証。」
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
(そうして、握手した少女の手の内には、古ぼけたノートが1冊おさまるだけで。)
(黒い影の存在は、跡形もなく消えていた。)
(【演出終了】)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
うン。設計した世界はもうない。
だから自由になっても良いって。わっちは思ってるンだけどねえ。
巧く行かないンだなあ。
(かりかり。無事な方の手で頬を掻く)
――いつか…自分の為に、使ってくれると良いなあって。思ってます。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
わっち達だけに頼るのが正しくない……か。
でも、わっちは箱庭に…箱庭にいる人じゃなくてね? 箱庭ってシステム自体が赦せないよ。
、、、、、、、、、、、、
世界の為に人が用意される。わっちもそンなの、赦せない。だから怒ってるのは同じかな。キミ達は志願した。でも、彼らは必ずしもそうだった訳じゃない。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
まー…なンてゆうの?
わっち、押し付けがましいので!
(開き直った。開き直ってこそ見送るのだ。)
勝手に名前つけるし、勝手に怒るし、勝手に色々するよ。
――だから、これくらい迷惑なんかじゃない! へへへ。いてて。
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
――研究資料?
(わっちは其の時、確かに感じた。誰かのいた証を掌に感じたんだ)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
(そうして影が霧散して見下ろせば、古ぼけたノートを一冊握り締めていた)
……。
……これを、『元』に……か。
(張っていた糸が切れるように、どっと壁に肩をもたれかける。痛みが跳ねて、膝が折れて、座り込んだ。)
……。
(深く息を吸って、吐く)
……。一先ずは、手当してからかな…
(肩から脇腹にかけての裂創。鎖骨を割る銃創。わっちにしてはよく空元気したほうだなあ、って思いながら)
虚ヶ谷・ワチカ 2024年6月2日
(自分の血で汚れた廊下で、発煙筒の黒い煙が薄れて消えていくのを見ていた。彼の人は煙みたいな、夢幻の人だった。)
(【演出終了】)
ズィーベン・フィーア 2024年6月2日
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