【個】地下は秘密のホロウ・バレー【騎】
一恋・花束 2023年6月12日
何かに導かれるように旧校舎地下を訪れた少女。
何気なく開いた扉の向こうに広がるのは、どこまでも続く、底の見えない無限の渓谷。
『どうぞお掛けくださいレディ、お茶など一つ如何でしょう』
その崖際のテーブルに座る黒ずくめの男は、対面に座るよう、少女に促したのだった。
◆書き込み可能
#虚ヶ谷・ワチカ
#一恋・花束 #黒鷺
#旧騎士団編
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一恋・花束 2023年6月12日
『おや、油断してはいけませんよお嬢さん』
『ワタクシが貴女の敵であることは疑いようもないのですから』
(しかしながら、表情は柔らかいまま)
(やがて、指を一本立てて)
『現代と同じく七色――――あァ、我々のように“こちら側”にこれたのは黄を含めて四色ですか、ワタクシは少々、事情が違いますが』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
(僅かにカップを支えていた手が揺れた。)
(穏やかな顔で、)
――そう、なンだと思います。
今回は特にそう。“わっちがもっと気を付けていれば”起こらなかった事だから。わっちは、……多分、そんな自分が嫌いなンです。
…こんな事言われても困っちゃいますよね!
(なんて、声を上げて少しだけ笑って)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
..
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
敵、……なンでしょうか。
立場が少し違うだけとか、そうゆうのじゃ…ないのかなぁ。
(わっちはどうにも、人に対する敵意というものが少し足りない。クロノヴェーダでもないのに、どうして敵視できようかという感じだ)
……事情が違う?
そういえば……最初に会った時。封印を解いてくれて、…って言ってましたよね。其れってつまり、……。…。嫌われてたンですか?
(これでも言葉を選んだつもりなのだが!)
一恋・花束 2023年6月12日
『はっはっはっはっはっはっはっは!』
(大声を出して、両手をぱんぱん叩いて、屈託なく笑い)
『そう、そうですねェ! 嫌われていたとしかいいようがない! 間違いじゃァありませんとも!』
(なんか、ツボにハマったらしい)
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『はっはっはっは、はぁ――――いいです哉、お嬢さん』
『言葉が通じるからわかりあえるというのは間違いです』
『感情があるから理解できるというのも間違いです』
『気をつけていてもどうにもならぬことがある、“黒鷺”の呪いは――そう、この時代の言葉を借りれば「交通事故」のようなものですし』
『ましてワタクシには……明確な悪意がある』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『しかし…………』
(カップを置いて、膝を組み)
『確かに、お嬢さんは、どうも誰かを恨むことが苦手らしい』
『些か、調子が崩れてしまいますナ』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
ぴゃ!
(大笑いされた。……わ、わっち変な事言ったかな!! 言ったな!? 顔を真っ赤にして、うう、と唸り)
そ、そそ、そンなに笑わなくても……!!
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
――……そう、ですね。
いまわっち達が戦っているクロノヴェーダだって、言葉があって、感情もあって、……でも、理解し合えないから戦っている訳で…で、でもでも、昔の騎士団さンはそうゆうのとは違うってゆうか…
(そうなんだけどォ、みたいな顔をして)
……悪意。わっち達を、憎ンでいるんですか。
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……。わっちは。
刻逆の時に、自分から“悪意”を切り離したンです。
わっちがワールドハッカーなのはもう知ってますよね。わっちは其れを、自分に都合のいい過去を作る為に使ったンです。
もう今は全部思い出しちゃってるンですけど……切り離した悪意は戻らなくて。…黒鷺さンの事も、恨んでいる、とはちょっと違うンですよね。
だから……責める対象が自分になっちゃう。
お髭をもいじゃいたい、くらいは思いましたけど!
一恋・花束 2023年6月12日
『悪意がない割に口が容赦ない所はなかなか好感が持てますナ!』
『ですが我々は舞台を降ろされた役者なれば』
『…………いえ、実際の所、皆様方はよくやっている』
『ワタクシ達が残っていたところでクロノヴェーダには太刀打ちできませんし』
『お嬢さんのように“世界を改変する”など、どう致すのか想像もつきません、我々は【パラドクス】を持たぬ故に』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『ですがワタクシのヒゲは自慢なのでもぐのは遠慮していただきたいです哉』
『――――が、悪意を切り離した、なるほど』
『なるほどなるほどなるほど』
『なるほど』
『そうしないといけないほどに』
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一恋・花束 2023年6月12日
『――――悪意に追い詰められたことが、あるのです哉、お嬢さん』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
いやあ、そんな。褒められても~。
(褒められてないのは判ってるけど、照れて見せて)
――……。
パラドクスを、持たない。
じゃあ、昔の騎士団は何のために……?
(いや、しかし失煌武装と卍器が一つだったのなら。其れを使いこなせるだけの力があったとして、……彼らはただ、“ディアボロスではなかっただけ”なのに)
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
くるん、って巻いてますもんね。
(きっと毎日お手入れしてるンだろうな。そう思うと笑い……そうになって、…表情が凍り付いた)
……。
……。そう、ですね。
(笑みを浮かべたまま、視線を珈琲へと落として)
わっちは、……親を憎んでいました。
酷い親だったンです。多分、虐待……ってゆうのかな。されてましたし。叩かれないだけで。……だから、…親を、殺したいほど、憎んでた。
そンな自分が、…嫌いでした。
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
弱いし。
優柔不断だし。
、、、、
今ですら怖い目に遭ったら泣き喚いてしまうような、そんな自分が。……大嫌い、です。
一恋・花束 2023年6月12日
『――――それが不健全であることを理解していながら』
『己を保つために、悪意を切り捨てて、逃げた』
『その後遺症で、今もまだ、悪意を抱くことができず』
『刃が己に向いてしまう』
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一恋・花束 2023年6月12日
『良いのではないですか、それでも』
(珈琲をゆっくりと啜り、ヒゲを撫でつけ)
『人は弱い生き物だ、感情に飲まれ、本能に飲まれ、欲望に飲まれる』
『その中で――――――自らの悪意を自覚し、それを切り離すことが出来る』
、、、、、、、、、、、
『自分を律する事ができる。それが実行出来る者など世にどれほど居ることか』
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一恋・花束 2023年6月12日
『――――まァ? 自分を虐待した親の様にはなりたくない、という意識もあるのでしょゥが』
『ワタクシは素晴らしいことであると思いますよ、警戒心と引き換えになるのはどうかと思いますが』
『…………それで、ああ、なんでしたっけ、そう』
『旧騎士団、旧、古く、世代を交代し、終えたもの』
『何故ワタクシたちが今更、出張ってきたか、という話でしたか』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……。
(其の通りだ、と沈黙が語っていた)
(悪意の向け方が判らない。誰に刃を向けたらいいのか判らなくて、結局自分へと切っ先を向けてしまう)
――え?
(降ろしていた視線を上げた)
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……。
驚いた。
まさか、黒鷺さンにそんな風に言って貰えるなんて、思いもしませんでした。
(薄く笑みを浮かべた)
そうですね、親のようになりたくなかったというのもあります。
わっちを愛してあげられるのは、わっちが一番最初だって、……思っては、いるんですけど。やっぱりちょっと、嫌いです。
(珈琲を飲む。ミルクと砂糖は最小限なのに、とても美味しい。警戒心云々の話は珈琲と一緒に飲んじゃった)
…ん、そうです。
出張ってきた……ってゆうか、まあ、そンな感じですかね。
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
出て来れたなら、一般人として暮らす事も出来たと思うのに。
どうしてなンだろうって。
質問ばっかりでなンだか申し訳ないンですけど。
(恐縮だ、と肩を縮めつつも)
一恋・花束 2023年6月12日
『いやいや、ワタクシこう見えて紳士ですので』
『呪いをばら撒くような悪党でございますがネ』
(ケラケラと笑う、その表情は自然なものではあるが)
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『しかし、一般人として暮らす、ですか』
『考えたこともなかった、やはり若い子は発想が違う』
『…………ワタクシはね、どうにも許せないことが一つあるのですヨ』
『……内緒にしていただけます?』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……名前を呼んだら、呪いが撒かれる。
(わっちが知っている君の情報なんて、其れくらいだけれど)
悪党、…だと思ってたのに。
でも、……こうやって話してる黒鷺さンは、とっても優しくて…
(矢張り、悪意を抱けない。害意をもって接する事が出来ない)
(少女は悲しそうに眉を下げて)
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
――許せないこと?
(ぱちくり、と瞳を瞬かせて)
は、はい。内緒にします。なンですか?
(こくこく、と頷く。何だろう、と静聴の構え)
一恋・花束 2023年6月12日
『刻逆が生じる前、騎士団は出来る限りの備えをしました』
『拠点を作り、遺産を集め、未来にそれを委ね、クロノヴェーダへの対抗策とした』
『集められたのが貴女方だ。パラドクスという超常の力を有し、我々が抗えなかった者共に抗える唯一の存在』
『しかし――――――』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『――――ついぞ』
『“青”は、それを託す相手が【子供達】であるとはワタクシに言わなかった』
『お嬢さん』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『貴女はおそらく、この世界の改変によって』
、、、、
『救われた側の人間でしょう』
『歴史の改竄がなければ、貴女は今の様には居られなかったのではないです哉』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……。
(拠点を作り)
(遺産を集め)
(未来に、クロノヴェーダに抗う為に)
学園という拠点を作って。
時々みんなが使う不思議なもの――遺産を残して。
そうしてわっちたちはこの学園に集まって……
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
――……。
(異色の瞳を見開く)
(そうだ。この拠点(がくえん)にいるのは、子どもたちが主だ。遺産を託された先は、我々年端もゆかぬ子どもなのだ)
――…。
(そうして其れを深く考える前に、痛い所を突かれた。視線を外して、渓谷の底へと視線を向ける)
そう、だと思います。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
わっちは逃げたところで、何も起きていない東京だったらいつか連れ戻されていた。
ワールドハッカーになったから。
刻逆が起きて、両親もそれどころじゃなくなったから。だから――わっちはいま、こうして“わっち”として生きてる。
……。
どっちが幸せかって聞かれたら。間違いなくわっちは、今が良いって言います。でも、……でも…其れでも、わっちは思うンです。
歴史を奪われたままにはしておけないって。
わっちたち、戦わなきゃいけないって。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……“子どものくせに”って、思いますか。
一恋・花束 2023年6月12日
『ええ』
(ニコリと笑って、ヒゲを撫でて、“黒鷺”は頷いた)
『だから相容れない、だからワタクシはあなた方の敵ですお嬢さん』
『子供達に我々が築き上げてきた騎士団を乗っ取られるなど』
『許し難い――――ですからナ』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『ですが、お嬢さん』
『その力は貴女が世界を生き抜くために手に入れた術だ』
、、、、、、、、、、、、
『後ろめたく思うことはない』
『思う存分活用し、振りかざし、時に他者の気持ちを歪めてでも、貫き通せば良いです哉』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『そしてワタクシとお嬢さんは敵対するが故に、呪いを解くことも致しません』
『貴女は孤独に生きるのです――あァ、他人を傷つけないで済む方が、貴女は安堵してしまいます哉、それも結構』
(すちゃ、と席を立つと、くるりとステッキを手にとって)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
(じっ、と黒鷺さんを見詰めていた。)
……わっちは。
子どものくせにって言われたって、危ないって言われたって、戦う事は、……やめません。
其れがわっちの、ディアボロスの、役目だからです。
一つ撤回します。
“一般人として暮らす手もあった”って言葉、ナシです。
(空になったカップを、ソーサーに置いて)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
..
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
――きっと、凄く失礼な言葉だから。
黒鷺さんや、七色の人たちは……騎士だから。未来につなごうとした戦士で、騎士だから、一般人になれなんてわっちは言いません。
だから、こう言います。
……わっち達は、貴方達を“超えます”!
(答えるように立ち上がる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
わっちは自分にナイフを向けるのは得意なンですよ。
(笑って、君を見上げる。初めて見せる挑戦的な笑みだった)
自分で“薬の治験”をするくらい、なンて事ないンです。
……わっちはワールドハッカーだけど……専攻は毒なンです。
絶対に、黒鷺さン。あなたの呪いを殺してみせます!
一恋・花束 2023年6月12日
『やってごらんなさい、お嬢さん』
(にたりと)
(それはおそらく、今日一番、『悪意』に満ちた笑みで)
『“黒鷺”の呪いが解けたなら、そのときはワタクシ』
『貴女を天敵と認めましょウ』
『――――――ああ』
(無効票)
一恋・花束 2023年6月12日
『忘れる所でした』
、、、、、、、、、、
『お名前をお伺いしても? マドモアゼル?』
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
やってみせます。
――待ってて下さい。貴方の“天敵”は、年端も行かない子どもで。
――弱虫で、人に害意を向けるのが苦手な、
――ただの女の子だって、教えてあげますから。
(笑みを返した。君とは対照的に、悪意のない笑みだった)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
……名前。
(問われ、……少しの間、“思い出すための”間があって)
…ワチカ。
虚ヶ谷、ワチカ。其れがわっちの名前です。
呪いみたいに、覚えて下さい。
一恋・花束 2023年6月12日
『宜しい』
『ワチカ』
『虚ヶ谷・ワチカ嬢』
(シルクハットを脱ぐと、優雅に一礼して)
(◆続ける◆)
一恋・花束 2023年6月12日
『取るに足らない小娘一人』
『足掻いて藻掻いて見せるが良いでしょう』
(そう告げた瞬間、全身が黒い鳥となって――崖の向こうに飛んで、異消えていく。残ったのは……)
(テーブルと椅子、そして空になった、カップのみ)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
――……
(わっちは、黒鷺さンの優雅な一礼に返すお辞儀の仕方を知らないし)
(飛んで行った無数の黒い鳥を追う術もない)
(けど)
……。足掻くのは。藻掻くのは、得意になったンですよ。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
学園(ここ)に来て、学んだんですよ。
失敗しても起き上がれば良い。足掻いて藻掻いて良い。其れを教えてくれたのは……そう。
貴方が今代の騎士と呼んだ人なンですから。
(断崖に背を向ける。そうして扉へと向かい――振り返らない)
(◆続ける◆)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月12日
(そして――力を振り翳して良いと。後ろめたく思う事はないと教えてくれたのは、黒鷺さン、貴方なんだから!)
一恋・花束 2023年6月12日
【END】