【個】メイドと仕立屋と
何縫・音乃 2021年8月24日
クリスタ・コルトハード様
尊敬しうるあなたへ、その想いごと結んで、その身を断ち切ってみせませう。
夕暮れ時、旧校舎被服室にて待つ――。
何縫・音乃
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旧校舎の被服室。
本来ならば質素な一室であるはずが――。
戸を開けたなら、そこに広がるは豪華絢爛たる和空間。
反物や織物を壁にかけ、衣装箪笥までも用意された畳の和空間。
そんな和空間の中で、和装の娘は――、
「どうぞおいでくださいました、森羅番長殿」
そう、正座して頭を下げたのだった。
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何縫・音乃 2021年8月24日
#クリスタ・コルトハード
#何縫・音乃
何縫・音乃 2021年8月24日
森羅番長殿、ごきげんよう。改めまして、初めまして。
私は緑クラスの何縫・音乃――であることは、さすがの番長殿もご存じかもしれませんね。
(頭を上げて、にっこり微笑み)
此度、私がご用意したのはある種の『ハンデ』かもしれません。
自分にとって有利な空間を、此処旧校舎の被服室にてご用意いたしました。
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
ええ、ええ。ごきげんよう、音乃様。クリスタ・コルトハードです
(スカートの裾をつまみ上げて、片足をさげ、腰を落とす)
俺に挑戦して身の丈を測りたいと、そうお伺いしております
何縫・音乃 2021年8月24日
(所作も完璧。さすがは緑クラスの長である――そうお音乃は微笑みます。)
ええ、そうです。あなたという高みに挑み、己がどこまで辿り着けるか――この思ひが届くのならば是非に、という気持ちで御座います。
――――ですが、どうか、どうかお気をつけて。
この和空間は私の精神に作用しています。謂わば、『私が勝利を確信すれば』効力は増し、逆になれば『空間ごと消えて元の被服室となる』――そんな構造となっております。
念のため、説明をさせて頂きました。
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
なるほど……(教室内、机や壁に触ってみて、小さくつぶやく)
つまり、音乃様の心を屈服させろ、というわけですね。
何縫・音乃 2021年8月24日
おほほ……簡単におしゃるのね、番長殿。
(道具を仕舞った鞄から、数々の裁縫道具を広げてみせて)
(無効票)
何縫・音乃 2021年8月24日
――――仕立屋お音乃。
……否、仕置屋お音乃、参ります。
森羅番長、お覚悟を。
(新たに手に取ったのは暗殺用鋏。それを手にし、まずは肉薄する。単純だ。首の根元を狙うだけ――!!)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
もちろんですよ、音乃様。メイドというものは、越えてみろと言われればいかなる障害であろうとも越えてみせるものですので
(胸元に手を当てて、口角を上げる)
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
もちろん、いまこの状況も
(鋏を手に迫る音乃を見つめて、まっすぐに片手を掲げる)
俺は越えて差し上げますとも、貴方様のために
(首元に向けられた相手の得物に、指先をとんと触れる)
何縫・音乃 2021年8月24日
!?
(指先ひとつで、避けた――!? そんな馬鹿な、と声を漏らしそうになる。けれど、これはまだ小手調べ。これくらいで心が折れる訳はない。)
さすが、それがメイド様――私は呉服屋を営んでいた身ですから、メイドの大変さは分かりかねますけれど、それでも……実力があることは間違いはありません、ね。
(無効票)
何縫・音乃 2021年8月24日
森羅番長殿、あなたの力魅せてくださいな。
このまま私ばかりお披露目したって退屈でしょう?
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
(指先でそらした鋏にちらりと視線をやって、くすりと笑う)
では……ここからは俺の力も見てもらいましょうか
(一歩踏み込むと同時に少し腰を落とす)
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
まあまあ強めに行きますので、一撃で寝ちゃわないでくださいね
(畳を踏み、とん、と勢いをつけてステップを踏むように前に出ると、音乃の腹の高さで振られた脚。鋭い回し蹴りが音乃を襲う)
何縫・音乃 2021年8月24日
ぐっ、ふぅ……!!!(回し蹴りを直撃で見舞い、今にも吐き気を催す程の痛みを覚える。片膝を下すのは、なんとかこらえた)
…………そう、森羅番長殿、やはりこうして戦うのですのね。
(無効票)
何縫・音乃 2021年8月24日
(ふ、と笑い、両手を広げる。そこから編み出されたのは――)
―――――良いでしょう。
あなたに似合いの反物を、ご用意いたしましょう。
(近距離ならば捕縛も容易い。無数の反物を伸ばし、森羅番長を捕縛しようとする。)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
ええ、ええ。この身体こそが、俺にとって最も重要な〝仕事道具〟ですので
(脚を下ろして構え直し、音乃に向き直る)
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
ですがそうですね、こういう場合は素手で抜けようとすると時間がかかりますので、少しだけ使わせてもらいましょう、俺のご奉仕道具
(両腕を大げさに振るうと、袖から飛び出す2本の銀のナイフ。その場でくるりと回ると同時に上下に切り裂いて、反物の間を抜ける)
何縫・音乃 2021年8月24日
(『時間がかかる』……つまり、素手でも切り抜けることができた、と? そしてこの奉仕道具。瞬時に出したはずの反物に対応して刃物で切り裂くなんて、並大抵のできることでは――!!)
(無効票)
何縫・音乃 2021年8月24日
――待ちなさい。まだこちらには残っているの、残っているの、よ。(声には明らかに焦りが滲んでいる。空間が、揺らぎ始めている)
――――いま、この私に近づけば、血を吸う針が襲うことでしょう。いったいどうして、なぜ、あなたに指一本、傷つけることすら許されないの? いったい、なぜ――――
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
では、出し切ってください。音乃様の全部、一切合財を
(まっすぐに音乃へと歩き出すクリスタ。針が刺さろうとも、何があろうとも、物ともせずに)
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
(刺さってはいる。血は吸われている。だが、それだけだ)
そうですね、強いて言えば────
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
俺が番長だからです
(そのまま前進を続けて、音乃へ前蹴りを放った)
何縫・音乃 2021年8月24日
私の全部、一切合切――それは……。
私はまだ、『怒り』を知らない。ネメシスに至る感情を、知らない。
―――――—嗚呼、そう。だから、私は、
(演出継続)
何縫・音乃 2021年8月24日
ぐっ、あっ……!!!
番長に、およばない……!!!!
(放たれた前蹴りを直に受ける。直後、空間がうねり、普段の旧校舎被服室へと元に戻った。
―—実質的な、何縫・音乃の敗北。それに他ならなかった。)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
(追撃の飛び蹴りをしようかと一歩、二歩と加速し始めたところで、周囲の空間がもとに戻ったことに気付き)
おやおや、どうやらここまでのようですね、音乃様
(音乃の前で脚を止めた)
何縫・音乃 2021年8月24日
っく……!! まだ、まだ、ですよ、森羅番長。(必死に足を掴もうと)
私の思ひは、まだあなたに届いていない……!!!
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
いえ、〝今〟の音乃様では、これ以上続けても意味はないでしょう
(音乃の前に屈んで、その額を指で弾き)
音乃様はまだ、自分のすべてを出し切る術を知らないと存じます
(演出継続)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
それを知ったとき、改めてお相手致しましょう。そのときはきっといい勝負ができるでしょうから
(それから音乃へと、手を差し出した)
何縫・音乃 2021年8月24日
あててっ(額を弾かれ、つい声を出して)すべてを出し切る……術……?(それはネメシス形態のことか、それとも……と、考えます。)
そうです……ね。此度は、準備していたとはいえかなり一方的な勝負となってしまいましたから。
(差し出された手を、おそるおそる握って、這いつくばった体を起き上がらせます。)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
俺は戦い方は地味ですけど、その分相手の得意な領域に飛び込んで戦うのが得意ですので
(音乃を起こしながら、空いた片手を胸に置いて、ふふりと笑う)
お腹、大丈夫ですか? 蹴りがもろに入ってますし、骨や内臓を痛めていないといいのですけど
何縫・音乃 2021年8月24日
つまり、森羅番長殿は器用な戦い方をするのね。
……いいえ、私は大丈夫。もとより丈夫な体をしているはずだから……げふっ。
(嘘だ。死体であるリターナーの体は人より脆いのです。赤黒い血の塊を吐いて少しうずくまりました。)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
うーん……俺でも簡単な治癒術式は使えますが、きちんと治療された方がいいですね。白のクラスの人がいる保健室へ参りましょうか
(うずくまった音乃の身体を、両手で抱える)
何縫・音乃 2021年8月24日
すみません、番長。私からお誘いしたのに、惨敗してこの体たらく……。
(抱えられて弱音を吐いて)
クリスタ・コルトハード 2021年8月24日
いえいえ、この礼を、仇を、返して頂けるときを楽しみにしております。それがこのクラスの番長である俺の楽しみなのです
(痛み止め程度の治癒術式をかけながら、音乃を抱えて保健室の方へと歩いていった)
何縫・音乃 2021年8月24日
(運ばれながら、小さく、小さく囁いた。)
――負けられない、次こそは。
何縫・音乃 2021年8月24日
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