【個】驟風、襲来
十埼・竜 2022年11月25日
────豊饒祭、一日目、昼。
「────では、お昼以降も、またこの放送でお会いしましょう。
お相手は放送室より、Radio-DINOがお送りしました! またあとでねー!」
スイッチ、オフ。
「…………………………きっつ………」
#リュヌ・ドゥートランキルテ
#十埼・竜
1
十埼・竜 2022年11月25日
(いいこと、なのだ。)
(去年に比べて学生も増えて、規模だって大きくなってて、皆この日を全力で楽しんでいる)
(声が、電波が、感情が、巻き起こす激しい“波”の全てが)
(ぼくにはちゃんと聴こえている。)
十埼・竜 2022年11月25日
…………好きなペースで休憩挟ませてもらえてほんとよかったな……
(背伸び、そして放送卓に突っ伏した。ろくろちゃんに協力してもらって築いた放送室の防波設備、これがなければ相当きつかったろうな、と、上目遣いに扉を見つめて。)
(……あの向こうは多分、ぼくにとっての暴風雨だろうなあ……)
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(『嵐』──彼の感覚を形容するならば、きっとそれが近い表現なのだろう。
感覚が鋭敏であるとその情報
処理に多大な負担がかかる………らしい)
(断定的ではない理由として、そのような事を彼本人、もしくはその友人から聞いていなかったと言うのが正しく。また怠慢とも取られる無遠慮と情報の欠如から来ていた)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(言うなれば大嵐の海を突っ切る船のように、荒波を越える人の如く。
放送局目掛けて、一つの音が真っ直ぐに近付いていた)
(明確に、意思と目的を持って)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
竜お兄さーーんっ、あーそーぼーー!
(放送室の前を大きな声で叫ぶ少年が来ていたのでした)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
(――――楽しませてもらえるコンテンツに満ち満ちた豊饒祭)
(一応出入り自由飛び込み歓迎を謳ってはいるけれど、実質この部屋は裏方の部類だ)
(ここを訪れるのは興奮をマイクの向こうに伝えようってやつばっかりで、彼らの纏う“波”は大体浮ついてハイテンション)
(だから、まあ、そういう用事で誰かが来たのかな、と――――)
十埼・竜 2022年11月25日
(――――違う)
(?)
(ひどく真っ直ぐな波の気配に、突っ伏す背中を少し持ち上げたタイミング。……きみの、その大声が耳を劈いた)
十埼・竜 2022年11月25日
きこえてる、きこえてます、え、なんで……?
(よろよろ、立ち上がり)
(重々しく加工された放送室の扉を細めにがきょっと開いて、忍び込んでくる音の波にくらくらしながら)
……リュヌくん。どうした……?
(スピーカーから流れていた声とはうってかわってのしょんぼりぶり、血の気の無い顔で、異形のヘッドホンを被った白い少年――――ぼくは、きみに声をかける。)
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(皆が楽しむ豊饒祭。色んな催しがたくさんで、勿論自分も楽しんでいる。
そんな中、その盛り上げる一人である先輩がいると聞いてやってきた)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
あれあれ、なんだかちょっぴり元気なさげ?
(さっき聞こえた声より、この間お風呂で見た時よりも、力ない表情だった)
あ、うん。今放送終わったじゃん?だからさ、ちょうどいいと思って
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(本音はそれ、裏表白黒なく純粋にただそれだけ。
けれどもその動機は、やっぱりこの人も──)
お祭り、行こうぜ!
(楽しんで貰おうと、そう思って誘いをかけた)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
(朗らかに笑うきみは、こんなこと正直に言いやしないけど……散歩に行きたい犬みたいで、結構微笑ましい。)
十埼・竜 2022年11月25日
あー……(具合悪そうな顔の、口元だって少し緩む。)
体調は、ちょっとね。今日って賑やかだろ、ぼく、耳がよくてさ。
騒がしいとこには、あんまり出て行けないんだよ。
……なんだい、出待ちでわざわざ誘いに来てくれたの?
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(ぴょこぴょこと気持ちに合わせて揺れるアホ毛は、きっと犬の尻尾を思わせるものであったことは想像に難くない)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
おぉー……耳がいいのか。
(聞いた事があるような、ないような。感覚が鋭いと便利だがとても大変と授業聞いた事がある──そしてこの学園にも、そう言った人が多いのだと)
そっかそっか。なら厳しーのかなあ。
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
まあそんなところ!
さっきもほら、声で盛り上げてくれてるだろ?
ずっとお部屋にいるよりも、外で回ってみるのもいいかなって!
(けれど、大変なら難しいのかな。なんとかならないだろうか、なんて首を傾げて考えて)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
(…………つつきたい、そのアホ毛……!)
十埼・竜 2022年11月25日
ちゃんと放送、外で聴いててくれたんだね。嬉しいな。
(ふ、と溜息にも笑いが混じる)
正直……ほら、実際目で見て体験した上で、おススメとか言えるのがベストなんだよね。だから、外に出られたらなとは、思……
十埼・竜 2022年11月25日
(けほ、噎せる)
ごめん。
(くらん、ヘッドホンの頭を重たそうに揺らして)
……きみは随分、色々回ってきたの?
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
んー?なあに。
(首を傾げるとアホ毛も垂れる。彼の動きに連動して、ゆらりゆらゆら)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(前に確か。音の攻撃か何かを防いだような……そう、あれは確かVR、トライデントでの──)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
ん、まあね!ラジオもやってるって言ってたし──学校でも、ちょっと意識して聴くようになったぜ!
……っとと、大丈夫ー?
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
んんー……竜お兄さん。ちょっといい?
(少しだけ、扉から距離を置いていき)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
なんでもないよ、なんでも(ソワッ……!)
十埼・竜 2022年11月25日
ほんと? それは嬉しいね。ラジオ屋冥利だ。
ああ、気にしないで。いつものことだから……(ひらひら手を振って)…………?(扉から離れるきみを、不思議そうに首を傾げて見ている。)
いいけど、どうしたの?
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
うーん、そうさなぁ…(両の親指と人差し指でカメラを使って、竜お兄さんをフレームにおさめる)
うん、うんうん。そこがいいかも──(きらり、瞳が光ったと思うと)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(君の周囲に一陣の風が吹き込んだ)
(風は空を運び、それが君を包むと──さっきまで喧騒が嘘のように、静かな空間が生まれ出た)
(目に見える景色だけは変わらず。けれども閉ざされた世界のように、閑静な空間が出来上がった)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
何、写真でも撮る気…………
十埼・竜 2022年11月25日
(その瞳の光は真正面から見えていたから、続いて頬を撫でた風がきみが齎したものだということも、簡単に推測できた。だいたい、廊下にこんな風はそうそう吹かない。)
(ぐるん、ぼくの体の周りで渦を巻いた風は)
(音の“波”を、拭い去る。)
十埼・竜 2022年11月25日
……は?
(風の真ん中で、間の抜けた声をあげた。)
(電波と感情の“波”の方は、依然として流れ込んでくる。しかし空気振動を媒介する“音波”が、ぼくの周囲から欠落……)
(……いや、ある)
(風が拭った、その外側にはある、みたいだけれど)
十埼・竜 2022年11月25日
……リュヌくん?
(この内側から、きみに聴こえるんだろうか。まだびっくりした顔のまま、きみに向かってひらひら手を振った。)
これ、一体、なんだい?
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
おー、いけたぜ。
はいはーい、聞こえてるよ(ひらひら手を振り返して)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
えーっと、なんで言えばいいだろ。
(言語化は苦手だ。自分がやってる事も上手く伝えられない)
……理科で習ったけど、音って空気を通って伝わるんでしょ?
だからこうやって、風で音を飛ばしてー。それから、いらない音は空気の壁でシャットアウトした。感じ?
(やった本人が首を傾げて説明する。先程の行為は対象を指定し、その者の周囲を空気を操り空間で閉じ込めた──イメージである。)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
う、うん。それで理屈は合ってる……けど
(そろ……と手をのばして“空気の壁”に触れてみようとする。貫通するんだろうか……空気だし……)
きみって今、結ッ構すごいことしてるんだけど……こういうの、得意なの?
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(空気は空気。そこには何もないのと同じ──すり抜け通り抜け、すんなりと手が伸びる)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
いや〜得意ってほどじゃないけれどね。(けれども褒められ、照れ臭さそうに手をひらひらして)
なんかねー。こういう感じで空気とかその場所とかを上手く使えるんだよね。
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
──それで、どう?調子は
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
お(すかっ)おお……(空気の壁(推定)を超えたあたりで手をぐーぱーして)(空気しかつかめない!当然!)
十埼・竜 2022年11月25日
……ふふっ。
十埼・竜 2022年11月25日
なんだよ照れんなよー!きみ、これは誇っていい技術だぜ!!
(調子なんてこの上機嫌を見りゃわかるだろ! 下手すりゃ放送よりもご機嫌な声で)
(きみに向かって飛びつく勢い、ぴょんと跳躍!)(空気のシェルターがついてきてくれるのかは確かめないまま!!)
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
お、おぉー! そうかな!?
(走る時の追い風は便利かな、なんて思うけれど。それ以外では自覚は薄かったのだ。
誇るなんて気持ちもなかったので、少し驚きの気持ちが勝ってしまい)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
(けれども。その上機嫌な様子にとっても嬉しくなって)
むふむふ。まあ、まあなー!
竜お兄さんの周りに固定したから、動いても大丈夫なんだぜ!
(きゃーっち、そこそこある身長で受け止めて)
(無効票)
十埼・竜 2022年11月25日
(頭をわしゃわしゃ撫でるついでに)
(ひょこひょこするアホ毛にとうとうタッチした)
(達成感……!)
十埼・竜 2022年11月25日
(……は、心に秘めながら。)
勿論。実際ぼくは、すごーく楽になった。ありがとね、リュヌくん。
(ぽん、背中を叩いて体を離す)
これ、きみ、疲れない? よければそうだな……昼ご飯とか、一緒にどう? ぼく、行ってみたいとこあるんだけど。
(会場案内は覚え込むくらい繰り返したからね!)
(無効票)
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
全然へーーき!
(体力には自信がある。持久走をしたってかなりのものだから)
お昼ごはん!いいねーっ、ちょうどお腹が空いてきた所なんだ。
リュヌ・ドゥートランキルテ 2022年11月25日
よーし、それじゃあ竜お兄さんに連れられちゃおう。どこかな〜〜
(■)
十埼・竜 2022年11月25日
頼もしくて助かるね。
…………じゃあ、きみの力、貸してもらうよ。
十埼・竜 2022年11月25日
(また、今年も。)
(ぼくの豊饒祭は、こうして過ぎてゆくんだろう。)
(願わくば――――ぼくがせめて、きみたちの思い出を少しでも、彩れればいいと)
十埼・竜 2022年11月25日
んじゃ、おすすめはレイちゃんとこだ。
なんでも衣装借りられるし食事も相当珍しいとかでさ……
https://tw7.t-walker.jp/club/thread?thread_id=26819
(斯くして、豊饒祭ツアーが始まった。)
(■)