【イ】エムライブ『READ ME』
二瀬・詩織 2023年2月5日
去年と同様の小さなライブステージ。
その舞台袖で、小さく深呼吸。
去年のライブと、それからの1年の事。
そして今日のライブに向けてやってきた練習の積み重ね。
それらを順番に思い出して、小さく頷く。
手応えはある。だから後は、自信を持って歌うだけ。
「……って、はっきり言えたら良かったんだけれどな。」
なんて苦笑い。
どれだけ練習をしても、きっとこの胸のドキドキは消えない。
沢山の不安と、少しの期待。
ふ……と笑って、胸元で固く握った拳を弛める。
「それが、私だものね。」
それでいいんだと頷いて、前を向いて。
さあ、幕が上がる。
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出演者:二瀬・詩織
発言はこちらにお願いします。
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二瀬・詩織 2023年2月5日
READ ME READ ME 私を知って
READ ME READ ME もっと深く
二瀬・詩織 2023年2月5日
私という本 読み始めたら終わりよ?
夢中にさせてみせるわ エピローグまで
二瀬・詩織 2023年2月5日
(いつの間にかマイクを強く握りしめ、縋りつくように悩ましく歌い切る。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(その体勢のまま俯き身体を揺らしリズムを取れば、程なく間奏は終わり再び口を開く。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
こんな世界でどう生きればいいの? 誰も答えてくれない
二瀬・詩織 2023年2月5日
どれだけの理不尽 私達抱えたままでいればいい?
ひび割れた心から 涙が零れた
二瀬・詩織 2023年2月5日
(伏し目がちなまま、悲痛な声)
(低く抑えられたメロディ)
二瀬・詩織 2023年2月5日
辛い 寂しい でも言えない
消え入りそうな声で呼ぶ あなたの名前
闇に溶けて 静かに消えるだけの破片
二瀬・詩織 2023年2月5日
(その歌詞の如く、歌声は静かに消えてゆく。その――)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(音の)
(切れ間)
二瀬・詩織 2023年2月5日
だ
け
ど
二瀬・詩織 2023年2月5日
俯くばかりじゃいられない
顔を上げて前を向いて
二瀬・詩織 2023年2月5日
(再び加速するリズム。それを煽るようにステージ上を疾走する照明。)
(髪が乱れるのも意に介さず、マイクに食って掛かるような勢いで言葉を放つ。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
あなたと生きる世界 明日の記憶
奪わせはしないわ これ以上なにも
二瀬・詩織 2023年2月5日
(びしりと正面を指さし、真っ直ぐな眼差しを観客席に投げかけて。)
(普段とは印象の違う鋭い目線が、あなたの瞳と交差するかもしれない。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
絡みつく鎖 振り払って
パラドクスだって乗り越えてみせるわ
二瀬・詩織 2023年2月5日
(汗にまみれた顔で、頬に張り付く髪も厭わずに声を張り上げ続ける。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
READ ME READ ME 私を知って
READ ME READ ME もっと深く
二瀬・詩織 2023年2月5日
私という頁にあなたの名前刻んで
綴ってみせるわ エンディングのその先まで
二瀬・詩織 2023年2月5日
(歌い切ると同時に顔を横に逸らす。)
(そのままぴたりと動きを止めれば、疾走感のあるギターの旋律がしばし耳朶を打って。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(やがてソロパートも終わり、ステージが静寂に包まれそうになった頃、再びマイクを引き寄せる。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
それでも
ゆら ゆら 気持ち 世界 揺れて
二瀬・詩織 2023年2月5日
眠れない夜は 不安に押しつぶされそうになるわ
二瀬・詩織 2023年2月5日
け、
二瀬・詩織 2023年2月5日
れ、
二瀬・詩織 2023年2月5日
ど、
二瀬・詩織 2023年2月5日
❤.
二瀬・詩織 2023年2月5日
(マイク横に置かれていたバスケットを掴むと、勢いよく横一直線に振り回す!)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(きらきらとライトを反射しながらくるくる回り、ひらひらと観客席に降り注ぐその中身達。)
(それはあたかも、静かに積もる粉雪の様にも見えて――)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(ひらひらきらきら。刹那の雪化粧の中でラストスパートを駆けるべく大きく息を吸う。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
READ ME READ ME 私を知って
READ ME READ ME もっと深く
二瀬・詩織 2023年2月5日
READ YOU READ YOU あなたを教えて
READ YOU READ YOU もっと熱く
二瀬・詩織 2023年2月5日
FOUND ME HOLD ME この夜を越える程
READ YOU ENGRAVE YOU 強く抱きしめて
二瀬・詩織 2023年2月5日
READ ME……
二瀬・詩織 2023年2月5日
(嗚呼、と最後に漏れた吐息と同時にぴたりと止む音楽。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(栞の雪も止み、照明も落ち、暗闇と静寂が満ちてゆく。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(やがて映画の上映が終わった時の様に、ゆっくりと柔らかな照明が会場を満たしてゆく。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
はあ……はあ……。
二瀬・詩織 2023年2月5日
(肩を振るわせながらしばらく息を整え、改めてマイクを握って。)
……この学園に来て、色んな事があって。
初めてエムライブでみんなの前で歌って……。
二瀬・詩織 2023年2月5日
どれも本当に、それまでの私じゃ考えられかった。
私の知らない私が、どんどん見つかる1年半だった。
二瀬・詩織 2023年2月5日
だから、もっともっと新しい私を知ってもらいたいなって。
そんな事を考えながら出来た曲です。
私を知ってくれている人も、私がこういう曲を歌うのは意外だったんじゃないかな?
……でも。
二瀬・詩織 2023年2月5日
こんな私は、イヤ?
二瀬・詩織 2023年2月5日
あはは……なんてね?
(流石に照れくさくなったのか、小さく舌を出してはにかみます。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
やったぁ、ありがとうっ
私もみんな大好きだよーっ!
(ぶんぶんと手を振ります。)
二瀬・詩織 2023年2月5日
……最後まで聴いてくれて本当にありがとう。
おかげで今年も気持ちよく歌い切れましたっ
みんなはどう……えへへ、楽しんでくれたみたいだね。
(みんなの表情に、思わず笑顔が零れます。)
さ、私の歌は終わりだけれど、エムライブはまだまだ続くよ。もっともっと盛り上がっていってねっ
二瀬・詩織 2023年2月5日
(嬉しそうに両手でハートマークを作ります。)
二瀬・詩織でした。
それじゃあみんな、またね。ありがとーっ
二瀬・詩織 2023年2月5日
(そう言って両手を大きく振りながら、ゆっくりと舞台袖へ――)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(くるり)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(ちゅ…)
二瀬・詩織 2023年2月5日
(Fin.)