【個】煌めく夜会を彩って
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
MM学園プロム。
通算三度目の開催ともなれば、参加者の様相も実に様々。
手慣れた様子でパートナーの手を取る者もいれば、緊張のあまりブリキの玩具のようにギクシャクとした動きを見せてパートナーに苦笑を零される者もいます。
さて、では夜会服に身を包んだ少年はというと……？
残念ながら、どちらかと言えば後者寄りでした。
何しろ彼にとっては、今回が初めてのプロムなのですから！
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（昨年は）
（プロムの後の時間を貰って、星空の下であの子と共に踊りました）
（それはもちろん少年にとって、忘れられない大切な思い出なのですけれど……）
（今日というプロム当日のお誘いをして、それを受け入れてもらえて）
（こうして彼女を待つこの時間は、去年の待ち合わせ以上にドキドキする特別なもの）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
き、緊張してきたぁ……
（落ち着いて、落ち着いて。落ち着こうと深呼吸。けれども高まる胸の鼓動は、どうにも抑えきれそうにありません）
（会場の入り口前でそんな挙動不審をしているものですから、少年の姿はとてもよく目立っています。それに……）
（彼が身を包むのは去年の夜と同じデザインの、真っ白のブラウスに黒いベスト、そして黒のトラウザーズ）
（覚えがあるなら、すぐに彼の存在に気付くことが出来るでしょう）
上巴・九虚 2024年3月31日
おやおや、エスコートしてくれる側がそんな調子で大丈夫かい？
（と少年に声をかけるのは、ドレス姿の少女。今日は捻りもなく、真っ直ぐに会場前へとやってきて）
（この少女にしては幾分珍しいだろうか。濁りなく真っ白なドレスに身を包んでいる）
（…片脚が出るような左右非対称のスカート、体のサイドに肌色が覗く大胆さは、いつも通りかもしれない）
今からそんな調子じゃ、先が思いやられるねぇ。ほら、力抜いてリラックスリラックス。
（こちらはプロムは経験済み。とはいえ…それ以上に、こういった場に慣れがあるような。余裕を感じさせる雰囲気で）
（ひらひらと手を振りながら、少年の横に並ぶ）
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
え、あっ……！
（いつものような悪戯が来ないかと、ちょっぴり身構える気持ちもあったけれど。貴女の声が聞こえれば、そんな気持ちもどこかへ飛んで行って、ただただ嬉しい思いで胸いっぱい）
（けれども指摘をされれば、今度は気恥ずかしさが沸き上がってきます）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
ご、ごめんなさい。本当のプロムって今日が初めてだから……
そ、それに……
（隣に並ぶ彼女の姿を、上から下まで見つめます）
（清楚な純白と、それに相反するように大胆なスカート。まだ見た目の年齢相応に子供っぽさも残っていた昨年の服と比べて、それはとても大人っぽくて）
……い、いえ。なんでもありません。
（かぁ、と少年の頬に赤らみが増す。こんなに綺麗な女の子が隣に居て、緊張するなという方が無理な話です）
（とはいえ、お誘いしたのはこちら側。彼女の言う通り、今からこの調子では格好がつきません。すぅ、はぁと深呼吸をして）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
も、もう大丈夫です。
ありがとうございますね、九虚さん。
（にこり。まだ少し緊張は残っているものの、幾分かいつもの調子に戻った笑みを浮かべるのでした）
上巴・九虚 2024年3月31日
なぁに、予行演習はできてるでしょ？だったら、そんなに気負う事もないさ。
せいぜいが、場の雰囲気が違うぐらいなもんだよ。
（予行演習とは、去年のプロム後の時間の事だろう）
（それに？言葉を待っていると…濁すような、ごまかすような気配と言葉）
ん、その調子だよ少年。
（調子の戻った笑みに、柔らかい笑顔で頷いて。返事を返してから…）
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上巴・九虚 2024年3月31日
ところで…もしかして、物足りなかった？
（一旦見過ごしたと思わせておいて、もちろんそんな隙をスルーするはずもなく）
（並んだ位置から、きちんと自分の全身が視界…もちろん少年の…に入るように、少し離れる）
今日も、い・た・ず・ら、してほしかった？
（くふふ、牙をちらりと覗かせながら笑って）
（肌色が覗く脚を意識させるように、下から上へと、指で脚をなぞるように動かす）
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
あはは……去年は僕が雰囲気を作ってましたけど、今日は雰囲気にお邪魔する形になりますから。
勝手が違うと思って、どうしても身構えちゃって。
けど……そうですね。
お誘いした側として、いつまでも身構えっぱなしというわけにはいきません。
（覚悟、決めました。そんな想いの籠った頷きを一つ）
（一方で、貴女の姿に対して抱いていた緊張感については悟られなかったことに、内心でほっと一息をついて……）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（いえ、バッチリ気付かれていたかもしれません。どこか挑発的な表情を浮かべながら正面に周る彼女の言葉にドキリとして）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（指先に視線を誘導され、露わになっている肌を艶めかしくなぞるその仕草をしっかりと視界の中央に収めて）
（頬紅を塗ったとしてもここまでは赤くなるまい。そんな感想を抱けそうなくらいに少年の頬は紅潮して）
く、九虚さん！
あのあの、そ、そういうのは……
……ほ、他の人に見られちゃいけませんから！
（なんて、慌てふためくのでした）
上巴・九虚 2024年3月31日
他の人に見られないなら、問題ないんだねぇ。
（くっくっ、毎度のように楽しそうに笑いながら）
（ドレスのデザイン的な肌色の話なら、他からも当然丸見えなのだが…そこは深くは語るまい）
（そうだねぇ、と呟いてから。およそ「いつもの」をやって満足したのか、からかう様子は身を潜めて）
それなら、もう中に入っちゃうかい？
心の準備ができてるなら、だけど。
（なんと今更ながら、ここは会場前。即ち人の行き来は最も多いだろう場所である）
（入ってしまった方が、おそらくは他の人に見られる数は減るだろう。という意味も含め）
（そろそろ行くかい？という意味も含め）
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
……や、あの。それは……
（肌そのものよりも、揶揄うその仕草や悪戯っぽい笑みを、なんとなく他の人に見られたくないな、と）
（独占欲丸出しの言葉だったな、と自分が発したそれに恥ずかしさを覚え、指摘には回答を言い淀んで）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
そ、そうですね！ 入ってしまいましょう！
僕は準備万端ですから。ええ、ええ！
（渡りに船、とばかりに勢い付いて、少年は何度も首を縦に振って）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（おっと、これではがっついてるように見えてしまう。こほん、と咳払いをして落ち着きを取り戻すと、自身の胸元に手を当て、恭しくお辞儀をし）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
では……今夜はよろしくお願いしますね。
麗しい純白のお姫様？
（なんて、ちょっぴり気取った言葉を紡ぎながら、手を差し出します）
上巴・九虚 2024年3月31日
んふふ。それじゃ、入っちゃおうか。
（ほんとに準備万端かい？なんて加えたくなる気持ちを抑えて）
（さて、こちらはエスコートされる側。どのように並ぼうか…と出方を伺っていると）
（お姫様…その言葉に、懐かしそうに目を細めたのも、ほんの一瞬）
（くすりと笑ってから、スカートを摘んで、礼を返し）
ええ、よろしくお願いします、騎士様。
素敵な夜にしてくださいませ。
（倣ってお姫様気取りで返してから、差し出された手に、手を重ねて。会場へと歩き出す）
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（瞳を細め、何かに思いを馳せる彼女の様子には気付いたものの。それへの疑念は胸の奥にしまい込んだまま）
（重ね合わせ、繋いだ手の温もりに感慨深さを覚える。手を繋ぐ機会は今までに何度もあったけれど。一日千秋の思いで迎えたこの日を貴女と共に過ごせるのだと、その実感が沸いてくるのだ）
（騎士、と呼ばれて照れくさそうに笑み、二人並んで入り口を抜ける）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（そうして赴いた、会場の中。夜会服に身を包んだ参加者たちの様相は多種多様で、けれども皆一様に、楽しそうで、嬉しそうで）
（キラキラ、キラキラと煌めく笑顔。それはきっと、あの日自分が生み出した星空よりも、ずっと煌めいていて）
……みんな、すっごく輝いてますね。
（なんて、惚けたように言葉を零して）
（そして、同時に）
（彼女にも、あんな風に煌めいてもらえるだろうか、と。ほんの少し、不安が鎌首をもたげ始めて）
（ちょっぴり、繋いだ手に力が籠るのでした）
上巴・九虚 2024年3月31日
（会場の中を、少年と同じように…おそらくは同じ笑顔を眺めて歩く）
（いつかより煌めいて見えるのも、致し方ない事だろう。あの時遠くから眺めた景色が星空なら、今は星空の中に居るようなものだから）
他人事みたいに言うねぇ。
今から、あたし達も、同じように輝かないといけないんだよ？
（つなぐ手に力を感じながら。輝くかもしれないと想像の言葉も、輝くんだと確定の言葉も言わない）
（「自分がより良い結果へ導くよう努力する」、そう思った時が、この少年が一番輝く時だと思っているから）
フラン・ベルジュ 2024年3月31日
あ……
（彼女の言葉に、我に返る。そうだ、自分も……自分たちも）
（煌めく夜会を彩る星々に、自分たちもなるんだから）
（いや）
（星々のように、貴女を煌めかせたいのだから）
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フラン・ベルジュ 2024年3月31日
（だから、不安なんて抱いている場合ではありません。知らず強張っていた表情が緩み、礼の代わりにまた笑みを浮かべて貴女へ向ける）
……ふふ。
そうですね、キラキラのお星さまのように……めいっぱい、輝かなきゃ。
（タイミング良く、奏でられ始める曲が一つ。きっと二人にも覚えがあるだろう。それは昨年のプロムでも奏でられた曲であり……二人が、夜空の下で手を取り合った時の、あの曲）
では……早速一曲、ご一緒していただけますか？
上巴・九虚 2024年3月31日
その意気だ。星空の中で輝くなら、思いっきり張り合うつもりでいないとねぇ。
（緊張はおおよそ消えたのだろう、普段に近い様子の少年を、笑みを見て…に、と調子のいい笑みを返して）
もちろん。しっかりリードして、しっかり輝かせて…しっかり、輝くんだよ？
（少年と正面から向き合うように立って。空いている手も差し出す）
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（貴女の返答に少年は嬉しそうに瞳を細める。差し出されたもう片方の手を取ると、頷きを一つ返して）
（そうして奏でられる曲に合わせてステップを踏んでいく）
（昨年、一度踊っているから。そして何より、この日に向けて何度も何度も隠れて練習していたから。その動きは手慣れたもので、彼の成長の証ともいえるでしょう）
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フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（曲に合わせて近づいては離れ、またすぐ傍へ。踊り始めの方こそ真剣そのものな表情だったけれど。いつしか最初の緊張はどこへやら、慣れてきたのか今では穏やかな表情を浮かべて）
……えへへ。
（……いえ。穏やかで、そして何よりも嬉しそうで。今というこのひと時を送れることに、胸いっぱいのようです）
……嬉しいな。
ずっと、こうしたかったんです。
九虚さんと、この場所で。
上巴・九虚 2024年4月1日
んふふ。しっかり経験積んできたみたいだねぇ。お相手は？
（少年の動きに合わせてステップを踏む。こちらも同じように、慣れた動きだ）
（ただ一人でステップを練習しただけでは、相手が要るダンスに、こうも慣れはできないだろう。そう思って訊いてみたのだが）
（薄っすらと…ひょっとしたら、付き合っていたのは、あの子竜かもしれない、とか思いながら）
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上巴・九虚 2024年4月1日
そっか。そりゃあ、光栄な話だね。
（一年前、そう想われていた事はわかっている。けれど…）
（そのままずっと、想い続ける事は、簡単ではないから。故に、その言葉は本心で）
それじゃあ一つ、目標が叶っちゃったわけだねぇ。
（そう言いながら。いつだったか…いや、たかだか一年ちょっと前の話だ。キラキラを見つける、そんな話を思い出して）
（もしかすると、叶ったのは一つではないかもしれない、なんて思いながら）
（くるり、ターンを挟んで）
それじゃあ、次の目標は？
（そんな質問を飛ばす）
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
ふふ。それはもちろん、ニールとです。
（彼女の想像はしっかりと的中していました。楽し気な少年とは裏腹に、ニールの方は何度も練習に付き合わされて……今日も直前まで練習していたものですから。今頃はきっとヘトヘトになって、自宅に帰ってベッドで丸まっていることでしょう）
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フラン・ベルジュ 2024年4月1日
……ふふ、ええ。
おかげさまで、です。
（少しばかりはにかんだ笑み。ターンをしてこちらへまた向き直る貴女の身体を支えるように手を伸ばして）
次の……
(無効票)
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
ええと……
……ど、どうしよう。
今が嬉しすぎて、まだ何も考えられないかも……
上巴・九虚 2024年4月1日
（どうやら予感は的中したらしい。おそらく毎度付き合っていただろう子竜に、心の中で合掌して）
（少年の支えには、遠慮なく体を預けて。先程までの様子から、遠慮は無用と判断したのだろう）
おや、それはいけないねぇ。欲を枯らさないようにするのは大切な事だよぉ？
（またステップを踏みながら、そんな事を宣う。）
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上巴・九虚 2024年4月1日
（とはいえ、すぐに出る目標もそうそう無く…そもそも結構なイベント事は済ませてきている気がする。海へ行きパレードへ行きクリスマスも遊び…）
（他にイベントごと…それも何か目標を出せそうな…）
…それじゃあ次は、豊饒祭。何かあたしが驚くようなものを用意する、ってのはどうだい？
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（遠慮も心配もなく、こちらへ身体を預けてくれる。信頼を置いてもらえているようで、それが嬉しくて。胸の奥が温かくなってくる）
（同時に、二人の距離が一層近付くことに、胸がドキドキと高鳴ったりもするのだけれど）
あはは……それは、そうかもですね。
欲や望みがあるからこそ、成長できるっていう面もあるかもしれませんし。
（それは、今の自分自身が証明しているとも思える。魔法を編むだけでなく魔道具を作れるようになったのも、こうしてダンスが上手に出来るようになったのも。貴女に喜んでもらいたい、楽しんでもらいたいという欲や望みがあったからこそ、なのだから）
(無効票)
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
豊饒祭……ですか？
（イベントとしては半年以上先。時間はたっぷりとあるけれど、だからこそ生半可なものではいけない。少しばかり緊張が走ります。けれど……）
(無効票)
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（彼女の方から言い出してくれたということは、それだけ自分に期待を寄せてくれているということ。その期待を裏切るなんてできません）
（それに何より……彼女に驚いて、楽しんでもらいたいですものね）
……分かりました！
九虚さんに驚いてもらえるような……喜んでもらえるような、とびっきりの物を用意してみせます！
上巴・九虚 2024年4月1日
そういうもんだよ、人間はね。
（知った風に言いながら、終わりが近づいてきた曲のステップを続けて）
んふふ、それじゃあ約束だ。とびっきり、期待してるからねぇ？
（まるで図ったように。そう言うのと同時に曲が終わり）
（ステップを終えたのだから、少し体を離す）
(演出継続)
上巴・九虚 2024年4月1日
…どうする？もう何曲か、踊っていくかい？
（さて、先の目標は…楽しみは、確保できた。後は）
（せっかく、そこまで想ってくれた今。一曲で終わらせるのは、きっと勿体ない）
（繋いだ手を、離すか離さないか、触れるか触れないか。ギリギリの所で止めて、訊ねる）
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
ええ、約束です。
（曲が終わりを迎え、貴女との距離が開いて。名残惜しそうな表情を浮かべます）
(無効票)
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（けれど、彼女からの言葉を聞けば）
……ふふ。
欲を枯らさないのが大事、なんですよね？
（ちょっぴり意地の悪い貴女の手を、しっかりと取って）
(演出継続)
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
（きらり、きらりと。瞬く星のように、きっと。煌めくのでしょう）
フラン・ベルジュ 2024年4月1日
【〆】
