【闘】何よりも欲しいものは
朝比奈・蛍 2023年1月27日
海上の決闘場。
広大な決闘場の上、その真ん中に黒衣の戦闘服を身にまとった青年が静かに立ち尽くしている。
決闘状――そんな古風なものをしたためて彼の下駄箱に入れたのが二週間ほど前。
もっともこんな決闘を受ける大義名分などはありはしない。
もしかしたら他の用事を優先するかもしれない。
……その時はその時か。
フラれたのならしょうがない。
そんなことを思いながら、時は約束の時間を指そうとしていた。
発言可能
#奉利・聖
#朝比奈・蛍
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奉利・聖 2023年1月27日
それでもなお、彼の刃は早かった。
脚に深い裂傷が刻まれる感覚。
冷たい肉体が切り裂かれ、黒みがかかった血が噴き出す。
が、我が身は止まらず。
『陰の気』で空中に壁を設置。跳躍の切り返しのように、それを蹴って再加速。
この一連の動きで──グスタフ・カツラギ謹製の脚部装甲『死蔵』に衝撃が蓄積されている。解放の時だ。
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=40960
『爆!!』
衝撃解放、そして再びの反作用を利用したブースト!
強大な破壊力を秘めた蹴撃、二連!
朝比奈・蛍 2023年1月27日
復讐者としての限界に近い運動能力と身体操作。そして相手の一撃をも利用した高速剣。
完全に当たるタイミング。人としても復讐者としても幾多の戦いを潜り抜けてきた経験則がそれを断定している。
振り抜くことができるのか否か。振り抜いた先がどんな景色なのか。
「――っ」
だが斬り裂いたのは脚一つ。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月27日
驚愕に目を大きくする間さえなく、装甲に覆われた蹴りが腹部と側頭部を捉える。
腹部のほうはかろうじて【物理世界の支配者】によって防ぐことができたが、側頭部の方は致命的だ。
花火が弾けた、などという生易しい衝撃ではない。頭の中で爆弾が爆発したような衝撃に五感が揺らぎ、膝を地面につく。
朝比奈・蛍 2023年1月27日
(――これは)
頭部だけではない。
【物理世界の支配者】によって衝撃を0――正確な話をするなら際どいタイミングだったがゆえに、99.99%の衝撃を受け流した。だが、それでもなお、体の芯に残る熱い衝撃に息がつまる。
(ダメージが、深刻――回復、呼吸を――3秒かかる。足は――)
奉利・聖 2023年1月27日
ここまで一連の動きで消耗を感じるのは久しい。
肉体も精神もフル稼働した攻防戦。血が熱くなる。
あわよくば『陽の気』で再生を促して、裂傷を治癒できないか試してみるが…ダメだな。切り口が見事すぎて、再生すらできない。ともあれ。
──入った。手ごたえあり。
ダメージがフルに入った感覚は無いが、それでも衝撃は身体に影響を及ぼす。打撃の利点はここだ。
奉利・聖 2023年1月27日
当然、追撃の手を止める理由はなし──!
銃をホルスターにしまいこみ、素早く弓を引き絞るように。
踏み込み。ザンッッッ!!!
『衝!!』
捩じりこむような掌底。弩が如く鋭い追い打ち!!
朝比奈・蛍 2023年1月28日
窮地と、そういって差し支えない。
死線、そう呼んでもいいかもしれない。
なにせ目の前の掌底に込められたエネルギーといえば人ならば軽々と、戦闘に長けた復讐者といえど致命を負うほどのものだ。
(ここを――乗り越えるための――)
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
【秘奥空斬】によって極力鈍くなっている五感がかろうじて使い物になっている。
だがそこまで、自分の現状と敵対者の“格”を計算すれば自ずと答えがでる。
だが、そうだ。
だが、だ。
そしてやっと、でもある。
やっと、死線に辿り着いた。
自分が急成長した瞬間は何時だったか。いつだってそこには死線が傍にあった。ゆえに望んでいた。死線をくれる相手を。
一目見たときから、そしてトライデントを通して確信に変わった。
この男なら自分にそれをプレゼントしてくれると。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
ゆえに、生まれ変わる。
体が、常識が、奉利・聖に勝つために必要な材料を求めて――
「――1秒。いや、0.1秒」
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覚醒する。【赤瞳の剣士】として。
その赤い瞳が未来を決める。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
わずによろけるように動いた体が掌底を急所から外し、その腕を片腕でつかむ。あたかも、それを狙っていたかのように。
「――――僕が早い!!」
咆哮と共にもう片方の手で刀を水平に構え、渾身の突き。
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=26381
奉利・聖 2023年1月28日
──ゾワリとした。背筋に怖気が走る感覚。
致命的瞬間の筈なのに、止められるどころか一手返される。
そういう予感があった。だがあまりに遅い。
この男、何を視ている!?
ブォンッ!!掌底は空を斬る。掴まれて身を引けない。
言った通り、向こうが速いッ!!
奉利・聖 2023年1月28日
刃が、身体を突き抜ける。元よりあってないようなものである臓器が幾つか壊れただろう。苦痛は無いが、強烈なダメージだ。
「ぐっ…!!」
ここまでの一連の動き。隠し玉があるのか、それとも土壇場で何かを切り開いたか…定かではないが、やはり底知れない。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
アガるじゃあないか。やはり闘争の熱は良い。
思わず笑みが零れる。
「シィィィィィィッ……」
鉄と熱気を含んだ息を吐いた。死んだ肉体に生命の炎を再点火されていく。元より陽の気は生命力をベースとした力。生命力を燃やせば、その分出力は増していくのだ。そうとも、己も同じ。
闘争の熱は進化の種なのだ。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
ここはまず、原点に立ち返ろう。
即ち、不死性を利用したノンストップの前進だ。
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「素晴ら、しい」
突きを繰り出したのなら、間合いは未だ近距離。
逃がさない。突き刺さったまま、突きの手を掴みに行く。
死者/不死者は容易には殺せぬということを、味わってもらう。
龍骨を一度落として、空いた手でもう一度掌打を叩き込むッ!!
朝比奈・蛍 2023年1月28日
強力な能力ゆえ、常時展開など少なくとも現状で出来るはずもなく、【赤瞳の剣士】は一瞬でその効果を失う。
未来が決まっていたのは刃を突き立てるところまで。
「なっ、にっ」
あとは刃を落とせばいい、その瞬間に腕が掴まれ掌底が腹部に叩きこまれる。
内臓で爆発するような衝撃に体が宙に浮き、数十メートルという距離を吹き飛んでいく。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「……はぁ、はぁ」
受け身をとり、転がる前に身をひねり立ち上がる。
あがった息を整えながらまるで死を恐れないゾンビのように佇む相手を見る。
「……すごいな」
動物や鋼を斬った。戦車の装甲を、音速を超えるスナイパーライフルの銃弾を斬った。
クロノヴェーダを無数に斬り、
魔法を斬り、
空間を斬り、
時間を斬り、
概念を斬り、
ありとあらゆるものを斬り殺してきた。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
だが、それでも――目の前の男を斬ることができない。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
確信がある。
この男に勝てればその時が――
「ありがたい。まだ不死者は斬ったことがなかったからね」
自分が一つ先に進める時だと。
不死者にとって死がどれほどの遠いものなのか――。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「――――」
構える武器は両手に2刀。
彼我との距離は70メートル。
かかる時間は――――
「――無影」
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足を使って移動するという当たり前の単純な行為、それを異能と呼ぶに相応しいレベルに昇華させた身体動作。
つぶやかれたパラドクスはその名の通り、時の流れの外へと踏み出す。
移動した距離は71m。
移動に費やした時間は0秒。71m進み、移動にかかった時間だけ時を戻った。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
まるで瞬間移動したように聖の背後をとり。
「壊刃――」
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「――焔斬」
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=29053
一撃一壊。
二刀の刀による高速の連撃。
放たれた数は―――【追影別刃】によって複製された刃、一突約五千。
二刀一万の刺突。
その不死性が本物だというなら――砕いてみせよう。一万の刃で。そこに一万以上の壁があるのかを見せてみろと!
奉利・聖 2023年1月28日
消え──いや、もう後ろに居る。『死』の音が後ろから鳴いた。
70m強の距離をあの一瞬でとはあれはもうワープの領域にある!
振り返る間に、既に刺突のいくつかが身に突き刺さっていた。
刃の雨と形容するに相応しき暴威を前にしても、なお。
死せる者は全身を止めない。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
死は、不死なる者にとって遠い存在である。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ、、、、、、
まずそこから、間違っている
遠いのではなく、近すぎるのだ。
年月にして、7681年分。その間に繰り返される生と死は幾度あったことか。死に過ぎて、死ななくなった。己にとっては、最早人生の何よりも共にあったのが『死』であった。
故にまずは、『死』を斬らねばならぬ。去年の秋、相対した剣豪がそうしてきたように。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
降り注ぐような刃に幾度貫かれながら、振り返って。
感覚器官だけは陽の気の賦活で再生し続けて。
前へと進むッッ!!!
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=27241
『死』を与える方法を、どこまでも理解している。
ㅤㅤㅤㅤㅤ死の論理思考
是即ち、『Fatal Logic』とも呼べる技術であり、知識である。
隣人が寄り添うように、湧き出す『死』が身を包み、拳に集約される。
雨が降り注ぐなら、一発の『死』を返そう。
黒死の凶手を剣魔に伸ばすッ!!
朝比奈・蛍 2023年1月28日
命に届くまでの壁、呪いやそういった術式も含めてあらゆるを破壊することで凶刃を届かせる。
結果刃は一万のあらゆるを破壊したものの、その手ごたえがあまりにない。
(なんだ、この……)
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
何かを間違てる。
事実、幾多の破壊を受けても目の前の男は平然とこちらに前進してきている。
だが、死線をいくら潜っても死を迎えたことはない。所詮命が一つ、十数年の人生ではそれを理解するにはあまりに遠すぎる。
恐怖を感じている。そういっても過言ではないだろう。未知に対する恐怖というものを間違いなくこの時少なからず感じていた。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
ゆえに、『死』の気配が恐怖に同化して反応が遅れた。
『死』が集約したその一撃を――左腕でガード――本来ならガードさえ許されないそれを【無影】による『死』への運命から外れることでそれを乗り越える。
「――っ、く」
曲がってはいけないところでL字にひん曲がった左腕をかばうようにして、3歩下がり。都合10mほどの間合いを取り戻す。
(すぐに直すのは……難しいな)
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
激痛は脳内麻薬の分泌で麻痺させる。
動かなくなった左腕は無いものとして意識から外し。
「……決着を」
つけよう、と右手の刀を左腰の鞘に納めて。
そのままやや前傾姿勢の体制をとる。
奉利・聖 2023年1月28日
これの難点は、自身が触れられる何かでないといけないこと。
それ故に、対人では射程が短い。逃れられたか…流石だ。
「……そうですね」
死なぬとはいえ、体力は消耗する。それが尽きれば物理的行動不能に陥るのだ。永遠は存在しない。
こちらもそう長いこと向かい続けられないから、決着はむしろ望むべくだ。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
相手は居合のような体勢。
やはり剣士は、究極の一閃こそが至上の武器であるのだろう。
対してこちらは、無手のまま。龍骨を回収する暇は無い。
姿勢を低くして、呼吸を練り上げる。
闘争本能が、更なる力を与えてくれている───。
朝比奈・蛍 2023年1月28日
(勝敗ダイス)
奉利・聖 2023年1月28日
(勝敗ダイス)
奉利・聖 2023年1月28日
──彼が居合で来るというのなら、それに挑戦したい。
それを下し、また一つ新たな何かを経験したいのだ。
故にこちらが狙うのは、彼の居合を防げる余地を残した攻撃。
脚部装甲『死蔵』に蓄積された衝撃を開放して、前へ踏み出すッッ!
ここまでで最大レベルの超絶加速で、その身に迫る──!
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「魔剣――」
その名は。
初手にて放たれた現代の魔剣と言われた朝比奈の奥義。
雷斬が無双雷斬に。
空斬が秘奥空斬に。
焔斬が壊刃焔斬に。
そうあるべしとパラドクス化したように。
現代の魔剣も同様に。
パラドクス界の魔剣へと進化する。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=40771
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=31500
【無影】の運足により時空を操り法則より外れ、【赤瞳の剣士】により未来を固定する。
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=23604
放たれる刃は抜刀の必要さえない【無光必刃】。
古今東西過去現在未来どんな達人であろうとも。それは刃物であり四肢であり魔力であり様々かもしれないが、武器とするものを振るわなければ斬撃を行うことはできない。
そんな常識を覆し辿り着いた朝比奈・蛍の斬撃力の答え。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
朝比奈・蛍が刀を振るえば斬り殺せぬもの無し。
世界の法則を作る存在が認めているただ一つ絶対の解。
神速の抜刀術を極めた先にある世界を誤認させる絶対必然の刃。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「――影斬」
それは先の先の究極にして後の先の極致。
≪魔剣≫を冠する朝比奈・蛍の新しき奥義。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「聖――君のおかげだ」
剣士にとっては剣とは剣であり権であり圏。
時空を制し未来を固定するそれは朝比奈・蛍の言葉よりも奉利・聖の動きよりもなお速く放たれた。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「――――今日僕が君よりも強くなれたのは」
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=40808
奉利・聖 2023年1月28日
───戦いにおいて、最も重要な要素とは何だと思う?
いつかの時に、“彼”が言っていたのを思い出していた。
フィジカル?重要だが一番ではない。
スピード?それも重要だがまだ及ばない。
テクニック?あったらいいが、最重要とは言えない。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
一番大事なもの、それは。
ㅤインテリジェンス
『思ㅤ考ㅤ力』だ。
だから考える。考えて、考えて考えて考えて。
あらゆる先を見れるように、思考して思考して、ただ思考して。
そうしたらその果てには───。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
燃え上がるような闘争心が、コインを裏返して。
『死』から『生』へと変わった時。己の真なる力を解き放つ。
だがそれは未だ不完全で、極限に至れる道は細く遠い。
結果を先に言えば、これは失敗している。
明確な解を固定したような彼の、振るわれすらしない斬撃は正しく、我が身を断ち切っていたのだ。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
だが、その直前。刹那すら遅いと言えるような刻に。
彼がこの戦いで進化の種を芽吹かせたように。
──己もまた、そのきっかけを掴んでいた。
残念ながら結実は「今」では無かったが。
実現できていたら、これはきっと。
『果て』に到達する為の一つになり得るだろう。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
相対する彼は、もしかしたら気付いていたかもしれない。
彼の解が、その身を斬り裂かんとした時。
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
ㅤ
ㅤ
、、、
何かがそれを捉えていたことに
ㅤ
ㅤ
ㅤ
(無効票)
奉利・聖 2023年1月28日
視ている。触れている。感じている。
あらゆる道理を。あらゆるエゴを。あらゆる世界を。
捻じ伏せられるかもしれない、種であった。
悔しいが、今回は彼の勝ち。
今回は、だ。
(演出継続)
奉利・聖 2023年1月28日
「お見事」
「此度は……僕の負けか」
断たれし肉体は、そのまま砂のように風化していって。
賞賛の言葉と共に、海に還っていくだろう───。
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「…………」
紙一重、否、それよりももっと薄い薄氷の勝利であった気配がそこには確かにあった。
とはいえ、それを正確に感知することなど出来るはずもなく、今この場にあるのは此度の戦いの結果のみ。
(無効票)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「リベンジは……何時でも受け付けるよ。ただし、今日の僕に勝てる自信がついたのならね」
勝者の特権だ、と言わんばかりに勝気なセリフをはきながら。
(演出継続)
朝比奈・蛍 2023年1月28日
「またやろう。次も――負けないよ?」
風化し、消えていく彼の姿を見送りながら。
最後は笑みと共にそういうのだった。
朝比奈・蛍 2023年1月28日
(この戦いは終了しました)