私立MM学園

【イ】エムライブ~愛を語るための音楽~

音紡・奏 2024年2月10日
そう、ラブソングだ。


18時~開演
出演:sOnUs




第一章
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第二章
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第三章
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第四章
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終幕
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音紡・奏 2024年2月10日
開演のブザーと共に、ステージへと歩む。
装いは制服のままで、特別なことは何もない。
楽器は無い。装飾も無い。地味なステージだ。
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音紡・奏 2024年2月10日
携えた一本のマイクがオンになる。

「あーあー。ん…音入ったみたいですね」

「去年の時は冒頭の挨拶とかしなかったので、ちょっと新鮮かも」
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音紡・奏 2024年2月10日
「オレを知ってる人は承知だと思いますけど、楽器はありません」

「でも音楽をやります。歌うし、演奏もする」

これでね、とマイクを掲げて。
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音紡・奏 2024年2月10日
ドンッ、とドラムを一発。
ポーン、とピアノの音も続く。

「こういうこと」
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音紡・奏 2024年2月10日
「じゃ、初めての人向けの挨拶もしたところで」

「始めましょう。今回は前と違って視覚も使うステージなんでね」
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音紡・奏 2024年2月10日
「楽しんで」

パチンッ
フィンガースナップと共に、幕が下りる────
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音紡・奏 2024年2月10日
幕を下ろしたことによって、少年の影だけが映るような形になった。
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音紡・奏 2024年2月10日
降り注ぐピアノの前奏から始まる。
何かの始まりを想起させるような穏やかな旋律。

勿論これもビートボックスの産物。sOnUsはこれと同時に歌もやる──他の誰も真似できない業によって。
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音紡・奏 2024年2月10日
なんてことのない、始まりの話をしよう。 (無効票)
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音紡・奏 2024年2月10日
「There's no such thing as a special beginning」
特別な始まりなんてものは無い

「I don't have any special feelings」
特別な感情なんて抱いていない

「One of friendship, without distinction」
友情の一つで、分け隔てなく

「I didn't even know that there was such a thing as enthusiasm」
熱狂の種が存在することも知らなかった
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音紡・奏 2024年2月10日
少年が動く。
少年が立つのは、ステージの右端。

その反対、左端に突然現れる。
長い髪のシルエット───
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音紡・奏 2024年2月10日
「There's no such thing as a special beginning」
特別な始まりなんてものは無い

「I don't have any special feelings」
特別な感情なんて抱いていない

「One of friendship, without distinction」
友情の一つで、分け隔てなく

「I didn't even know that there was a budding enthusiasm」
熱狂の芽が出ていることも知らなかった
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音紡・奏 2024年2月10日
"女"の声。
一年目のライブで一度だけ使ったきりだった、姉の声だ。

シルエットはホログラムの応用で作ってもらい、男女の声は自分で担当する───これは言わば、変則的なデュエットだ。
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音紡・奏 2024年2月10日
変わりゆく心の話をしよう─── (無効票)
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音紡・奏 2024年2月10日
第一章よりも音が増えて、ドラムとベースが加わる。
心の動き出しを想起させるように。
それを自覚した時の、鼓動のように。
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音紡・奏 2024年2月10日
「What was the trigger?」
きっかけは何だったのだろう

「It wasn't just within my circle of friends anymore.」
友達の輪の中だけじゃなくなっていた

「We have a lot of time just the two of us」
二人だけの時間がいくつもあって

「It seems like the enthusiasm is slowly gaining momentum」
ゆるやかに熱狂が風を帯びるようだ

関係性が変わる。
友達のカテゴライズでは相応しくないと。
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音紡・奏 2024年2月10日
「Ask questions deep within the heartbeat」
鼓動の奥に問い質してみる

「Should I give this feeling a name」
この感情に名前を付けるべきかを

"声"がまた変わる────
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音紡・奏 2024年2月10日
『The way I look at you has changed』
あなたへの眼差しが変わった

『Try to remember why it happened』
何故そうなったかを思い返してみる

『Those words and her actions』
あの言葉も あの行いも

『It must have been the flame of salvation for me』
私には救いの炎だったのだろう
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音紡・奏 2024年2月10日
『The depths of my heartbeat tell me』
鼓動の奥が私に言い聞かせる

『The name of this feeling is love』
この感情の名前は、恋であると

知ってしまえば、戻れない。
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音紡・奏 2024年2月10日
では、積み重ねる時の話をしよう─── (無効票)
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音紡・奏 2024年2月10日
ギターとシンセサイザーが加わり、さらに曲調は加速していく。
吹き抜ける風のように、回路を走る電気のように。
思い出の海を走り抜けるように────
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音紡・奏 2024年2月10日
「Time accumulates
ㅤBlooming spring and sunshine
ㅤThe path we walked together was shining」
 時は積み重なる
ㅤ花開く春と太陽の光
ㅤ共に歩く道が輝いていた

(花のシルエットが、ひらひらと舞い落ちる)
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音紡・奏 2024年2月10日
「Time accumulates
ㅤThe heat and wind give me courage
ㅤBoldness accelerates」
ㅤ時は積み重なる
ㅤ熱と風が勇気をくれる
ㅤ大胆さは加速していく

(まぶしすぎる太陽のシルエットが、頭上に現れる)
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音紡・奏 2024年2月10日
「Time accumulates
ㅤGentle autumn atmosphere
ㅤThe preciousness of calm time」
ㅤ時は積み重なる
ㅤ穏やかなる秋の風情
ㅤ落ち着いた時間の尊さ

(楓の木が二人の間に現れ、枯れ葉を降らす)
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音紡・奏 2024年2月10日
「Time accumulates
ㅤThe shaking chill and your heat
ㅤMy feelings are contained in the hands that connect」
ㅤ時は積み重なる
ㅤ揺蕩う寒気と君の熱
ㅤ繋ぐ手に気持ちが籠る

(降る雪が積もり、二人のシルエットが手を握り合う)
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音紡・奏 2024年2月10日
曲調が変わり、声も変わる。

パイプオルガンが混じり、どこか重く荘厳な色を感じさせる───
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音紡・奏 2024年2月10日
『Time accumulates
ㅤThese are not special days.
ㅤIt's special when you're here』
ㅤ時は積み重なる
ㅤ特別ではない日々よ
ㅤあなたがいれば特別になる

(教室のようなシルエットが構築される)
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音紡・奏 2024年2月10日
「Time accumulates
ㅤHave some chocolate
ㅤunderstand this meaning」
ㅤ時は積み重なる
ㅤチョコレートをどうぞ
ㅤこの意味を理解して

(ハート型のチョコレートが手渡される)
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音紡・奏 2024年2月10日
『Time accumulates
ㅤAttire of the sea, the heartbeat quickens
ㅤmonopolize your gaze』
ㅤ時は積み重なる
ㅤ海の装い 早まる鼓動
ㅤあなたの視線を独り占め

(海のシルエットが現れて、波を起こした)
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音紡・奏 2024年2月10日
『Time accumulates
ㅤholy night moment
ㅤplease don't leave me』
ㅤ時は積み重なる
ㅤ聖なる夜のひととき
ㅤどうか私を離さないで

(クリスマスベルの音が一時響いて、ツリーのシルエットが躍る)
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音紡・奏 2024年2月10日
そしてきっと、不安もあるだろう─── (無効票)
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音紡・奏 2024年2月10日
賑やかな音は消えて、またピアノだけになる。
どこか暗さを思わせるような旋律が、不安を煽る───
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音紡・奏 2024年2月10日
『There is no life without joy』
喜びの無い人生は存在しない

『Momentary pleasure and lasting memories』
刹那の悦楽と残る思い出

("彼女"が"彼に歩み寄る)
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音紡・奏 2024年2月10日
「There is no life without anger」
怒りの無い人生は存在しない

「Dispute and rejection, sudden passion」
諍いと拒絶 不意の激情

("彼"は背を向ける)
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音紡・奏 2024年2月10日
「There is no life without fun」
楽しみの無い人生は存在しない

「Growing expectations and a bright world」
膨らむ期待と明るい世界

("彼"は振り返り、歩み寄る)
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音紡・奏 2024年2月10日
『There is no life without sadness』
哀しみの無い人生は存在しない

『Signs of separation, gazes that don't match』
別離の兆し 合わない視線

("彼女"も同じように、背を向けていた)
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音紡・奏 2024年2月10日
「Even if it floats or sinks」
浮いても沈んでも

『Still, time moves on』
それでも時間は進むから

「Even if trials come sometimes」
時に試練が来ても

『don't give up on───』
諦めないで
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音紡・奏 2024年2月10日



「『you and me』」
ㅤㅤㅤ私たちを


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音紡・奏 2024年2月10日
そして私たちは──── (終幕)
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音紡・奏 2024年2月10日
音が帰ってくる。
溢れ出す希望のように、こみ上げるように。
賛美が湧き上がるかのように、光り輝く曲調へと。

祝福あれ、そう願うために。
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音紡・奏 2024年2月10日
「What is the way to turn this love into love?」
この恋を愛にする術は何だろう

「That's definitely something to tell」
それはきっと伝えること

「naming emotions」
感情に名前を付けること

「changing a named emotion」
名前のある感情を変えること

(弾むように歌い上げる)
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音紡・奏 2024年2月10日
(対して"彼女"は、オペラのように伸びやかに)

『Think about my love and life』
私の愛と人生について考える

『The road ahead is uncertain, but』
この先はずっと不確実な道だけど

『walk with love』
愛を携えて歩いていく

『Day by day without stopping』
日々を確実に 止まることなく
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音紡・奏 2024年2月10日
(二人が向かい合い、見つめ合う)

「『Hey, I want you to listen to me please』」
ねぇ どうか聞いて欲しい
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音紡・奏 2024年2月10日


「『I want you─────』」
私は、あなたを─────


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音紡・奏 2024年2月10日
(そこで、ふっと二人のシルエットは消えて)

(幕が上がった─────)
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音紡・奏 2024年2月10日
後にはもう、何も、誰も残っていない──────

【これにて長いラブソングはおしまい】
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