【個】暗中模索
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
自暴自棄になって──欲張ってつかみ取れと教えられた。
暴力をふるって──まだやれると保障してくれた。
血に濡れて──言葉を信じさせてくれた。
けれど、いまだ……暗闇の中を脱すること敵わず。
#スィーリ・ラウタヴァーラ
#ユノ・メルヴィーネ
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スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
気付いたときにはそこにいた。
あいかわらず人気のない公園。小さな奇跡が降臨した場所。
粉雪が降り深々と冷え込むベンチに腰掛けるのは1人のメイド。
主を失った、愚かなメイド。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
ふふ、どうしてここに来ちゃったんですかね。
(思わず自嘲気味な声が漏れる)
(奇跡に縋ろうという浅ましい考えの自分に呆れて)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(雪の降る夜空の中、白い翼を広げて少女は飛んでいた)
(首には雪だるまのついたマフラーが風とともにゆらゆらと揺れる)
(この日、少女はなぜか雪の降る寒空を駆け出していた)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(ふと、何か自分の中で直感めいたものが巡って、突然外に出ようと思った)
(「何かがある」、そんな気がして何時かに訪れた公園に向かっていく)
(クリスマスの夜、二人きりで過ごした公園)
(そこに何があるのか、まだ少女にはわからなかったけれど)
(「誰かに呼ばれた」気がしたから)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
破滅めいた願望は小さくなった。
様々な人に掬い上げられ、今もこうして地に足をつけている。
だが、現状は何も好転していない。私という存在がまだ消えていないというだけで。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
私は、どうしたらいいのでしょう……?
(空から舞い散る雪に白化粧をされながら顔を上げる少女は)
(その頬に一筋の涙を零すのでした)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(やがてたどり着いた夜の公園は、前よりもイルミネーションも消えて明るさを失って暗さが目立っていた)
(そんな中、視線を下ろせばベンチに誰かが座っているのが見えた)
(ふよふよと静かに漂い、やがてそのベンチの前にそっと地に足をつけた)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
…スィーリ?
どうしたの…?
(雪と共に白い羽根が舞い降りれば、そっと静かに彼女に声をかけた)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
──目の前に天使が舞い降りた。
いよいよお迎えが来たのだろうか?それともついに頭がおかしくなった?
けれど、寒さで真っ赤になった耳にするりと流れ込んでくるのは……。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
ユノ、様……?
(間違いなく、唯一無二の親友の声だった)
(問いに答えることもなく。呆然と呟くのでした)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(ユノ、と名前を言われればこく、と小さく頷いて)
ん…やっと見つけた。
最近あんまり姿、見かけなかったから、どうしたんだろうって。
此処に来たら会えるかなって思ったんだけど…。
…うん、思った通り、だった。
(にこ、と小さく無邪気な微笑みを向けた)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
…此処にいたら風邪、引いちゃうよ?
それに…なんだか、泣いていた…みたい、だった。
(覗き込むように顔を動かせば、青と赤の双眸が彼女の表情を捉えて)
どうかした、の?
(再度、問いかけた)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
し、心配させてしまって、申し訳ありません……。
(やっとみつけた。ユノ様のその言葉に、思わず謝罪の声が漏れた)
(2か月前のユノ様を見つけたあの日。大言壮語を吐いた人間がこの様だ)
(羞恥からか、耳がより一層赤くなる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(こちらをのぞき込む紅碧2つの瞳に見つめられ──)
私……全部、ダメにしちゃったんです。
(隠しきれない絶望を。言葉にするのだった)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
…全部、ダメにしちゃった…?
(彼女の言葉にいまいちピンとこなくて首を傾げる)
スィーリが何か悪いこと、しちゃった…の?
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(当然そんな漠然とした言葉で伝わるはずもなく。首をかしげるユノ様)
(何か悪いこと。そう、私が犯した罪は──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
誓いを、破りました。
ずっと傍にいると言ったのに。おじょ……彼女がダメになりそうなとき、守ると言ったのに。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
そして、彼女はすべてを忘れて。私はすべてを忘れられてしまって。
あはは、ほんと救いようのない愚か者です。
(ねぇ、そうでしょ?と。乾いた笑みをユノ様に向けて)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
―――……
(まるで懺悔をするかのように、自身の罪を告白するように、彼女は口を開いていた)
(そうして吐き出した後に、乾いた笑みを見せる彼女の姿は…自分が今までに見たことのない、顔だった)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(彼女の誓いが一体どんなことだったのかは、わからなかった)
(けれど、この喪失感は…なんとなく、わかった気がした)
(大切なものを零してしまったという、手放してしまったような感覚)
…スィーリ。
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(す…と、彼女の両頬に優しく、両手を置いて)
スィーリは。愚かなんかじゃ、ないよ。
私のこと、助けてくれた…でしょ?
あの時、私のことを見つけてくれて…救ってくれたことは間違いなんかじゃないよ。
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
どんな事があったのかは、わからないけど…全て、忘れちゃっても…また作っていけば良い。ちゃんとこれまでのことも、思い出せるように。
だから…大丈夫、だよ。
(確信はないけれど、それでも)
(貴方は大切な人だから、と。勇気つけるように言葉を添えた)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(あぁ、なんて醜悪な顔を見せてしまったのだろう)
(こんな役立たずのメイド、ユノ様であっても見捨ててしまうんじゃないか)
(それは、いやだなぁ……)
(胸の内に溜まっていく暗い感情。ドロドロと、澱んでいく)
(もうこんな私なんて──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
……ぁ。
(頬に触れる天使の指。紡がれる温かい言の葉)
(彼女を見つけたことは、救ったことは間違いではないと。たとえその因果が忘却の扉を開いた鍵だとしても)
(また作ればいい。思い出させればいい)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(大丈夫だよ、と)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
わた、しは……前に進んでいいのでしょうか。
また、壊してしまうんじゃないかって。また、あの人を傷つけてしまうんじゃないかってっ。
(幾人もが背中を押してくれた。けれどまだこうやって誰もいない暗闇をさまよっているのは……踏み出せないから)
(あの最悪をもう一度引き起こしてしまうのではないかと、怯えているからだと)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
…前に進む事を、教えてくれたのはスィーリ、だよ?
向き合って、強くなればいいって。
それに、周りを頼ればいいって…言ったから。
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
スィーリが一緒に踏み出せないなら…私も一緒にそばを歩いてあげる。
傷つけないように、支えてあげる。
私を助けたように…今度は私が、スィーリのお手伝いをしたいの。
だからーーー
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月3日
(そっと両腕を前に出して)
…進もうよ、その人の為に。
私がスィーリを導く、星になるから。
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(そう。前に進むのだと、向き合えばいいと。頼ればいいと言ったのは私だ)
(その一歩を踏み出す勇気を──)
(雪と月明かりに照らされた銀翼の天使が私に与えてくれる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
(震える手を、差し出された両の腕に伸ばして)
あの人の、お嬢様の為に。
私は前に進みたいです。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月3日
だから……っ!
(導いてくれ、と。力強くつかむのだった)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月4日
(力強く掴まれた手をぎゅっと、こちらも握って、にこりと笑う)
…うん。
一緒に進もうよ。
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
はいっ……一緒に!!
(ぎゅっと握った手からは、確かな決意が伝わったことだろう)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
(意気込むとともに思わず立ち上がったメイドは)
……はぁ。情けないところをお見せしちゃいましたね。
(涙の跡をぬぐって、いつものようにと。気丈に振る舞うのでした)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月4日
(いつもの調子に戻ったメイドを見て、ようやく一安心ついたようでふふ、と笑って)
ううん、スィーリもそんな姿を見せるんだって思って、ちょっと安心した。
…いつも強くて立派な姿ばかりなのも疲れちゃうから、ね。
(いいこいいこ、と。まるであやすようにそっと優しく彼女の頭を撫でながら、そう呟いて)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月4日
(ひゅう、と風が吹けば冷ややかな風が身にあたる)
…そろそろ帰らないと、本当に風邪ひいちゃう、かも。
スィーリも、帰ろう?
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
ゆ、ユノ様……!?
(まさか撫でられるとは思わず、慌てふためき)
……ありがとうございます。
(けれどこれも悪くないものだと。ユノ様になら甘えてもいいのかな、としばし楽しんで)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
えぇ、そうですね。
帰りましょう。我が家に……!
(こくり、と。決意を秘めた瞳を携え、頷くのでした)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2023年1月4日
うん。帰ろう。
途中まで一緒に…ね。
(きゅっとメイドの手を握って、雪の降る中、帰路へつくのでした)
(演出終了)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
はい、一緒に。
(小さなその手をぎゅっと握り返して)
(伝わる温もりから、勇気をもらうように)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
大切な親友の献身でメイドは前に進むことを決めた。
取り戻すのだ。あの人を。私のご主人様を。
その目に憂いの色はなく、強い意志が込められた光を宿して。
戻ろう──あの寮へと。
(演出終了)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月4日
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