【個】Where am I?
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
「まず、二階の倉庫に入ってください。
右の奥にある棚と棚の隙間を、2・2・1でノック。
そうしたら、内側から開けますから。
待ってます」
――少女のメールより
☆Location
??????(二階の倉庫奥)
☆Talk
奉利・聖
虚ヶ谷・ワチカ
0
奉利・聖 2022年12月5日
知り合いがちょっと…僕はそういうのは、全然ですね。
なんでも、そこそこやってたとかなんとか……。
ま、ともかく……委細は承知しました。
奉利・聖 2022年12月5日
どうか、くれぐれも死なないで。
体はこちらで預かりますから、必ず帰還してください。
───始めましょうか。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
セクシーなの。(ホログラムを指差し)
キュートなの。(己を指差し、ウィンク)
なんてね。聖さンはキュート派って事か、はは。
……。(夢見るように歩いて、パイプ椅子に座る。眼前のノートPCを閉じて)虚ヶ谷って名字、あンまり好きじゃないンだけどさ。
奈落って感じだなーって思って。虚ろな谷だから。
そうしたらね、そういう悪魔がいたの。アバドンってやつ。(クロノヴェーダではまだ聞いた事なかったかな、と笑い)フォルムは其処から少し借りてきたかな。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
そっか。
聖さンって色んな知り合いがいるンだな。
其の人と、いつかちょっとお話してみたいなァ…ふふ。
……うン。始めよう。
(死なないで、の言葉には……返答を返さずに、左手の親指と人差し指を立てて――銃の形を作る)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(銃の形を作った指先を、こめかみへと添えると)
――それじゃ、またね。
(心中で、躊躇いなく“意識”を撃ち抜いた。びくん、と身体が痙攣し)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(肉体ががくり、と力を失う。……計算通りなら、この後数秒もすればホログラムに意識が宿る筈)
(だけれど――)
(静かに浮かぶホログラム、其の左目に、ふと“紫陽花の花が咲いた”)
(無効票)
奉利・聖 2022年12月5日
(力を失った肉体を支えるようにして、手を回した)
(彼女の身体の軽さと、細さがどこか危なっかしい)
(…アバドン)
(虚ろ。奈落…ネガティブな印象)
(………………)
奉利・聖 2022年12月5日
………………?
(花?なんだろう、覚醒の予兆だろうか)
(ただでさえどこか現実離れした姿。それに拍車がかかるようで)
(彼女のダイブは……ちゃんと成功しているのだろうか)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(花が咲く)
(紫陽花、菫、鈴蘭、彼岸花、…………身体中に、まるで春が撫でるかのように花が咲き乱れ)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
―――――――――――ッ!!!!!
(耳をつんざくような、悲鳴。一つだけ付けられたスピーカーから音を割って響き渡った)
あああああッ、あ、うああああああ!!! あ、あああ……
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
いや……! あ、あああ、ああああ!
“景色だらけで”“何も見えない”!!!
“何もかもが聞こえて”“何も聞こえない”!!
あ、ああ……あ……
わたし
わた し
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
わた
し
は
どこ?
(無効票)
奉利・聖 2022年12月5日
っ!!?
(スピーカーから発せられたのは、恐慌状態のような声)
(何かに怯えるような叫びに、流石にぎょっとしてしまう)
ワチカさん!?ワチカさん大丈夫ですか!?
(この声が、そもそも聴こえているのかどうかも分からない)
奉利・聖 2022年12月5日
(彼女の叫びは、まるで)
(音も視界も飽和し過ぎて、その果てに全て平らかとなったような)
(そんな心地が───)
ここに。ここにいますよ。
大丈夫、貴女の身体はここだ。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
せい、さ、ん
(すべての声が拾えるから、君の声も聞こえる)
(誰かが囁いている)
(誰かが叫んでいる)
(魚の泳ぐ音がする)
せい、――聖……!
(深海から光を求めて泳ぐように。もがいている。花咲くホログラムがいやだいやだ、と頭部を揺らしている。王冠が光の軌跡を描く。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(ホログラムとの同期は成功している)
(だからこそ)
(だからこそ恐ろしかった)
(海の中に突然放り出されたような……)
(寄る辺を全て失った蜂のような……)
(ここ(モール)は、いったい、なんなんだろう?)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
……わたしは、そこにいる?
(泣くような声が)
……わたしは、……わたしは、そこにいるんです か
何もかもが 見えて 判らない……
何もかもが聞こえて来て なにも聞こえない……
まるで わたしというものが 消えてしまいそう……
なま えを
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
なまえを よんでください
わたし うつろがや わちか っていいます
(幼い少女の声)
わたし がんばって 見ます
なまえをよんでくれたら きっと 焦点を合わせられる
(無効票)
奉利・聖 2022年12月5日
(一体、彼女は何を見ている?)
(このモールには一体何がある?分からない、彼女にしか分かってやれない)(何も出来ない、歯がゆい気分だ)
大丈夫、此処にちゃんと居る。
奉利・聖 2022年12月5日
貴女は、虚ヶ谷ワチカ。
う つ ろ が や わ ち か
(一文字ずつ、確かめるように)
この僕、奉利・聖の可愛い後輩です。
ちゃんと確かめて、ちゃんと此処に居ることを確かめて。
分かるまで何度でも呼びますから、安心して。
消えない、絶対。此処に居るから。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(花が、落ちていく)
(ホログラムの異形から、ぼろぼろと枯れ果てるように落ちていく……)
う、つ…ろが や わちか。
わちか……
(音を、数珠を手繰るように辿って。こちらを真っ直ぐに見つめる眸を、無数の視界の中に探す)
(其れはまるで、海底でたった一粒の金を見付けるような、とても恐ろしい事。モールに張り巡らされた無数の監視カメラの映像から、あなたを、わたしを、さがす)
たてまつり、……せい。 せいの、こうはい。
せい、が、呼んでくれる……わたしを、……聞こえます。
波音と、魚の呼吸……でも、聖の声、聞こえます。
(ホログラムは顔を覆う。其の腕からばらばらと枯れた花が落ちる)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
わちかは …… いま、いくつですか?
(ふと、奇妙な事を訊いた)
わたしは、ちゅうがくにねん で おわってしまったから
だからあれから なんねんたったのか……
(無効票)
奉利・聖 2022年12月5日
(花が落ちた…これは、うまくいったのか?)
いく、つ?
(終わってしまった…終わってしまった?)
(なんだその、まるで生き返ったみたいな言い方は)
えーと……貴女は、そう。
高等部一年だから……15か、16のはず。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
――…わたしは おわってしまった わちかです
いつかまた 会う事もあるかもしれません
…あの 時が輝いて全てがかわってしまった日に
わちかは……わたしを おわらせました
そうして 「わっち」に「なった」
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
おとうさんにも
おかあさんにも
あいされなかった、わちかを……おわらせて
そうして… いまの わちかが いる
わたしが おきたのは……そう……たぶん 二重に自分を だましたから……すこしだけの エラー
そう……2年……
(ひたり、とホログラムが足を床に付けた)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
(異形の少女が、優しい目で君を見ていた)
……どうか、私の事はないしょに
誰にも愛されなかった自分の記憶なんて まだ思い出したくないだろうから…
頼れる人がいる いまなら ……だいじょうぶ きっと
いつか いずれ 判ってしまっても……「わっち」なら 大丈夫だから
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
ああ もう 焦点が合う
……聖さん
どうか……わたしを よろしく おねがいします
(笑う眸は、矢張り茶色と翠のオッドアイなのだ)
(無効票)
奉利・聖 2022年12月5日
(誰にも愛されなかった彼女)
(それを殺して、無かったことにしてしまって)
(今の彼女が居る、ということか)
………分かりました。
いずれ時が来たなら……きっと、向かわなきゃいけない時が来る。
奉利・聖 2022年12月5日
その時、寄る辺となる者がきっと沢山いるはず。
大丈夫……大丈夫ですよ。
(二つの色に、小さな微笑みを返した)
(誰にも愛されなかったとしても、今はそうじゃないから)
(彼女は独りぼっちじゃない)
奉利・聖 2022年12月5日
………ワチカさん。
もう大丈夫ですか、ちゃんとできてますか?
(さて、相変わらず届くかは不安だが)
(とりあえずは呼びかけてみるのだ)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月5日
だいじょうぶ
ええ そう だいじょうぶ
わちかは きっと――
(きみの言葉を繰り返して、……嬉しそうに少女は笑う。そうしてゆっくりと目を閉じて――)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
はっ!?
(ぱちり、と開いた)
ん!? あ!? わ!? あ!!!
(周囲をきょろきょろと見回し、きみの姿を見ると、泣きそうな顔をした)
せ、せ、せ、聖さン~~~~!!!!
よかったあ、焦点合った~~~!! わ、わっちね、なんかすごいたくさん見えて、たくさん聞こえて、それで、びっくりして、
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
(ふわり、と宙を泳ぐように君と自分の身体の傍へ)
大丈夫?
わっちが焦点を合わせる間に変な事とかなかった?
一応此処のロックは半自動にしてあるから、間違っても扉が開いた…なんて事はないと思うンだけど。
(無効票)
奉利・聖 2022年12月6日
ん?んー…なんかやけに時間がかかりましたね。
全然音沙汰無くて、ちょっと焦ってしまいましたよ。
つねった方がいいのかなーなんて思っちゃいました。
(動かない方の肉体の頬をつつく)
そちらは……うん、平気そうですね。良かった。
奉利・聖 2022年12月6日
こちらは問題無く。
そちらが大丈夫であれば…さ、続けましょう。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
や、やっぱり時間かかっちゃった…? うう、面目ない。
――って、つねるのはやめてよー! 大事なわっちの身体なンだから!
(あわあわとして、……不思議そうに君を見た。やっぱり最初、びっくりして悲鳴を上げたから驚かせちゃったかな)
……うン。もう、大丈夫だよ。
(ゆらり、蠍の尾が揺れる)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
うン。電気系統、通信系統への接続は確認してる。
(手を翳す。ぱちん、ぱちん、ぱちん、と、もう誰もいない場所を照らしていたモニタの光が一つずつ消えていく)
焦点も合ったし――こっちはもう大丈夫。……なンだけど、そういえば…身体は何処で預かってくれる予定なンだろ?
(そういえば聞いてなかったね、と)
(無効票)
奉利・聖 2022年12月6日
それはよかった。
ひとまずやりたかったことは成功ということですねぇ。
(一安心か…と思ったのも束の間)
あ、そういえば……。このままここで、とばかりに思ってました。
奉利・聖 2022年12月6日
……物理的なセキュリティということであれば、僕の事務所とかでもいいですけど。
ご希望される場所とか…あります?
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
うン。――……これで、なんとかなりそう。
わっち、戦闘となると本当に何も出来ないからな。でも今は黄金院印の迎撃機構も、そりゃあもう! 瞬き一つで使えますから。
(ふふン、と)
んー、希望する場所。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
(んー)
(うーん)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
ひっそり消えちゃっても判らないような…感じの……
そいで、竜くンに見つからない場所……
(そっと視線を逸らし)
(無効票)
奉利・聖 2022年12月6日
………そこには内緒にしたいんですね。
分かりました…分かりましたけど、絶対は保証しません。
竜は優秀ですからねぇ。
(ならもう、あの場所でああするしかあるまい)
奉利・聖 2022年12月6日
僕の事務所で。
物理的侵入は非常に困難ですから。普段は奥のスペースは僕の出入りしかないので、困らないでしょう。
それで見つからないようにするには……『セヴラト』
音とかそういう、リアルタイムで発せられるもの含めた痕跡に『死』を与えられる?
【出力を絞れば可能であろう】
じゃ、それで。
(背の龍骨との会話をさっと終えて)
異論はありませんか?
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
だって、竜くんが知ったら絶対「バカだろ」って言われるの見えてるもン……呆れられるもン……いや、その、聖さンには…聖さンなら、きっとわっちの身体を安全に保存してくれるだろうと思ったので……(いじいじと指先をいじり)
で、出来るだけでお願いします。
――へっ。事務所?
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
えっ?
(今何か第三者の声が)
えっ? ん? え、あ、はい。ないデス! 大丈夫!
(咄嗟に返事したけれど、頭上にいっぱい疑問符を浮かべて)
ねえ聖さン、いま誰とお話したの。ねえ。ねえねえねえ。
(無効票)
奉利・聖 2022年12月6日
……ちゃんとお互いに話した方がいいと思いますけどねぇ。
(堂々とやった方がいい。やましことでもないのに)
では事務所に行きましょうか。
奉利・聖 2022年12月6日
おや、聞こえましたか。
それはそれは……まぁまぁ、気にしないでください。
ちょっとしたビジネスパートナー…みたいなものです。
(なるほど……忌まわしき己に『死』を与えたが故に…近しい属性を持つか。だからちょっと聞こえるのかな)
はい、行きますよー。
(少女の身体を、そっと抱えたのだった)
(。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
お話が出来れば良いンですけど…
大体割と、わっちが泣いちゃってうやむやになっちゃうってゆうか…
駄目ですよね。もっとちゃんと、お話したいのに。
(むむ、と難しい顔をして)
はーい!
わっちはモール内では姿を消すけど、電子系統で追いかけてるから大丈夫だよ。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年12月6日
うン、聞こえた!
…聖さンの、ビジネスパートナー! 今度お話してみても良いですか。
(瞳をきらきらさせる。ということは、この人…人? もお掃除好きなのかな、とか、暢気極まりない事を考えていた)
はーい。
宜しくお願いします! サメがいるかどうか生体検知は任せて!
(くるり、と王冠が回って……ぶわっ、とわっちは宙に霧散する。そうして、わっちの身体は聖さんへと預けられたのだった)
(。)