【個】たゆたい、そして。
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
先の模擬戦から二日ほど経過して……。
学園の保健室では、今日も蝶の少女が眠り。
白い"蝶"とオラトリオの少女は動いて、止まって、戻して、その繰り返し。
そして、その場所へ向かうのは……
#十埼・竜
#紫雲・朱夏羽
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紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(オラトリオの少女が近寄り、虹色の"蝶"をそっと手に取って)
(『大丈夫。』『大切にしてくれて、ありがとう。』と波が響き)
(虹色の"蝶"は、朱夏羽の中へ帰っていく)
(ほんの少し、翅色が薄い緑になった)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(ぱち。目をぱちぱち。)
……う……?
(ゆっくり視線を動かして、あなたが見えて。)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
あ……竜……?
(こてん、と首を傾げた。)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
うちの局の、大事なお客様だったからね。
……またおいで。
(それにたとえ、“個”が無くとも)(うちの局員たちは、そういうことを気にするタイプではないのだ)
十埼・竜 2023年10月17日
(彼女に、“波”が還る)
(薄緑の波。)
……。
(きみの白銀の瞳が一瞬とらえた少年の顔は、ひどく心配そうだったかも知れないけれど)
十埼・竜 2023年10月17日
(まばたきひとつする間に)
やあ、朱夏羽ちゃん。きみもサボりかい?
(いつもの軽薄に人懐っこい調子に、戻す。)
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
さぼ、り……?
(一瞬見えたような、心配そうな表情。けれど次には、いつものあなたに戻っていて。ちょっと首を傾げてから)
(ゆっくり、首を振る)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
サボる、つもりは……ない、けど……
(さっきより良くなっているけど、まだやっぱり動きにくい。)
……私、どのくらい、寝てた、かな……
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
……うまく喋れないってことは、体はまだ寝足りないってことだよ。
別にいいじゃん、どのくらい眠ってたか、とかさ。
(二日間、と素直に言ったらびっくりするし、心配するんじゃないか)(そういう、ただの懸念だ)
……どーしても教えて欲しい?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
……、そ、なのかな。
(……寝足りない? ううん、違う。中身を殆ど空に、してしまったから……)
(……心配かけてしまうから、言わないけど)
……うん、だって、遅れた分、取り戻さなきゃ……
(黄緑色の"蝶"は、まだいる)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
……遅れたぶんって、何を?
授業だったら大したことないよ。僕たち、ディアボロス稼業で数日休むなんてよくあることじゃない。
たった二日だよ。
(なんでもないことみたいに、さらっと口にする。きみからは目をそらして。)
(そこにいる蝶を、見ていた。)
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
それは、……そう、だけど。
(『気持ち』『焦りすぎだよ』)
……イリスは、黙って……もう、帰っていいのに……私なら、大丈夫なの。
……、二日。そっか……そんなに、寝てたのね。
(黄緑色の"蝶"は、イリスの思いを増幅している。あなたに、普段の朱夏羽とイリスのやりとりが、分かるように。)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
(なるほど)
(……レディ同士の会話が筒抜けであることを指摘すべきかどうか迷って)
(少なくともオラトリオのお嬢さんは自覚的だろう、と判断した)
十埼・竜 2023年10月17日
まあまあ。……心配してくれる、優しいサーヴァントじゃない。
僕んとこだったら、二日も無防備に寝てたら寝首を掻かれてるよ。(冗談でもないのが若干悲しい!)
……眠る前のことは、どのくらい覚えている?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(『あなたの黒い竜』『その子が、異変を最初に気付いたんだよ』)
……竜と、一緒の、黒い竜が、私の事を、竜に?
(そういえば、今は見かけてないな、と思ってから)
……模擬戦、したの。
(おずおず、と)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
模擬戦、してて……頑張った、けど……途中で、何があったか、覚えてないの。
気付いたら、降参して……身体も、動けなくなってて……
(『朱夏羽の……魂、エネルギー、かな』『殆ど無くなって』『今は、かなりエネルギー不足……かな』)
(イリスは、ちら、とあなたを見つつ、補足する)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
……きみは知ってるんだね。それを。
(やっぱり、虹色の蝶の知覚を、オラトリオの彼女は共有している?)(さっきも、彼女と蝶の両方から“波”が聴こえていたし)
ああ。……あいつ、僕並みに耳がいいんだ。
(その上、世界の殆どすべてに興味がない。つまり、極めてノイズの少ない世界に生きている)
(数少ない関心事は、周囲の“活性”と“鎮静”だ)
(……蝶のかたちをしていても、その実態が“感情”、魂という“波”の塊だったからこそ、あいつの興味を惹き続けていたんだろう)
十埼・竜 2023年10月17日
…………。
(オラトリオ嬢の補足説明に、わかりやすく苦虫噛み潰した顔をした)
怒りゃしないよ、そんなにビクつかなくても。僕はそーゆー立場じゃないからね。
…………イリスちゃん。このお嬢さんがこうなるのって、よくあること?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(『うん』『大元は同じだし』『……似てるのも、あるかも。君達と、少し』)
イリス……?
(『ん、なんでもないよ』)
(ごく僅かに、にこ、とイリスは笑う。)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(よくあるか、と問われて)
(『いつもは』『気を付けてる』)
(『少し、使いすぎることも』『ままある、けど』)
(『あの時は、臨界点を超えて』)
(『朱夏羽の本来の姿で……制御出来なくなって』)
(『結果は』『見ての通り……だね』)
(苦笑した)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
僕たちと似てるって、サーヴァントだから?(まさかぁ、と苦笑いして)
……生憎あいつは、獣だよ。
(そういうかたちに、堕としたのはぼくだ。)
十埼・竜 2023年10月17日
……ありがと、イリスちゃん。
(溜息)
朱夏羽ちゃんは、なんでまたそんなに「頑張っちゃった」んだ。
ヤなことでもあった?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(『……それも』『なのかな』)
(『"聞こえやすい"ところ』
『そういう性質のとこ、かもね』)
(『朱夏羽自身は違う、けど。』)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
……だって、
頑張りたいもの。
……強くなりたいもの。役に立てるくらい、強く。
(どこまで強くなれるか、試したかった模擬戦。)
(『暫く無理』『禁物だよ』)
……。
(ぷち膨れっ面。)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月17日
……ふぅん。イリスちゃんと共通点があって嬉しいな。僕たち、仲良くなれそうじゃない?(冗談交じりに、いい声で囁く)
ああでも、イオンはやめときなよ。あいつ凶暴だから。
十埼・竜 2023年10月17日
(愛らしいふくれっ面にくすくす笑う)
強さってのは瞬間火力に戦闘継続力、色々あってね……なんて話は、それこそ授業で聞くべき話だし、きっとイリスちゃんからも文句言われると思うけど。
その「模擬戦」で、きみは何か学べた?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月17日
(『前よりは』『聞こえないけど』)
(『それでも少し』『君の"音"も』『黒い竜……イオンの"音"も』『気になってたから』)
(『仲良く』『出来たら嬉しいよ』『もう、私の自我は』『少ないけど』)
(くす、と、小さく笑うような波が届くかもしれない)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
……、私は、まだまだ、全然弱いの。
(『うーん……』)
もっと、ね、動き続けられるようにならなきゃなの。
(『まぁ、うん』『感情や、魂のエネルギーじゃなくて』『エネルギーになる魔力を補う』『かな……』)
(拙い結論は、イリスが補っていく)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月18日
……僕たちの音が気になってた?
(いや)(「自我が少ない」?)(どういう意味だ、という視線をオラトリオと、蝶の少女に向けた)
十埼・竜 2023年10月18日
……外付けバッテリーしかない魔法使い、だったら知り合いにいるんだけれど。
感情と、魂を使い過ぎたから(いつも鮮やかな色の、蝶の翅を見て)……って、それって何かで代替可能なの?
(そもそもそれって、どうやって回復させるんだ……?)
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
(『朱夏羽は知らない』『こうしてサーヴァントとして色濃く出ている私が元々、誰なのか』『薄々、気付いてるかもしれないけど……』)
(『今でさえ』『危ない状態だから』『出来れば、気付いても』『教えないで』)
(黄緑色の"蝶"をあなたに向けて、あなただけに思いを発しているようで)
(『朱夏羽の魂は一つ』『でも、幾つもある感情や』『魂が混ざりあって出来てる存在』)
(『魂を、先の模擬戦で結構消費して』『辛うじて残ってるだけ、だから』『私の自我は、残り少ない』)
(上手く伝わるだろうか、とそっとあなたを見る)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
(さっきから、何を話しているのだろう、と思うけれど、大事な話なのかもしれないとそっとしていて)
……甘い物を食べたら、大丈夫よ?
(『……正直、効率がいいのは生きてる人の感情』『でも』『……』)
……イリス。いい加減にしないと、
(『魂が』『……本来は、回復するためにいい』)
(『魔力として使えるから』『もしかしたら、魔力が代用出来るかも、とは思う……』)
…………。
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
…………。
(翅色が、少しくすんだ)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月18日
(……これは)
(言葉にしなくて正解だったらしい。)
(消費すれば、癒えない代償)
(朱夏羽ちゃんは、知らずに戦ってるってことか?)
(耳がいいらしい、オラトリオに聴こえる程度の“波”で)(囁く)
……個人的な意見を言えば。
きみは自分を守るべきだったよ。(そこまでの自我を持つのなら。)
十埼・竜 2023年10月18日
……感情、魂、ね……
(重そうな頭を、少し傾けて)……まあ、僕、結構おいしいらしいし。きみが足しにするくらいなら……それってどうやって食べるの?
(あっさりと、口にする――――食べられ慣れているからだ。あくまでサキュバスや吸血鬼的な意味ではあるけれど)
十埼・竜 2023年10月18日
……何しょんぼりしてるの!?(翅の色が“そう”ってことは“そう”なんだろ!?)
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
(『うん』『ありがとう』)
(『大丈夫、』『そうなると思って』『始まる前に欠片を残すように促したし、ね』)
(『親として、朱夏羽の成長を見守れるだけで』『……本望だよ』)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
だめなの!!!!絶対だめ!!!
食べたら、きっと、また、全部食べちゃう……
そうなったら、竜が居なくなっちゃうの!!
(くすんだ色から、徐々に暗めの灰色に染まっていく)
(『"蝶"か、翅に触れると』『うぅん、感情から吸収されて、すっかりなくなる、と思うよ』)
(『空っぽだと、制御出来なくて』『魂も食べることを、懸念してる』『そうしたら、いくら復讐者でも、戻れないと思う、からだね』)
(無効票)
十埼・竜 2023年10月18日
(親)(親かあ)
………………そういう話、僕ほんっっっと弱いんだよね。(ぼそり)
十埼・竜 2023年10月18日
……。
(強い、拒絶)(いや、これは恐怖?)(“また”……前にも似たケースが?)
……あまり軽々しく、言うことじゃなかったね。ごめん。
十埼・竜 2023年10月18日
ただ。
きみが、ぼくを食べ尽くすのは無理だよ。
(きっぱりと、言い切る)
ぼくの魂は、誰にも手を出せないんだ。ぼく自身にも。
そこは安心して。
十埼・竜 2023年10月18日
ま、きみが嫌なら無理にとは言えないな。体調は心配なんだけど。
……しかし、じゃあ、こう……魂とか感情を……切り離して翅にぶつける……?(理想図を模索する)(こういうところから人間は技術を発展させるんだ、たぶん)
僕はそういう神秘系、知覚出来ても扱えないからなあ。
まあ、とりあえずは、さ。
(ますます暗く沈む翅を見る)(……くすんだ白のまま変化しないより、よほど)(生きているのだと思いたい)
甘いもの食べて元気出しとこっか。何か買ってくる?
(無効票)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
(『まぁ、』『善処は、してる』『……かな』)
(苦笑するような、波を出して)
(……ふわりと、黄緑色の"蝶"は役目を終えて消えていった)
(波も静かに消えていく)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
……竜の馬鹿なの。謝ったから、許すのだけど。
(ぷくっ。)
(ほんの少し、薄緑と灰色になって)
……。
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
……竜のことは、信じられない訳じゃないのだけど。
大丈夫って言った人が大丈夫じゃなかったから、怖いの。
……でも、ありがとなの。いっぱいお話聞いてくれて。すっごく怖いお話なのに、聞いてくれて。
……私も、いっぱい考える。
それで、その……
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
……うん。甘いもの、食べに行こ、かな。
(よいしょ、とベッドから降りて)
(オラトリオは消えて)
(保健室から、あなたと一緒に出ようとするだろう。)
(口を閉じる。)
十埼・竜 2023年10月18日
……申し訳ございません、お嬢さん。(仰々しく頭を下げ)
お詫びに、食堂までお連れ致しましょう。(うやうやしく、きみに手を差し出して――――)
十埼・竜 2023年10月18日
(――――きみと連れ立ってゆく、間)
(聞いた話を、繰り返し考えていた。)
(口を閉じる。)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
ち、ちょっと、竜、私はもうお嬢さんっていう家柄でもないのに。
でも……ふふっ。お願いします、なの。
(そう言うあなたの様子に、くすりと笑って手を取り、食堂へ)
紫雲・朱夏羽 2023年10月18日
(たゆたい、そして、また歩み始めよう。)
【〆】