【個】名前のない少女たち
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
此処を選んだのは単純に、飲み物の数が多いからだった。
あと、あんまり外には行きたくないので。
🎵Location
放課後、晴れ
食堂のカフェスペース
🎵Talk
#ズィーベン・フィーア
#虚ヶ谷・ワチカ
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虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
君の故郷の?
……へえ…なンか良いね、そうゆうの。わっち、そうゆう伝承とかあンまり詳しくないからなあ。今度調べてみようかなあ。
……。
ううん、これで良い。…いや、言い方が良くないな。これ「が」良い、かな。なんかこう、ラジオで少し掠れてる感じが良いなって思う。
(ラジオといえば思い浮かぶのは一人だが、其れを此処で言及するのは野暮ってものだろう。)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
とはいえ。事態の大きさは聞いています。
力づくでの排除は、難しいでしょう。
(……【先輩】にどのような影響を残すかもわかりませんし。)
名前、そのものよりもそこに込められた意味こそが本質でしょうか……
(“眼”に頼らない、観察を続ける。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
ドイツに伝わる、古い呪いだそうです。
……私も詳しいわけではないですけどね。
(ラジオから流れる歌を聴きながら、視線を【先輩】へ向ける。)
気休め程度にでも、なれば幸いです。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
だよねえ……
ううううう、あの髭を! もいでやりたい! ひっつかんでべりべりーって!!
(自分に呪いをかけてくれやがった黒い人を思い出して、……いかんいかん、とミルフィーユを食べる。落ち着こう)
――……(少し考える間)
そうかも。
いやね、夢の中で呪いをかけやがった髭にね? 「慈しめば、其の人に呪いが降りかかる」……って。言われた。つまり、親密さがあるといけないって事なのかな。
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
ドイツ。…こっちのドイツかなあ。
(其れとも、君がいたドイツだろうか。伝承の類なら、恐らく両方に伝わっていてもおかしくはないが)
――ふふ! 気休めどころか、すっごく楽しく聞いてます。……あのね。わっちね、実はそんなに落ち込んでないンだよ。
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
そりゃあ名前を呼べないのは不便だし辛い。其れに、自分の名前を忘れちゃいそうで怖い。
でも。……なんとかするって決めたの。なんとかする、なんとかなる! って思ったから、こうやって君とお話してる訳だし。
なンかさ、怖がってる場合じゃねえ!って思った。まあ色々やらかしはしましたが。
……でも、こうしてお歌とか聞かせてくれるのはとてもありがたいよ、ありがとね。ドイツのおまじないって、なんかマジで効きそうだし! ほら、アレでしょ? 魔女とかそうゆうのもドイツの伝承であるし。
(ブロッケン山だっけ、と)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
髭。
(髭。)
……なぜ【先輩】にそのようなことを教えたのでしょうね。
被害を増やそうとするなら、教えず自然と居たほうが広がるでしょう。
(【先輩】は、自覚しているように良く、名を呼び、親しみを持つ。)
(魔術的な意味合いだろうか……)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
さて。
……そう言うことは、教わりませんでしたからね。
こちらのドイツでは、伝わっている伝承のようですけど、
私の知る機械化ドイツ帝国では、そういった伝承は、あまり残っていなかったのかもしれません。
(機械全盛ですからね。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
では。“視”れる限り“視”てみましょう。
(ゆっくりと、席を立ち。)
(【先輩】の近くへと向かい、眼鏡を外す。)
……失礼。
(【先輩】の眼を、覗き込むように視線を合わせる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
そう、髭!
なんかね、髭がくるんってしてるの!それで、真っ黒な格好してて……君もそうゆう影見かけたら気を付けてね!!
(ずびびー、とフラペチーノを啜りながら)
……。確かに。(フラペを持ったまま呟いた)
何でだろ? わっちを絶望させたかったとか?
…何かさ。其の人……わっちたちの事、キライ…みたいな雰囲気だったから。言葉は丁寧だったけどね。
(これはカンでしかないんだけど、と付け足して)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
そうなンだ?
――。なんか勿体無いね。機械になっても、歌を歌う事は出来るのに。
歌を謳ったら……きっと楽しかったのにね。
(まあわっちは機械ではないから、結局は向こうの気持ちを判れないのだけれども)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
お。おお。宜しくお願いします!
(ちょっと不安だけれど、わっちみたいに駄目と判ってて踏み込む相手ではない。そう思って、じっと君の目を見詰めた。)
――ふふ。なンか照れ臭いね。
(……とは言っているが)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
(どうしようもない“暗い感情”が、其の瞳の奥で渦を巻いている)
(名前を呼んでほしいけれど、呼ばれたくないジレンマ)
(暗い感情の奥に閉ざして隠した、大事なみんなの名前)
(そして、隠しに隠していたのは)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
(「君からわっちの情報を抜き出してしまえば、わっちは楽になれるだろうか」)
(だなんて)
(そんな、酷いエゴと……誰のものか最早判らなくなった呪詛)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
(「悔しい」? そんな生易しいものじゃない)
(居場所を奪われかけている焦り。名前を忘れそうになる焦燥。誰の名前も呼べない孤独。全てがないまぜになって、元々あったのだろう呪詛に重なって、真っ黒に渦を巻いていた)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
……【先輩】がその人に慈しみを覚えない様に……
かも、しれませんね。
(嫌われるため。)
(人を呪わば……でしたか。)
(自分がかけた呪いが自分を蝕むなど、ありふれた話だ。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
音楽はあっても士気高揚のための軍歌ぐらいでした。
以前、音楽もラジオも足りない世界と、言われましたよ。
(今はもう、何もないが。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
さて。
(雑談を切り上げ。)
(視覚に集中する。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
(人の心を構成する無数の要素。)
(それを仮に視認できたとして、「どれ」が「なに」へ影響しているかは判断が付かない。)
(故に、事前に「お呪い」によって、「呪い」へ何かしらの刺激を与えんとした。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
(そうした繋がりと辿り、少女は、呪いの全容を「視認」する。)
(他者から呪われ、自らを呪い、世界から切り離さんとした「それ」に。)
(名前を呼ぶ以上に近く、無防備に接近した。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月2日
(そもそも。)
(傷つけたくないからと距離を取るなど。)
(最大限の慈しみではないだろうか。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
(本人はきょとん、と君の目を見ているが)
(呪詛の奥に……小さな少女が、蹲っていた)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月2日
(少女の周囲に、こごるように黒い靄があった。其れが恐らく呪詛だろう。酷く曖昧で、けれども確かに“其処にある”と判る)
(少女は静かに立ち上がる。同時に靄が蠢いて、蛇のようにとぐろを巻き)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
――……!! ズィーベンちゃん!!
(現実のわっちが“近く覗かれている”と知覚した瞬間)
(君の視覚の中の少女から黒い靄が離れて、君へと牙をむいた)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
(拒まないなら、――伝播する)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(踏み込み過ぎた。)
(など。人の心を覗き見た時点で今更だろう。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(現実の声か、心の声か。)
(自分で名付けた、自分の名前。)
(それを呼ぶ声を耳にしたと同時に……)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(黒い靄が、ズィーベン・フィーアに伝播する。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
(がっ、と君の肩を掴む)
ズィーベンちゃんッ……!! ズィーベンちゃん!!
(君が視認している、固く閉ざされていた筈の扉が――ほんの少し開いていて)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
(そして、閉じた。そうして心象意識は急速に、拒むように遠ざかっていく――)
う、嘘……!! なん、どうして、嘘でしょ……!!
しっかりして!! もう、もう、わっちを“視”ちゃ駄目!!
(しっかりして、とゆすぶる少女の力は弱い。だけど、華奢な君の意識を引き戻すにはきっと十分だ)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(揺すられ、【先輩】に向けた視線が外れると。)
(バチリ、と弾かれたような音が鳴り。)
……失礼しました。
(と、何事もなかったように、意識を取り戻す。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(外した眼鏡を付け直し、情報端末を操作する。)
……私の“眼”で見た、呪いの視覚情報です。
(【先輩】の端末へと、得られた情報を共有する。)
(結果として、どのような形でも。「視えて」「触れる」ほど、呪いを近くに得た。)
……【先輩】が「呪いを殺す毒」を解決すれば、それで済む話です。
(定義されたルールに、いまだに律儀に従いながら。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
――し、失礼じゃないけど!
でも、……でも、……君、
(己に深く刻み込んだルールがまた作用する。名を呼んではならない。呼ばれてはならない。そう、君の言う通りもう関係ない筈なのに)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
――……
(涙がこぼれた。わっちは泣き虫だからすぐ泣いちゃうんだ。君の所為か。誰の所為だ? わっちの所為かも知れない。少なくとも、君の所為じゃない。たぶん)
……。
(震える手で端末を取る。確かに受信したのを確認して、)
……絶対、作る。
わっち、悔しいよ。君を巻き込んじゃった自分が赦せないよ。
だから。
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
でも、君がそうまでして出してくれた情報を殺すなんて事をしたら! もっと自分が赦せなくなるから!
だから、作る!
そうして巧く作れたら、真っ先に! 君に飲ませるから!
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
だから、……待ってて。
(涙にぬれた瞳だ。けれど、……其れでも、瞳は輝きを失わない)
(黒々とした感情全部に蓋をして、ただただ、許せないものを殺すために歩いている瞳だった)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(もっと上手くやれば。【先輩】を苦しめなかっただろう。)
(こうまで泣かせてしまったのは、己の失態だ。)
(機械でできた、くすんだ瞳で眼前の瞳を見つめながら。)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
最初は、【先輩】で大丈夫です。
……私には、その後で。
(声色は変わらず。)
(眼前の涙を止める手段を持たない以上。ただただその姿を視続ける。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
(無機質だけれど、雄弁な瞳だと――思っていた)
(機械で出来ていると君は言ったけれど。目を見れば、君がどう思っているのかなんとなく判った)
(だから今だって解る。きっと、自責の念に苛まれているのだろう)
(肩を持っていた手からゆっくりと力を抜いて、……ぽん、と軽く肩を叩く)
(涙を拭うでもなく、笑ってみせた)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
駄目でーす。
最初は君が飲んでくださーい。
(だって、わっちは先輩だからね。君の自責の念なんてブッ飛ばすような能天気な声で、笑うように言うンだ)
……微細な調整が必要になると思うから。
何か変だと思ったら言うんだよ。絶対だからね。
(空っぽのフラペチーノ、綺麗に食べ切ったミルフィーユ。そして、わっちたち。名前があるのに、そう呼ばれないもの)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(私の名前なんて。)
(「こちら」に来てから得た物だ。)
(失くしたところで、昔と同じになっただけ。)
大事なお名前でしょうに。
ですが、順番ぐらいは【先輩】の意見に従いましょう。
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
ええ、必要な情報でしょうから。
私から得られるものは、提供しますので。
存分に使い潰してくだされば。
(先輩の傍を離れ、元の席へ。)
(ただの「水」と共に。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
そンなの、君だって同じだよ。
(む、とした表情で。今度はこちらから、君の目を覗き込むように)
さっき君が言ったじゃン。名前って、文字列じゃない。其の人を表す大事な要素なンだよ。誰だって同じだ。
(わっちにとって、ズィーベンちゃんは君しかいない。他の誰かではない、君を呼ぶ大切なファクターなンだ)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
使い潰すって言い方~~~!
もー。……わっちの下に君がいる訳じゃなくて。君の上にわっちがいる訳じゃなくて。……わっちたちは、そうだな。
(少し考える)
……対等な、共犯者だ。
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
あーーーー!
楽しい話しよ、楽しい話! ねーねー! あのね、わっちがこれまで作った失敗作の話なんですがね? なんかね、記憶を消す薬ばっかり出来るンですがあ……
(少しでも、日常を摂取しよう。非日常に片足突っ込んだわっちたちだから。と、話をしたはいいが、やっぱり毒の話しか出来ないわっちなのである)
(【発言終了】)
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
(そうだろうか。)
(……そうなってしまっていたらしい。)
……では共犯関係。ということで。
ズィーベン・フィーア 2023年6月3日
忘れてしまう。というのは確かに一つの回答ですが。
解決しているわけでは、ないですからね……
(何事もなかったような口調に戻って。)
(日常的な、非日常の話を続けていく。)
(【発言終了】)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
うン!
(わっちはエゴイストだ。君に押し付けて、満足そうに頷くのだ)
そうなンだよね、根本的な解決ではなくてさ…いやー、でも怖いですよ? 餌を食べたラットにあげたらね、ずーっと餌食べ続けて……
(あれ? これって楽しい話かな? じゃないかもしれない。でも、楽しい話にしてやろうって、はは、って笑った。)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
(少女たちは話す。ひっそりと、……お互いの名前も言えぬまま)
虚ヶ谷・ワチカ 2023年6月3日
【おしまい。】