【イ】「学園マスク怪談ワンナイトライブ」ステージ
学園・マスク 2023年2月3日
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2023/02/03
学園マスク怪談ワンナイトライブ
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今宵訪れるは禁忌の世界。
日常からすぐ近くにありながらも、気付かなかった世界への扉。
今冬、遂にその扉が開かれる。
学園マスク怪談ワンナイトライブが開園します。来られた皆さんが見聞きするのは、世にも恐ろしい一つのお話。
寒さに震えるこの季節に、もっと身体を震わしてみませんか?
ライブの熱狂に突き刺す氷の様なひと時をあなたは体験できるでしょう。
というポスターがライブ会場前に貼られている。
◆スレッド概要
このスレッドは「学園マスク怪談ワンナイトライブ」のライブステージです。
観客の方は別スレである
『【見・誰歓】「学園マスク怪談ワンナイトライブ」観客席』 にて、是非、観覧及びRPをお楽しみください。
◆注意事項
このスレッドは学園・マスク以外の書き込みはご遠慮ください。
観客席は下記のスレッドとなっております。
https://tw7.t-walker.jp/club/thread?thread_id=29290
◆出演者情報
#学園・マスク
◆怪異ダイス
ライブ途中、突然ダイスが振るわれる時があります。
そのダイスに沿った、下記の通りの怪異がライブ会場。勿論、観客席にも起こりますので、苦手な方はご注意ください。
※ダイス表
【十の位】
1 会場から
2 観客席から
3 スピーカーから
4 会場の外から
5 どこからともなく
6 耳元で
7 すぐ近くで
8 嫌な予感と共に
9 自分にしか感じられない程度に
0 無視出来ないくらいの
【一の位】
1 男の声がする
2 女の声がする
3 ラップ音がする
4 水の滴る音がする
5 生暖かい風が吹く
6 嫌な臭いがする
7 血の臭いがする
8 お経が聞こえる
9 鈴の音が聞こえる
0 叫び声が響く
1
学園・マスク 2023年2月3日
そんなある日、実に珍しい事に、A君の方から私に話し掛けて来る事があった
なんだ珍しいと、我ながら思いつつ話を聞いてみると、他の人には相談出来ない事を聞いて欲しいと言うのだ
学園・マスク 2023年2月3日
友人がいないのか君はなどと言うと、微妙な顔をして、そういう相手に話せる内容じゃない。迷惑を掛けても別に構わない相手だから話すのだと、そう言う
学園・マスク 2023年2月3日
癪な話ではあるが、まあ聞くだけ聞いてやろうという気持ちで聞くのであるが、事の始まりはその数日前からだったそうだ
彼は何時も通りと言えば良いのか、紫のクラスが行うイベントの会場設営に追われていたらしい
学園・マスク 2023年2月3日
知らない人がいるかもしれないが、こういう作業というのは、時間との勝負になる。時間があればあるほど、これこれこういう作業でクオリティをアップできる
時間が無ければ無いで、なんとか最低限の見栄えを作れる様に
そんな風に手持ち時間を最大限に使って作業を続ける事が多い
学園・マスク 2023年2月3日
彼にしてもそうで、そういう作業というのは、熱中すれば熱中する驚く程に時間が過ぎるのが早くなる
気が付けば日が暮れているというのも結構あったらしい
その日もな、そうだった
学園・マスク 2023年2月3日
その日は……実に危ない話なのだが、作業中というのは電球を付けるのも億劫になる時があるらしく、手元の灯りだけで作業を続け、さて、一息吐くかというタイミングで、周囲が真っ暗である事に気が付いたらしい
学園・マスク 2023年2月3日
この会場の様に薄暗い中で、A君は周囲を見渡した
熱意というのも、一度落ち着けば、普段の気持ちが戻って来る
この時に思う感A情というのは、勿論、暗くて不気味というものであったそうだ
学園・マスク 2023年2月3日
皆はどう思う? 暗い環境というのは怖いものかな? 例えば学校
この学園でも、普段は生徒が行き来している場所だが、学園と言われて想像するのは、昼間の景色では無いだろうか
学園・マスク 2023年2月3日
日の明かりの中にある
学校の校舎
体育館
この会場
だが、それが夜の闇の中に入れば、すぐに普段とは違う顔を見せて来る
学園・マスク 2023年2月3日
夜の中、良く知っているはずなのに、何時もとは違う表情を見せる世界
他に人が居ないというのも相俟って、人はそこに恐怖を覚えるのだろう
学園・マスク 2023年2月3日
A君もな、自分が作業をしていたその空間をふと、怖いと思った
イベントに向けて、日々そこに赴き、色々な作業をする中で、隅々まで良く知った場所だというのに
何かこう……怖いと思ったらしい
学園・マスク 2023年2月3日
A君は周囲を見渡した
ぐるりと見て回った
左から前、右、後ろ、そうして元に戻る
……何も無い
当たり前だな
皆も一度試してみると良い。幾ら暗闇の中だと言っても、何か起こるという事は無い。そのはずだ
学園・マスク 2023年2月3日
むっ……なんだこの臭い……まったく。換気はちゃんとして欲しいものだが……
学園・マスク 2023年2月3日
まあ良い
話しを続けようか
さて、彼の準備の日々はその一日だけで終わらない
その日も、その次の日も続いた
ライブ当日はこうやって壇上に立つ者が主役かもしれないが、それ以外の日は、きっと準備をする人間が主役なのだろうな
学園・マスク 2023年2月3日
そんなA君の日々は、やはりあの日と同じ感覚と共にあったそうだ
怖いな。何か。そうだ
これはきっと……
学園・マスク 2023年2月3日
何かが見ている様な感覚だ
学園・マスク 2023年2月3日
A君はそんな風に思ったらしい
だが、やはり見渡してみると何も無い
怪談というのはな、現実には起きないから娯楽としてあるのだろう
どれだけ暗闇が怖いと思っても、早々起こるものではあるまい
学園・マスク 2023年2月3日
まったく。さっきから何だこの臭いは。安心してくれ。ライブが終わった後は、注意して見回っておくから
学園・マスク 2023年2月3日
まずはこのライブを続けようじゃあないか。
そう、A君もまた、単なる勘違いだと思った。まさか自分が、不可思議な体験をするわけが無いだろうと
だが、見られているという感覚と、怖いという感情は必ずあったそうだ
何日も何日も何日も
学園・マスク 2023年2月3日
観客のみんなはそろそろおかしいと思い始めたんじゃないかな?
A君はいったい、どれくらい前から準備をしているんだ? と
学園・マスク 2023年2月3日
私もそう思った
最初に話を聞いてから数日後に、既にもう、それこそ何十日も準備をしている様な、そんな風にA君が憔悴していたからだ
そうして学園の食堂で、実際にA君から、今回、私が語っている話と、何日もの間、視線を感じるという話が伝えられたわけだ
学園・マスク 2023年2月3日
それはもう、ライブ会場で準備をしている間だけでなく、今、こうやって語っている瞬間も感じるのだ……とな
学園・マスク 2023年2月3日
いったい、それはどれくらい前から?
尋ねる私に、彼はこう告げた
もうずっと、何か月も前からだと
学園・マスク 2023年2月3日
彼は話をしている最中も、何かの視線を感じるかの様に、きょろきょろと周囲を見渡していたよ
そうして私に告げて来た
やっぱり私に相談したのは間違いだったと、さっと席を立って、どこかへ去って行ったよ
私の制止も聞かずにだ
学園・マスク 2023年2月3日
彼はいったいその後どうなったか?
観客の皆は聞きたい事だろうと思われるが、残念ながらあまり語れるものは少ない
学園・マスク 2023年2月3日
この話のオチとしては、それ以降、A君を見ていないというものになるからだ
学園・マスク 2023年2月3日
観客の誰か、今、何か言ったかね? 女性の声だったが……
学園・マスク 2023年2月3日
何も無ければ、いなくなったA君の話を続けようか
そうだ。最後、私に話を聞かせてくれたその日を境に、A君の姿を見なくなってしまったのだよ
学園・マスク 2023年2月3日
まあ、見るからに健康を害していそうだったからな
もしかしたら、長期の休みでも貰っているのかもしれないが……ふと思ってしまう事がある
学園・マスク 2023年2月3日
彼は魅入られたのかもしれない……とな
学園・マスク 2023年2月3日
何にとは分からない
もしかしたらほら、ライブには魔物でも棲んでいるなどと言うだろう?
聞かない? だとしたら私にもさっぱり分からんが……
学園・マスク 2023年2月3日
分かる事……いや、想像できる事はと言えば……二つしかない
学園・マスク 2023年2月3日
一つは、もしかしたら彼は、今なお、何かに魅入られて、何十日もライブの準備をしているかもしれないという想像
学園・マスク 2023年2月3日
彼は既に、私が知る以上の時間、ライブの準備をしていたと語っていたからな
それが今も続いている可能性だって……あるだろう?
学園・マスク 2023年2月3日
いやすまん。少し怖い想像だったかもしれん
泣いてる観客もいるな? ちょっと怖がらせ過ぎだったか……
だがな、皆、聞いて欲しい。もう一つ。私は想像してしまう事があるのだよ
学園・マスク 2023年2月3日
彼は本当に、何も見なかったのだろうか?
何かが見ていると言っていた彼には、何かが見えていたのではないか?
もしかして、本当は何かに、自分に視線を向けているそれに、気が付いていながら、見えていないフリをしていたのでは無いかと、そんな事を思う
学園・マスク 2023年2月3日
何故か? 彼は何も見なかったと言うが、彼の行動の……その成果がそれを語っている様に思えてならないからだ。
学園・マスク 2023年2月3日
観客の諸君。彼がどこで、どんな準備をしていたか知っているかな?
学園・マスク 2023年2月3日
ここだ。
学園・マスク 2023年2月3日
ここなんだ。みんな
彼はここで準備をしていた
設備を揃え、機材を用意し、会場を飾り付けてた。今、我々が居るこの会場でだ
学園・マスク 2023年2月3日
この会場には、彼の行動による成果が、至るところに残されている
もしかしたら、彼が語れなかった言葉が、この会場に残されているかもしれんぞ?
学園・マスク 2023年2月3日
今、私の耳にしか聞こえないくらいの、この音だって、彼が残した痕跡なのではないか?
学園・マスク 2023年2月3日
聞こえないというのなら、目を凝らしてみると良いだろう
耳では無く、目を通してなら、それが分かるかもしれない
先日の、ほら、目を閉じて聞いたライブがあったろう?
それの丁度逆だな。目を凝らして見ると、何かが映るかもしれんぞ
学園・マスク 2023年2月3日
何? 暗くて見えないと? ならば、少し照明を明かるくしてみようか
君たちの目に、いったい何が映るのか
学園・マスク 2023年2月3日
(パッと、会場の明かりが強くなり、壇上の光景を映し出す)
https://tadaup.jp/loda/0203202444257546.jpg
学園・マスク 2023年2月3日
彼は何かに見られていると言っていたが、彼自身は何を見ていたのだろうな?
この檀上には、彼が見ていたものが、他ならぬ彼自身が準備の中で作り上げた、その飾りが残されている
学園・マスク 2023年2月3日
これを見て、諸君が何を思うかは、諸君次第という事にして置こうか
どうか、皆も想像を膨らませて欲しい。この暗闇の中に、映るものについて
君たちを見ている、何かについて
学園・マスク 2023年2月3日
どうかA君が、無事でありますように
学園・マスク 2023年2月3日
(会場が暗くなり、学園・マスクの姿が見えなくなる)
学園・マスク 2023年2月3日
~学園マスク怪談ワンナイトライブを終了します。ご清聴ありがとうございました。引き続き、エムライブをお楽しみください~