ニュー新宿わくわくモール

【わく🦈】不死者と踊るグランギニョール

珠匣・なな星 2022年12月16日
ニュー新宿わくわくモール上層――水族館。
そこはいつもの賑わいを忘れ、奇妙なほどに静まり返っていました。
それもその筈、水槽内の魚はすべて“異形の鮫”へと変わり果てていたのです。
鮫たちは我が物顔で巨大な水槽内を泳ぎ、ぎょろりと目を剥いています。

さあ、舞台は整いました!
惨事に飢えたる悪辣非道な紳士淑女の皆々様――どうか、どうか、お静かに。
舞台上で何が起ころうと、決して悲鳴を上げられぬよう、心のご準備を。


――――グランギニョールの幕が上がる。



✨演者✨
#奉利・聖
#珠匣・なな星




🦈
2
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珠匣・なな星 2022年12月17日
――――――――あっ、

(やっぱり)(生きていた)(そう、認識したのに)

……………し、死んだ……?

(目に見えることと真逆のことをいうあなたに、思わず目を瞬かせました)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
ち、ちがう! ちがうちがうちがう!

(それは、自分が求めていた結末ではありません。結末ですらないのです)

…………どうしたら……本当の意味で、死ぬんですか?
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珠匣・なな星 2022年12月17日
…………いいですよ、根比べ……受けて、立ちます。
まだ、ななが開けられる匣は……いっぱい、ありますから。

(嘘です。自身の負傷をトリガーに発動する匣ですから、限界があります)
(もってあと2つといったところでしょう)
(それは少女が初めてした戦いでの駆け引きでした)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(包丁を再びぎゅっと握ります)
(そして自らの薄いお腹を撫でて、覚悟を決めるようにふーっと細い息を吐いて)
(歯を食いしばったならば、刃を薄い腹に突き立てました)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(すると、もくもくと。白い煙のようなものが立ち上がります)
(それは触れたものの年月を奪う煙。あなたが触れたならば、身体の老いばかりでなく、脳にまで及び思考力をも鈍らせてゆくでしょう)
(煙は見る間にフロアを満たしてゆきます)

https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=39044 (無効票)
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奉利・聖 2022年12月17日
…………さぁ、『終わり』は自分で見つけるものでしょう。
まぁ…強いて言うならそうだな。
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奉利・聖 2022年12月17日
何もしたくない。
ただ緩やかに時が過ぎ去り、風化したい。

そう思った時、人は真の意味で死んで──『終わる』
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奉利・聖 2022年12月17日
僕は山ほど死んだが、まだ終わってはいない。
だからまだしがみついている。終わりたいなら…どこかの深海にでも沈んだままにするさ。

(立ち込める煙。それに触れた瞬間──指先が衰えるような感覚がした。あぁ…すぐに直感する。これは老いだ。この僕が、老いている)
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奉利・聖 2022年12月17日
───それで。
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奉利・聖 2022年12月17日
老いを味わわせて、それでお終いか?
そんなんじゃ勝ちじゃない。仕留めに来てみろ。
いっぱいあるんだろう、手が。老いて死に体になった僕を終わらせられるか?

(挑戦的な眼差し。現在進行形で老いさらばえてる中でも、焔が燃えている) (無効票)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(あなたに匣の効果が及んでいるのならば、周囲の物――水槽にも被害が及ぶのは説明するまでもないでしょう)
(現に、残っていた毒蟲たちは死滅して跡形もありません)
(放って置いても、そのうち水槽は壊れてしまうでしょう)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(そんなことにはとっくに気づいている筈なのに、少女はそれでも立ち塞がろうとします)
(もはや水槽の防衛などという目的は、少女にとってはどうでもいいのかもしれません)
(そんなことよりも目の前のあなたを殺したい――もはや意地のような、その一心でここに立っているのでしょう)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
…………なんだか、煙に巻いたような……答え、ですね……。

(あなたの言うそれは、きっと“絶望”と同じ意味合いを持つのでしょう)
(ならば、あなたの言う通りそれを与えてあげればいいのかもしれません)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
……お望み通り。仕留めにいかせて、いただきますよ。
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珠匣・なな星 2022年12月17日
――――これで、幕引き。

わたしと、いっしょに…………死んで。

(ふっ、と)(力なく微笑んで)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(喉笛を掻き斬りました)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(割れんばかりの地響きとともに、立っていられないほどに空間が揺れて)
(周囲のものを巻き込みながら、万物を死滅させる呪毒の嵐が吹き荒れます)
(それは超局地的な神話時代の天変地異でした)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(――――今まさに、パンドラの匣が開いたのです)

https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=39045 (無効票)
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奉利・聖 2022年12月17日
(あぁ、なるほど。正にパンドラの匣…開けたが最後、破滅が吹き荒れるか)
(ちょっと前の僕なら、この光景に絶望したかな)
(あの剣豪と戦って、僕は随分と諦めが悪くなったものだ)
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奉利・聖 2022年12月17日
(老いる、というのはね)
(正しい時間の流れなんだ)

(だってそうだ。永遠なんてものはない。何だって衰えるし、滅んでいく。それが正しい。それが人の世だ)
(でも僕は、長いことそれが歪められた場所に居た。おかげでこんな能力まで身に着いてしまう始末)
(だからだろうか、ちょっと…正しく老いることができるのが嬉しい)
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奉利・聖 2022年12月17日
(生命の正しい理に戻れたような心地だ)
(それ故に──生命の在り方が一時、裏から表に変わったから)

ㅤ、、、、
(扉が開く)
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奉利・聖 2022年12月17日
(急速に燃え上がる反骨心。負けられないという熱心)
(起源は、【反逆】は──老いに少しばかり、抗った)
(年の頃は40くらいだろうか。衰えてなお、眼光は鋭く。全盛の肉体ではないにしても、数多の経験値を積み上げて。歴戦の老兵レベルに抑えられるように、我が身が働いた)

これなら、ちょっとは開けそうだ。
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奉利・聖 2022年12月17日
陰陽合一────錬気結合。

(陰と陽合わさりて、神なる者への階へ至らん)

(肉体という宇宙を中心に、力が巡る──廻る──)
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奉利・聖 2022年12月17日
悪いが、一緒には死ねんよ。
『俺』は此処に居たいしな。君は?

(穏やかな声音で、指先を向けた)
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奉利・聖 2022年12月17日
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=35098

『穿空』

(破滅には、破滅。シンプルな力比べ。進路上の全てに、神魔すら破滅させる力を迸らせる)
(『俺』の意志と「君」の意志…どっちが先に行くか) (無効票)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(がくっと膝を付けば、苦しげにひゅーひゅーと息を吐きます。そのたびに華奢な喉からは血が吹き出ました)
(純白だった舞台衣装も、真白い膚も血で穢れて、纏っていた星のような輝きも翳りを見せています)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(そんな息も絶え絶えの少女の瞳に、あなたの嬉しそうな様子がチラと映りました)
(――――腹立たしい。自分は厄災を巻き起こした筈なのに、なにを喜んでいるのか)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(――――ところで、)

(パンドラの匣の災厄は運にまで及びます。この場に置いて、幸運は反転し、不運となるのです)
(いつもだったら絶対に失敗しないような行動も、不運にも失敗してしまうことがあるかもしれません)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(向けられた指先を見つめて、挑戦的に笑います)

(――――――――、)

(花びらのような唇が何か言葉を象りますが、それが音になることはありませんでした)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(あなたが向けた破滅の力が少女に及ぶまでの時間、その刹那)

(あなたの耳に声が響きます)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(――――お前が最も恐ろしいと思うものはなんだ?)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(それは紛うことなき少女の声でした。喉笛を掻き斬った少女は喋れないはず)
(けれども、どこからかあなたの耳に少女の声が響くのです)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(その声で、少しでも恐怖を思い浮かべてしまったのならば)
(それはあなたの目の前でまざまざと再現されるでしょう)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(パンドラの匣から放たれる災厄は、疾病、恐怖、怨恨、哀愁、疑惑、嫉妬、憤怒、憎悪、呪咀、焦慮、後悔、卑屈、貪慾、虚偽、怠惰、暴行――――)

(それは人の数だけあるのだから) (無効票)
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奉利・聖 2022年12月17日
(───不運は、心にちょっとした隙間を与えた)
(平時なら跳ね除けていたが、今は少しばかり────)

恐ろしいもの、か。
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奉利・聖 2022年12月17日
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奉利・聖 2022年12月17日
終わらないことだ。

(笑って呟いて)
(これまでの人生──七千年以上にもわたる、時の巡り)
(幾度の人の死。文明の崩壊。平和の終焉を見届けた)
(見届けて見届けて見届けて、それでも尚、己だけが終わらない)
(また始まる。そして見届け続ける)
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奉利・聖 2022年12月17日
(病にかかることも、殺されることも。苦しむことも。痛みを味わうことも。そんなに怖いことじゃあない)
(ただ己だけが終わらずに、ずっと居続けることが怖い)
(置いて行かれるのが、怖い)
(恐ろしいな。恐ろしい)
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奉利・聖 2022年12月17日
(今、目の前にはそれが何度も再演されている。走馬灯のように、早回しのビデオが流れ続けていた)
(涙があふれて、止まらない)

怖いさ、怖いとも。
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奉利・聖 2022年12月17日
だから戦ってんだ、今も。
でもさ……これが無いと、ここまで来れなかったんだ。
だから……恐ろしいけど、拒絶したりしないよ。

怖れも連れて、進み続けたい。
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奉利・聖 2022年12月17日
それって、きっと悪いことじゃあないだろう?

(今も再演され続ける恐怖から)
(逃げたりしない)

…ちょっと足を止めて、落ち着く時間は必要かもしれないけどね。
(それでも多分、暫く一人で居たくなりそうだ) (無効票)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(破滅の力を浴びて、少女の身体は砂のようにさらさらと崩れて徐々に消滅してゆきます)
(その最中もあなたの様子は、両の目にしかと映っていました)

(そうか――――)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(あなたのパンドラの匣には、最後に希望が残っていたんだ)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(自嘲めいた笑みとともに、そう唇が動いていたのが、わかるかもしれません)
(そんな笑みを残して、少女は完全に消滅しました)
(そのうち海岸に流れ着くことでしょう)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(こうして災厄は去りました。フロアを見渡せば割れた水槽はもちろんのこと、嵐の後のように壊滅的な大惨事です)
(これにて終幕、大団円――というには被害が大きすぎたかもしれません) (🦈)
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奉利・聖 2022年12月17日
(……………全てが終わって)
(周囲を視れば、正しく大荒れ)

(これからここを掃除せねばならないのだ)
(やれやれ………)
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奉利・聖 2022年12月17日
ちょっと………休むか。

(全身ボロボロの状態で、がくりと項垂れて)
(希望、希望か)
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奉利・聖 2022年12月17日
誰の匣にも。望めば来るさ。
(見出すのは、己次第なのだから)

あーーーー………お腹空いたかも…。
(これにて、目的完遂) (🦈)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
(あなたの視界の隅に、ひらり)

(遊色の蝶が、舞うように飛んでいました)
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珠匣・なな星 2022年12月17日
【終劇】
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