【個別】Blut und Boden
十埼・竜 2023年1月17日
「ブランデンブルク国際空港でお待ちしております。」
少年の元に届いたのは、そんな不躾なメール。
指定されたのは、遥か海の先。未だ静止したままの、ドイツだ。
#ズィーベン・フィーア
#十埼・竜
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ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
復讐者としてのやるべきこと、が終わるのがいつになるかわかりませんので。
……それが終わったら。学園や新宿島にいる意味も無くなってしまいますしね。
……この地は。
私の知っている、機械化ドイツ帝国とは、違いますから。
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
……。(目を伏せたきみの顔を、そのまま見つめていた。)
こんな言葉で、正しいのかわからないけれど。
きみは本当に、あの世界のことが好きで。
あの世界のために、生きてきたんだね。
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……好き。かどうかは分かりません。
あの世界が良い物ではないことは、事実ですしね。
……それでも、ええ。
私に生きる意味を与えられたのは、あの地でしたから。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……ねえ。十埼先輩。
(そこで、言葉を切って。返事を待つ。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
(使命感に囚われないで生きて欲しい……なんて、現代人だから言えることだ)(それはきっと、尊いとされてきた在り方で)
(根本的にぼくには、きみの喪失を理解できないのかも知れない。)
十埼・竜 2023年1月17日
…………なんだい、ズィーベンちゃん?
(屋根の端から足を投げ出して、きみに応える。)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
私を、機械化ドイツ帝国に帰したくなかったなら。
私は、どこへ帰ればよいのでしょうか。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……それとも。
十埼先輩が、それになってくれるのですか?
(答えは分かっているのに。……狡い言い方だ。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
……。
(きみの表情が、そう歪められるのを)
(ぼくは本当に、初めて目にした。)
十埼・竜 2023年1月17日
……分かってるって声だよ。
きみの望む形にはならないって。
でも、初めてだもんな。きみが八つ当たりしてくれるのはさ。
殴ってくれなかったし。
十埼・竜 2023年1月17日
いいよ。ぼくをきみの生きる言い訳にしても。
(こんな卑怯な取引しか、ぼくはきみに差し出せないけれど)
ぼくはきみに、お願いをしよう。聞いてくれる?
(ふざけていると思うのなら、跳ね付けてくれていいんだ)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
八つ当たり……
ですね。分かっていて、言いました。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……何ですか、十埼先輩?
(先の真似をするように。似たような言葉で応える。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
(この言葉を、一番信じられないのがぼくだとしても)
(きみが信じてくれるのなら、いつか真実に辿り着くのかも知れない)
(ラジオは虚像を共有するのだから)
十埼・竜 2023年1月17日
――――いつか大人になったきみを、ぼくに見せて。
十埼・竜 2023年1月17日
学園に帰って。
皆と過ごして。
……高等部卒業どころかきみって大学部まで進みそうだよね。頭いいし。
(かつん、かつん)(踵が屋根を打つ。)
どんな大人になるかな。きみは。
今のきみに何もないのなら、ぼくをきみの理由にして。
十埼・竜 2023年1月17日
ね? きみの気持ちなんて無視した、ぼくの勝手な、すごーく簡単なお願いだ。
今度こそぼくのこと殴りたくならない?
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
(言葉を失う。)
(逡巡。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……とても。
とてもとても難しいお願いです。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……けれど、承りました。
(考え、絞り出せたのは、そんな言葉だけだった。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
……気に入らないなら、断ってくれていいんだよ。
(迷って、迷って)
(……それでも選んでくれるのなら)
(きみの未来を祝福したいものとして、これ以上、うれしいことはない)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……気に入らない、というわけではないのですが。
私たちは、復讐者ですから。意図しないことは、起こりえます。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
しかし、可能な限りは。
(そう答えて、一拍おいて。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……殴って差し上げることは、出来ませんが。
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
そこをなんとか意図した形に収めるのがきみの腕のみせどころだろ?
いいかい(偉そうに指を立てて)復讐者稼業は仕方ないにしても、成人年齢まで心身の健康維持には努めて貰うぞ。学生なんだから!
(……どの面下げて言ってんだろう)
(というツッコミはきみからは飛んでこないんだろうなあ)
十埼・竜 2023年1月17日
そう。……可能な限り。
…………いやぼくだってきみに殴られたいわけじゃあないんだよ?多分きみのフルパワーだったら簡単にぼくの首から上が消し飛ぶし。ただぼくばっかり要求を押し付けてたら流石にアンフェアな気がするじゃないか! だから、
十埼・竜 2023年1月17日
……だから、ぼくのことが必要なくなったら、遠慮なくそうしてよ。
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
健康には……意識している心算なんですけどね。
(怪我については言及しない。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
そう、ですかね。
私ばかり、お願いして……何も……いえ。
ズィーベン・フィーア 2023年1月17日
……そうですね。そう、思う時が来たら。
(無効票)
十埼・竜 2023年1月17日
(ふっと――――やはり、静かなままの街並みを見下ろした)
(それから、隣のきみに。)
……ちょっとは、元気出た?
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
……ええ、悩みは、減った……と、思います。
(そう、十埼先輩に答えて。)
……申し訳ない。ここまで、態々。
(そんな今更なことを。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月18日
大事なことだったんでしょ?
きみは無駄な事ってあんまりしないんだし。
いつかさ、この国がちゃんと目を覚まして、賑やかになったら。
……案外、同じ空気が流れてるなって、きみにも感じられるかもしれない。
楽しみは、まだ残ってるさ。
十埼・竜 2023年1月18日
さーて……
(屋根の端に立ち上がり、背伸び)
……どうやって降りようか!!
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
そう期待してたことも、有ります。
(だから、VRでも今でも、ここに来たのだが……)
しかし現実で動いているのは、まだ、ですからね。
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
(合わせて、立ち上がると。パンフレットを片付けて。)
さて、先の様、でも良いのですが。
宜しければ。
(と、手を伸ばして。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月18日
ああ、さっきみたいに網梯子。……でも、いいけれど。
(ふむ、下の通路を見下ろして、高さを改めて目算。)
(伸ばされた手をすっと取って、)
(そのまま強く引き寄せて。)
……ところで知ってる? ベルリンのとある劇場の噂話。
(不意に、囁く。)
十埼・竜 2023年1月18日
『西ドイツ時代のことだけど』
(輪郭がノイズを纏う)
『とある貴族を攫って担いで、客席三階から一階まで飛び降り、そのまま消えて諸共行方不明になった』
(腕が軽く、きみの身体を抱き上げる)
『“影の男”の噂話を』
(そのまま軽い歩調で一歩二歩、そして)
(すとん――――と、落ちて)
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=36346
十埼・竜 2023年1月18日
(とん。)
(あっけない足音で、二階エントランスの外通路に着地する。)
……なんてね。
(ノイズがすっかり晴れた顔で、きみの身体から手を離した。)
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
(伸ばした手を、引き寄せられて。)
(呆気に取られたように、抱えられる。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
(着地の後、何度か、瞬き。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
(立ち上がった後、視線を少し逸らして。)
……ありがとうございます。
(小さく、呟いた。)
(無効票)
十埼・竜 2023年1月18日
どういたしまし……
十埼・竜 2023年1月18日
(……きみの“波”が、)(ぼくの気のせいじゃなければ)
(かなり、「人間的」な色彩を帯びて、聴こえて)
(……なんかもうほんとうにごめんなさい)
十埼・竜 2023年1月18日
……(人差し指を唇に)秘密にしといて?
(無効票)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
……言いふらすようなことでもありませんからね。
(十埼先輩に、視線を戻すと。)
ズィーベン・フィーア 2023年1月18日
では。十埼先輩のお願い通り。
「帰り」、ましょうか。
(■)
十埼・竜 2023年1月18日
きみの口の堅さは頼もしいからなあ!
十埼・竜 2023年1月18日
(――――その“響き”も)
(その音すらも。)
(きみの扉が、また、ひとつ。)
(口元が緩んで)……うん。
十埼・竜 2023年1月18日
「帰ろう」!
(■)