【個】ある日の初邂逅
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
ある放課後の保健室。
本日、当番ということで椅子に座っておりますのは腕白番長こと白の番長ミーレ・ベルンシュタイン。
幸いなことに今は調子を悪くした生徒もいないようで、静かに時計の音が響く中、机に向かって作業をしておりましたけれども――。
#ミーレ・ベルンシュタイン
#ロキシア・グロスビーク
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
で、ですよねー。(と、同意と共に愛想笑いをひとつ)
気を付けますっ。
よろしくお願いします!……あはは、すみません。
ちょっと心構えがなかったものですから。
(と、漸く脱力したように自然な立ち姿に戻り)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
あ、すみません説明もなしに。
中国で、曹操と複数のジェネラル級討伐作戦が出たんです。
僕も向かう予定でして。
ただ、去年11月頃の孫権討伐が結構重傷者が出たものですから。
今回も、生徒から……もしかしたら。ということで。
事前にお伝えしたほうがいいかな、と来たわけです。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
ああ。
(納得したような顔をして頷くと)
そういうことでしたら、注意喚起しよう……という意識はありがとうございます。
でも、他所のクラスの子がわざわざ心配しないでも大丈夫ですよ。(あっさり、きっぱり)(そう告げて)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
手術室での治療が必要であれば――誰が施術するのか、というところを含めて、きちんと差配いたしますから。
いえ、「いたします」って、なにも全てをわたくしが取り仕切るというわけではないですけどね、生徒会とも連携してという話で。
ですので、どうぞご心配なく。
もちろん、貴方がケガをした時にも、出来る限りのことを致しますから。ね。
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
あっ、すっ、すみませ。
(出過ぎた真似を、いや心配性でか)
(いや、いや。なんと言おうか)
……去年は、その。何度もご迷惑をお掛けしたものですから。
(確か、3度)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……ありがとうございます。
大怪我することは、今は無くなったんですけども。
今度そんな不覚を取ったら花束お姉ちゃんに申し訳ないところもあるので……。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
いえいえ、謝るようなことでも。
繰り返しになっちゃいますけど、「どうぞご心配なく」、が、わたくしの一番言いたいことですから。
(笑って、ひらひら手を振って)
誰かがケガして帰ってきても大丈夫なのか、と思いながら戦うのも不安でしょうから。
迷惑だなんて、尚更思うはずもありませんわ。
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
むむ。
戦い傷つけるなら傷つくこともある、とはいえますし、気負い過ぎることはない、とは思いますよ。もちろんケガしないでいよう、という心がけは大事でしょうけど……(けども)(うん?)
……というか、花束お姉ちゃん?
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
(白の番長さんの笑顔に、少しばかり思考の余裕が出来たのか)
……わからないことだらけの人間でして。
へたくそなんです。何するにしても。
慮るなんて、まったくしなかったから。
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
あ、えっと。お姉ちゃんはその。そう呼んでと言われただけでして。
そこまで深い関係では。
黒刀を教えてもらったので、ちょっとね。
頑張らないとって。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
あ~……(苦笑いのような顔になってしまうのは、)
……わたくしもそれは、人のことは言えません。よく言ってましたしね、へたくそだって。
でも、ほら。
下手打ったかな、と思ったとしても、今は、慮りたい、と思ったのでしょう?
その気持ちは素敵で、大事にして良いものだ、と思います。(ね、と、小首を傾げてみせて)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
あ~。
(そう言われたら納得する、というか、なんとなく想像ついた気はした)
(お姉ちゃんと思っていいですよ、みたいなところでしょうか。言いそう)
黒刀……七天の技を教わった、ということですか。
……うん。その信に応えて出てきた気持ちが、易々と不覚は取れないな、というものだったなら――……それは、大事にしてあげてください。
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
……それで無茶してケガされたら、多分、周りのイメージより凹んじゃうと思いますから、花束ちゃん。
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……ミーレさんも?(頭を傾けて)
それは。(自信を持って、言えることではないにしても)……はい。
情けない限りですけども……今は気持ちだけでも。
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
ええ、そういうことで。
……今の本調子でない姿のほうが、
何かお叱りを受けそうですけども……。
(どうにも。先のやり取りで自覚してしまった)
(先月から大いに傷んだ心は、未だ癒えていないのだな、と)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……う゛。(やや芝居がかった様子で怯んで)
休みなさいとか、無茶すんなよとか。
今月に入ってからよく言われる理由が。
やっとわかったような気がします……。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
ええ、わたくしも。
箱入り娘だったもので。同年代との交流……というものの経験がまるでなかったのです。(なんて。冗談めかして、肩を竦めてみせて)
ふふ。はい、ぜひに。
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
本調子でない――ですか。
どこか具合でも?(少し心配そうに首を傾げつつも、)
……それとも、自信とかの話ですかね。何かそういう関係で失敗したとか(話の流れと、これまでの様子的には)(そんな感じかなあ、とも思う)
(まぁ、……話す機会はないでしょうけど、自分にも覚えがありますし)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
いやそれは花束ちゃん関係ないでしょう。
貴方を心配する言葉を、人を心配する言葉に置き換えるのは良くないですよ。
(まあつまり、さっきの一言は目の前の少年より花束ちゃんを心配しただけ……ということには、なってしまうのだけど)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
箱入り娘ですか。確かに、いかにもお嬢様って感じの、
高貴さを感じる装いですよね。
(一瞥しての所感をひとつ)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……自分の悪いところを。先月、自覚させられてから。
傲慢さばかりが出て、友達を、いえ好きな子が大変だったのに。
あまり良いことが言えなくて。
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……か、からまわってる……。(更に凹んで)
…………ごめんなさい、その。こんなつもりはなかったんです……。
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
……おかしいな。もうちょっと。元気に話せるはずだったのに。
(両の瞳から雫が溢れて)
ごめんなさい。ごめんなさい。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
…………白ランがですか?
(なんて)(ちょっと大袈裟にいってみたのは、冗談めかして、……だったりしたのですけど、)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
…………、(流石に、ちょっと)(驚いた顔をして)
(同年代――というか、年下か。個人と紐づいているかは別として、一応名簿は頭に入れているのだ)
(年下の男子が泣くところに出くわした記憶は……それこそ、あまりなくて)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
……いーえ。全然。わたくしこそ……無神経なことを言ったかもしれません。(ふる、と、首を振って)
わたくしは、誰に何があったのか、知りませんし……無理に聞き出そうとも思いませんけれど。
……一つだけ。その好きな子は、貴方に、迷惑だと?
ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
(普段の審美眼すら、どこへやら)
(おべっかか、先入観か。ここまで曇ることがあるのか)
…………。
(ここまで話せなくなるものなの?)
(だめだ、怖い)(先日までまともだっただろうに)
(……それは、果たしてまともだったと言えるのか?)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月20日
い。言って。なかった。です。(震えた声で)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
なら。
役立たなかったと決めつけるのも、きっと、それはそれで傲慢なことなのではないですか。
それを決めていいのは、大変だったという相手だけですから。
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
(何も知らずにそう口にするのは、それこそ傲慢で偉そうな口ぶりだと、自覚はしているけれど。)
(――それから少し、雰囲気を緩めて)
……ただ、そうですね。
「もっとうまく言葉がかけられたのではないか」ということなら、分かります。わたくしにだって覚えがありますもの。
もし貴方がそう思うのであれば――、
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月20日
そのままです。そうしましょう。
次はもっと、うまくやればいいのです。(えへん、と、胸を張って)
それで万事うまくいくかは分かりませんけど――、
慮るのは不慣れ、なのでしょう? わたくし達のような……たかだか小学生の、しかもそーゆーことに不慣れな子が、最初から全部上手くやろうって方が無理なんですもの。
わたくしは、そう思うようにしてます。――失敗したこと、後悔ばっかりして、自分はへたくそだーって言い続けていても。今の自分を好きでいてくれる人たちに、失礼ですから。
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
……すみません、いえ。ありがとうございます……。
うまく、うまく、やりたいんですけども。いえ。やりたいです。
(顔を上げても未だ、涙が乾く様子もなく。鼻を啜って)
……好き。で。(本当にそうか?と思ってしまったのを)
…………。(飲み込んで)
あんまり、こんな姿を。見せたく、ない、ですし。
これ以上は。だめな自分でいるのも。いやだし。
どうにかこうにか。はい。します。
(なんとか。意思だけはと、言葉を紡いだ)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
はい、そうしましょう。
少しずつですよ、少しずつ。
すぐに全部上手く行かなくても――その、何が悪かったのかを考えて、良くなりたいという気持ちがある限り。ひとつ前よりはきっと、少しは上手くできるはずですから。
(にこりと、笑って、)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
――ごめんなさい。
こういうとき、本当はもう少し、優しいことを言うものなのかもしれませんけど。(慰めるとか)(大丈夫だよ、と口にするとか)(それが間違っているとは思わないけど、)
そういうの、あまり性に合わないのです。
ちゃんと目の前の課題を見て、一歩ずつでも前に進んでいくことを考えた方が、ほら。魔術師らしいでしょう? ……なんて。
(言いながら、)(――はい、と。白ランのポケットから取り出した、白いレースのハンカチを差し出して)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
…………。
なんでも出来るって。思ってしまうのも。悪いところで。
強くなりたいとか褒められたいとか。好かれたいとか。
そういうのばかり、頭が優先させて。
……だから。少しずつ。
(その、笑顔に。いつまでも泣いていては、と思いながらも)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
(ふるふると頭を振って)
いいんです。初対面のひとに、言葉をまちがえて。
その上泣くなんて。ずるい子のやることだから。
……そう、かも。しれません。
いえ。そうです。そうでないと。
(差し出されたハンカチに)(自分のがあると、言うべきか)
(逡巡して)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
(もういちど。ありがとうございます、と言ってから受け取り)
(涙を拭って)
(泣き腫らした目をそのままに)
プロムに。好きな子を誘うという課題があるもので。
まずはそっちを、なんとかできるよう。がんばってみます。
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
まず、じゃない!欲望を優先させてる……!(ぶるぶる頭を振って)
そーじゃない。冷静じゃない!
カッコつけ野郎……!それじゃシィちゃんに嫌われる!!
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
それはそうですね。
(ずばっっっ)
(ずるい子、という言葉を、実に遠慮なくあっけらかんと肯定した)
(だって、ほら)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
番長とか、そーゆーの以前の話。
保健室はちょっとくらい弱いところを曝け出したっていい場所かもしれませんけど。
それでも――、
そー簡単に、好きな子以外の――そう、初対面の、年だって近い「女子」の前で、泣き顔なんてみせるものじゃないですよ、男の子が。
……いえ。男の子も「それ以前」かな。
や、別に好きな子の前で泣けーってわけじゃないですけど――、
(上手くいえないけど)
(……自分なら。好きな人の心の底は、自分だけが覗きたいと思うもの。そうでなくたって、安売りはしてほしくないだろう)
(だから、つまり……そう、)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
なんもカッコつけれてないです。
――カッコは、つけましょう。そう、「もっとうまく」です。
欲望優先、上等じゃないですか。好きな子をダンスに誘うっていうなら、それこそ頑張って少しでも良い印象を与えないと。
頑張って下さい。応援してます。……これは、本当にです。プロムはわたくしにとって、友達主催のイベントですしね。
(一人でも多くのペアに楽しんでもらえたら。きっと、主催の彼にとっても、誰にとっても、自分にとっても。喜ばしいことだと思うのだ)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
ugu.
(ずばーーー)
(否定してほしい甘ったれの心に肯定が刺さる)
…………。
(んん、とか。言葉にならない小さな唸りで、苦悩しているようで)
みっともない、ところ。見せて。すみません……。
(ふたたび、頭を下げて)
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ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
ugugu.
(無効票)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
……あ、あはは。それは。また。
もっとうまくですか。今の僕には難しいですね。
(苦笑ではありますが、それでも笑み)
ええ。でも。頑張りますとも。
……出れなかったら、それもまた。(いいや。それも違う)
(咳払いをひとつ)これ以上、格好悪くならないように、全力を。
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
はい。――たぶん、それが正解です。
「そっち」よりは――その方が、カッコいいですよ。
健闘を祈ります。
(なんて、冗談めかして笑ってみせた、丁度その時に)
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
(きんこんと)(下校の時間を知らせるチャイムが鳴って)
――おぉっと……!
も、もうこんな時間ですか。……ごめんなさい、わたくし帰る前にちょっと……
(ちら、と、机の上にさっき綴じたファイルを見て)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
……はいっ!
(元気に、意欲的に。応じてみせて)
(演出継続)
ロキシア・グロスビーク 2023年3月21日
っと、(チャイムで漸く時間の経過に気づき)
いえいえ。僕のほうこそ。お時間取らせてしまって、ごめんなさい。
このお礼はどこかで、お返ししますから!
重ねて、ありがとうございます。ミーレさん!
またどこかで!(畏まった様子もなく。自然な笑顔で)
(ロキシアは保健室を後にしました)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
……割と好き放題言っただけのような気がするので、別に気になさらずともと思うのですけど(苦笑気味に頬をかいて)
力になれましたなら、良かったです。
はい、また、ロキシアくん。――頑張ってくださいね。
(演出継続)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年3月21日
……しかし、シィちゃん……ですか。
変なタイミングでよく聞きますね……(呟くように言ってから)(おっとと、慌ててお仕事を片付け始めたのでした)