【個】もうすぐ卒業、もうすぐ最高学年
竜城・陸 2023年3月11日
三月と言えばそんな時期で。
新年度の準備にばたばたしてはいたけれど、少し時間を取りたいとは思っていた。
珍しく早くに仕事を畳んだ土曜日のお昼。
たまに一緒に食事でも、と誘ったその日のこと。
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竜城・陸 2023年3月11日
(日々の他愛ないことなんかを話しながら、遅めのランチを終えて、運ばれてきた食後の飲み物やデザートを前に……というところ)
そういえば、最近はどうだい。何か変わったことはあった?
(なんて、コーヒーを片手。少しふわっとしたような問いかけ)
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
(その問いかけにふむ、と思案します)
そうですね……少し偶発的な事象でしたが、魔眼の力が発動したことがありました。
あれを意識的に扱えるようになれば、もう少し戦闘時にできることも増えるかなと思います。
(先日の出来事を思い返します。いろいろありました)
あとは──
御掃除・すいすい 2023年3月11日
──海賊になりました。
(さらっと真面目な顔で報告しました)
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竜城・陸 2023年3月11日
魔眼の――ああ。
そういえば確かに前に、君の瞳から魔力を感じたことがあったな。
意識的に、ということは、今はまだ随意的に働かせルのは難しいのかな。
(ふむ、と少し思案し――――)
竜城・陸 2023年3月11日
――――海賊。
というと、ルリアの影響かな?
(特に驚きもせず、平然と聞き返しました)
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
はい。おそらく今の私は車を持っていても鍵を持っていない状態かと思います。
先日は叩いたらたまたまエンジンがかかったようなものかと。
ですから、まずは鍵を探すところからですね。
御掃除・すいすい 2023年3月11日
はい。ルリア様から船員に誘われました。
奥様達のところに帰れるまでは、ということでしたが……もし奥様達のところに帰れずとも、居場所ができたことは嬉しく思います。
知っていますか? 海賊はいろいろなところを冒険したりするそうです。
いろんなことを見たり聞いたり……素敵ですよね。
私はまだ、正しい世界はこの新宿を含めたごく狭い範囲しか知りませんから。
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竜城・陸 2023年3月11日
なるほど――ふふ、そこまできちんとわかっているのであればお節介をする必要はないかな。
でも、もし行き詰ったら相談してね。何か力になれることがあるかもしれないから。
竜城・陸 2023年3月11日
おや、俺のところは居場所と思ってくれていなかったの?
――なんて、冗談。そうだね、君が自分で選んだ居場所なら、それが一番だと思う。
知っているよ、ルクスにも色々話を聞いたし……
たぶん、俺も将来はそうなるだろうし。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
はい、ありがとうございます。
そうさせていただきます。
おや、それは陸様お付きのメイドになるお誘いですか? ……なんて。
(くすり、と笑って。冗談に冗談で返すことなど、出会った頃のすいすいからすると考えられないことでした)
御掃除・すいすい 2023年3月11日
陸様も、ですか? それは、つまり……。
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竜城・陸 2023年3月11日
ううん、普通に家族として?
君の帰る場所を用意するつもりくらいはあったし、あるよ、って話。
(なんて、かるく笑い返して)
竜城・陸 2023年3月11日
ああ、……将来はルクスの船に乗せてもらおうかな、と思っていて――まあ、俺が思っているだけで、本人に話してはいないのだけどね。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
家族、ですか。
奥様達という家族のことはずっと見てきましたが、私自身には家族はいませんでしたから。
そういう居場所もあると言っていただけるのも、嬉しいことですね。
御掃除・すいすい 2023年3月11日
ルクス様の……。であれば、以前クリスマスに声をかけたいと言っていたのは。
(思い返します。ルクス様は昨年のプロムでの陸様のパートナーであり、であるならば)
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竜城・陸 2023年3月11日
君の成長や自主性をあまり妨げたくはないから、俺の方からあれこれ世話を焼きすぎないように……とは思っているけどね。
(だから普段できるだけ過干渉にならないようにしてるんだけど……なんて続けて)
もしこの先どんなことがあっても、いつだって君の居場所になるし、力になるよ。
それは、覚えておいて。
竜城・陸 2023年3月11日
ん? ……ああ、そうだよ。
(そういえばそんな話もしたね、なんて思い返して)
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
はい、覚えておきます。同じ海賊になるかもしれないのであれば、尚更。
……ふふ。陸様が家族であれば、お兄さんという感じでしょうか。
それともお父さん?
(なんとなく、そんな光景を想像してみて。笑みが漏れるすいすいでした)
御掃除・すいすい 2023年3月11日
(それで、今陸様が海賊になるという話をしているのであれば。細かいことを聞くのは野暮だというぐらい、すいすいにもわかりました)
そうでしたか。おめでとうございます、陸様。
応援したかいがありました。
(それは同時に、すいすいが応援していた彼女の想いは叶わなかったということでもあるのかもしれません)
(でもきっと、彼女は彼女なりに、陸様は陸様なりに決着をつけたのでしょう。であればすいすいから言うことはありません)
(だって、すいすいの知っている陸様は、誠実な人ですから)
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竜城・陸 2023年3月11日
そうだね……君となら、やっぱりお兄さん、になるのかな。
立場的にはその二つの中間くらいの感じになっている気もするけど。
(なんて、やや真面目な返答をしつつ)
竜城・陸 2023年3月11日
――ん。ありがとう。
(正しく伝わったのだな、というのがわかれば、短く謝意を告げて)
……そういうわけだから、その予定……というよりは自分の中ではきちんと決めているつもりなのだけど。
なんだか本人に言い出すタイミングがなくて。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
ではお父兄さんですね。
(一方のこちらは冗談なのかよくわからない納得の仕方でした)
まだ海もこんな状態ですし、実際に海賊として活動するまではまだまだ時間があると思います。
今は焦らずともよいかと。関係性はゆっくり進めていくものだと読んだ漫画に書いてありました。
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竜城・陸 2023年3月11日
混ぜると別の単語に聞こえる気がするね……。
まあ、急ぐことでないのはそうだけどね。
……ミサゴあたりはすっかりその前提で話してるから、言わなくても伝わってる気もしないでもないけど。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
それはそれで以心伝心というものですね。
ふふ、それにしても陸様の進路が大学生ののちに海賊だなんて。
進路指導の先生がびっくりしてしまわないでしょうか。
(私も人のことは言えませんが、なんて笑って)
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竜城・陸 2023年3月11日
ふふ、どうだろうな。
大学生のあとで神様、というよりは驚かれないかもね。
(なんて軽く、冗談のように言ってみせて)
……そういえば、それじゃあこの先は海や船のことを勉強することにするのかい?
君ももうすぐ高校三年生だし……大学になったらいよいよ専門を決めないといけないしね。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
ふふ、そうでした。
たしかに神様よりは驚きも少ないかもしれません。
漠然と乗り物についてとだけ考えていましたが……そうですね、この機会に決めてしまうのもいいかもしれません。
あまり海や船については詳しくありませんし。
陸様はどのようなことを大学で学ばれるのですか?
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竜城・陸 2023年3月11日
俺かい?
今と同じ分野をそのまま学ぶつもりだよ。
天候や海洋環境、水棲生物の生態は勿論、冒険者みたいな立ち位置なら地質学や動植物、鉱物の知識も使えるからね。
乗り物……というのだったら、いっそ操船というのでもいいかもしれないね。うちの分野だし。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
なるほど……。
操舵というと、船を動かす方法でしたか。
完全に未知の領域ですが、だからこそ学びがいがあるというものです。
しかし、もう最終学年というのもあまり実感がわきませんね。
まだ2年も経っていない、というのもありますが。
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竜城・陸 2023年3月11日
そうだね。関連して、風や波、海流の流れを読む術も身に着けてもいいかもしれないし。
環境学もうちの分野だしね。分野が重なるから、俺も教えたりできるよ。
そうだね、俺も卒業なんていわれても実感がわかないし。
……君はもっとそうだろうな。
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
ふふ、頼もしいです。
最高学年になっても陸様にご指導いただくのは変わらなさそうですね。
はい。本来であれば私は小学生から始めるべきだったでしょうし。
いわゆる成人が近い、というのもなかなか……。
少しは年長者らしく振る舞えればよいのですが。
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竜城・陸 2023年3月11日
俺の目から見て、特に君が子供っぽいという感じはないけどね。
ちゃんと良いことと悪いことは判別できているみたいだし。
……勿論、人間の社会について知らなければならないことはまだまだあるのだろうけれど。
(それについては俺も似たようなものだしね、と)
でもそのうち、俺があれやこれやと訊かなくてもいいくらいに頼もしくなるんだろうな。
今後は報告会じゃなくて、勉強会になるかもしれないね?
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御掃除・すいすい 2023年3月11日
はい、まだまだ知らないといけないことだらけです。
(こくり、と頷いて)
そうなれればいいのですが。
勉強会……であればお掃除以外のことも教えられるようにならないといけませんね。
すいすい先生です。サキュバスらしく女心などもお教えしますよ。
(なんて、笑って)
(▼)
竜城・陸 2023年3月11日
知ろう、という気持ちがある時点で、あまり心配はしていないけれどね。
自分でそう思えるのだったら、君はちゃんとできるだろうから。
……ふふ、女心についてはどうかなあ。
枠にとらわれない自由なひとだから、学んだところでわかるわけではないだろうし……
竜城・陸 2023年3月11日
何より、そういうのは自分で相手の心に触れて知るほうが、きっと楽しいからね。
(なんて、くすっと笑って――)
竜城・陸 2023年3月11日
(さ、デザートも食べよう、と勧めながら)
(その後ももう暫く、近況や、これからの話に花を咲かせたことだろう)
(▼)