【個】赤星は遥か
新堂・亜唯 2021年8月30日
黄泉番長にボロ負けした次の日のこと。
―――――――――――――――――――
『果たし状』 赤星番長 星見・晴殿
今日の放課後
この学園における「戦う者」の頂を感じるべく
人払いを行った校庭にて待つ
新堂・亜唯
―――――――――――――――――――
というような怪文書が、赤星番長
星見・晴の下駄箱に投函されていたという。
#星見・晴
#新堂・亜唯
2
新堂・亜唯 2021年8月30日
白のクラス、初等部4年、新堂亜唯。
(遠慮できる相手でないことは承知している、だから不格好だなんだと言っている場合でもない)
(踏み込みから――足元の砂埃を蹴り上げて、視界を遮り)
――使える全てで〝星〟に挑ませてもらう!!
(空いた片手側へと駆けながら、鋭い左のジャブを放ちに行く)
星見・晴 2021年8月30日
嬉しいこといってくれんじゃん?(にへら、と笑うのは一瞬。)
(――相手が動くと同時、スッと静かに相手の行動を見据え)
(踏込み――いや、目眩し!!)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(使える全て使う、てのは好ましい。)
(砂煙でけぶるのは僅かな瞬間、それでもその小さな身体も相まって初動を隠すには十二分。――自分の体格をも有利に使う、思いの外冷静で勢いだけじゃねぇ――"上手い"戦い方を解ってる、そう思った)
、、、、
(その上で)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
【
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=14103 】
、、
(――直感だけで、何処に攻撃が飛んでくるかを見極め)
("左のストレート"が此方に到達するよりも早く届く、片手からの――)
――疾ッッッッッッッッ!!!!!!
(眉間を容赦なく狙う、鋼鉄竹刀での鋭い"突き"!!)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(――ここだ!!)
(そうだ、使えるものは全て使う)
(この攻撃に対し、〝殴る〟と見せかけた左腕を振り上げる)
(鋼鉄の竹刀を拳で弾かんとするのだ、左腕はそれで終わりだろう)
(だが――この相手に左腕一本の交換で済むなら、上々)
(そう、足りないならば、小細工に加えて足りない知恵も回すしかない。読みは、通せる!)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(が――)
――――――――ッごぁ、っ
(そもそも単純に〝間に合わない〟)
(相手が自分に対応してくると踏んだ読みも、左腕を犠牲にする覚悟も)
(その単純な力と速度の前に、木っ端のように打ち砕かれて)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(交通事故のような光景が広がった)
(突きの威力を交差法でモロに食らった小さな体が、ぐるん、ぐるん、と後ろに向かって回転し、吹き飛んで)
(割れた額から漏れた血を地面にこすりつけながら、二度、三度、水切りする石のように跳ねて校庭に転がった)
星見・晴 2021年8月30日
(――――!) へえ
(左手の"動き"から、打ってきた攻撃はブラフだったらしいのを察した。)
(攻撃してくるのは読めても、直感ではそこ迄は読めなんだ。)
(ハマってたらイイの一発貰ってたかもな、と思いつつ)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(――惜しむらくは、身体スペックが単純に"足りてない"ってトコか)
(吹っ飛ばされていった身体と、赤い跡を見遣りつつ)
――――。
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(静かに、亜唯の方へと) (かつ、かつと歩いてく。)
――――まだやるかい?
(意思確認をするかのような問いかけをしつつ。)
(応の返事があれば、無論続ける。――返事がないなら――救護室にでも連れてくか。)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(視界が揺れる、耳鳴りがする。頭蓋の中で脳がぐわんぐわん揺れる)
(マズイ、マズイマズイマズイ――並みの打撃じゃない、平衡感覚が纏まらない。頭蓋の裂傷も問題だが、何より脳震盪がヤバい)
(視覚、聴覚、効かない体のセンサーを整えようにも、頭がぐわんぐわん揺れ続けて――)
螺月流――――
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(勝手に揺れるな、俺の頭)
(地を滑りながら、振り上げた拳を)
――――〝徹拳〟ッ!!!!
(パンッ、と爆ぜるような音と共に自分の頭へ叩き込み――さらなる額の裂傷を代償に、〝脳の揺れを抑えるような揺れ〟を撃ち入れる)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(地を転がる動きのまま、ごろん、と身を翻すように体を起こし)
(まだ揺れる視界には、つかつかと歩み寄る晴の姿)
(青い瞳は、割れた額から流れる血で赤く染まる。その目に移す赤星番長は、文字通り赤く滲んで見えるが)
――気遣うには、まだ速えよ。
(右拳が動けば、問題ない)
(向かって、駆けだしてゆく)
星見・晴 2021年8月30日
(――その振り上げられた拳が向くのは、オレじゃなくて奴さんの頭。ゴッ、と割合イイ音が聞こえて、出血が余計酷くなる亜唯の姿が見えて)
(僅かに目を見張る。)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(――強さってのにも色々あると思う。)
(腕力もそう。技量もそう。頭のキレや速さやら、今こうなった世界では他にも魔力やら超能力やら、物差しなんてごまんとある中で)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(――"芯の強さ"とか"折れない心"も、そうだと思うし)
(何より、オレが好きな――英雄の素養てのは、それだと思う)
(こっちに向かってくるお前をみて)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(オレはきっと、溌剌とした笑顔を浮かべてたろう)
――上等ォ!!
(此方も跳ねるみたいに、勢いつけて進んでいき)
行くぞぉ亜唯ィィィイ!!!
(――如何にもまた"面"を狙うと言った片手上段の構えから)
(それをブラフにした、土手っ腹を狙う飛び膝蹴り――!!)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(刀か、はたまた、打撃か。判断してから動けるほど、此方の反応は速くない)
――――光栄ッ!!
(確かに、無謀な戦いを挑んできた。弱者が身の程も知らずに、初っ端から数段飛ばしで天辺を目指す)
(もともと敵うはずもない高い壁、勝利の可能性なんて小数点以下も無いまるっきりの0。知恵も無謀も何一つ、通らない、通らなかった)
(ならば、これも自分の頭でいくら悩もうが躱せまい)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(でも、だからと言って……負けました、何も意味なんてありませんでしたってんじゃあ――)
失礼が過ぎるよな、カノン。
(――黄泉を覗いてきた意味がない)
(防御の姿勢一切なし。振りかぶった右拳は……否、中指を親指を合わせた右手は、まるで指を鳴らすが如き形で)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(先の黄泉番長との闘い。電撃を纏ったヨーヨーによる攻撃、万人が万人、見れば〝腕で受けたのは〟悪手だと評しただろう)
(結果、その腕に雷撃が走りぬけた。黒く焦げたバンデージはその身に雷を受け、〝身に覚えた〟証)
(幾日幾年、流派の修行の果て、今日この日まで壁を破ることなく身につかなかったその技は)
螺月流――――
(〝気〟を電撃へと替える、稲妻の拳打)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(カノンの放つ雷と、比べるべくもない小さな瞬きだが)
(電光と化したその右拳を――そう、初めから〝食らいながら撃ち込む〟というその覚悟で)
……――〝電刃〟ッ!!!!
(腹に膝を受けながら、軋む湶と腹の痛みが脳に届く前に、右拳を振り切った)
星見・晴 2021年8月30日
(――上段に振り被りながら、眼を見て察した。)
(避ける気が、ない。)
(此方に向かいつつも掲げる手は、指を鳴らす時のような変わった拳形。)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(ばち、と鳴るのは電気の音。)
(――氣功の一種――いや、雷、氣の雷電化!?)
(目に見えて眩いそれ。さっきの突きを受け切ったコイツだ、膝蹴り程度耐えてブチ込んでくるだろう――――)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
上
等
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!!!
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(予想通り。)
(オレの膝が亜唯の腹に吸い込まれると同時、)
(雷の轟と閃きをもって、"ド頭"――眉間に叩き込まれる、お前の渾身のカウンターブロー。)
(スパークが閃く。めきり、ぴしりと嫌な音が頭蓋に響き、それと同時に脳みそを――雷電が駆け巡る)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(痺れる。シナプスが焼ける感じがする。目の前が白く染まり掛ける。)
(誠一郎のブレス食らっといて良かった。……以前一度、雷系の攻撃食らってたからまだ耐えられる。)
――カカ、効いたわ
(――爆ぜるスパークが頬に感電火傷を作り)
(割れた額から、お前と同じように血ぃ流しながら)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
効いたけど
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
此処で倒れちゃあ漢が廃るよなァ!!!
(獰猛に笑って)
(ぎら、と お前が拳を叩き込んだ眼鏡――)
(否、"電脳ゴーグル"が、"スイッチ"をお前の拳で押された事光る。)
《"ID"照合。始動キーを入力してください》
ID TO BE COSMO END――!!
此は宇宙の果て迄至る原我である――!!
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
《始動キー承認》
コネクト・パラドクス
《因 果 接 続》
コンバージェンス
《事 象 収 斂》
(――瞬時、瞬きの間もなく目の前から消え)
(無効票)
星見・晴 2021年8月30日
(代わりに、お互いあと一歩踏み込めば攻撃が届くだろう距離。)
(その間合いに現れるのは――)
《COSMONAUT: HALLEY >>起動》
(お前も見たことがあるだろう、赤い機械甲冑の姿。)
星見・晴 2021年8月30日
「――よぉ、亜唯」
「――――悪ぃ。次でキメっから……」
「お前の全力の中の全力、叩き込む気で来いよ」
(握るのは、赤い刃ではなく――先も持ってた鋼鉄竹刀。それを構えて言い放つ)
新堂・亜唯 2021年8月30日
当たっ――
(躱されるかも、という懸念だってあった)
(しかし、拳には確かな手ごたえ……手心? いや、これは相手が〝敬意〟を払ってくれたのだと、当てた拳から、感じる)
(同時――)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
ぐっぉ、……ガフッ!!!
(腹にめり込んだ膝、襲う激痛は、気合や覚悟でどうにかなるものではない)
(臓腑を穿つ衝撃という、生き物である限りどうしたって抗えない辛苦が、まさしく電流のように駆け抜ける)
(それでも、それでも――拳は入った。間違いなく、渾身の打撃が)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(だが――――この男が、倒れるわけがない。この男なればこそ、受けて尚、倒れるわけがない)
(ならば)
……げふっ、がっは、ごほっ、ごほっ、ごっ……フッ……!!!
(赤混じりの咳を吐きながら、眼窩を涙に濡らしながら、今にも膝を折りそうな激痛に痙攣しながら――耳に届く電子音。赤き鎧を纏う聲――ならば)
……がっ、ぐ……
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(彼が示してくれた、その姿の前で――一撃も拳を交わさずに、俺が倒れるわけには、いかない)
……………来゛い゛……!!
(しゃがれた声で、血濡れた言葉で、向き合いながら)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月30日
(残り1秒、2秒、保つか分からぬその体)
(振り上げた腕で、髪留めを弾き)
『――Start up.SOUL BOARD EMULATOR』
(仮初の力が与えるのは、たった10秒間、その男と向き合うための底力)
―――――〝青の記憶(ブルーテイル)〟!!!!
(青き仮初の衣を纏いながら、赤き甲冑へと……跳び込んでいく)
星見・晴 2021年8月31日
(――陸と戦った時の刃ではなく竹刀なのは、)
(無論、刃だったら"お前を真っ二つに"しちまうからだ。)
(――――逆に言えば)
(無効票)
星見・晴 2021年8月31日
(赤い大刃で峰打ちなんていう、せせこましくて浅い真似はしない。するべきでないと、直感で思った。)
(エモノこそ、偽神どもに振るう本気の武器じゃあねえが)
(無効票)
星見・晴 2021年8月31日
(そのかわり)
("技"で加減はしねえと決めた。)
(此処一番、とっておきだろう動きを以って迫るお前に――――)
(無効票)
星見・晴 2021年8月31日
(振るうのは、鋼鉄の竹刀。
(音をも置き去りにして)
(風をも裂き)
(鋼鉄である事が信じられない程のしなりを見せて放たれるのは、鋭い"面打ち")
(無効票)
星見・晴 2021年8月31日
(――熟達した剣道家が、軽い打突でも的確に人体の"急所"を穿つように)
(これ以上、亜唯の身体を傷つける事はない絶妙な力加減で)
(されど頭蓋の奥、脳の身体の活動を司る箇所にだけ衝撃を伝え――)
、、、、、、、、、、、
(意識を強制的に刈り取る。)
(演出継続)
星見・晴 2021年8月31日
(命中音は、コッ、と 鉄の竹刀で放った割には驚くほど軽い音で)
(――しかし、目の前を暗転させるには、十分な一撃だったろう。)
「おつかれさん」
ライバル
「将来の強敵。」
新堂・亜唯 2021年8月31日
―――――!!!
(〝青の記憶〟を使った超高速の突進の中)
(向き合い、ぶつかる相手が刃ではなく竹刀を持つ、その意味を理解する)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月31日
(当てに来る。当てに来るからこその、竹刀)
(たとえそれが彼の全力を乗せる器たる武器でなかったとしても)
(放たれるその技は、間違いなく、淀みなく偽りなく容赦なく――加減のない一撃)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月31日
(死の瞬間に感じるような、妙にスローになる思考の中、悟る)
(あれをまともに食らえばその瞬間、意識を保ってはいられない。そこで自分の意思も、意地も途切れ、眠りと共に決着は訪れるだろう)
(――構うものか)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月31日
(――歯ぁ食いしばれ、新堂亜唯)
(途方もない格上が、打ってくれるってんだ。目を閉じるな、怯えるな。意識を手放すその瞬間まで、肌身にその衝撃を感じろ)
(そして、最後まで眼に焼き付け続けろ)
(無効票)
新堂・亜唯 2021年8月31日
(――――最後まで、俺に向き合ってくれた〝番長〟の姿を)
(演出継続)
新堂・亜唯 2021年8月31日
(そして、地面の感触を覚えることもなく……その意識は、断ち切られた)
星見・晴 2021年8月31日
「――よ、っと」
(地面に亜唯がキスする前に、滑り込むようにキャッチして)(俵担ぎ。)
「――いいねえ、将来有望だ。……つーか割と真面目に赤に欲しいな……」
「さて」
(辺りを見渡して)
星見・晴 2021年8月31日
「お、丁度いいや」
(そういうと、)
(亜唯を抱えたまま屋上に向かって飛んでいった。)