【個】月に棲む
十埼・竜 2023年4月22日
「ちょっと案内頼まれてくれる? こちらのお客様なんだけどー」
……知ってる上に、ちょっと意外な顔がそこにあった。
#イオナ・ガルバローゼ
#十埼・竜
1
十埼・竜 2023年4月22日
(学生服の上にスタッフジャンパーを羽織った、異形のヘッドホンで耳を塞いだ青年が)
いらっしゃいませー(気安そうにひらひらと袖を振る。)
……えーっと。
どちらのお店をお探しでしたっけ?
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
(現れた少年の姿にメイドはにっこりと微笑んでカーテシーを一つ)
ロマノフ出身の復讐者、イオナ・ガルバローゼと申します。
土地を売買して居るお店を探しております。
此方では何でもそろうと聞いておりますので、土地を扱う店もあるかと伺いに参りました。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
あ――貴方は!
(そう、色んな人種種族の行き交うこの世界でもその奇妙な装飾、異形のヘッドホンは見間違える事はありません、ハッキリと今、貴方の事を認識しました)
ここで働いていらしたのですね! お久しぶりでございます!
(無効票)
十埼・竜 2023年4月22日
久しぶりだね、イオナくん。(礼儀正しい挨拶に微笑んで)
……土地。不動産屋さん、かな? 何件かあるから回ってみてもいいけどー……
(ごそごそ、タブレットに現在の店舗マップ(現在の、でしかないのが常に問題だ)を表示、絞り込みながら)
……ん、お部屋とか建物じゃなくて、欲しいのは「土地」?
(首を傾げる。)
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
ええ、土地です。
不動産……で買えるのでしょうか。
(タブレットを取り、操作する様子を見守り)
ええ、土地です。わたくしはわたくしの領地を手に入れるのですよ。
自分の領地があれば、領主になれるのです。
(無効票)
十埼・竜 2023年4月22日
んー……そっか、領地……
十埼・竜 2023年4月22日
……領地?!
(だいぶ幼げ、性別すら曖昧なくらいの少年の顔を二度見どころか三度見した。思案気な顔すら綺麗に整ってかわいいなこの子)
その……もう少しきみの要望を詳しく聞かせてくれるかな。
きみの言ってる「領地」ってのは、なんていうか(手をもにょもにょ動かして)支配者ってことだよね、たぶん。王様とか、貴族的な。
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
そう、領地です!
自分の支配する土地ですね。
その土地の責任者になるのですよ。
貴族です。この時代に貴族は殆どいないようですが。
そういうモノに成ろうと言う事ですね。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
(十埼様の手をもにょもにょする仕草を見て、真似をするようにもにょもにょしました)
目指して居るのですよ?
今は、まだ。準備が出来て居ませんが。
(無効票)
十埼・竜 2023年4月22日
……となると。税金を更に国に納めるようなやつは、路線が違う訳だ。
(その辺のシステムは現在崩壊してるとはいえ、彼の求めるものはそういう一時の所有じゃないんだろう……というニュアンスは、なんとなく聴きとれる)
貴族は殆どいない、んだけどさ。
その代わり、全ての土地が小さく分けられて、既に「誰かのもの」なんだよね……
十埼・竜 2023年4月22日
……目指してる、って、貴族ってのは目指して成れるものなんだ?
ああいうのってなんていうか……家系とか、大事なのかと思ったんだけど。
(そういや、その手の「貴族」と面識が出来たなあ、と思う。……本人全然やる気なさそうだったけど……)
準備とか、あるんだ?
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
「貴族は生まれてから貴族」家柄はもちろん大事な事ですが、幾つか功績を成す事で平民上がりの貴族と言うのも歴史の中にはあります。
勿論、一代ばかりの成り上がりでは歴史の古い貴族からの評価はいまいちかもしれません。
でも、何の身分も無い人よりは在ると言えると思います。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
功績の方は、今の戦いの中で、村民の生活を助け、大領主を打倒しながら重ねて居ます。
私が勤めている領主様達の集いの中でも、私の働きを認めて下さり爵位を得るならばその推薦をしても良いと言う人も居ます。
信頼に実績に実力、爵位を得るのは長く時間の掛かる事ですが。
どんな長い道のりも一歩ずつ進めるのです。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
ですので……まだまだ、土地を得るなどと言うのは先の話になりますが。
なにしろ今、刻逆で土地の扱いについても混乱している部分もあるでしょう。
この地球上の土地については。
(無効票)
十埼・竜 2023年4月22日
ああ……叙勲、とか言うんだっけ……?(違ったかも。あんまり歴史の授業に熱心じゃないんだ)
そっか、きみ、ロマノフで頑張ってたもんねぇ。(出会ったときのことを、思い出して)
一代で地位を築いた若き貴族、なんて肩書超かっこいいじゃん。
十埼・竜 2023年4月22日
地球上の土地……(妙な言い回しが耳に残って)
……あ。
十埼・竜 2023年4月22日
あーあーあー!
(ぱたぱたぱた、急にタブレットをせわしなく操作しだす。目はその画面に落としたまま、)
……イオナくん、きみ、もしかしてちょっと企んでたことがあった?
(この現代における土地の扱いに、然程驚きも見せなかったきみだ。もしかして、この「抜け道」を最初からアテにしてたんじゃないか?)
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
むしろその働きの中。人が生きるには貧しい土地に、必死にしがみ付いて生きる人、あるいは故郷を失い行く宛ても無い人たちを直接目の当たりにして。
そう言う人達が生きて行くのに、その生活を守る場所、力が欲しいと願ったと言う所もあります。
他にも理由はありますが。
これはわたくしがやらねばいけない事、わたくしのやりたい事だとおもいますので……。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
ええ、そうです。
わたくしの求めている土地は、誰でも一度は見た事があるのに誰にも開拓されていない。
なのに、どういうわけなのか土地としてそこに存在している。
そんな不思議な土地を、この時代では購入できるのでしたよね?
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月22日
十埼様、わたくしは月の土地を購入します。
(無効票)
十埼・竜 2023年4月22日
……きみ、王様向いてると思うよ。
悲劇を前にして護りたい、強くなりたい……の先に、ひとつ発想の飛躍を持ってるヤツってさ。
(すっかりくだけた口調で、くすくす笑いっぱなしだ――――だって、この子、すごーく面白いじゃないか!)
その通り。
どこの国も手出しできない協定がある、が故に“個人の所有だけが罷り通っている”。
空の彼方、38万4千キロ先の分譲地だ。
十埼・竜 2023年4月22日
(くるりと、きみにタブレットを回して見せた。表示されているのは、ある不動産屋だ)
このショッピングモールでは、何でも売ってるんですよ。
買いに行こうか。きみだけの月。
十埼・竜 2023年4月22日
……月の王様、なんてすごーくロマンチックだね?
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
王様ですか……。
元奴隷が王様……それじゃあまるで御伽噺ですね。
(くすくす笑われてほんの少し恥ずかしくなります)
でも真面目ですよ、僕は。
確かに、一国を守ろうとする程の気概でも無ければ。
守りたい人を守る事も難しい事でしょう。
助けたい人も沢山います、私は欲張りですからね。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
流石はわくわくモール……。
ええ、わたくしが初めて買う、わたくしだけの場所。
わたくしの月です。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
ロマンで人は守れませんが。
(こっくりと頷いて)
そうですね、今は茫々としたおとぎ話の月の王様が、いつか本物の王様になる所、よろしければ見守っていてください。十埼様。
(無効票)
十埼・竜 2023年4月23日
……元奴隷、ってのは初耳だけど、ますます語り継がれそうじゃん。
でも、いいじゃないか、御伽噺。
何時の時代も子どもから大人までを魅了した、人間の憧れの結晶だよ。
きみが真剣なのは、ぼくにはちゃんと“聴こえてる”さ。
……欲張りって自覚があるくらいが丁度いいよ。きみ、ちょっと真面目そうだもん。
十埼・竜 2023年4月23日
……おや。ぼくに特等席をくれるの?(にやり)是非。
満願成就の暁には、きみの名と御伽噺を世界に響かせてあげよう。(ラジオだからね!)
さて、それじゃあお店に行ってみようか?(こっちだよ、と指さして)
(無効票)
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
……十埼様は人を褒めるのが上手でございますね。
まだ、何かを手に入れたというわけでも無いのに。
流れるようなロマンある言葉で、遠い異星の草一つない土地が気づけば王土です。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
今日の買い物も、何一つない所から、せめて何か一つある所へと。
土地を買う気分を味わうためのものでしたのに、ふふふ。
しかし、俄然やる気は出てきました。
今日の買い物は特別な物になるでしょう。
十埼様が此処で働いて居るのが分かりましたね。
イオナ・ガルバローゼ 2023年4月23日
ええ、ええ、その時はきっとわたくしの買った月面まで貴方の放送も届く事でしょう!
では改めて案内をお願いいたします。十埼様!
(貴方の指さす方へ向き。わくわくのお買い物へ向かう今はメイドの少年なのでした)
(🌙)
十埼・竜 2023年4月23日
きみが、ひとを助けて尽くしたいのと同じだよ。
ぼくの言葉できもちよーくなってもらうのが、ぼくのやるべきでやりたいこと。
……うまいだろ、ぼく。
十埼・竜 2023年4月23日
まあ、でもさ。
それ以上にぼくが見てみたいんだよ。きみが築く月の王国を。
ぼくってすごーくロマンチストだからさ。
(支配することに。誰かを従え、同時に寄り添い支えることに。)
(それに救われたぼくは、その在り方を、愛しいと思っているから。)
十埼・竜 2023年4月23日
今後ともご贔屓に!きみのお呼び出しならいつでも歓迎だよ。
……月面放送かぁ……それってめっちゃめちゃかっこいいな……
(道すがら、Radio-DINO月面支局まで話が及んだのは)
(少々、ロマンが先走り過ぎたかも知れなかった。)
(🌙)