【個】今宵、ナイトレコードにて
十埼・竜 2023年11月10日
────地下に、夜も昼もないのだが。
いつも妙に薄暗く、寝静まったように静かで、ネオンサインの映えるその区画は
「マヨナカ街」、と呼ばれた。
その一角に。
カフェバー「ナイトレコード」の看板が、掲げられている。
「……やあ、きみ、今ひとり?」
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
ん。マスターには。頑張ってもらわないと。
ここはすごく。落ち着くから。
私は……リヴィア。リヴィア・メルビル。
ちょっと前に。ここ来るようになったけど。
住んでるのは。ヴィラのほう。
(無効票)
十埼・竜 2023年11月10日
リヴィアさん、だね。……ヴィラ?(首を傾げた。……そういえば、どこかにそんな名前のマンションがあったような)
……住んでないのに、夜中にモールの地下は結構勇気あるなあ(苦笑いを浮かべて)そういえば、探検中……みたいなこと、言ってたね?
(無効票)
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
ん。でっかいマンション。
大家さん。すごくいい人だから。
迷子に。ならないようにって。知ってる範囲。増やしたかったから。
……そしたら。ここに来れたから。大きな収穫。
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十埼・竜 2023年11月10日
……迷子には絶対なるからなあ、このモール……(キュウッ……)
……まさか、ただいま絶賛迷子中だったわけじゃ……ないよね?(いやそれはそれで、保護できたからヨシ! なんだけどさ)
(無効票)
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
大丈夫……な、はず?
(疑問形。半分嘘で、わかる範囲まで戻ればわかる程度の曖昧さ)
結果的に。迷子になっても。わりと。なんとかなっちゃうし。
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十埼・竜 2023年11月10日
(不安だ)
(……そもそも、ぼくみたいなのに声をかけられて警戒した素振りがなかったのも、不安だ……)
…………やっぱりアリアドネの配備を急いだ方がいいのかなあ……(小声)
なんともならなかったり……ほら、地下って危ないのも結構いるからさ。万一があったら、すぐに大声で呼んでね。それでなんとかなる時もあるから……
(まるで、何処で呼んでも聴こえているみたいに言う。)
十埼・竜 2023年11月10日
(――――お待たせしました)
(細長いグラスの、底は澄んだ深い青。そこから上に向かうにつれ、透明へと美しいグラデーションを描く)(色を失った水面には、荒く砕いた氷が流氷のように浮かぶ)
(“Deeper,Deeper”。爽やかなオレンジやグレープフルーツの香りの、すっきり甘酸っぱいカクテルだ。)
(そのままでも、軽くストローで混ぜてもいただけます。)
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
そう、なの?
(それならば……今までのは、だいぶ幸運だったのだろう)
……じゃあ。いつでも。来てくれる?
(期待と不安の入り混じった声。安心しても、いいのかな)
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
…………綺麗。
(深海を連想する深い青に、光が差すようなグラデーション)
(流氷のような氷が浮かぶ様も、自分に重なって見えて)
(しばしの間、魅入ってしまう)
……竜、さん。
連れてきてくれて。本当に。……ありがと。
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十埼・竜 2023年11月10日
……呼んで来るのが、僕自身じゃないかも知れないけどさ。僕、喧嘩が強いわけじゃあないから。
(そこはウソはつけない。期待に添えないかもしれないけれど。)
ただ、必ず助けは寄越すよ。それが僕の仕事だからね。
十埼・竜 2023年11月10日
(きみが見惚れる、その横顔をじっと見ていた。)……きみの髪の色を見たら、このカクテルが似合いそうだなってさ。
気に入ったみたいで、よかった。
ふふ、お互い幸運だったってことだよ。んじゃ、出会いに乾杯しとく?
(と、同じ色をした自分のグラスを掲げる。)
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
……でも。助けれくれるなら。
とっても。安心できるから。
(にっこり微笑んで。もう少しだけ、彼の傍へと近づこうと)
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
色も。名前も。いろんなものが。ぴったりで。
なんか。すごく嬉しい。
ん。竜さんに。このお店に。出会えたことに。乾杯。
(同じように掲げて。光が差すと、澄んだ面も見せて)
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十埼・竜 2023年11月10日
(近づいた彼女の笑顔に、微笑み返す)
(訥々とした話しぶりに反して、結構懐っこい子なのかも知れないな、と思う)
(……ますます心配……!!)(せめて地下に入らないように言った方がいいかなあ)(一応モールスタッフとして……いやしかしお客様の自由意思を阻むことは……)
十埼・竜 2023年11月10日
(……などというモニャモニャは全部笑顔に隠して)
かんぱーい。……未成年だけどさ。
名前まで気に入った? 海の断面みたいだよね、このグラスの中。
(ぴん。ガラスを指ではじく)(マスターがちょっと嫌そうな顔をする)
僕も、海が好きでさー。もともと海の側に住んでたから。
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
(微笑み返してくれた彼に、また高鳴って)
それは。そうだけど。ちょっとだけ、背伸びして。
明るいところから。暗いところまで。
吸い込まれそうな。感覚あって。
……竜さんは。そう、だったの?
(かくり、首を傾げて見せて)
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十埼・竜 2023年11月10日
そ。予行演習、予行演習。
十埼・竜 2023年11月10日
吸い込まれそう、かあ……そうだね。きみ、見たことがあるみたいに言うなあ。(グラスの中に、懐かしいものが見えたように)(目を細める。)
“沈む”と“落ちる”の境目、って、どこなんだろうね。
深海のロマン……ってのを、信じてた子供だったんだよ。「首長竜の生き残りがいる」とかさ。
(そう嘯くぼくは、未だ、お酒も飲めない“こども”な訳だけど。)
(ぼくが飲み込むたびに、グラスの中の海は減っていく。)
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
それは。だって。…………
(話そうとして。彼の言葉を遮らないようにして)
(沈むと落ちる。たしかに、何が違うんだろう)
……それは。素敵って思う。
会えるなら。見れるなら。私だって。見てみたいから。
(大事そうにちびちび飲みながら。彼の過去に思いを馳せる)
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十埼・竜 2023年11月10日
でしょー、見てみたいよね!(男子浪漫の顔をした)
……ディヴィジョンのゴンドワナにはいるんだろうけど。あれは恐竜っていうか……なんかもう別のものじゃん!!(実際巨獣は別物である)
十埼・竜 2023年11月10日
……だって、何?(何かいいかけた、きみの言葉の先を促した。)
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
…………あの悪魔が。私たちに。そうしたから。
(蘇る記憶。昏く苦しく辛い記憶。自然と、グラスを持つ手に力が入って)
(感情の揺らぎが冷気として漏れ出てしまう)
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十埼・竜 2023年11月10日
(きみの言葉。それに伴う、“波”)(これは)(危ない、と、咄嗟に感じた)
ごめんね。
(“波”を打ち消したい、みたいに、わざと明るく遮る)
嫌なこと聞いちゃったかな。
十埼・竜 2023年11月10日
……何か、ちょっと冷えて来たね。きみ、平気?
なんなら、上着貸そうか。
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
(彼の言葉で我に返って)
……あう。ごめんなさい。
私は。大丈夫。
いつかは。向き合わないと。いけないから。
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
……冷えるのって。たぶん。私のせい。
私は寒くない、けど。
……竜さんの上着。
(少しだけ迷って。物理的な温かさもそうだけれど、きっと精神的な温かさも、きっとある)
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十埼・竜 2023年11月10日
(すぐに浮かび上がってきてくれた)(いい子だね。微笑む。)
……そっか。まあ、この島にいるんだから、色々あったよねぇ。
ゆっくりで、いいんじゃないかな。……僕らには、こんなところで飲む時間もあるわけだしさ。
十埼・竜 2023年11月10日
きみのせい……きみって、(グラスの中には、もうだいぶ角の丸くなった氷。それを暫く見詰めて、言葉を探す)……そういう、魔法使いか何か?
そう。僕の。
(最近夜は冷えるから、少し分厚いのを着るようになった。特に珍しいところもないジャケットを、とりあえず脱いで)
はい?(差し出す。)
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リヴィア・メルビル 2023年11月10日
ん。ゆっくり。
……もし。竜さんがよければ。
もうちょっとだけ。一緒にいても。いい?
(微笑みに頬を染めて)
リヴィア・メルビル 2023年11月10日
……だいたいは。そんな感じ?
こんな感じ、だから。
(普段ならいい感じの大きさな、氷製のソードビットの縮小版を手元に召喚してみせて。即座に霧散させる)
竜さんの……
(大事そうに受け取って。羽織ると生地をぎゅぅっと抱きしめた)
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十埼・竜 2023年11月11日
……時計が12を指す前までなら、ね。(唇に指を当てた)どうしました、人寂しい夜でした?
十埼・竜 2023年11月11日
なんか……剣呑なモノが出てきたんだけど(マスターもちょっとびっくり顔)
なるほど。地下でも十分渡り合えるタイプだ。
十埼・竜 2023年11月11日
……やっぱ、結構寒かったんじゃないの?(羽織った仕草に、くすくす笑う)
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リヴィア・メルビル 2023年11月11日
……もしかしたら。そうかも。
離れたくないって。思っちゃうの。そうないから。
(仕草にまたドキドキしてしまって)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
これだけじゃない、けど。
不良とかだったら。普通に。やりあえると思う。
……寒いのは。それも。そうだけれど。
(だからこそ。心の空白が、柔らかなもので満たされていくのを感じるのだ)
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十埼・竜 2023年11月11日
(ますます地下じゃ危ういタイプの子だなあーー!!!)
……困ったな、僕、実はみんなのラジオ屋さんなので。
夜は放送があるので、行かなきゃいけないんだけど……ちょっと早めに出て、ヴィラまで送りましょうか。
それと。……あんまり地下で、そーゆーこと、言わない方がいいですよ?
(どんな狼が出てくるかわかりませんから。片目を瞑る。)
十埼・竜 2023年11月11日
……それ、多分僕より全然強いよ。
(苦笑いして、)
(自分の上着にくるまる彼女を見る。寒い海で、凍えた人間が浮かべる表情に)(どこか似ていると、勝手に思った。)
(心を溶かす安堵と、温もりで満ちる喜びに。)
……気に入ったなら、暫くどうぞ。
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リヴィア・メルビル 2023年11月11日
……ラジオ。
えっ。すごい……
けど。それなら。邪魔しちゃったら。悪いから。
……上までお願い。してもいい?
(誰にでもこんなことは言わないし――普通なら、警戒がどこかに残るが)
(そうではないのだ。ほら、今だってこんなに身体がぽかぽかして)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
……ありがと。
(冷たかった心が、氷が解けて満ち満ちていく)
だから……
(グラスを空けると、席を立って)
(大切なものへそうするように、隣の彼を抱きしめようと)
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十埼・竜 2023年11月11日
それくらいはお安い御用で。
マスター、ご馳走様ー。ちゃんと明日からもここで営業しといてくださいね? 僕、ここに音源借りに来るの好きなんだから。
(会計を済ませて、席を立って、)
十埼・竜 2023年11月11日
(……カウンターから降りたところを、きみの腕が迎え入れた。)
(きょとんと、目を瞬かせる)
(いつものぼくの上着の匂いと感触を、その温もりから引き算する)
(……それは決して、冬の海の冷たさではなかった、と思う)
十埼・竜 2023年11月11日
……(きみの背中を、とん、とん、叩いて)どしたの。眠い?
(冗談みたいに、)
じゃ、帰りましょっか。(軽い声で。)
(無効票)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
ありがと。
……私も。また。こっち、来ようかな。
(迷わなければ……いいや。上層まで送ってもらうのだ、迷うこともないだろう)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
……にぶちん。
(ちょっとだけ腕の力を強めて。小さく呟いて)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
(そうして。顔を上げると)
ん。いっしょに。帰る。
(少しの名残り惜しさを感じながら離れて。手を繋いで帰ろうと)
(無効票)
十埼・竜 2023年11月11日
(ぼくは、耳がいいから)
……ん、何か言いました?
(全部聴きとった上で、冗談にしか出来ないんだぜ。)
十埼・竜 2023年11月11日
ん。
(差し出された手を、ひいて)
(ありがとうございました、の声を背に。)
十埼・竜 2023年11月11日
(偽物の真夜中を、上へ上へと昇っていけば)
(――――モールの外には、本当の真夜中が広がっていた。)
(■)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
……なんでもない。
(きっと、まだまだ知らないことだらけだから)
(すこしの痛みはあるけれど。気にしてないと表に出して)
(そうして、エスコートしてもらって)
リヴィア・メルビル 2023年11月11日
(光を目指すように、浮上するように。外へと出ると)
(暗闇に瞬く無数の星が、熱を帯びた心を優しく冷ましてくれた)
(忘れられないひと時を、胸へと刻んで)
(〆)
(■)