【イ】エムライブ ro2e[;]
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
2023.02.04
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ro2e/アンジェリカ
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鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
)))
(観客席からクッションをパクってきた)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(客席と舞台……とは言うけれども、その境目は曖昧。)
(緩い階段で波打ち際みたいに区切られている、それだけだ)
(その真ん中に)よっ(座る。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(周囲を見回して)
(うれしそーに、ひひひ。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
──……
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(そうして、)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(歌い出す──伴奏も、弦の音も、なんにもないまま。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
──……
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- 夜明けにふたりで見てた、ばら色だけ
奥に ずっと残ってる -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- くだらない、錯覚 -
- でも 確かにあった。 -
(こぼすみたいにうたいながら、目を閉じる)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- それだけのために、生きていれれば
私はちゃんと 私だったの -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(──音楽はまだ何もないまま、うたう声だけ。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
――……
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- いつのまにか、また繋ぐ手 -
- 好きだなって思えちゃったモノ -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- いらなかったのに
でも 確かにあるの -
(ちょっとばつの悪そうな、拗ねと照れが一緒になったみたいな、そんな声。
しょーがないじゃん。そんな声。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
..
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- ――それがどこかでずっと、さみしいまま -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- きっとまた どうせ さよなら -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
――……
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(やっと、)
(アンビエントミュージックのような、浮遊感のある持続音が流れ出す)
(……ささやかで、メロディーラインにはとても足りない。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- けど── -
(まだ少し拗ねたみたいなまま)
- 好きだから -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- 知りたい -
- そばにいたい -
- 《一緒》が良い -
(そんなふうに、うたって。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(ふ)(と皆の方に目を向けて。)
(少しの間、じっと見つめた。
表情を確認するみたいな、なにかを込めるみたいな、そんな顔で。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(たじろぐ姿には──指さして顔だけで笑ってみたり)
(手を振られれば、笑いかけられれば。うれしそーに、ゆるく振り返したり、にひ。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(そして)
(マイクを、指揮棒か魔法の杖か……そんなふうに振ってから)
(ふうっと息を吹きかける──届くのはブレス音じゃない。その代わり──)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
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(突然どこからか、「扉をノックする音」が会場に響く。)
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鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(かざはな寮・403号室の扉を叩く音……なのは、もしかしたら、もしかすると、わかる人もいるかもしれないけど。
なんでそんな音が急に鳴ったのかは、……これも、もしかすると、もしかしたら。)
(確かなのは、)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(今から聴こえてくる中に、あなたの「好き」があるはずで──)
カノン・ダウンワーズ 2023年2月4日
〇゚。 。゚〇
。゚〇
〇゚。
。゚〇 (───ふわり。) 〇゚。
。゚〇
〇゚。
。゚〇 〇゚。
カノン・ダウンワーズ 2023年2月4日
(ふわり) 〇゚。
(ふわり) 。゚〇
。゚〇 (ふわり)
〇゚。
カノン・ダウンワーズ 2023年2月4日
(───スピーカーから溢れた【音】は、形となって、空を舞う)
カノン・ダウンワーズ 2023年2月4日
(それは)(丸いシャボンとなって)
〇゚。 。゚〇
(舞台の上を)
。゚〇
(ふわり) 〇゚。
〇゚。 (弾んで──)
(揺れて──) 。゚〇
。゚〇 (転がって──)
〇゚。
。゚〇 〇゚。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(しゃぼんが弾けては挙がる)
(波のささやく、)(誰かが歩く、)(一日が始まる、)
(扉が開く、)(叩かれた水が跳ねる、)(ピアノの、)
(笑う、)(何かを書く、)(花火のはじける、)(学園チャイムの、)
(あの人の、)(なにかを注ぐ、)(世界の、)
(ページを手繰る、)(たこやきの焼ける、)(何かが壊れる、)(うたう、)
(雪を踏む、)(ギターの、)(なわとびの、)(風の、)(つくりあげる、)
(声/音。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(混ざり合って、でもよく聴けばひとつひとつがちゃんと聴こえる)
(聴きたかったおと。)
(音楽とはとても、呼べないモノかもしれないけど──)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(嬉しそうに笑って)
(それに乗せるみたいに、混ざるみたいに、うたうのだ。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- さよならは きらい -
- けど今《一緒》をしたい、私。 -
(気持ちよさそうに、しあわせそうに揺れながら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- 綺麗な思い出には きっとできない -
- でもやめてはおけないわ 私。 -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- それでもいいの。 -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
- 私が - 今 - 私であるために - 必要だから -
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(去年、ここでオーロラを映し出して、一緒に見上げた。)
(綺麗だったし、幸せだったけど)
(「この眼にだけ確かであれば」それでよかったはずのオーロラが、なんで皆と一緒に見れたのか、実のところわからなかった……けど)
(きっと、こういうことなんだろう)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(ただ今は、移り変わる色を一緒に見上げるだけじゃ物足りなくなった。だから、この歌の名前は)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
『──Marbling』
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(歌い終わっても、余韻のように時間をかけて)
(音はふわふわと、どこかへ溶けていって)
(また、なんにも聞こえなくなった。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
──……
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(クッション抱えて、うれしそーに……ちょっと、照れくさそーに、そわそわしている。)
……へへ。たーのしかっ、た。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
……ねー。
ライブ、今年も楽しーですか。たのしーでしょ。
あのさー。
私のも──(楽しかった?って、聞く前に応えてもらえたので)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
……んは。やーった。《一緒》。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
うーれーしーいーっ
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
──おしまいあるの、ヤだけどー。
でもおしまいまで、楽しもーね。
じゃ、また──
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
(観客席に行く準備をせねばならぬ、と)
(ご機嫌そうにはけていく。)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2023年2月4日
【訂正】
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