【個】宵桜、融け合うことの
十桜・ひとめ 2023年9月19日
時は少し遡り、夏漣祭。
ナイトプールにて、交わる乙女二人。
#十桜・ひとめ
#虚ヶ谷・ワチカ
1
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
もっと!?
(思わず大きな声を上げてしまった)
ど、どどど、どうしたンですかひとめさン!
なンか今日、いつも以上にスキンシップが多いとゆうか、其の、いや、別に、ぎゅっとするのは良いンですが――
(おや?)
(其処でわっちは思わず間近にあるうつくしいかんばせに視線を移し、気付いた)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
(……カクテルグラスを持っていない方の手を、そっと彼女の頬に寄せる)
(触れる事はなんだかはばかられて、寄せるばかりになってしまうが)
……。
(うーん?)
(わっちはこの“症状”を知っている。でも、本来なら此処で起こり得ない事なんだけど)
……ひとめさン。
あの、…もしかして、もしかしなくてもなンですけど……
酔ってます?
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
ん〜〜〜…………?
(ぽわぽわとした様子で、頬に寄せられた手のひらに顔を預けた)
(少しひんやりとした感触が心地良い)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
ん〜、酔ってないわよ、ワチカ。
我、知ってるのよ。
このカクテルは本物じゃないから、どれだけ飲んでも酔わないって────
(どこかとろんとした瞳。何人も魅了してしまうその輝きは、逆に自らが魅了されてしまっているよう)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
(水着だから、水辺だから、自然と体は冷えていく。)
(だというのに、目の前のひとの頬は熱く感じる。)
ん-。
風邪とかじゃなさそうだし…
(わっちだって一応白のクラスだ。其の熱さが良いものか悪いものかくらいは判るのだ。そしてこの熱は、多分、悪いものではない)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
だよねえ?
だって此処、学園だし。お酒が飲める人は……大学部も確か出来たばっかりだから、いないし…
(大学生って確か18歳からだよね? なら、まだアルコールは用意できない筈だ)
うんうん、そう、本物じゃない。
まあ本物じゃないというか、ノンアルコール用のカクテル、らしいけど……
いやでも、ひとめさん、ほっぺ赤いし。熱いし……
(とろり蕩ける飴のようなオッドアイに、思わず目を奪われそうになる。いや駄目だ、流されるな! わっちは頭をぶんぶんと振って、目の前の人の魅了から逃れようとする)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
と、…取り敢えず、座ろっか。
はい、椅子まで行きましょうね。取り敢えず座って、そしたらわっちお水とって来るから。ね?
(プールサイドにはビーチチェアとテーブルが幾つかある。「酔ってない」筈なのにどうみても酔っ払いみたいなひとめさんを誘導するように、ゆっくりとビーチチェアへと歩もうとし)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
(話がわかっているのだかいないのだか)
(ずぅっとふわふわにこにことワチカのお話を聞いていて)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
(いざ誘導されんとした刹那)
(ふと)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
……………………やだ。
十桜・ひとめ 2023年9月19日
我はワチカと一緒にいたいんだから。
(と、意識の矛先がズレたことをいいことに)
(後ろから天女の抱擁を施すのでした)
(ぴったりと、その体を密着させて)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
(うんうん、にこにこしてるのは可愛いンだけどなあ)
(酔っ払いの中には、泣いたり怒ったりする人もいるのだという。ひとめさんが(酔ってるかは判らないけど)そうでなくて良かったなあ、と思いながら歩き出そうとした其の時)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
へ?
(やだ?)
(まるで子どものように、彼女が呟いた言葉に振り返ろうとして)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
ひゃああああ……!?
(するり、ときめ細かな膚が、己の膚の上を滑る。びっくりしてカクテルが零れ、足を濡らした。後ろから抱き締められて、ひとめさんの表情を伺えない)
(これはまずい。これはまずいのでは!?)
(思えはすれど、無理に引き剥がす事は出来ない。だって、泣きだしたりしたら嫌じゃん!)
ひ、ひ、ひとめさン……!! だ、だいじょうぶだよ、お水持ってきたらわっち、一緒にいるよ…!?
別にそのまま帰ったりしないって……!
(てゆうか背中に!胸が!)
(などと思春期の少年みたいなことを思ってしまうわっちである)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
………………………む。
(まだ言うか、と見えぬところで頬を膨らませて)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
────違う。
ち〜〜が〜〜う〜〜の。ワ〜チ〜カ。
(ぎゅぅと密着した体、そこからさらに頭をくっつけたと思いきや、駄々っ子のように左右に振って擦り始めました)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
我は、今。ね、ワチカ。
今よ。
十桜・ひとめ 2023年9月19日
…………今。あなたとこうしていたいの。
(どうしてわかってくれないの?とまるで面倒な恋人のようなことを言い始めました)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
(違う。)
(ああ、其の一言で彼女が機嫌を損ねてしまったのが判った。とはいえ、本当に怒っている訳ではない事が救いだろうが)
え~~~、ひとめさン、怒らないd ひゃあ!
(さらさらの髪がくすぐったい。わっちの身体も熱い。照れで顔どころか身体全体がかっかとしているような気分だ)
な、なにがちがうの~~~?
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
今?
(いま。now。)
……。
(うーん。わっちは出来る限り、たとえ酔っていたって、このうつくしいひとのお願い事は叶えてあげたい。)
でもなあ、ひとめさン。
プールの傍って脱水になりやすいンだよ? 酔ってるともっとだよ?
(すぐそばにあるさらさらの髪。つまり頭に、片手でこわごわと触れる)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月19日
わっち、ひとめさんが脱水で苦しいってなるの、嫌だなあ……
ひとめさんと一緒に、カクテル可愛いねって、楽しく過ごしたいなあ……
(ええい、面倒には面倒で反撃してやる。とばかりに、何かが麻痺したように甘えた声を上げるのだ。ぽんぽん、とあやすように頭を撫でながら、はて、いかにすべきやとすっかり少なくなったシンデレラをいったん飲み干す)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
……………。
(ただ、黙って彼女の言葉に耳を傾けて)
(あやすようなその掌を、甘受していた)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
でも…………でもぉ……………………
(でもでもだって。幼子のよう)
(彼女の背中に顔を埋めて、ぽそぽそと話す)
十桜・ひとめ 2023年9月19日
………………………………今夜、ずっと一緒にいてくれる?
(肩越しに、目が合うだろう)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
(小さな子どもみたいだ、と思う)
(其の純粋無垢な心を護ってあげたい、と思う)
(今まで寧ろあやされる側だったので、誰かをあやすという行動になんとなく誇らしくなっていた が)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
うんうん、離れたくないンだよね。
判るよ、離れたら寂しいもん。でも、……ううん、じゃあ、ひとめさんも一緒にお水取りに行く? そしたら一緒だよね、寂しくな――
(我ながら名案では?)
(そう思っていたのも束の間だった)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
…………………………………
………………………
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
はい!?!?!?!?!?
(思わず腹から声を出してしまった)
(幸いだったのは、其れが彼女の方を振り返る直前だったことだろう)
今夜!? ずっと!?
えっ、あっ、ええ、ええ~~~……!?
(言葉にならない。いや、女の子同士なんだし普通に寝るだけでは? と思うわっちもいるが、抱き締められるだけで大慌てのわっちがこのひとと一晩を過ごすのは、その、すごく、あの、えっと)
(真意を測るように、目を合わせ)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
(目が合って、嬉しそうに微笑む)
(“いいえ”なんて言われないと心の底から思っている顔)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
(ね?)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
(あっ、これ絶対「YES」って言われると思ってる顔~~~~!!!)
(わっちはこういう顔に弱い。というかおねだり全般に弱い。頼まれるとNOといえない、其れがわっちである。)
え、えと……あの……
(もうなんか顔が熱すぎて湯気が出そう。視線をふらふらと彷徨わせたのはわっちの方で、ひとめさんの方をまともに見られなくて)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
――い、一緒に、寝るくらいなら…
(ほーら。やっぱりNOって言えないんだ)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
────!!
十桜・ひとめ 2023年9月20日
…………ふふっ、決まりね。
十桜・ひとめ 2023年9月20日
(呟くように発した声が近いと)
(髪の香りが濃くなったと)
(あなたが思ったその時)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
──────(ちゅ)
(あなたの首筋に、今宵一度だけの口付けを落として)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
…………さあ、さあワチカ。
そうと決まったら何をする?
あなたが言うように、カクテルを探しに行く?
(翻って、正面からあなたの手を引き始める)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
い、一緒に寝るだけだもンね!
寂しい時はね、手を繋いで寝ると良いンだよ。
(其れに、ひとめさんほどのうつくしいひとなのだ。わっちの事なんてていのいい抱き枕程度にしか思っていないのでは?)
(そう考える事で必死で沸騰しそうな頭を抑えている。ひとめさんは不思議なところあるし! うん! そう! きっと、)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
――!? ひあ、
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
……
……!? !?!?!?
(何をされたのか頭が理解するまでに数秒を要した。首筋に何か触れた。何が? 何か柔らかかった。 何か、えっ、えっと)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
えっ、えっ?
(そうして正面から手を引くひとめさんを見て、)
か、カクテル……えっと、其の前にお水! そう、お水…!
ひとめさん、酔い…酔い?は大丈夫? ノンアルだから、もしかして人に酔ったのかも、
(何が何だか判らないが、兎も角心配だった。いやノンアルなのに酔うってなンだ。判らん。判らんが水と、出来れば塩を少々摂らなければ、)
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
お水なんていいわよ、ワチカ!
いいからほら、行きましょう?
(とにかくもう、今夜をどうやって満喫するかばかりを考えている顔である)
(手を引く力自体は大したものではないが、その勢いだけは凄まじいものを感じさせるほど)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
よ、良くないよ!
兎に角何か飲み物飲んで……あ、で、でもこれはお酒の対処なンだっけ? ノンアルの時はどうしたら……
(手を引かれる。余り抵抗する気はないようで、ゆっくりだがわっちは歩きだしている)
――……。
(そうして、ひとめさんを見た)
(人を疑いたくはない。そもそもわっちは本当の意味では“疑えない”。だが……)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
……ひとめさん。
まさかとは思うけど……酔ったふり、じゃないよね?
(無効票)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
…………フリ?
十桜・ひとめ 2023年9月20日
まさか。
そんなことが出来ると思う?
(どうやら本当に場酔いのようになっていたらしい。実際、ノンアルコールなわけで)
(今は純粋に、テンションが上がっているのだ)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
ふり。
だって「いいよ」って言ったら元気になったから…
(頷く。そうして、続く言葉に)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
――そっか!
(笑みを浮かべた)
そうだよね、ひとめさんがわっちに嘘つく筈ないよね!
じゃあ取り敢えずもうちょっとノンアルカクテル飲みたいなあ。あのね、サラトガクーラーってゆうのが美味しそうだったよ! シュガーシロップが入ってるンだって。
虚ヶ谷・ワチカ 2023年9月20日
(言うと、今度はこちらからしっかりと、手を握り返すのだ)
(。)
十桜・ひとめ 2023年9月20日
(宵に咲く、麗らかな乙女たちは、まるで春のように仲睦まじく夜を過ごしていく)
(この場ではないところで、どう過ごしたのか)
(それは、乙女の秘密──────)
(。)