【個】襲い来るは恐怖か
梶野・龍夜 2023年11月26日
──────あるいは、もっと別の何かか。
あの一件以来、なんとなく気まずい二人。
遠目から姿を視認しては、ふわ~っと避けていく。そんな感じの日々が続いて。
豊穣祭。普段とは全く異なる活動であるが故に。
「「────────あ」」
その場凌ぎの毎日は、あっさりと瓦解するのだ。
#薬袋・凛杏
#梶野・龍夜
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薬袋・凛杏 2023年11月26日
(暗闇。まあ、学生の出し物程度なので所々は穴が…………なんて、思いたかったが、何というか、とてつもなく『クオリティ』というものが高く、本当に一寸先は闇といった様子に)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
……じょ、じょうぶ、です、はい。
(目線を龍夜さんの胸元に集中し、周りを見ないようにする)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(周りを見た後、すぐに視線が固まった。体も強張っているのがなんとなく察せて)
…………本当に?
(少し近づいて膝を曲げ、視線を合わせにいく)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
く、暗闇という状況下にはそこそこ慣れています。
なんなら、装備は整えますが冬の山にだって植物の観察のために徹夜で籠ったこともありますから、は、はい。
(そう、暗闇自体にはある程度慣れているし夜目も聞く方だ。しかし、やはりそういった目的も無く集中できるような状況でない場合は……また別となるだろう)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
いや、そうじゃなくて────
(と、続く言葉は)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(バン!!!)
(バンバンバンバン!!!!)
(壁を叩く音で掻き消されました)
梶野・龍夜 2023年11月26日
うわっ!?びっ……くりした…………
そういう風に怖がらせても来るのここ…………?
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
ひぅっ!!
(性格上大きな声というものは出ず、か細い息を詰まらせたような一瞬の叫びをあげ身体が硬直する)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(それと同時に、小動物が脅かされたかのようぬ何かを隠れ蓑に飛びつく先は……貴方の胸元以外、近くに無い事だろう)
(白衣の袖をぎゅっと握りしめながら、目線を外に向けられない状態の少女がその場に出来上がるのであった)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(呑気に驚いている間に、少しばかり感じた重量)
(この程度鬼人であれば訳ないことであるはずなのに、思わず少し仰け反ってしまってから、慌てて受け止めて)
梶野・龍夜 2023年11月26日
ど、ど……ど、どうしたの…………?
ひょっとして────怖いの苦手?
(一度受け止めた後に慌てて離し、行き場を失った腕を彷徨わせながら、上擦った声で問いかけました)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(そう彼から問われると、少しだけハっと正気を取り戻し)
に、苦手だとか、そういうのではなく、が、元来より人間というものは視覚と聴覚など五感が長けた生物であり、そ、その中でも視覚を暗闇という状況で封じた挙句、大きな音をたてることで危機察知を無理やり働かせるということは非常に卑怯な驚かせ方であって……。
(恥ずかしさも相まってか、何とか誤魔化そうと早口で話すも)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(バンバンバンバン!!!!)
(更にせかすように壁の音が響き渡る)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(当然、声にならない叫びを少女が襲うわけで)
そ、そんなことは、ともかく、お、お願いです龍夜さん……わ、私をどこへでもいいので、早く連れて行ってください……!!
(彼の胸元に凭れ掛かるようになり上目遣い気味でそうこちらも急かす)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
そ、そっか。なるほどっ……!?
(驚いたのは、音。だけではなくて)
(彼女の重みと、柔らかさと、あとなんか良い香りがとても良くない……!)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(まして、上目遣いで見つめられると。鼓動がより早まってしまって)
梶野・龍夜 2023年11月26日
わ、わかった。
とにかく、出口。出口目指して頑張ろう。
(それがバレてしまうのがなんだか恥ずかしくて、とにかく脱出するべく少しだけ距離を離しました)
梶野・龍夜 2023年11月26日
えっと、その。
硬いかもしんないけど、手、握ってて。
ほ、ほら。暗くてさ。足元とか危ないと思うから……!
(なんて、彼女のために理由をつけて)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(本人が気づいているかは分からないが、既に目じりに若干涙が溜まっているかもしれない)
は、はい、お願いします……。
(恥ずかしさも今は表に出せない程従順に出された手を両手で掴む)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
龍夜さんは……こ、こういうの得意なんですか……?
(一人であれば全く問題ない静かさも、今では耐え切れない空気となっているためか珍しく少女から話題を振る)
(足は動かしながらも、相当恐る恐るに)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(女の子の持つ柔らかな手。触る機会こそなかったわけではないはずなのに、何故だかやけにその感触を敏感に感じ取ってしまう)
梶野・龍夜 2023年11月26日
へっ!?
ああ~~~いや、得意ってわけじゃないよ。
暗いのも、ホラーとかも普通に怖い。
怖いけど……まだこう……アトラクション的な感じだと思えば、かな。
(特に今は。と視線を凛杏に向けつつ歩みを進めて)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(ぴと、と怯える少女の首筋に冷たいものが触れる感覚が襲う)
(正体は古典的な糸に吊るされた蒟蒻である)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
そ、そうですか……私はそもそも、そういった娯楽に殆ど触れてこなかったので、得意……かどうかは、私にも分からないのですが……。
その、本来のお、お化け……屋敷なんかも、入ったことがないので……。
そもそも、お化けなんてものは、いませんし……。
(苦手とハッキリ言うことは無いが声が若干震えていること自体は貴方もすぐに分かるだろう)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(自分だけがそういったものに驚いているわけではない、と貴方の言葉に少し安心したのも束の間)
んぅっ?!
(首筋に振れた何かにのけ反り、驚きとともに少し艶めかしい声が小さく叫び声として上がる)
(聞こえているのは、近くにいる貴方だけだろう)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
────っ、だ、大丈夫!?
(若干なんか変な気分になったけど気のせい!気のせいだから!)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
(プチリッ、と何かが切れた音が二人の耳に入る)
~~~~っ!?
(恐らく服の襟に引っかかったのだろうか、吊るされた蒟蒻の釣り糸が千切れ、背中側の服の中に入り込んでくる)
(更に身体を震わせながらその場にへたり込んでしまう)
薬袋・凛杏 2023年11月26日
りゅ、龍夜さん、せ、背中、背中に何かが……と、取って……取ってください……!!
(シャツを脱げば落ちていくだろうが、流石に貴方の前でいきなりスカートのホックを外すなどということも出来るはずがなく、半狂乱のパニックになりながら背中側を見せるようにして貴方に懇願するだろう)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月26日
え?え?な、なんで?
(何かが切れた音がした気がするが、その先は分からぬまま)
(ただ目の前に、彼女のうなじとその先があって)
梶野・龍夜 2023年11月26日
(取って、と言われた手前とこんな状態の彼女を放って断れるわけもなく)
手、い、入れるよ……!
(ごめん……!と手を差し込みました)
(何が入ったのだろうと恐る恐る。傷つけないようにそ~っと探って)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(冷たくぬめり湿った蒟蒻は運がいいのか悪いのか、縦長になった長方形の状態でぺたりと少女の背中に張り付いているため、少し手を伸ばせばそれを取り出すことが出来る)
(ただ、滑りに滑った湿った背中に貴方の手が触れれば)
ひゃんっ……す、すみません、変な声出しちゃって……!!
(むず痒そうに表情を赤らめて手で隠しながら、首を回して振り向く少女が貴方の顔を見つめるだろう)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(そして、勿論、少女も身に着けていないわけでは無い)
(貴方が腰ほどまでに滑り落ちた蒟蒻を拾い上げるのであれば、相当注意を払っていなければその手は勿論その紐に触れることにはなるだろう)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月27日
っ……!
だ、大丈夫…………!
(声と、彼女の顔。思わず視線を逸らしてしまった)
梶野・龍夜 2023年11月27日
(が、故に)
(蒟蒻を握った鋭利な手が、紐に触れて)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(パチン)
(気の抜けたプルタブが開いたかのような、何かが解き放たれたような音を二人は耳にするだろう)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
…………っ!?
(そして、少女が感じるのは解放感。ふわっと、肩の荷が下りるかのような軽さを一瞬感じ)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
ご、ごめんなさい……!!あ、あの、えっと、いや……し、しばらく、このままで……ダメでしょうか……?
(そのまま、貴方の腕を抱きかかえるように両腕を抱きながら、胸元を押し付けるようにして立ち上がる)
(既に彼が蒟蒻という異物を恐らく手にして取り出してくれているとはおもぅが、この身体を腕から離すと、ストンと落ちてしまいそうなのだ)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月27日
────?
梶野・龍夜 2023年11月27日
!!!???
(それは、いくら朴念仁のこの男にも理解出来るほどの────)
梶野・龍夜 2023年11月27日
(とりあえず、蒟蒻は取り出した)
(取り出した、が────それ以上に)
(“やってしまった”)
梶野・龍夜 2023年11月27日
えっ…………と、だ、大丈夫。
大丈夫じゃないと思うけど…………ど、どうしようか。
(全然露出しているわけではないけれど、そちらを見ていることも憚られて、後ろを向いた)
(無効票)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(顔、見れません)
(声もきっと今は、色んな感情で震えてしまいます)
(表情を悟られまいと腕にうずめる顔も、耳は真っ赤に染まり)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
……は、早く、出ましょう。
その、外の人達の反応的に……こ、こういう展開になるのを、望んでる……ってことだと思いますし……。
(いくらそういったモノに疎いとはいえ、流石にあれほどまでに熱烈に力説されれば理解する)
(今、そういった驚かしが襲ってこないというのも出し物側的にも満足したんじゃないかなんて)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(落ちてしまわないように、しっかりと貴方の腕を抱きかかえながら)
その、大丈夫ではない、です。
だから……大丈夫になるまで、傍にいてください……。
(手洗い場などでこの状態を解決しなければならないのは勿論のこと、先ほどの驚かしも踏まえ、一人では歩けそうにない)
(だから……私は、貴方にお願いをするのだ)
(無効票)
梶野・龍夜 2023年11月27日
(腕を挟むそれは────豊満で、柔らかくて。温かくて…………)
梶野・龍夜 2023年11月27日
(ってそうじゃなくて!!)
梶野・龍夜 2023年11月27日
わ、わかった……えっと……じゃあ、ゆ、ゆっくり行くから…………
(色々な要因で震える彼女に合わせて、恐る恐る、そっと歩いていく)
(抱きかかえられた腕を意識しないように、逆に意識してしまいながら)
…………凛杏の、傍にいるよ。
(。)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(自身が身体を密着させているのだから、貴方の頭が近づき声が耳元で聞こえてしまう)
(恥ずかしいと思ってしまいながらも、どこか安心してしまうような、そんな)
(外に出る頃には、流石に一人で歩けるようにはなっているだろう)
(だからこそ、今だけは)
薬袋・凛杏 2023年11月27日
(洗濯洗剤と貴方の汗という、不思議な匂いを感じながら、少女はうずめた顔を上げることなくこくりと頷く)
(早足ながら、しかしこの時間がもう少し続くような、小さな歩幅で出口までゆっくりと歩いていくのであった)
(。)
梶野・龍夜 2023年11月27日
【〆】