【個】あなたの友達へ
田中・夜美 2023年12月3日
七色の教室
朝から夕方にかけて、たくさんの生徒たちが授業を受ける。楽しい場所
かつては人がたくさんいて怖いと思っていた。そんな場所
今は――
#ミーレ・ベルンシュタイン
#田中・夜美
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
そか。……そっか。
うん。なら、……嬉しいです。
(はにかんだように、笑う)
(――強い気持ちをぶつけてしまうのは、「悪い夜美」ちゃんに、思い切り吐き出してしまったから)
(だから、うん。説得して考えを変えようとは思っていない。自分のやり残しは、聞いて欲しいなって気持ちを晒すことくらいだ)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
……聞いてほしかったのはね。
うん、……かざはな寮。わたくしがどうして、何も知らない学園で、真っ先に寮を始めたか。
田中・夜美 2023年12月3日
「どうして、かざはな寮を始めたのか……」
「……友達が、欲しかったから?」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
もちろん……友達も、ですけど。
一番はね、家族。
わたくしは、ずっとそれが欲しかったから。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
世界がこうなる前から、わたくしにはそう呼べる相手がいなかったんです。かつてそうだった人たちは、もうずっと、わたくしを優れた魔術師としてしか扱ってくれなかったから。
そして、わたくしも……その役割を果たし続ける以外に、居場所の守り方を知らなかったから。
だから……本当言うと、あの日。チャンスだ、急いで居場所を作ろう、って思ったんです。
わたくしにとって都合の良い役割を、わたくしにくれる居場所を。
田中・夜美 2023年12月3日
「……家族」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「その、居場所は。一人でいるところじゃなくって。……誰かがいてくれる場所……ってこと?」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
うん。
誰かがいて、受け入れてくれる場所。
わたくしは、それが欲しくて。
たぶん、きっと、必死なくらい、それを求めてた。……今も、全然変わったわけじゃあ、ないですけどね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
夜美ちゃんに知って欲しかったのはね。
わたくしの、そんな、なりふり構わないところ。
……だから。
覚えてるかな……前にね。善悪にはあんまり興味ないーなんて、言ったけど、あれもきっと、ちょっと嘘で。
わたくしは……
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
……今も。良い子の輪の中にいるのが好きだから、良い子でいるのかもしれないってこと。
このあいだ。意地悪みたいな聞き方になっちゃったけど、本当は、貴女とそういう話がしたかったんです。
田中・夜美 2023年12月3日
「それで、あんなにバッと近づいたりしてきたんだ」
「……突然は、やっぱりびっくりしちゃうな」
「うん。覚えてる」
(あれはそう、卍奪戦について聞いた時だっただろうか)
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「寮長は、良い子の輪の中にいたいから……良い子でいたい」
「なら、やみと一緒……なのかな?」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
……今思えば、その、ちょっとはしゃいでたというかぁ……。
悪かったと思ってますのよ。
(なんて、頬をかいて)
そうそう。その時のお話。
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
……うん。
きっと、同じなんじゃないかなって思ったんです。
それに、……一緒だったら。ちょっぴり、嬉しいなって。
(なんて。悪戯ぽさと、はにかみと。どちらも帯びた笑みを、くすりと浮かべて)
田中・夜美 2023年12月3日
(ぱち、ぱちと)
(髪の中の瞳を瞬かせて)
「……うん。うん、いっしょ……一緒」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「上手に友達ができないのも、嫌われたくないから良い子でいるのも」
「やみもね、一緒だと。嬉しい」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「――でも」
「一緒じゃないことも、ある」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「……やみの話を、するね」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「やみはね、家族がいるの」
「静かなお父さんと、優しいお母さんと、かっこいいお兄ちゃん」
「他の家族を、やみは知らないけど……普通の、素敵な家族だったと思う」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「寮長は、居場所を守るために……約割を果たしていたんだったよね」
「やみはできなかったよ。"元気な良い妹"だけではいられなかった」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「癇癪を起こして、全部壊してしまった。……この前みたいに」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「だからね、寮長」
「寮長とはお話したいけど、やっぱりどこかでお別れしなくちゃいけないと思う」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月3日
「やみがまた、大切な家族を壊してしまう前に」
「寮長の大切な居場所を、壊してしまう前に」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
………………ね、夜美ちゃん。
あのあと、ね。
のぞみちゃんに呼ばれて、わたくしあの場に行ったんです。
倒れちゃった人が大丈夫かとか、その後の騒ぎとか、まあ……そういうこと。心配いりませんよって、先に、これを伝えるべきだったかもしれません。
貴女は……もし今回が大丈夫でも、次は分からないって、そう言うかもしれませんけれど。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月3日
わたくしは――何をしても許す、なんてことは言いません。
わたくしはきっと極端な方なのでしょうけど、それでもやっぱり、その場にいるために守るべきことは、きっとあると思いますから。
でも……、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
……でも、大丈夫ですよ。
貴女が、あの家に戻りたいと思ってくれて。
戻りたいけれど、役割を守りたいけれど、出来るかが不安なだけなら。
守ろうとして失敗したって、今回みたいに。
駆けつけて、手伝って、誰かに迷惑をかけたら一緒にごめんなさいして。……その後、なんとかなりましたね、おうちに帰りましょうって言えるように、力になりますから。
何度でも。
田中・夜美 2023年12月4日
「大丈夫じゃないよ……!」
「さっき言ってた……寮長は、家族が欲しくって……それで必死になっていたって。……なりふり構わないんだって」
(無効票)
田中・夜美 2023年12月4日
「それとも寮長は、壊してしまった後に……ごめんなさいしても……許してくれるの?」
「なんとかならなかったとしても……許してくれるの?」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
――いーえ、大丈夫ですよ。
夜美ちゃんは、誰かの……それも、友達の本当に大事なものを。壊したら許してもらえないようなものを、壊したりしません。
貴女の力は、望みを叶える力なのでしょう?
心の底から望んでないようなことは起きようがない。
そりゃあ、誰だってカッとなることはあるとしても――、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
……夜美ちゃんは優しい子だって。
貴女が信じてなくても、わたくしは信じてますから。
そんな心配は、ちーっとも、してません。
田中・夜美 2023年12月4日
「そんな……そんなの、だめだよ」
「何の根拠もないし……」
(それに、それに)
「やみは、寮長に信じて貰える子じゃない……!」
「この間も、寮長に怪我させちゃって……」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
……強情なんですから、もう。
(なんて。ちょっと芝居がかってため息をついて、)
分かった、分かりましたー。
じゃあ、何かあった、その時は。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
ちゃんと我慢せずに怒ったり、めっ、ってしてあげますから。
で、その時に、夜美ちゃんが納得いかなかったら、ちゃんとケンカしましょう?
もちろん、言い返していーですよ。
「あれ避けようと思えば避けられたのにわざわざ怪我したでしょ」とかー。
で、怒ったり反省したり喧嘩したり、全部して――、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
……そのあと、ちゃんと仲直りするの。
できますよ。友達だもの。
わたくしは……貴女と、そういう友達になりたい。
ダメですか?
(ね、って、笑って)
(手を、貴女の目の前に差し出して)
田中・夜美 2023年12月4日
「……あ」
(差し出された手を、見て)
(無効票)
田中・夜美 2023年12月4日
「……本当に、本当に許してくれる?」
「何があっても、仲直りしてくれる?」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
分かりませんっ。
(返答は迷いなく)
(ずっと一貫した答え。何をしても許すなんて約束はしない。それはなんだか、ミーレの中で友達と交わす約束には、違和感があって)
(その代わり、)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
でも、信じて、願ってます。
きっと、わたくし達の間に起きることは、ケンカになっちゃったとしても、お互い許せることだけで。
きっと仲直りできるし、そうしたいって。
――……夜美ちゃんは、どうですか?
田中・夜美 2023年12月4日
「やみは――」
(信じられない)
(だってそれこそが怖いことで、恐ろしいことだったから)
(何かがあるかもしれなくて、それが全てを壊してしまうことが、怖いことで恐ろしいことだったから)
(無効票)
田中・夜美 2023年12月4日
. ・・・
(だから)
「やみは――やみは……やみも……信じ、たい」
「やみと、寮長が……何をしても……仲直りできるって」
(それを乗り越えて、一歩踏み出して行った時のように)
(自然と、言葉としてこぼれた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
――――……うん。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
じゃあ、……同じです。ね?
(にっこりと。笑顔を、浮かべて)
田中・夜美 2023年12月4日
「…………うんっ」
「うん、うんっ。……いっしょっ」
(笑顔を浮かべて、手を取った)
(無効票)
田中・夜美 2023年12月4日
..
田中・夜美 2023年12月4日
「寮長」
「……やみ、今から他の"やみ"たちのところに行ってくるね」
「……帰ってもいいよ。って伝えないと」
「ちゃんと帰ろうって思ってくれるかはわからないけど……」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
(手を。そっと、握って、――放して)
はい。……きっと、他の夜美ちゃんも。
それぞれ……話してること、考えてることが、あるでしょうから。
(【演出継続】)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年12月4日
――帰り、待ってますね。
もし、帰れたら。良かったら、一緒にご飯を食べましょう?
(そう、いつものように、微笑みながら、)
(そんな、いつもと違うことを、口にして)
田中・夜美 2023年12月4日
「……うん」
「寮長のシチュー、みんなで食べたらどんな味がするんだろ……楽しみにしてるね」
(笑顔でそう言うと)
(【演出継続】)
田中・夜美 2023年12月4日
(虹色の景色に溶けるように)
(消えていった)
田中・夜美 2023年12月4日
【このスレッドは終了しました】