【個】Step by Step
奉利・聖 2023年4月1日
お互いに、プロムナードの参加は今年からだ。
ダンスホールが待っている。
ずっと待っていたみたいに。
#レイチェル・セレナイト
#奉利・聖
1
レイチェル・セレナイト 2023年4月1日
(ステップ、ステップ、少し体を離して、ターン)
(編み込んで軽く結い上げた髪の結び目。あなたの贈った髪飾りがふわりと揺れて――)
レイチェル・セレナイト 2023年4月1日
……あら、どうしてだなんて、そんな。
(くるりとあなたの腕に飛び込むように、また、すぐ近く)
言ったじゃないですか?
“あなたと”行きたいところがある、って。
(だからですよ、と)(柔く微笑んで)
(無効票)
奉利・聖 2023年4月1日
いえ、むしろやり甲斐はあります。
自由で楽しいですよ、勿論ね。
(揺れる髪から吹き抜ける、貴女の香り)
(そして、髪飾りが視界の中に入って………)
お気に召したようですね。髪飾り。
奉利・聖 2023年4月1日
……確かに、言ってましたけども。
では去年との違いは何だろうな、と思いまして。
1年で貴女にそう思わせるんですから。
(腕の中の貴女が、あんまりにも綺麗なので)
(気を抜いたら目を奪われそうになる)
(回るようなステップで、ダンスホールを巡るように)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
ふふ、そう思っていただけるのなら何よりですけれど――
(なんて少しだけ安心したように笑って、)
それはもちろん。
あなたからいただいたものですもの。
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(くす、っと笑って)
(クローズドポジションから、少しだけ――あなたに身を寄せるようにして)
(それでも、ステップは少しもずらさずに)
そうですね、きっと、去年と違うことは色々あるんですけど。
一番は――
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
ずるいとか、自分が嫌い、とか。
ずっと思っていたこと。消えないこと。
そういうのを、抱えてても――
――抱えたままでも。
溺れてしまってもいいな、って、思ったから。
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
────溺れて。
(それは…………)
どう、溺れたいんですか。
(身を寄せる貴女に、ちょっとだけ身が跳ねる)
奉利・聖 2023年4月2日
それで、その溺れたいって時に。
伴だって欲しいのは……僕ですか?
(どこか、確かめるような問い)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
――どう、とあらためて訊かれると難しいですね?
(なんて少し、困ったように笑って)
……私にもよくわからないんですよね。
だって、“恋”って初めてで。
どうしたらいいかなんて、全然わからなくて。
でも――――
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
――ええ。
溺れるのなら。
あなたと一緒がいいな、って、思ってる。
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
──────。
(ステップを止めなかったことを、どうか褒めて欲しい)
(きっと、ぽかんと呆気に取られていただろうから)
奉利・聖 2023年4月2日
あー、えーと。
その。あー…………。
(言葉が上手く紡げなくて)
(ちょっと落ち着く時間が欲しかったから)
ごめんなさい。もっと…ストレートに、もう一回。
言ってくれると、嬉しいのですが。
(察しが悪いのではなくて)
(揺るぎない確信を求めている)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(呆気にとられたような顔を見上げて、)
……聞きたいですか、もう一回?
(なんて、くすっと笑って)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(そっと、耳元に顔を寄せて)
あなたのことが好きです、私。
だから、あなたと一緒にいたい。
色々な場所に行って、色んなことを楽しんでみたい。
あなたと一緒に、この“恋”を育てていきたい、形にしたいって。
……そう、思っています。
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
(これで、もう)(玉虫色のままにはできない)
(あぁ、そうか。僕に恋をしているんだ)
(別に初めてのことじゃない)
(永い人生だ。恋人が居たことも、結婚したこともある)
(それは皆、ただ受け入れてそうしただけなんだけれど)
奉利・聖 2023年4月2日
………僕は。
“こんなの”ですよ。
いつかすべてが終わったら、消えてしまうかもしれない。
矛盾してるんだ。死人が生きているなんておかしい。
世界がそう思ったら、いなくなってしまうかもしれない。
奉利・聖 2023年4月2日
何にも、保証できない。
ずっと傍に居てあげられることを約束できない。
それでも、ですか。
それでも……望んでいますか。
(物事に永遠は無い。突然この身の奇跡が消えて、物言わぬ肉に成り果てるかもしれない。何も分からない。何も保証できない)
(それが、恐ろしくないのかと)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
……。
(緩やかに収束していくワルツの音色を聞きながら)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(そっと額を寄せて、預けて、)
私は、そんなの怖くありませんよ。
……怖いのは、それを怖がって何も残せないこと。
別れを怖がって、あなたにあたたかな思い出を残せないこと。
“いつか”を怖がって、あなたをひとりにしてしまうこと。
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
――なにより。
未来の保証も約束も、なくたっていい。
だって、私たちは今を生きているんだもの。
今、あなたと一緒に居たい。
今、あなたと思い出を紡いでいきたい。
日々をひとつひとつ積み重ねて、幸せをひとつひとつ積み上げて。
そういう風に生きていきたいんです。
それが結果的に“ずっと”になるのなら、勿論、すごく幸せですけれど。
……仮にそうでないからといって、あなたと一緒にいたい、という気持ちは変わりはしませんよ。
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
……だから。
それを怖がらなくたっていいんですよ、聖くん。
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
(保証も、約束も、永遠も)
(無くていいのだから)
(ただ、今を紡ぎ続けていたいと)
(貴女は、そう言ってくれるのですか)
(そこで、ふと一つの言葉を思い出したのだ)
奉利・聖 2023年4月2日
「誰かを幸せにするとか」
「誰かを護り続けるとか」
「そういう、大それたこと考えなくていいから」
「目の前にある情を、躊躇うなよ」
(どこか、寂しそうな顔でそう言っていた)
奉利・聖 2023年4月2日
(そうだね)
(この心にあるそれに、従おう)
ㅤㅤㅤ、、、、、
ねぇ、レイチェル。
奉利・聖 2023年4月2日
色んな人に出会いました。
この場にも、色んな人が居ますね。
その中で、
奉利・聖 2023年4月2日
(揺れる射干玉は、貴女を見つめて)
(寄せる身は、決して離さないように)
奉利・聖 2023年4月2日
貴女が一番、綺麗だ。
一番だ。
きっとこの先、塗り替えられることはない。
そう、誓ってもいいですか?
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(あ、)(名前、)
(跳ねた鼓動は、きっと)
(指先を、寄せた額を通して、あなたにも伝わってしまうでしょう)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(きっと、熱い頬も赤くなってしまっているけれど)
――ふふ。
(浮いたのは、小さな、満ち足りたみたいな笑み)
じゃあ、私も、誓います。
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
――聖。
この先、どんなことが起こって、何があっても。
ずっと、あなたが私の一番です。
(そう、)(真っ直ぐにあなたの瞳を見上げて、言って)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(曲の終わりを、耳にして――)
(静かに、瞼を伏せました)
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
(…こんなダンスホールの真ん中でなんて)
(でも、それも悪くはないか)
奉利・聖 2023年4月2日
(背に回していた手を、貴女の頭に回して)
(じっと、その顔を見つめてから)
奉利・聖 2023年4月2日
(嗚呼、なるほど)
(どうやら僕も、大分やられてたらしい)
(今更そんなことに、気が付きながら)
奉利・聖 2023年4月2日
ㅤ
ㅤ
(ささやかな愛の証を、貴女に降らせるのだ───)
ㅤ
ㅤ
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(――人前ですからね、ええ、人前ですから)
(ほんの僅か、ささやかに触れた感触にふっと微笑んで、すぐに離れて)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(またダンスの時と同じように、もどかしい近い距離)
(あなたの瞳を真っ直ぐ見上げて)
(それはそれは、幸せそうに、蕩けたみたいに笑って、)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(……おっと、いけない)
(わきまえてます、大丈夫、大丈夫)(おとなですからね!!)
動いたらちょっと、お腹が空いてきちゃいました。
何か少しつまんできませんか?
(表情も、口調も声音もいつも通り、)
ね、聖?
(だけれどその呼び方と、)
(呼びかける名前に込めた気持ちは、いつもと違う「特別」で)
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
(暫く、なんともいえない感覚の余韻に浸るのも束の間)
はい?
奉利・聖 2023年4月2日
あ、あぁ……なるほど、そうですね。
(そのいつも通りな感じに、小さく笑みが漏れた)
いいですよ。
でも少しつまむでいいんですか?
レイチェルってほら、結構食べるから。
(変わるものと、変わらないもの)
(特別になったものと、いつも通りなもの)
(どれも、愛おしく素晴らしいものだ───)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
今は少しで大丈夫ですぅ~。
(なんて、ちょっとわざとらしく膨れてみせて)
だってほら、少し休んだらまた踊りませんと!
折角なんですから、めいっぱい最後まで楽しんだほうがいいでしょう?
(なんて、はしゃいだようにあなたの手を引いて、早く早くと歩き始めながら)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(くるっと振り返って)
……そ・れ・に。
私より聖のほうがいっぱい食べるじゃないです?
二人でいっぱい食べたら、あっという間に会場のお料理がなくなっちゃいますよ。
(とまあこれは半分以上冗談なのだけれど)
……ね。
だから終わったら、どこかで食べて帰りましょうよ。
(二次会デートしましょ)(と、声音はいつも通りながら、だいぶ燥いでいるのが伝わるようなことを言って)
(無効票)
奉利・聖 2023年4月2日
元気いっぱいなんですから。
そうですね、体力回復してまた踊りましょう。
(はしゃぐ彼女が可愛くて、ぐいぐい手を引かれるのだ)
奉利・聖 2023年4月2日
えー、ご飯ものありますか?
あればいっぱい食べてもいいかなと思いますけどね。
(こちらも半分冗談だ)
おや、いーじゃないですか。
それ採用です。どこがいいかなぁ…。
(プロムナードの夜は、一つの節目となり)
(またすぐに、新しい門出を彩る季節となる)
(一足先に、一組の男女が新しい関係となるのだった──)
(。)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
ふふ。なんと私、この間竜くんから美味しいところ教えてもらったんですよ。
遅い時間でもやってるところだから、期待してくださいね。
(美味しかったですよ、なんて)(そんな風に言いながら、)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(ふと、思う)
(保証もない)
(約束も出来ない)
(永遠だって誓えない)
(なんて、彼は言ったけれど)
(――そんなのはきっと、私も同じ)
(この刻逆というもので織られた世界の全部が、同じ)
(それでも――)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(私たちは二本の足で、ここに“今”、生きているのだから)
(変わるものも、変わらないものも、特別も、いつも通りも)
Step by Step
(一歩ずつ、少しずつ、踏み出して、積み重ねていけばいい――)
レイチェル・セレナイト 2023年4月2日
(一つの節目を二人で迎えて、)
(新しい日々への一歩を、ふたりで、)
さ、行きましょう、聖。
(――歩いていきましょう!)
(。)
奉利・聖 2023年4月2日
【次の一歩を想って】