【個】君に花を贈れど
一恋・花束 2021年8月28日
紫のクラスの縄張りである、普通の教室の倍の広さはあるレッスンルーム。
四方四面鏡張り、音響設備も整っていて、歌や踊りを練習するのにこれほど最適な場もないだろう。
さて、本日の利用者はBouquet✿Tossのお二人。
一人は時間の都合がつかずこれなかったが、エムライブまでの時間を考えれば少しでも練習しておきたい。
そんなわけで、花束は安子ちゃんを誘って、レッスンレッスンなのでした。
#一恋・花束 💐
#西川・安子 💢
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一恋・花束 2021年8月28日
(動きやすいジャージ姿で、髪をいつもより短く束ねた花束は、開口一番)
振り付けを変えようと思いまし。
(そう言いました)
西川・安子 2021年8月28日
エムライブまでまだ三か月はあるからいいけど……随分急な話ね。(同じくジャージ姿だが、いつものようにツインテールに髪を結った姿で、不機嫌そうに言葉を返す)
一恋・花束 2021年8月28日
こう、今はサビの所、とんとんとーん!(言葉と一緒に、ステップを踏んで) って感じじゃないですか。
でもこれだと右端の奥の席からだと、スカートの翻りが見えにくいので、Aメロからの流れをいっそ変えちゃおうかと思いまして(要約すると、「全体の半分を変更します」という意味である)
西川・安子 2021年8月28日
スカートの翻り……それだけのために?拘るのも悪くないけど、練習時間と交換になること考えたら、妥協してもいいところじゃない?(嫌がるというよりは、その方針で問題ないのか、という確認の意図を込めて口を開く。にらみつけるような視線だが、もともと花束に対しては常にそうだ)
一恋・花束 2021年8月28日
はい?
(そんな安子に、キョトンとした顔を向けて)
妥協していいところなんてありまし?
(それは、嫌味とか、叱咤とかではなくて、心底不思議そうな顔だった)
(無効票)
一恋・花束 2021年8月28日
あー、そっかそっか。
(それから、ぽんと手を叩いて)
振り付け自体は、もう考えてあるので大丈夫ですし。
あとは覚えて踊ればいいだけですから、時間は問題なし?
(どうです、といっそ得意げな顔でそう言い切った)
西川・安子 2021年8月28日
(口を開いた。色んな言葉が口を突いて出そうになる)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
(「なんでも簡単にできてしまうあんたはそうよね。練習時間が足りないなんて心配いらないもの」
「三か月しかないのにわずかな見え方の違い気にして練習時間減らすなんて正気じゃない。正直今のままでいきたい」
「はいはい、何でもできる人間にはできない人間の事情なんて分かりませんものね!」)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
(そのいずれも、口にすることは安子のプライドが許さなかった)
はぁ……さっさと振付教えなさいよ。この変更であんたがトチったら末代まで笑ってやるわ。
(そうは口にするものの、花束がその手のミスを犯すなんてありえないだろう。もしミスを犯すとしたら……いや、卑屈になってどうする)
一恋・花束 2021年8月28日
あはは、美空ちゃんからはすごい勢いで怒られそうですけど、安子ちゃんはやる気満々で助かりまし!
(にこー、と満足げに笑って)
まずはですねー、出だしの所を(体を揺らす三拍子から、いきなり跳ねて、まわって、立ち位置を入れ替えて……今までと同じ動作も混ざっているから、反射でやると余計にこんがらがるけれど、たしかに完成度は上がるだろう、というダンス)
とまあこんな感じでやっていこうかと思いまし。
なにか修正したところが良さそうなところはありまし?
西川・安子 2021年8月28日
言っとくけど、美空がまともであんたと私がイカレてるのよ。(卑屈な感情を振り払うように首を振る)
悪くないんじゃない?あとは、美空の考えるステージ演出との兼ね合いくらいかしら。それは後日詰めればいいか。
(自分では思いつかない、しかし指摘されれば必然にも思える修正を重ねてくる。修正した方がいいところ?一見して思いつくなら私がセンターやってるっつーの!)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
いつまでに覚えてくればいい?
(正直聞きたくない。耳をふさぎたい気持ちになる)
一恋・花束 2021年8月28日
でも、なんだかんだでやってくれるのが美空ちゃんのいいところですし(えへへー、と、苦笑しつつも悪びれた様子もなさそうで)
あー、そーですね。
(特に考えてなかったなー、と首を傾げて)
今日はここ、夜まで使えますし、今日中に覚えちゃえばいいんじゃないです? そしたら次の会議のときにみんなで合わせられますし
西川・安子 2021年8月28日
今日じっ……。(思わず声に出てしまう。ぐっと力を込めて口を閉じる。ここまで馬鹿とは思ってなかった。いや、馬鹿なわけではないのだが。少なくともまっとうな人が立てるスケジュールではない)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
“今日中”ね。いいじゃん、やってやろうじゃないの。(唇が吊り上がり、笑みがこぼれる。もう笑うしかない)
流石に、他にはもうないわよね?
一恋・花束 2021年8月28日
あ、いえ、振り付け変更はおまけみたいなものでして(そうだそうだ、とぽんと手をたたいて)
(それから、荷物をあさって取り出したのは)
じゃーん! 前言ってた新曲、ついに完成しましー!
西川・安子 2021年8月28日
へぇ、新曲……!(明るい話題に、自然と表情も柔らかくなる)なんてタイトルなのよ?
一恋・花束 2021年8月28日
はい! タイトルはー。
(がらがら引っ張ってきたホワイトボードに、マジックでササッと)
「Escape✿Goat(エスケープゴート)」!
ほら、うちって明るい曲とか激しい曲はあるけど、柔らかい感じの曲はなかったので!
コンセプトはー
(タイトルの下に、どんと大きく書き記したのは)
(無効票)
一恋・花束 2021年8月28日
.
【逃げてもいいよ】
.
西川・安子 2021年8月28日
柔らかい曲、かぁ……(確かに、今までにない曲だ。よく予習をしておかなければ。そう思った瞬間、目に入った文字に怪訝そうな表情を浮かべる)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
逃げてもいいよ……戦時下にしては、随分後ろ向きなテーマだけど?(それでいいのか?と問いたげな視線を向ける)
一恋・花束 2021年8月28日
戦え! って鼓舞するのもよいですけど(くるくるマジックを手で回しながら)
でも、実際こんな環境に追い込まれて、ふつーの人は……いえ、ディアボロスでも、追い込まれてる人はいると思うんですよ。
だから、そういうのを全部、花束たちが背負ってあげるから、辛かったら、痛かったら、逃げてもいいんだよ、誰も責めたりしないよ……という感じの曲ですし。
西川・安子 2021年8月28日
そもそも、私たちが戦うのは、戦えない人の分まで戦ってあげるためでもあるしね。(首を縦に振って納得を示す)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
重い曲になるわね。(ぽつりと漏らす)
一恋・花束 2021年8月28日
大事なのは“共感”ですからね、こういうのって。
(共感性という言葉から最も縁遠い女が、自覚なくそう言った)
その、みんなが抱えてる重たさに、に気づいてもらった上で、背負ってあげる強さが、Bouquet✿Tossにはあると花束は信じてますし!
西川・安子 2021年8月28日
共感、ねぇ……。(鼻を鳴らしつつ)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
ま、いいんじゃない?アイドルらしー活動になってきたじゃん。やってやろうじゃないの。(好戦的な笑みを浮かべる)
でも、あんたが信じるって言葉使うのなんか不思議な感じね。
一恋・花束 2021年8月28日
最初からアイドル活動ですしー!
そもそも、正統派アイドルって、紫のクラスにもあんまり居ないですし。
みぃちゃんはアレだし、アンジェリカちゃんはソレだし(指折り数えて)
マリアちゃんなんかは、お歌は上手ですけども。
(同じクラスの活動内容は、把握しているようで)
…………え、そんな不思議ですし? あれっ?
西川・安子 2021年8月28日
うちもあんまり正統派って感じじゃ、おほん。(咳払いしてごまかす)
マリアは化けると思うけどね……。
あれっ、じゃないわよ、あれっ、じゃ。あんたの信じるは……まぁ、自覚がないならいいわ。(言葉にしようとしてやめる)
一恋・花束 2021年8月28日
そう言えば最近やっと事務所に入ったんですよねえ。
マリアちゃん、良いプロデューサーがついてくれればいいんですけども。
(マネージャー候補ならたくさん居るし、良いパートナーを見つけてほしいものだと心から思う、ソレはソレとして)
むー、花束は、美空ちゃんも安子ちゃんも信じてますし。
ちゃんとついてきてくれるって。
西川・安子 2021年8月28日
私もマリアは見てあげられるときは見てあげるつもり。ほんと危なっかしいったら。
そう、それよ!その傲慢で一方通行な感じ!(花束のことを嫌ってるからこその穿った視点なのだが)
普段はそんな感じなのに、信じてるって普通な使い方したからびっくりしたのよ。
一恋・花束 2021年8月28日
あら、いつの間にかお友達になってたのですし?
(ふふ、とちょっと嬉しそうに笑って)
ええーっ!
そりゃあちょっとした無茶振りぐらいはしますけど!
(無効票)
一恋・花束 2021年8月28日
――――花束は、出来ると思ってる相手にしかそういうことは言いませんし!
西川・安子 2021年8月28日
この前、ちょっとね……路上ライブからのし上がるって言ってたから思わず手を貸してしまったわ。(意図的に、様々な紆余曲折があったことを伏せる)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
はぁ……。(深い、深いため息をつく)
あんたがそんなんだから―――
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
(できない、なんて一言も口にだせないのよ)
(なんて、言えるわけもなく)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
ほんっと嫌いだわあんた。(信じられるということは悪くない。本当に悪くない。だが、それを口にしてしまったら敗北であり、プライドが許さない。だから、代わりに悪態をついておく)
一恋・花束 2021年8月28日
えーっ、花束はこんなに安子ちゃんが大好きなのにー!
(むー、と頬を膨らませて)
愛情は伝わらないものですしーっ!
西川・安子 2021年8月28日
そういうのは、あんたのこと大好きな子たちに言ってあげることね。生徒会長様なんだから、お友達沢山でしょ?(何言ってるんだこいつ、とでも言いたげな胡散臭げな視線を送る)
一恋・花束 2021年8月28日
安子ちゃんだって、花束のお友達じゃないですか。
(胡散臭気な視線に対して、無垢かつ自らの行いを全く疑わない者の、澄んだ笑顔で受け止めて)
西川・安子 2021年8月28日
(思ってもみなかった言葉を受けて、瞳を丸くする)はん、こんなに真正面から嫌いって言ってくる友達っている?せいぜいが同僚やチームメイトよ。
まぁ、あんたのこと嫌いだけど……私も信じてるわよ、あんたの能力。
一恋・花束 2021年8月28日
大丈夫大丈夫、花束はわかってますし。
(自信満々に頷いて)
イヤよイヤよも好きのウチ、という奴ですしっ1?
(がばっ、と勢いよく抱きつこうとして)
西川・安子 2021年8月28日
なんでそうなる!?この自信家めぇ!(抱きつこうとするのをどうにか押し返そうとするのだが、相手の力も強く)
一恋・花束 2021年8月28日
(花束は小さい)
(だが安子はそれ以上に小さい)
えー、だって安子ちゃんってばいっつも花束を意識してますしーっ
だから花束の誘いにのって、ユニット加入してくれたんでしょ?
(適度にぎゅーっとしてから、ぱっと解放して)
んふふ、じゃ、早速ダンスの練習しまし。
あとは新曲、一回歌うので、とりあえず感じだけ覚えて帰ってもらいまし!
西川・安子 2021年8月28日
好きで意識してるわけじゃないわよ!!私がセンター勝ち取るまで目の上のたんこぶってだけ!(わずかな時間抱きつかれただけなのに、げっそりしつつ)
(無効票)
西川・安子 2021年8月28日
っ……さりげなくやること増やしてくれるじゃないの!(こうも疑念なく信じられた状態で、弱音なんて吐けるわけもなく)
(、)
西川・安子 2021年8月28日
しびれせてやるわ。(歯を見せて威嚇するように笑った)
一恋・花束 2021年8月28日
(そんな二人のレッスンは、夜遅くまで続いて――――)
(、)
一恋・花束 2021年8月28日
(――――花束は、もっと安子ちゃんが好きになりまし)
(向こうがどう思っているかは、わかりませんけれど)