【個】篝火に揺れる影
大門・錦 2023年5月12日
揺れる。揺れる。
篝火が揺れる。
風に煽られ巻き上がる火の粉は天を焦がすかの如く煌めき。
されど消えざる篝火に、煌々と照らされた中庭の一角。
テラステーブルを挟んだ二脚の椅子に腰かけるは二つの影。
今宵はヴァルプルギスナハト。
篝火は絶えず燃えている。
#大門・錦
#黒桐・凜
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大門・錦 2023年5月12日
(色取り取りの軽食が並ぶ卓上。そこからサーモンの乗ったクラッカーを一つ手に取り口に運び。咀嚼の後、こくんと喉が鳴る。つい、と手に持ったティーソーサーから一口紅茶を含み、そのソーサーに音も無くティーカップが置かれて)
さて、入学しておよそ一月。いかがでしょうか、この学園は。
印象的な出会いなど、何かありましたでしょうか。
（そう、対面の凛へと問いかけ。）
黒桐・凜 2023年5月12日
（華があるな、と思った）
（ひとつひとつの所作が流れるように洗練されていて、一指の動きにすら気品が滲む。卓上に並ぶ彩よりも、対面する彼女の優雅な所作をつい目で追ってしまうくらいに）
……ううん、そうだね。
どの出会いも等しく印象的で、忘れられない思い出といえるかな。
人も、街も。刺激的で新鮮だから。
大門・錦 2023年5月12日
確かに個性的な方ばかりですものね。
街も、パラドクスの残留効果で色々と突飛なことも起きますし。
退屈とだけは無縁ですわね。
まぁ、それも良し悪しですけれど。
黒桐・凜 2023年5月12日
今のところ、悪しと思ったことはないかな。
尤も、そう長い時間をこの土地で過ごしたわけでもないのだけれどね。
長く暮らしているとやはり、気になることも出てくるもの？
（思い出したようにクラッカーをひとつ手に取って）
大門・錦 2023年5月12日
そうですわね……私もまだ一年と半分ほど。長く、とは言えませんが。
旧校舎にはあまり近寄らないことをお勧めしますわね。
用事があるにせよ、黒のクラスの誰かに付いて貰った方が良いですわ。
変な遺産が向こうから来ますので。
（ローションまみれの階段、語尾がおかしなことになる、等々指を折り数え。）
(無効票)
大門・錦 2023年5月12日
まぁそれは兎も角。
そういえば、凛ちゃんはご出身はどちらで？
（エキゾチック溢れる容貌の少女……中性的なそれは、ともすれば少年と見紛うばかり。けれど名前の響きは和風、と気になっていたことを伺い。）
黒桐・凜 2023年5月12日
ああ……（溜息のような、苦笑めいた声音）
一度だけ踏み入ったことがあったけれど、まさに不思議な体験に出遭ったな、そういえば。
その、遺産……というものだったかどうかは、わからないけれど。
(無効票)
黒桐・凜 2023年5月12日
ん、……ああ、ボクかい？
見ての通り、ここからは随分と遠い土地だよ。
どこを出身と言ってよいものかは悩ましいけれど、ここへ来る前は中東に住んでいたね。
大門・錦 2023年5月12日
時すでに遅しでしたか……
遺産だったり生徒のやった事だったり色々ですが、八割くらいは騎士団の遺産が原因で変な事が起きますわね。
一応、何事もない方が多いようですが。
(無効票)
大門・錦 2023年5月12日
中東、といいますと随分と大きい括りですわね。
あの辺り、というくらいの理解で宜しいのでしょうか。
見ての通り、というのは説得力がありますわね。
（うん、うんと頷き）
私も中東……この場合はイスラエルの方ですが。
あの辺りに遠いご先祖様が居ましたので、無縁ではありませんわね。
黒桐・凜 2023年5月12日
ふふ、でも悪い経験ではなかったよ。
ご一緒していた方々がとても驚いていたものだから、ボク自身は割と冷静に受け止められたしね。
(無効票)
黒桐・凜 2023年5月12日
正確な場所はボクもあまり――拾ってくださった方について歩いて、あちこちを転々としていたから。
（この姓もその方のものを使わせていただいているんだよ、と）
ここ数年は小さな村落に身を寄せていて、そこをよく訪れる先生に読み書きなんかを習ったりしていたね。
……へえ、ご先祖が？
というとニシキ先輩は、ハーフ……みたいなものなのかな。
大門・錦 2023年5月12日
あぁ、ありますわよね。
近くにいる人が大きいリアクションをして下さると、自分は冷静になるのは。
(演出継続)
大門・錦 2023年5月12日
成程、それで中東、という括りになるのですね。
お名前が和風なのもそれで、ですか。
（そう言ってから、スコーンを手に取り、一口サイズに割って。クロテッドクリームを軽く付けて口へ運ぶ。濃厚なクリームとスコーンの甘みを楽しんだのち、口の中の油を紅茶でこくり、と流して）
ハーフ……というには少々血が偏り過ぎていますわね。
私の先祖が日本へ渡来したのが明治の初め。
そこからは六代ほど重ねて私ですから。
ほぼ日本人ですわ。
黒桐・凜 2023年5月12日
ふふ、そういう感じ。
尤もボクは驚くとどちらかというと静かになってしまう方でもあるけれど。
(無効票)
黒桐・凜 2023年5月12日
そういうこと。
名は一応向こうの言葉で付けてくださったのだけれどね。
“لِين”――優しさ、という意味らしいよ。
ふむ、……日本の歴史や文化はよくわからないのだけれど。
何か日本に赴く理由があったのかな？
……ああ、いや、変な質問だったらすまない。
余り、何事もなく故郷を遠く離れるというのが想像もつかなくて。
大門・錦 2023年5月12日
لِين、りぃん、凛。
優しく、そして凛と。良いお名前ですわ。
日本に赴く……といいますか。
正直なところで言えば故郷を追われた、と言うのが正しいですわね。
魔術師、それも悪魔召喚士なんて。
石以て追われるのが道理というものでしょう？
黒桐・凜 2023年5月12日
ふふ、ありがとう。
そう仰っていただけると、嬉しいよ。
――ああ、……確かに。
かの土地であらば、いずれの教義に属する者に於いても看過し難い類のものでは、あるね。
それらは否定された神の成れの果てだ、なんて論議もあるけれど――いずれにせよ啓示を胸に懐く者たちにとっては同じか。
大門・錦 2023年5月12日
その追われた果てで、一冊の魔導書を巡ってあれやこれやした末の大恋愛、そうして繋がれた縁が私というのも不思議な巡り合わせですが。
（人生万事塞翁が馬、というものですわね……と。）
魔術、とちょっと出ましたので。
凛ちゃんの所属はどちらのクラスでしたでしょうか。
旧校舎に馴染みが無いとなれば黒ではないのでしょうが。
黒桐・凜 2023年5月12日
おや、……ふふ、それはそれは。
まるで寓話の世界のような話。是非ともお時間が許す時に詳しく聞いてみたいな。
（なんて、くすくすと笑って）
ああ、ボク？ ボクは白だよ。
といっても明確に白のクラスに適性だとか、目標があるというわけではなくて。偶々心得があったというだけなのだけれどね。
むしろボク自身の得手はといえば、赤や黒の方が近いかも知れないし。
大門・錦 2023年5月12日
寝物語に聞いていましたが中々に長いですから、またの機会、ですわね。
（笑みに、笑みを返して）
白、ミーレちゃんのところでしたのね。
赤に黒、となれば体を動かすのと異能も、ですか。
その中から白を選んだ理由はありますの？
黒桐・凜 2023年5月12日
では、その機会があるのを心待ちにしているね。
（楽しげに笑って、クラッカーを一口。控え目に齧って）
んん、そう……だね。
習熟すればするほどに人の役に立てると思ったことと……それから。
戦い方や体の動かし方。魔法や、異能の制御。そういうものは先生たちから教わったけれど……
医療については見よう見まねの手伝い事しかしたことがないからね。ちゃんとした指導を一度受けたいと思っていたんだ。
大門・錦 2023年5月12日
（ふふ、と笑って）
本当に長いですわよ？
御覚悟、してくださいまし。
まぁ。立派な心構えですわ。
ですがそれでしたら。目標があるわけではない、だなんて。
ちゃんとした指導を受けたい、つまりは医療の技術を身につけたい、という事では？
歴とした目標だと思いますわ。
黒桐・凜 2023年5月12日
……ふふ、望むところだとも。
その分、麗しいニシキ先輩とともに時間を過ごせるのなら、ボクにとっては得だからね。
（なんて、微かに笑ってみせて）
ああ、……その。
歩む道はもう決めていて、だから将来そういう医療の道に進もう、というわけではないから……という意味で。
だから、そういう言い方をしてしまったのだけれど……そうか。
これはこれで、目標、でもいいのかもしれないね。
大門・錦 2023年5月12日
まぁ、お上手ですこと。
そう言われてしまっては気合を入れて語るしかありませんわね。
（くすくすと、歯を見せずに笑って）
えぇ。決まった道があったとて、寄り道もまた道ですもの。
元の道に戻った時、多くの者を得ている事を祈りますわ。
黒桐・凜 2023年5月12日
ふふ。先輩に見惚れて聞き逃さないように気を付けないとだ。
（そんな風に冗句めいて言ってみせ）
最上級生の方にそう仰っていただけると、少し肩の荷が下りる心地がするよ。
……そうだね。多くのものを得て……（そうしたら）
(演出継続)
黒桐・凜 2023年5月12日
（――何か、変わるだろうか）
（それとも何も――）
……と、……うん、そうだね。
多くのものを得て、先へ活かしていけるように。懸命に学ぶとするよ。
大門・錦 2023年5月12日
まぁ。そうしたら、また最初からお話しませんと。
（なんて。冗談めかして返し。）
（ふむ、と。言い淀んだ様子を見つつティーカップを口に運び。唇を湿らせて）
えぇ。多くを得て。多くの選択肢を得て。多くの迷いを得て。
それを糧と出来る事を。
（祈りますわ。とは口にせず。再度含んだ紅茶と共に飲み込んだ。）
黒桐・凜 2023年5月12日
ふふ、そんなことを繰り返していたら千一夜かかってしまいそうだね。
（こちらもさらに冗句めかせた物言いで返せば、）
（見透かされたみたいな言葉に、小さく、吐息めいた苦笑一つ零して）
……そうできるように努めるよ。
（なんて、そんな一言を返したのでした）
大門・錦 2023年5月13日
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