【個】メイドインロスト
天乃川・星子 2022年12月3日
大切な友人ができた
そしてその友人が失踪した
ならば、必死に捜索をするのは当然だろう
いつも隣りにいたはずのメイドは今日もいない。
寮を留守にすることも増えたようだ
大丈夫、いつも一人だった。
こんなことは特別なことではない、と。
彼女は今日も筆を執った。
気付けば、大切な友人を見つけたメイドはようやく帰宅したようだ。
だが―――
もう、遅かった……
−−−−−−−−−
#天乃川・星子
#スィーリ・ラウタヴァーラ
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天乃川・星子 2022年12月3日
お腹は切らなくていいですよ!?
あら、メイドさんなんですね。
お嬢様として仕える方がいらっしゃるんですね?
(どこにいらっしゃるのでしょう?と辺りを見回して)
天乃川・星子 2022年12月3日
私のことですか?お嬢様……?
いやですね、私は一般の家庭出身ですので……。
あっ、それとも、名前をお忘れですか?
ペンネームは天乃川・星子。
本名をアケヅキ・グレーム。
ですので、アケヅキ、って呼んでくださいね?
(首をひねって彼女を見る)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(なるほど、これはきっと寮を空けていた私に対する罰ゲームなのだろう)
(私を知らないお嬢様、確かに精神的に来るものがある。だが、そういうことならば仕方がない。しばし付き合うことにしよう)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
こ、こほん。これは失礼いたしました。
メイドをさせていただいております……スィーリ・ラウタヴァーラと申します。
家名は発音しにくいでしょうから、どうぞスィーリと気軽にお呼びください──。
(初めての邂逅の時を思い出しながら、お嬢様の名前を呼ぼうとして)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(……?)
え、えぇと、星子お嬢様……ではなく、ですか?
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
メイド……。
どなたにお仕えなのでしょう?
(首をひねって)
スィーリさん。
キレイなお名前ですね、外国の方でしょうか
天乃川・星子 2022年12月3日
また。
お嬢様じゃないんですから。
アケヅキって呼んでください。
確か同い年ですよね?
記録を見ました。
呼び捨てで構いませんよ、同じ寮の寮生なんですから、本名で呼び捨てするのは基本でしょう?
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(まだ彼女の怒りは収まっていないらしい。これはなかなかに骨が折れる)
ふふ、ありがとうございます。優しくてとても可愛らしいお嬢様に仕えさせていただいているんですよ。
(ですからそろそろ矛を収めてくださいね、なんて言外に願いを込めて)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(「星子」ではなく「アケヅキ」。もしや刻逆以前の?だがしかし、それは……)
アケヅキ、でよろしいのですか?
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
あらあら、素敵ですね。
どんな方なんですか?
(彼女は本当に知らない様子で)
天乃川・星子 2022年12月3日
はい、あっ、でも。
星子でも大丈夫ですけどね。
そう呼ぶ寮生も多いので。
スィーリさん、随分不在だったご様子ですが、何をしていらしたんですか?
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(目の前にいるあなたです、といっても今の状況だとはぐらかされてしまうのだろう)
そうですね。
人のために行動するのがとても好きで、自分のことは後回しにしちゃうのがちょっと玉に瑕な。
溜まった不安や不満の息抜きで、一緒にカラオケに行ったりする。
そんな可愛らしいお人ですよ。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
では、星子おじょ……星子、でお願いします。
何を、ですか?えぇと……。
(なるほど、こうやって自分が犯した罪を告白しろ、という流れですか。やりますね、お嬢様)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
大切な友人が行方不明、いえ家出をしてしまったので。ちょっとお説教がてら探しに行っていまして。
おかげですっかり寮を空けてしまうことになり、大変申し訳ありませんでした。
(深々と。腰を折って謝罪をする。どうかこれで勘弁してくれ、というように)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
あら、なんだか私もそういう他人評を受けたことがあります。
私と似ているのでしょうか?
カラオケ…。
カラオケですか。
最近行ってませんね……歌いたいんですよね、YOASOBIさんの新曲とか
天乃川・星子 2022年12月3日
家出したご友人を?
それはそれは大切なご友人のために奮起なされたことでしょう。
大変でしたね?
何を謝ることがございますか。
お疲れ様でした
天乃川・星子 2022年12月3日
出迎えが寮長とはいえ、初対面の私で大変緊張なさったことでしょう。
お疲れでしょう?
101号室、私物を荒さぬよう、できる限り汚さないようにはしておきましたが、ほぼそのままですよ。
ごゆっくりお休みくださいね
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(何かが、おかしい)
(最初はちょっとしたジョークかと思った。私に対するお嬢様なりの罰なのだと)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(だが、明らかな違和感がある)
(カラオケに最近行っていない?違う、彼のシンガーソングライターの歌を彼女が歌っているのを聞いたのはついこの間の出来事だ)
(私の部屋に入った?だって、あの部屋にはメイド服と「お嬢様はLOVE」と書かれたTシャツが飾ってあって)
(そう、彼女の振る舞いは。まるで今まさにその口から出た通り……)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
本気で……初対面、だと。そう、おっしゃっているのですか……?
(悪い冗談だと。ちょっと意地悪が過ぎましたね、と。そう笑って言ってほしい)
(だって、もしもそうでないならば──)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
(彼女の葛藤など、星子には届かない。
ただただ、彼女の様子をじっと見て)
ええ……。
どうしたことが、今まで顔を合わせていなかったようで……。
今日が初対面ですよ……?
どういたしました?
お疲れなのでしょうか?
おやすみなさいますか?
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
あなたのメイドである、スィーリ・ラウタヴァーラを。
あなたが導いてくれた、この寮の前で。
知らないと、言うのですか。
……嘘だと、困らせたかっただけだと、言ってくださいますよね???
(つかつかと少女との距離を詰めて、その肩を掴もうと手を伸ばす)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
あなたの、私の……?
私にメイドさんなんていません……。
お掃除もお料理も、家事は自分でできますもの……。
導いた……?
(知らない……。首を振る。
背中に輝く銀河の翼は妖しく輝いて)
……スィーリさん、一体、何を……?
(記憶がない、と首を振る)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
違うっ!!違います!!!
(ガッと強くお嬢様の肩を掴んで)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
寮の掃除も!侵入者撃退用のトラップ作成も!お嬢様の身辺警護も!
全部、全部、私の仕事です!!
料理だって、お嬢様に習って……卵上手に割れるようになったんですよ?
(ギリギリと、思いの丈を吐くのと一緒に手に力が入る)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月3日
い、痛い……!
や、やめてください……!
(肩を掴まれて怯えた様子で)
護身くらいは自分でできます……。
寮の家事は殆ど私一人でしています……。
料理を教えた覚えも……。
(首を振る)
天乃川・星子 2022年12月3日
……スィーリさん、貴女は、私の知らない私を知っているんですか……?
どうして……??
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
……っ、も、申し訳ありません!?
(思わず取ってしまった行動に、慌てて手を放す)
(だが怯えた表情には見覚えがある、そうだあの時も──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(「私が、不意に忘れてしまっても、驚かないでください。
思い出せるまで、呼びかけてください」)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
(約束。彼女だけのメイドとしての)
(だけど、どうして。今になって、このような……っ)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月3日
……私は、あなたの、あなただけのメイドですから。誰よりも傍にいる、存在ですから。
当然、です。
(絞り出すように、応えるのだった)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月4日
……。
(首を振る)
私は、メイドなんて雇っていません……。
それに、何より…………
天乃川・星子 2022年12月4日
誰も、傍にいないんですよ。
それを比喩とするなら……。
ずっと…………。
何より、貴女は……
天乃川・星子 2022年12月4日
『ずっと不在だったじゃないですか』
『他の大切な友人のために。』
(怯えるようなその声の、そのセリフだけが。
あまりに冷たく響いた)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
ぁ……。
(するりと。冷たい言葉の刃が胸に突き刺さる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
(あなただけのメイドだと)
(誰よりも傍にいると)
(あらゆる障害から守ると)
(どんな不安もなんとかしてみせると、そう言ったのは──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
……わた、し……が?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
(友人を探すため)(お嬢様なら分かってくれる)(少しぐらい、私がいなくても……)
私が……お嬢様を、一人にした、から……?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
(身体の底から寒気が這い上がってきて、足が震える)
(自分の犯した。犯してしまった罪を認めて、怖気が走る)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
……っ!!……げほっ、ごほっ、……うぐっ!!?
(胸を押さえてその場にうずくまると)(大切なお嬢様の目の前で、情けなく吐しゃ物をまき散らすメイドがいた)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月4日
!?
スィーリさん!
大丈夫ですか!?
きっと長らく外出していて疲れたのでしょう!
お休みしてください!
ほら、つかまってください
(手を差し出す彼女に。
眼の前のメイドの苦悩など届くことはない)
(彼女は、本当に忘れてしまったのだ
だから、今の気遣いも、寮生が体調を崩したから心配しているだけ)
(演出終了)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
(吐しゃ物に汚れることもいとわずに、優しく差し出される手)
(しかし、それは私の敬愛するお嬢様の手ではなく)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
……あぁ、本当に。
全部……忘れてしまったん、ですね……。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
(そう、すべて。すべて……私が招いたこと)
(スィーリ・ラウタヴァーラの罪。許されざる罪科)
(何がメイドだ。何が確かな主従の形だ。何が──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月4日
あ、あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ………っ!!!!
(空にも届こうかという咆哮の様な慟哭をあげて)
・・・
(裏切者(役立たずのメイド)は意識を手放した)
(演出終了)
天乃川・星子 2022年12月4日
スィーリさん!スィーリさん!
(今日覚えたばかりのその名前で彼女を呼ぶ。
彼女が何に苦悩し、心を壊したのか。
絵描きの少女には何も届かない)
天乃川・星子 2022年12月4日
(そっと、なんとか彼女を背負って、彼女の部屋へと連れて行く)
(ベッドへと寝かせて、静かに彼女を休ませる)
…………貴女が、私のメイド…………?
(忘却の彼方へ消えてしまった何かが、そこにあるのだろうか
分からない)
天乃川・星子 2022年12月4日
(消えてしまった記憶は、恐らく戻らない。
求めるのならば、もう一度傍で―――)
天乃川・星子 2022年12月4日
(壊れた主従は戻らない)
(それでも。日常は残酷なまでに続いていく……)
天乃川・星子 2022年12月4日
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