【個】Dear Siiri
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
アナタの元へ一枚の手紙が届いた。
『今夜、屋上にて。
伝えたい事がある
よければ来て欲しい。』
スィーリ・ラウタヴァーラへ
リュヌ・ドゥートランキルテより
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リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
(扉が開く音を聞き、彼は振り向いた)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
──お、待ってたぜ。
スィーリ、いらっしゃい。
(夜の屋上にて。
月明かりに照らされた少年がいた)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
(扉の先にいたのは──天使だった)
はぅ……っ!?
(好き!大好き!!!💕💕)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
(月の光に照らされて微笑む少年は、神が遣わしたもうた至上の存在ではないだろうか。いやそうに違いない)
(改めて目の前の少年の魅力に心を乱される。でも、だからこそ──)
こんばんは、リュヌ。待たせちゃった?
(──私は彼に相応しいのだろうか。そんな風に思うときがある)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
(君の顔が見られた。まずはホッと胸を撫で下ろす)
ふふ、(今日も綺麗だなあ)
よく来てくれたね。
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
(君の声に、視線に、息遣いに。じっと集中する。そして紡がれた言葉にそっと耳を傾かせ)
うぅん、全然。
……全然、待ってないぜ。
(だって。待たせていたのは自分の方だから)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
なら、よかった。
(ほっと胸をなでおろす。急いできたつもりだが、扉の前の逡巡で時間をつぶしてしまった気がしたから)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
こんな夜中に女の子を呼び出すなんて、リュヌじゃなかったら怒っちゃうところだぞ♪
(なんて冗談めかして。なんとか自分の奥底にある不安を押し込めて)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
俺も良かった~~。来なかったら泣いちゃう所だったぜ。
(冗談めかしてそんな事を言い)
えへー、ごめんね。
どうしてもスィーリに言いたかったし、それなら早くしなきゃって思ってさ。
(ふわふわ、いつも通りの笑顔を振りまいて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
泣いているリュヌも見てみたいから、今度は呼び出されても無視してみようかな。
(真面目に検討する少女であった)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
早く……。
(何をそんなに急ぐことがあるんだろうか。二人の時間はたっぷりある。4月になってからでもいいんじゃないか)
(今じゃなきゃいけない、それって──)
いったい何をそんなに慌ててるの?新学期始まってからでもいいんじゃない?
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
ががーん!?
い、イジワルするの…?
(うるうる)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
まあそれはそうなんだけどさー。(迷う。言うべきか、言わざるべきか。けれど、呼び出したのはこれを言うがために──)
えぇっとねー。んとねー。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
う……っ!?
(きゅんっ❤可愛い!!!)
(胸を押さえうずくまっている、気持ち的に)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
(いったい彼は何を迷っているんだろうか。まるで何か言いにくいことみたいで)
もぅ、そんなに悩むなら別に今日じゃなくたって……。
(なんとか先延ばしに、したいなって)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
(なんだかあの様子だと大丈夫そうだ。良かった〜と胸を撫で下ろして)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
それは、ダメ!!!
それなら今すぐに言う!
(強い口調で止めに入って。どうしても言いたいらしい、が)
えぇっと、だな。あの、な。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
……っ!!
(リュヌの強い言葉に、びくりっと背中を震わせて)
や、やだ……聞きたく、なぃ……。
(じりじりとアナタから距離を取ろうと)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
えっ、なんで!?
(じりじり、距離を詰めて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
だって……きっと、また……っ。
(フラッシュバックするのは、1年前のあの日のこと。涙に濡れた、あの──)
(いやいや、と言うように両手で耳を塞いでしゃがみこんでしまう)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
す、スィーリ!? どどどうしたの。
大丈夫、大丈夫だからな!?
(前にも別のことで見たが、彼女の拒絶反応だ。
けれども、あれはずっと過去のことで、今回のことは……)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
……そんなに悲しませちゃったの?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
ごめん、なさい……リュヌがそんなつもりはないって、分かってるん、だけど……っ。
(自分の弱さが嫌になる。もっと堂々と話を聞ければいいのに)
(けど、だけど。あんな思いは、もう、耐えられないから)
(最愛の人が離れていく瞬間なんて、味わいたくないから)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
………。
(君の言葉を聞き、ぽろり、ぽろり。雫が溢れて)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
そっかあ………えへへ、ごめんね、スィーリ。
君の気持ちを…考えずにいてさ…
(から笑いめいた表情で、言葉を紡いでいき)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
ぅ、ぁ……。
(顔を上げると──リュヌが、泣いている。私が、泣かせちゃってる)
違うの、私、そんなつもりじゃ……っ。
(縋る様に、アナタの服の裾をつかんで)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
ううん。いいんだよスィーリ──スィーリが悪いわけじゃないし。えへへ
(袖を使ってたま粒を拭う、あとからあとからこぼれ落ちるけど、拭い続けたらきっとなくなるよね。
だから、きっと大丈夫)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
……っ。……泣かないで、リュヌっ。
(ふらりと立ち上がると、なんとかその零れる涙を止めたいと思って)
(ぎゅっとアナタを抱きしめようとするのでした)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
えへへ、いいよ、ほら、スィーリも悲しいでしょ?
オレの事は置いておいてさ──ほら、ハンカチ、持ってきてるんだ。使ってよ。
(ポッケの中から花柄のものを取り出す。優しいシルクの肌触り、きっと涙も受け止めてくれる)
(けれども渡すよりも先に、君の温もりが伝わってきて)w
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
笑おうよ、ほら、ね──
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
(ぎゅぅっと君を抱きしめて、少しでも私の想いが伝わるようにと、抱きしめて)
リュヌが泣いてちゃ、私、笑えないよ。
リュヌが笑ってないと、私……。
(言いながら、思う。あぁ、きっとアナタも同じ思いなのかもしれない、と。だから──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
──ね?
(目元を涙の跡で赤く腫らしながら、泣き笑いの様な笑みを浮かべるのでした)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
へへ……やっぱりスィーリは優しいなあ。
(君の想いが、心が、温もりと一緒に伝わってくるようで)
うん──そうだね。
(そうなのかも。きっと君と、一緒で、同じで)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
……ありがと。
(ちゅ。と口を重ね合わせて)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
……へへ。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
ぁ……。
(唇に触れる柔らかい温もりに、思わず目を見開いて)
……リュヌ。
(顔に差した赤みは、涙の跡か、喜びの紅か)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
ふへへ、……貰っちゃった。
(ごめんね、急に)
うん。スィーリ……好きだよ。
だから、ね。ちょっと、言いたいことがあってさ。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
貰われ、ちゃいました。
(あなたからの好きという言葉に、どうしようもなく胸の内が満たされていく)
……うん。聞かせて。
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
ふふー。スィーリは、オレのもの!
うん、、、あのね
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
一緒に、プロムで踊りませんか?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
えへへ。うん、私はリュヌのものだよ。
(恥ずかしく、けれどとても嬉しい宣言に頷きを返して)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
……っ!!!
(続くあなたの誘いに、思わず言葉を失ってしまうのです)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
(自然と目の端からこぼれた涙を慌てて拭って)
ち、違うの!これは、そういうんじゃなくて、だって、リュヌが、私を!!
(先ほどのやり取りを思い出して、しどろもどろになるのでした)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
は、はい。
えと、誘い……ました。
(困惑しつつ、改めて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
ぐすっ……リュヌが、私をプロムに……誘って、くれたっ
(噛みしめるように、自分に言い聞かせるようにつぶやいて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月25日
……よろしくお願いします。
(じっとあなたの瞳を見つめて、答えるのでした)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月25日
はい! いっぱい、いーっぱい、誘って、踊ろうな!
(じぃっと、君の顔と、瞳の奥を見つめて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2024年3月26日
……はい!!
(笑顔で応え、あなたの首に手を回し)
リュヌ、大好きだよ💕
(今度はこちらから唇を重ねるのでした)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月26日
~~~っ❤️❤️❤️
(しばらく、こんな光景が続きました)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2024年3月26日
【〆】