【個】ツラ貸して貰おうじゃねえか!
新堂・亜唯 2021年8月15日
ある日のこと。
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『果たし状』 腕白番長ミーレ・ベルンシュタイン殿
今日の放課後
ほんとうに番長に相応しいヤツを教えるため
校舎裏、保健室に一番ちかい木の下で待つ
新堂・亜唯
―――――――――――――――――――
というような怪文書が、腕白番長
ミーレ・ベルンシュタインの下駄箱に投函されていたという。
※書き込み可能
#ミーレ・ベルンシュタイン
#新堂・亜唯
3
新堂・亜唯 2021年8月16日
(――構え直す)
……訂正するわ。
ナメてたのは俺のほうらしいな。
(整えた呼吸は先ほどよりも幾分か、武として精彩と呼べるだろうか)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
ふふ、ありがとうございます。
番長らしさ。納得、いただけ……
(転がり、構え直す様子を)
(――小首を傾げて微笑んで、見守って)
……た感じでは、ありませんわよね。
新堂・亜唯 2021年8月16日
納得は、した。
(再び横半身、前に出した左拳を、クン、クン、とスナップを利かせて揺らす)
(間合いとタイミングを測る動きで)
だが……
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(スゥ――――、と。細く深く、染み込む呼吸)
届かねえとまでは、確かめてねえぞ!!
(顔付近に2発のフェイントを織り交ぜて、今度は手首を掴みにいく)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(ううん、と)
(ちらりと手首に視線を向けつつ、困ったように、笑った)
(――それは。どうすれば聞き分けてくれるかな、と、迷うような)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
届かせねば、よろしくて?
(ふわりと、動いた)
(フェイントに――1発は、見向きもしない。かすめる手が当たらないと悟れば瞬き一つせず)
(そのつもりなら、と続いて返された手首はぱちんと弾き、取りにくる手首を、手首を交差させるように外に弾いて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(――じゃれあう拳法家のような動きは、けれど一つだけ、異質)
(あなたと違って、明らかに、身体に武術を沁み込ませたものではない。けれどその手運び足運びは、ある種、武の深奥に触れたかのように無駄がなく)
(とんっ、と)(距離を離すように、胸を突き飛ばそうと)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(――師匠は言ってた)
(力負けならまだ近い。が、力も感じずに届かねば、それは雲より遠いと心得よ)
(俺よりよっぽど強いことなんて、一合目で充分理解したさ。でも――こいつの型を理解するくらいは!)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
な――
(顔に迫る拳に対し、瞬きすら見せなかった。いや、それはそれとして)
(いとも容易く拳を弾かれ、いなされた動きに体幹を崩され)
(明らかに、全ての挙動に置いて上を行かれた。完全に攻撃を受け流された)
(なのに――――)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(――――何をされたのか、さっぱり分からない)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
おわっ!!
(そのまま胸を突き飛ばされれば、いつの間にやら間合いの外)
……。
(しぱしぱと目を瞬かせ、お化けでも見たような顔を向けるだけだった)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(そうやって、確かめられた視線の先)
(「腕白番長」は、握って開いて、自分の拳を見下ろしていた)
(うん、うん。今の互いの攻防の感触を思い返すように、2度、頷いて)
(あなたを、見て)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
おしまいですの?
(少しだけ。露骨では、決してなく)
(――気のせいでなければ、そう思える程度に)
(落胆したような表情を覗かせて、首を傾げた)
新堂・亜唯 2021年8月16日
がっ……ぐっ……。
(ゴリ、と鈍く鳴ったのは、噛みしめた奥歯の音)
(戦慄と、情けなさ。そのないまぜになった感情を磨り潰すように、唇を結んで)
(「負けました」の一言を言うべき場面だったが)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
まだ、まだァァアアアっ!!!!
(血を巡らせた筋肉に、深く練り上げる息吹)
(今度は『寸止めしよう』とか『取り押さえよう』なんてものではなく)
(今度こそは新堂・亜唯の全身全霊。短く、一歩、二歩――)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(三歩目で、電光の如く踏み込んで、右拳を振りかぶる、と見せかけての――)
――――『徹拳』ッ!!!!
(瞬時に挙動を低くして、両拳を合わせた姿勢からの――左の肘打ち)
(スピード、破壊力、フェイント、流派の技の自己判断による応用。今練り出せる全てを掻けて、その小さな少女を潰しに行った)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
――――、……(ぱちくりと、目を見開くと)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
Wunderbar!
(ぱん、と、両手を合わせて)
(今日初めて、心から楽しげに、笑った)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
大気中のマナを体内に取り込み、オドと成す呼吸――ですのね?
成る程、成る程、不思議と静謐なあなたの魔力の秘密は、それですか。
その技法、磨けば人を癒やすことも叶うでしょう。ええ、実に「白」に相応しい―!
(或いは。集中した貴方には、届かなかったかもしれない)
(興奮した様子で、赤い瞳を輝かせ、ぺらぺらと喋る)
(――そんな少女に。右拳に打ち出されるように加速した左肘――異形とも言える、けれど確かに培われてきた武術の技が、)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(その不似合いに豊かな胸元、――の奥、無防備な骨にまで、衝撃が突き刺さり、)
(べきりと、致命的な音がして、)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(――けれど。完全に打ち抜かれる前に、治った)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(押し返す感触は。肉のそれか、それとも「時間が巻き戻るように」治った骨によるものか)
でも、練りが甘い。もしかして、本当は相手に魔力を流し込んで壊す技ではありませんの?
ねえ、ねえ、ねえ――
(何の痛痒もなかったかのように)
(笑顔を深めて)
(手を)(あなたに向けて、伸ばし)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(瞬時の攻防の中でかけられた、微かに理解した)
(たぶん、理論体系は違えども、原理に通じるところはある。それが自分は武術であるが、彼女は魔術と呼ぶもので――)
(いやしかし、そんなことはどうだって良い)
(現象への〝入力〟がどうであれ、〝出力〟が届けば同じこと)
(そして目の前の相手は、見目こそ華奢でも加減して勝負になる相手ではなく)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(当たった)
――――ハァッ!!!
(壊した、手ごたえがあった。想像よりずっと、脆い感触)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(――が)
――――は?
(治った。何事もなく)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
…………っ。
(反射的に身を引いた)
(視界の端に、伸びてきた手が映ったからか。はたまた、触れた感触が想像以上に軟だったからか)
……俺の全力だぞ、今の……。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(身を引く姿に――伸ばした手が、引き留めるように、その袖を掴んで)
ええ。ちゃあんと、痛かったですわ? 泣いてしまいそう。
でも、わたくし、癒やしの、白の番長ですの。――だから、ねえ、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
――もっと凄い技を使っても、大丈夫ですわ?
ありますわよね? そういう、技でしたもの。
(そう、ねだるような言葉と共に)
(赤い瞳が、期待に満ちて、細められた)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(袖を掴まれ、表情をひきつらせた)
……――――っ
(ようやく、相対している者の底知れなさに触れた気がする)
(攻撃を受け流す技の冴えも、打撃の瞬間に回復する異様な現象も、確かに脅威だ。だが――)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(どんな達人でも、猛獣でも、必ずあって然るべきはずの……)
(〝痛みに身構える〟緊張感を、たぶん、彼女からは一度も感じなかった)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(だから、浮かべ返した表情は、悔しさでも恐怖でもなく)
……今の俺は……あれ以上の技は、撃てない。
(今の自分が、向けられた期待に応えられない〝申し訳なさ〟だった)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(少しばかりの沈黙に、首を傾げて)
(――続いて発せられた言葉に、ぱちくりと、意外そうな顔で目を見開いて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
……そうですか。
(ぱ、と。手を離すと)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
(ふわりと、柔らかく、笑って)
では、――もっと学び、積み上げましょう?
ええ、大丈夫。己を知り、人を知り。そうすればきっと、あなたの技はきっともっと、高みへ上れることでしょう。
その時は――――
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
私に、魔法を使わせて下さいませ?
新堂・亜唯 2021年8月16日
(´;ω;`)
(それは敗北だった。誰の眼からみても明らかだった)
(それも殴り倒されるなどとは違う、敵対する相手にもなれなかったという、最も絶望的な敗北)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(´;ω:;.:...
(『お前は男なのだから、常に守る側でいろ』と、最初に誰に教えられたのか分からない)
(しかしその思考を抱いて生きてきた少年に、自分よりはるかに細い腕で番長を名乗る少女の存在は、放置してはならない物のはずだった)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(´:;.:...
(だが、待っていたのはこの結果)
(自分がどれほど至らず、どれほど見識が狭かったかを思い知らされた。その立ち合いの結果に、少年は――)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
(´・ω・`)!
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
……ま、また戦いに来てもいいのか?
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
……、(ぱちくりと)
(また、目を見開いて――くすくす、ころころ、花のように笑って)
ええ、ええ、もちろん。
勝負であれ、稽古であれ、閉ざす門は持ち合わせておりませんわ?
ただ、そうですわね……、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
次に本気で挑んでくる時には、もっと楽しい技を、魅せてくださいませね?
新堂・亜唯 2021年8月16日
……ぐぅっ……。
(顔が良いなこいつ)
……あーあー分かった、とりあえず今は認める。
今のところはお前のほうが番長に相応しそうだ。今のところはな。
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
だが、いずれ倒す。
俺が倒す。ぜってー倒す。
(ふんす、と再び胸を張り)
だからお前に挑むときは常に、昨日より一昨日より絶対に強い俺で来る。
それまでその白ラン預かっとけ。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
……うふ、うふふふふ!
(楽しげに。馬鹿にするでもなく、本当に楽しげに笑って)
ええ、喜んでお待ちしておりますわ。
わたくし、折っても折れない方は好きでしてよ、アイちゃん。
(演出継続)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年8月16日
なにせ、何度も楽しめますもの。
(ひらりと。“預かった”白ランをひるがえして、背を向けて)
さぁさ、遊んで満足したらいきましょう? 今日の晩御飯は何にいたしましょう……
新堂・亜唯 2021年8月16日
折れてねーし!!! 脱臼しただけだし!!!!
(手首を掲げる٩(`・ω・´))
ただ……
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月16日
「何度でも楽しめる」って一点だけは、完全に同意だ。
このクラスに来たのは間違いじゃなかった。
そういうことが分かったのは、収穫だったぜ。
(コキコキと手首を鳴らしながら、その背を負って歩く)
(演出継続)
新堂・亜唯 2021年8月16日
エビフライ!!!
新堂・亜唯 2021年8月16日
――🍤