【個】猫と少女と魔女の夜
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
夜の闇の中、篝火に照らし出された厳かな会場で、人々の和やかな、あるいは和気藹々とした話し声が行き交う。
そんな正反対の雰囲気が同居するここは、在校生と新入生の交流会、ヴァルプルギスナハトの会場。
その一角、人の気配の少ないその場所に、猫の少年は訪れていました。
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#五十嵐・弥琴
#ネージュ・フルカネルリ
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
へぇ。それはやる気満々だ。
まぁせっかくの学校行事だし、健診の類いはテンション高めて、なんて気持ちで受けるものでもないだろうしね。
(なんて頷きながら)
え? ひとりに見えるのかい。
(なんて応じながらひとくち、冷たいコーヒーに口を付けて)
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
んむ。健康診断で和気藹々というわけには……いや、結構してたかもしれないッスけど。
けど仲を深める場に相応しくないっていうのはその通りッスからね。
(うむうむ。こちらも同意の頷きを返して)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
(そしてネージュさんの言葉に不思議そうに小首を傾げて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
……はっ!?
も、もしや見えない物の怪がいたり……するッスか!?
(身構えて。守るようにネージュさんに背中を向けて、せわしなく辺りを見渡します)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
まぁ、たしかに日本のコミックやアニメでは健診でわいわいやるのも定番なのは確かだけど。
私もやったし。
(なんて言いながら、あなたの反応を見やって)
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
冗談だよ。
それにもし仮に物の怪がこの場にいるとしても、私以上の鬼はいないし。
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
んむ、自分も楽しくやらせてもらったッス。
……とはいえ、てんやわんやしてる割合の方が多かった気がするッスけど。
(たはは、と苦笑を零しながらそんなことを言って)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
………………
や、そんな気はしてたッスけど……
(彼女との会話はそれほど数を重ねているわけではないけれども。その少ない交流の中でも分かったことがあります)
(ネージュさん……人を揶揄うのが好きですね?)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
……鬼、ッスか?
(きょと、とまた不思議そうに首を傾げます)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
てんやわんや……て。キミ、なにか係りにでもあたってたとか?
(と、小首を傾げて)
そう。そんな気がしてても確証が持てなかったのは観察力の敗北だね、精進するように。
(などと応じながら)
そう、鬼。聞いたことない……あぁ、いや。ジダイゲキ、とかの主流な時代じゃないか。
製鉄だとか、鍛冶師だとか。そういう職能者を鬼と同類に扱う文化があるんだよ。優れた技術、常人にこなせない仕事をする者は鬼だ、って話だね。
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
そうッスね、記録を取ったり並んでる人の整理をしたり……
白のクラスに所属してから、ああいう大きなイベントを経験したのは初めてだったッスから。
(慣れてなくって、あっちに行ったりこっちに行ったりだった、というわけですね)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
いや、もし気のせいだと思って本当に居て、それでネージュさんが危ない目にあったら嫌じゃないッスか……
そうなるくらいなら敗北する方が全然良いッスよ。
(どこか釈然としない様子でそう返して)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
ん……いや、鬼は知ってるッスけど、なんとなくネージュさんと結びつかなくって。
確かに頭の角とか、握った時の手の硬さとか、普通の人とは違うっていうのはよく分かるッスけど……
(うーん、と考えながら貴女の隣に腰掛けようとして)
……ほら、鬼って恐ろしい物の怪じゃないッスか。
けどネージュさんはそんな感じがしないから。
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
あ、でもそういう文化の方の鬼っていうのは初めて聞いたッス。
なるほど、それはつまり……鬼のようにすごい、つまり尊敬の意味ッスね!
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
それはいい経験になったね。
数字の書き損じ、読みそこない。
効率的な人やものの捌き方、そういうものは経験を経なければ、身につかない。
(なんて、こくりと頷いて)
それは親切……といいたいところだけど、平気。私はこれでも弱くはないからね。気持ちだけ受け取っておく
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
(あなたが隣に座ろうとすることに対しては、特に何も言わなかったけれど)
───……そうかな?
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
(ひと気が少ないのは、それはこの一帯が篝火が少なくて、不便だからだ)
(その分、闇が濃い。僅かにこの辺りを照らす、小さな炎はかえって闇を深めてもいて)
(その中に浮かぶ、金色の瞳は妖しい、焔のようにゆらゆらと瞬いていて)
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
……なんて、ね。
でもそういうこと。なかなか理解が早いじゃない。
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
んむ。この経験を活かして、来年はもっとみんなのお役に立つッスよ。
(ふふん、と楽しそうに。決意も新たに、少年は拳を握って)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
んむ、む。そうッスか……
(気持ちだけ、と言われてちょっとだけしょんぼり。もしかして頼りにならなさそう……とか、思われてる!?)
……も、もしかして迷惑だったッスか。
そういう……気に掛けられたりするの。
(なんて、少し不安げにネージュさんの顔を見上げて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
(そうかな、と。少年の言葉を否定するようなネージュさんの言葉に、また首を傾げそうになって)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
(一瞬だけ、しぃんと辺りが静まり返った気がします)
(遠くから聞こえていた人々の喧騒も。篝火の薪が爆ぜる音も。星々の瞬きの音さえ)
(ゆら、ゆらりと揺らめく篝火の炎。それを映し出すネージュさんの瞳が、妖しくて、そして同時にとても綺麗に見えて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
(呆けるように彼女の瞳を見つめていた少年は、ネージュさんの言葉にはっと我に返って)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
んふふ、そんなに褒めたって何も……
……いや、出るッス。
褒めてくれたから、ネージュさんにはお料理のお裾分けッスよ。
(なんて、上機嫌な様子でテーブルの上に置いていたトレーを彼女の前へ)
(並べられているのは肉料理に魚料理……およそコーヒーには合いそうにない料理ばかりですが、申し訳程度にクッキーやパイなども小皿に盛られています)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
いいや、別に。
私は迷惑なら迷惑だとはっきり言う方。
でも……そうだね。相手によって、時と場合によってはそういうこともあり得る、というのは考えてみてもいいかもしれないね。
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
(なんて言いながらそんな、あなたの様子を見ていて)
なかなか図太いな。
(褒めてるとも貶してるとも取れそうな、多分半分半分くらいなのかもしれない口調でそんなことを言って)
キミ、これも誰かに配るためにもってたのかな。
(手を伸ばして、フィッシュアンドチップスを摘まんではむ、とひと口)
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
そ、そうッスか……
(内心ホッとしつつ、けれども同時に釘を刺されたような気分にもなって)
んむ……今後は、その。出来るだけ気を付けるッス……
(人の役に立ちたい。人の助けになりたい。そういう気持ちが逸って、かえって相手を傷付けてしまっては本末転倒ですものね。人の文化、人との触れ合い、なかなか難しいものです)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
ど、どーいう意味ッスか!? 図太いって!
(心外だなー、と言わんばかりに抗議の声を上げて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
ん……んむ、そうッスよ。
食事は人間関係を円滑にする……なんて、そんな話を聞いたことがあるッスから。
もし学園の雰囲気に溶け込めていない新入生の子がいたら、一緒に食べて少しでも馴染んでくれたらなって思って運んでたッス!
(なんて、早速料理に手をつけてくれたネージュさんの様子を嬉しそうに見て)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
持ち味を殺すことにもなりかねないから、過度に気をつけすぎなくてもいいけれどもね。
その辺りのバランスをとって成り立ってるのが、人間、ってこと。
人の間、って書くでしょう?
……まぁ、これは今考えたのだけれど。
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月6日
さぁ、どういう意味だろうね。
(くつくつ、と喉を鳴らすように笑いながら)
優秀な生徒には宿題、ってしておこうかな。
あぁ、なるほど。それで、一度にこれだけ大量に持ち運んでいたんだ。
ごちそうさま。
五十嵐・弥琴 2023年5月6日
な、なるほど。人の間……!
(奥が深いなぁ、なんて感心して)
……って、ただの思いつきッスか!
(肩透かしを喰らった気分で、がくりと肩を落として)
なんかすごく尤もらしいから、納得しそうになったッスよ……
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五十嵐・弥琴 2023年5月6日
ふぬぬ……なーんか煙に巻かれてる気分ッス。
正解したらご褒美くださいッスよ、ネージュ先生。
(なんて、ちょっとふざけたように言うのは、少年なりの対抗心からでしょうか)
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
んむ、どういたしましてッス。
(自分が作ったわけでもなく、ただ持ってきただけだというのに得意そうに胸を張って)
……もしかして、ネージュさんも魚好きッスか?
(フィッシュアンドチップスにまず手を伸ばしていた彼女に対して、期待の眼差しを向けるのでした)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月7日
思い付きですとも。嘘も、堂々と吐けばそれは武器になり得る場面もある、ということだね。
勉強になっただろう?
魚が特別好き……ってこともないかな。ただ、食べられるものの価値に敬意を払って、嫌いなものはない。
(なんて応じながら)
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月7日
……ご褒美。
ふーん……
なら。目を閉じてみて?
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
あ、なんか聞いたことあるッス。
嘘も方便……ってやつッスよね。
……いや、勉強にはなったッスけど、嘘をついた側が堂々と言うことッスか?
(猫以上に掴みどころのない彼女の言動に、少年はたじたじです)
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
む……
(期待したものではなかったけれども、でも彼女の答えには満足そうに頷いて)
んむ。好き嫌いは無いということッスね。
なるほど健康優良児……
白のクラスの一員として、ネージュさんには花丸をあげるッス。
(人差し指を立てて、ネージュさんの額に向かってポンと指で押すような仕草を見せて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
んむ…………?
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
こう……ッスか?
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月7日
この程度でおたおたしていたら、錬金術師は務まらないからね。
そう。好き嫌いはないよ。好きなものの偏食をすることはあるけれども。
ほら、そういうところが図太い。
(なんて、言いながら)
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ネージュ・フルカネルリ 2023年5月7日
うん。
(なんて、声がして)
(目を閉じたあなたの前に、何かがことり、と置かれた)
(演出継続)
ネージュ・フルカネルリ 2023年5月7日
もう、開けてもいいよ。
(なんて、声がしたと思ったら)
(きっとあなたが目を開ける頃にはまるで、さっきまでここにいた少女は幻の様にいなくなっていて)
(あなたの前には、銀細工の根付が置いてあるだろう)
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
む……
んむむ……
なんとなーく、図太いの意味が分かってきた気がするッスけど……
だとすると、錬金術師を務めるには図太さが必要みたいッスね。
(暗に「ネージュさんも相当図太いッスよね?」という意味を含ませて、目を瞑ったまま唇を尖らせて言って)
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
……?
(はて、何か物音が? ぴくり、ぴょこぴょこと猫耳が跳ねて)
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五十嵐・弥琴 2023年5月7日
(言われるがままに目を開ければ)
……おお……
(篝火の輝きを照り返す物が目の前に置かれていて)
(無効票)
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
(そっと、包み込むように大事にそれを手に取って。そこでようやくネージュさんの姿がどこにも無いことに気付きます)
あ、あれ……?
ネージュさん……?
(きょろきょろ、辺りを見渡して。それでもネージュさんはどこにも見当たらなくて)
(無効票)
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
……宿題のご褒美じゃなかったんスか。
……はぁ、もう。
お返ししたいものがどんどん増えていくッス。
(まるで呆れたような言葉とは裏腹、その声色はどこか嬉しそうで)
(演出継続)
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
(星の瞬きと篝火の輝きに包まれて)
(彼と彼女の魔女の夜は、そんな風に過ぎ去っていくのでしたとさ)
五十嵐・弥琴 2023年5月7日
【〆】