放送電波研究会

【個別】問)誤ちの始点を答えなさい。

十埼・竜 2023年4月6日
直径10m程度、深さ不明。
見たところ、プールというかただの地底湖だ。
しかしなんとなく、生温くて湿気っぽい。
「お湯が湧いたんだってさ。で、名目は水質調査っていう罰当番」
何でもアリだよねえ。ダイビングスーツを検めながら、モーラットを抱えた青年は声ばかり軽い。

「……不気味すぎて誰も来ないし誰からも聴かれない。丁度いいだろ」

軽いが、いやに、静かなまま。





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奉利・聖 2023年4月6日
なんだ、聞いてたんだ。
…まあ、それもそうか。
そう早まらないで。もしかしたらそうなるかもくらいで、積極的にそうするわけじゃないから。
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奉利・聖 2023年4月6日
ノイズイーター。
お話をしに来た…というより、色々聞きたいことがあってね。

この前も軽く教えてもらったけどさ。
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奉利・聖 2023年4月6日
君のことを、教えてよ。

どこから来て。
どんな存在で。
どんなことが出来るのか。

最初から今になるまで、色んな事を教えてくれないか。 (無効票)
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十埼・竜 2023年4月6日
【「そう」「そっか」「そのほうがいいよ」】
【「そしたらぼく、きみを食べちゃうからさ」】
【「これは約束じゃないんだけど。ふくしゅう、は、しないといけないの」】
【「大事なことでしょ?」】
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十埼・竜 2023年4月6日
【「でも。あれはもうすぐこわれればいいのにって、ぼく、思うの」】
【「そうしたら、こんどこそ、もっと壊れないようにできるから」】
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十埼・竜 2023年4月6日
【――――ごぼ。ごぼ。相槌のような水音が、暫く】

【「……じんこうの、あくま……?」やっと思い出したように、幼い声が切り出した】

【「アラタがつくったんだよ。すごーく、すごーく、時間をかけて」「ハルカが大天使にころされたから、海にしずめられたから」「それで、アラタの力がとまらなくなっちゃって」「だから、ぼくをつくって、もう、全部なくしてしまうことにしたの」「うるさくてうるさくてねむれないから、全部なくして、静かにねむりたいって」「さいしょは、ぼくは、そういう“約束”でうまれたの」】
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十埼・竜 2023年4月6日
【「でも、ぼくをつくる最後のさいごで、アラタは」】

【「ぼくのことを、みなくなった」】

【「……“あれ”の声を、聞いたせいだと思う」】



【「だから、ぼく、ほんとはね」「うまれてないんだ、ちゃんと」】
【ごぼ。……息継ぎをするような、水音。】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月6日
(ふくしゅう)(なるほど、最終手段を使うとなると…敵対するしかなくなるのか)(まぁ、それはいい)
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奉利・聖 2023年4月6日
人工の悪魔?
(悪魔を喚ぶのならわかる。だが…作っただと?)
(話を聞く限り、アラタとハルカはエゼキエルに飛ばされたのか)

…そうなんだ。ということは、君は不完全な存在になってしまったってことなのかな。
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奉利・聖 2023年4月6日
ノイズイーター…君がちゃんと生まれていたら、どんな風に全部なくしてしまう予定だったんだろう。

それと……アラタっていうのは。
「オワリサキ・アラタ」でいいんだね。今、“あれ”のすぐそばにいる存在でもある。そうだね?
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奉利・聖 2023年4月6日
悪魔を…君を作れるなんて、とても凄いことだ。
アラタとは…何者なのかな。 (無効票)
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十埼・竜 2023年4月6日
【「そうだよ」】
【「アラタは、世界をかえてしまうの。“あれ”の近くとか、いるでしょ。おんなじの」――――“ワールドハッカー”が。】

【「ふかんぜん……そうかも」「たぶんね。“かんぜん”だったら、ぼく、なんにも考えなくてよかったし」「おなかすいたり、しなかったんだろうなあ」「それで、もう、すぐにおわりまでいけたはずなの」】
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十埼・竜 2023年4月6日
【「アラタが全部くずしたものを、まっしろでまっさらで、霧みたいに」「なんにも見えないし、きこえないし、さわれない」「そういうのを、アラタはずっと、夢みてたよ」
だから、つれてってあげたいの。幼い声は、ちいさくつぶやく。】

【「……おわりさき?」「そんなのだったかな」
「あのアラタはね、おんなじなんだけど……」「たぶんね、怒らなかったんだと思うの」「だから、“約束”するには、足りなくって」
「だから、あんなにちっちゃくなっちゃった」】
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十埼・竜 2023年4月6日
【――――「すごいでしょう!」褒められたのが自分のことのように、誇らしげに「ぼくのことわすれて、そのまままざっちゃったのに」「またあらわれて、約束、しなおしてくれたし」「ちょっと顔がしわしわしてたけど」「毛もなんだかのびてたし」】
【「でもすぐ、ぼく、あれがアラタだってわかったんだよ。すごいでしょ」】

【「……“あれ”を連れてたけど」少し、声を落とす。】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月6日
(アラタはディアボロスだった…故に世界を書き換える能力を持ち、悪魔を造るなんて芸当も可能にする……)

おや、アラタは「アラタ」としか名乗らなかったのですか。

(原動力たる怒りが足りなかった。故に最後の最後で…踏みとどまれたと言えるか)
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奉利・聖 2023年4月7日
じゃあ、ちょっとお話を纏めますけど。

「アラタ」と「ハルカ」は共に違う世界に飛ばされた。
そこで「ハルカ」は大天使に殺されて、海に沈んだ。
「アラタ」は暴走し力が止められなくなり、あなたを作った。
己ごと世界をまっさらにするくらいの願いを込めて。
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奉利・聖 2023年4月7日
でも最後の最後で、そうしなかった。
多分アラタは……“あれ”の命を助けるために。
(ノイズで死なぬように)
あなたを不完全なままにした……。
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奉利・聖 2023年4月7日
もう一度、確認がてら伺いますけど。

『約束』とは、何で。

その結んだ『約束』は──無しにすることはできるのですか? (無効票)
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十埼・竜 2023年4月7日
【「ちがーうよー」歌うような節回しで】
【「時間がぐちゃぐちゃになった、あのときだけだよ」「アラタが、時間をとびこえたのって」「ぼくをつくったアラタも、ハルカも、ずーっといたよ。新宿の海のちかくに」】

【「ぼくをつくった時のアラタは、“あれ”の声を聴いちゃっただけ」】
【「その声を聴いて、呼んじゃっただけ」】
【「“あれ”の命が止まらないようにして、って、ぼくに言ったのは」】
  、、、、、、、、、、、
【「怒れなかった方のアラタ」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「はじめの約束はね、全部なくすことだったの。かわりに、アラタのぜんぶをもらうの。ぼくが生まれるために」】
【「でも、アラタは声を聞いたから」】
【「ハルカの声に、にてたから」「いっしょにいたい、って」「そしたら、ぼくはなにもできないでしょ?」】

【「でも、そのままアラタはぼくにまざっちゃった」「約束のかたっぽが、なくなったまま」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「だから」「またアラタが来たときに、言ったの。ぼくはいらなかった?って」
「そしたらね、なんか、すごーく、かなしそうな顔して」「たぶん、そんなことないよ、って」「名前くれたの。いっしょにいてくれる、って、言ってくれたの」
「そのかわり、“あれ”をたすけて、って。それが、ふたつめの約束」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「“あれ”の命、もうなくなってたから」「ぼくのやつの、うらっかわをあげたの」「波のね、上側と、下側で」「ぼくが下にいると、“あれ”は上になるから、動く感じになるでしょ?」】

【――――0と1に。無と有に。裏表に。】
【こどもと、悪魔の命が繋がれている。】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「“あれ”がもう止まらないようにして、それで、おわりまで行ってほしい、って。しずかで、いいところに」「そしたらいっしょにいてくれる、って」】

【「でも、怒らなかったアラタには力がなくて」「約束には足りなかったから」「ほとんど全部、なくなっちゃった」】


【「だめだよ、アラタとの約束だもん」「アラタはそこにいるでしょ、まだ、約束はちゃんとつづいてる」】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月7日
……ずっといた?海に。
それは………でも「ハルカ」は大天使に殺されたんですよね。
その大天使は…どこから来て、どうなったのでしょう。
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奉利・聖 2023年4月7日
(怒れなかった方のアラタ……?)
アラタが二人いた…ということはないですよね。

……ふーむ。
はじめの『契約』は総てなくすことだった。代わりにアラタはあなたのものになる。
(典型的な悪魔との契約。己を捧げる代わりに願いを叶えるというものだ)
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奉利・聖 2023年4月7日
でも、それを反故に…やっぱり無しにしようとした。
しかし契約は契約。あなたは生まれないまま、アラタはまざった。

そして再会を果たした時に、その約束は換えられた。
“あれ”を助けるようにと。なるほど。
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奉利・聖 2023年4月7日
あなたは「悪魔」だ。
契約はしっかり果たさないといけない。確かにそうですね。

では──“あれ”と別の契約をするというのは、どうですか? (無効票)
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十埼・竜 2023年4月7日
【「大天使? さあ。たくさんいるやつ」興味無さそうな相槌。「アラタはハルカのことしか考えてなかったから、ぼくもわかんない」興味の方向が極端なのは、親子似ている。】

【「だーかーらー」また、歌うような節回しで「ふたりはいないけど、おんなじだけど、ちがうの」「えっと、前の冬……?のときも、“あれ”にはそんなの、いたんでしょ?」】

【同じディヴィジョンに、同一人物は同時に存在しない】
【存在の“座”は、ひとつしかない】

【けれど。】

【――――世界法則は、パラドクスによって覆され得る。】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「“あれ”と?」声は言外に「どうしてあんなものと?」という疑問を含んでいた。犬猫よりももっと遠い、たとえば蟻のようなものへの。】
【「だって、“あれ”はアラタのだよ。ぼく、ちゃんと、止まらないようにしてるし」「最近、ちょっと、使いにくくなってるけど」「壊れたらちゃんと直してるし」】

【「……それに」
「ぼくが約束したのは、アラタが好きだからだ」
「ぼくはアラタが“大切”だから、アラタの“大切”を助けてるんだ」「アラタが、もう“やめる”っていうんなら、そうするけど」】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月7日
……ふむ、そうですか。
(その大天使とやらがあるいは、仇とも言えるかもしれないが)

……んー。
つまりそれは……鏡像?
(彼と同一でありながら異なる存在…それを思い出していた)
(アラタも同じだとしたら……)
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奉利・聖 2023年4月7日
(やっぱり、彼の扱いだけは異様に低い)
(まぁ、確かに…これにしてみれば、彼にアラタを取られたようなものでもあるしな)

でも、“あれ”は悪魔と契約ができる。
“あれ”では契約の当事者になれないと、そういうことですか?
あなたがなる気が無いから。
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奉利・聖 2023年4月7日
「アラタ」の許しがあれば、と。
そういうことでいいのですね? (無効票)
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十埼・竜 2023年4月7日
【「あのとき、ちがってたら、とか」「たとえば、天使も悪魔もなんにもいなかったら、とか」「たとえば、だいすきだ、っていえてたら、とか」「たとえば、もっと未来があったら、とか」「そういうの」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「……ぼくとことばを話せないのに、約束なんて、できるわけないじゃん」】

【「“あれ”はそんなこと考えてるの」「そう」「そっか」「アラタに約束をすてさせるの」「ぼくが、やっと、てにいれたのに」】
【「ほんとうにもうすぐこわれてしまえばいいのに」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【ごぼ。ごぼ。「……でもね」】
【「心か、体か、どっちか」「“あれ”がこっちがわに落ちてこないと、ぼくはなにもできない」】
【「“なにかする”のは、あっちがわの……」「えっと……」「特権。そういうやつ、だから」】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月7日
…………なるほど。

(まずは彼が、ノイズイーターのところまで行かなくてはならない)
(話はそれから…やはりそこに帰結してしまう、か)

分かりました。
(聞けることは、ここまでだな)
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奉利・聖 2023年4月7日
ありがとう。ノイズイーター。
色々と聞いてしまってごめんなさい。

(フィードバックして、彼が考える)(これから必要なのはそれだ)

僕からは以上…もしも何かそちらかあれば、お答えしますが。 (無効票)
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十埼・竜 2023年4月7日
【「いいよ。知りたがりのセイ」】

【暫し、考え込むような水音が続いて。】

【「……ひとつだけ」】
【「アラタが言ってたこと、思い出したんだけど」】
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十埼・竜 2023年4月7日
【「“どんな形になっても、ただ其処にいて欲しかった”
“僕の我儘を、君は恨んでくれていい”」】

【「“あれ”なら、このことばの意味、わかると思う?」】 (無効票)
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奉利・聖 2023年4月7日
………きっと、わかりますよ。
どうもありがとう。とても大事な事でした。
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奉利・聖 2023年4月7日
それではまた、いずれ。
今日はこれにてお暇しますね。

(異形のヘッドホンに向かって、小さく手を振る)
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奉利・聖 2023年4月7日
(さて、引き上げだ。水底の彼を、迎えに行こう) (無効票)
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十埼・竜 2023年4月7日
【「そう」】

【「…………そっか」】



【「さよなら。セイ」】
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十埼・竜 2023年4月7日
――――――――

(――――ぼくの方は、もしくはモーラットの具合といえば。)

(最初こそ死に物狂いで藻掻いていたものの、水中でも変わらず悲鳴をあげていられることに段々気づいたらしく)
(ただ、呼吸に問題はなくても水の肌触りはやっぱり恐ろしいようで)
(ひっしりと胸にしがみついたまま、ぼくが抱きしめる手を解くことを絶対に許さなかった。)
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十埼・竜 2023年4月7日
(どのくらい沈んだだろうか。10mは下らないと思う。温い水の中で仰向けになると、水面が大きな月みたいに見えた。そこに、長身の人影が浮かんでいる)

(……ぼくの推測が正しければ、ぼくと“あれ”は混線する)
(何も聴こえない距離は――――やっぱり、)

(小動物の体温は、水の温度より少し高い)
(ここにあってよかった、と思う)
(だから、きみが見たぼくは、モーラットを抱きかかえて蹲っているようにでも見えたんだろう) (無効票)
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奉利・聖 2023年4月7日
(大分深い…地底湖と呼ぶに相応しいくらいだ)

(沈んでいる彼を目指すように、奥深くへと潜って)

(モーラットを抱きかかえる彼の頭を、トントン叩く)
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奉利・聖 2023年4月7日
(上がろう、のハンドサイン)

(何も答えずとも、その身を抱えて浮かびに行くであろう) (■)
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十埼・竜 2023年4月7日
――――、
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十埼・竜 2023年4月7日
(うん)
(頷いて)

(片手を伸ばすことを、モーラットは許してくれた。)
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十埼・竜 2023年4月7日
(昇る過程で、またノイズイーターに頭を押し込んで)
(空気とノイズのたっぷりある世界に這い上がり、また暫くぼろぼろと泣く羽目になる(モーラットは泣かないぶん、水を吐いていた))

(その間に聞かされた)(長い、長い話は――――) (■)
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