【個】空の花、乙女二人を照らす
橘・月華 2022年10月21日
祭りの夜、賑やかに生徒達が行き来する屋台街にて。
空には花火が上がり、その大きな音が祭りの会場を盛り上げる、その片隅――。
空腹を誘う香りにきょろきょろしながら、浴衣姿で友人を待つ少女が一人。
祭りは無礼講。今宵は共に楽しめますようにと望みながら……。
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#虚ヶ谷・ワチカ
#橘・月華
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虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
――。えへ。
(はにかむ)
なンか、月華さンの王子様になったみてえな感じする。
今宵は僕がエスコートします、おひめさま。
(なんて言いつつ。手を緩やかに振りながら、)
……月華さン、もしかして結構お腹へってたりする?
(思わず問う。いやだって、お店の位置覚えてるって事は、食べたかったんだろうなって…)
(といいつつも、焼きそばの屋台へとついて)
おっちゃーん!中一つくーださい!
それと……
(隣の人をちらりと見る。どれにする? と視線で問い)
橘・月華 2022年10月21日
……もう、ワチカ様……!
御姫様なんて私には似合いませんのに……。
(白い頬が赤く染まる。お姫様というより狂戦士がいい所だろう)
……え?ええ、其れなりには……。
待っている間、彼方此方から香りがして来ましたので……大体の場所は分かるのですよ。
(闘う者として、月華は五感が鋭い。力の源を手放していてもそれはある程度なら可能なようで)
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
ええと……此処は量が選べるのですね。
では私も中を一つ。紅生姜抜きで御願い出来ますか?
(メニューを見て、少し思案した後に指差す。漬け物が苦手なので紅生姜ともお友達になれない月華であった)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
似合うよ。
月華さン、とってもお淑やかだもン。浴衣姿だって、とても綺麗だ。
(正直に述べた。ちょっぴり恥ずかしいので、わっちの頬も熱くなる。この人の“ほんとう”を知らないから? ううン。知ってたって、きっとわっちはこの人の事をお姫様だって言えるよ)
匂いで? えっ、すご!
わっちは全然判らン……いや、今は流石に焼きそばの匂いが凄いけどさ。何処に何があるかーとか全然わかンないや。
(同じ戦う者なのに、わっちは全然判らない。うーん?と首を傾げてみせながら)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
大・中・小だって。
――…紅生姜、嫌いなン?
(一挙一動が新鮮で、この人の事を少しずつ知れていると嬉しくなる。何でも完璧に見える大和撫子みたいな人が、紅生姜を嫌がるとか、そうゆう。)
何か意外。ううン、意外な事ばっかりなンだけど……月華さンにも苦手なものがあるンだ。
橘・月華 2022年10月21日
……あ、有難う御座います……。
新宿島に来てから買った物ですけど、折角の御祭りにと思いまして。
(褒められて更に赤くなる頬。焼きそばを焼く鉄板の熱のせいではないだろう)
ええ、御恥ずかしながら……独特の味が苦手なのですよ。
浅漬け程度でしたら平気ですけれど、発酵の進んだ御漬け物も駄目ですね……。
幼い頃は和食しか食べていなかったので、よく御漬け物を残しては叱られたものです。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
えへへ。わっちも浴衣で並びたかったけど、……この前、転んで迷惑かけちゃって。だから今日は、お姫様を護る王子様になるンだ。
――そうなの? でも、…やっぱりなんとゆうか、着こなしが流石だなって思う。着物着慣れてるもンな、月華さン。
(店主はぱっぱと器に焼きそばを入れていく。片方にはたっぷり紅生姜。片方には紅生姜なし。そしてこの場で食べるだろうと白い袋には入れず、輪ゴムでお箸を止めて、わっちたちに差し出した。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
へえ、そうなンだ――あ! ありがとう!
(差し出された焼きそばを二つ受け取り、はい、と紅生姜のない方を月華さんに差し出す)
そうだよね、和食って大体お漬物が付いてくるもンね…
わっちは……あンまり食べ物の好き嫌いはないかも。ぱっと思いつくものがないな。あ、毒の好き嫌いはあるよ。化学毒は嫌い。
橘・月華 2022年10月21日
まあ……!御怪我は無かったのですか……?
(転んだと聞いて少し驚く。ぱっと見た感じだと捻ったりはしていなさそうだが)
然様ですね。此の時代から数えて、大体百年以上前の生まれですから。着物は普段着でしたので……。
(今は制服等で大分慣れたが、新宿島の少女の、短いスカートにはびっくりしたものだ)
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
有難う御座います、良い香りですね……。
(香ばしく焼けたソースと、トッピングされた青海苔の香り)
(普段食べる機会が少ないからこそ、美味しそうに感じる)
あら、素晴らしい事では御座いませんか。好き嫌い無く召し上がるのは良い事ですよ?
化学毒……あの難しい横文字が並んだ成分でしょうか。
云われて見れば、ワチカ様は植物等を主に使っていた様な……。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
…。(思い返し)……。(僅かに頬を朱に染めて)う、うン。助けてもらった……から。だいじょぶ、だったよ。
(転ぶと思ったんだけどね、と僅かに笑み、)
百年。はわ、そうだったっけか。
百年で着物がミニスカに変わるって、考えてみたら凄いよなあ。かくいうわっちも、今日は動きやすいスカートだし。
(刻逆で此処に出会った時、きっとすごくびっくりしたんだろうな、と思う。女の子はミニスカだし、男の子も軽装だし)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
ほンとだね! なンかさ、こういう縁日だと美味しいものを百倍美味しく食べられてるーって気がする。
お祭りの空気の所為かな。
(どん、とまた一つ花火が上がる。おお、と空を見上げて)
そう? まあでも、今からもしかしたら好き嫌いが出来て来るかも知れンし。
――そう。人間が調合した、化学薬品……わっちは嫌い。
植物や動物は自分の身を護る為に毒を持ってる。でも、…化学毒はそうじゃないじゃン。なンかそうゆうのが、……。イヤ。
――あ、ご、ごめンね!? 食べるときに毒の話とか!
橘・月華 2022年10月21日
然様でしたか、其れは何よりでした。……ふふ。
(色白の肌が染まる様子を見て、嗚呼此れは何かあったのねと一人納得しながら)
ええ、生まれたのが明治末期で……刻逆が起きたのが大正初期でした。
僅かながら洋装も入ってきてはおりましたが、皆ロングスカートでしたね……。
(未だにすーすーする感じが慣れないのか、制服でもストッキングを履いていたりする)
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
そうですね、雰囲気補正、とでも云うのでしょうか。
御祭りの賑やかさに此の空気……夏に海で頂く食事に似た物を感じます。
(ぱっと屋台街を照らす花火に、ふと空に目をやって)
ふふ。他のディヴィジョンで食事をする機会がありましたら、ワチカ様の苦手な食べ物も出てくるやも知れませんね。
……嗚呼、いいえ。構いませんよ。ワチカ様の事が知れて嬉しく思いますし。
人間の手で作り出した物が人間を傷付けるのは、私も良く思いませんからね……。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
う、……な、何だよう、何だよう!
(訳知り顔で頷く月華さんに、わうわうと吼えて、)
……。わっちは、転んでも良いと思ったの。……でも、手を、取ってくれて。
(嬉しかったの。か細く呟く)
明治。大正。
(今でこそ時折耳にする年号だが、普通に新宿で暮らしていた頃には無縁の言葉に瞳を瞬かせる)
あ、洋装はあったンだ? なんとなくわっちのイメージだとー……アレだ! ハイカラさんってゆうの? 着物に袴とかさ、ああいう感じなンだけど、どう、どう?
(イメージ合っているかな、と)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
うんうん!うんうん。
(そうして彼女の言葉に頷くのだ)
夏の海もそうだよな、…不思議なのは、暑いのに暑いものを食べたくなるトコだけど……海の家で食べるカレーは美味いよな!
他のディヴィジョンで、……食事。
(例えばロマノフなら、ロシア料理が食べられたりする?)
そうだよな、色んなディヴィジョンがあるから、……何か一つくらい、苦手なものがあるかもな。
――そう? わっちも、月華さンの事もっと知りたいな。
月華さンは何処のクラスなンだっけ。わっちはね、白だよ!
橘・月華 2022年10月21日
然様でしたか……。
大きな怪我も無かった上に助けて頂いて、良い思い出が出来ましたね……。
(馬鹿にするでも誂うでもなく、ただ微笑ましく彼女の話を聞いて)
ええ、丁度其の時代です。
尤も女学生の着物に袴はほんの短い間だった様で、大正中期にはセーラー服が増えていったそうです。
街に出ると当たり前だった光景がほんの十数年後には変わっているなんて、不思議な物ですね。
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
中国は変わった料理が多いと聞きますが、如何な物でしょうね……。
日本で食べる中華料理は、殆ど日本風に魔改造されているようですし。
ロシア料理は、私有れが食べてみたいです。ぴろしき。
(ぼるしちも捨てがたいのですよね、なんて世間話の中、ふと聞かれて)
私ですか?クラスは黒のクラスになりますね。
ワチカ様は白なのですか……毒は薬に転じる、とも云いますしね。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
う、い、良い思い出……かな……
……。ほんとにね、転んでも良かったンだよ、わっち。お尻を打っても、頭を打っても、良かった。巻き込みたくない、護りたいって、……変かなあ。其れでも、助けて貰った事が嬉しいンだ。
(ああ、ジレンマ。振りほどいた手を掴まれたときの、あのどうしようもない心拍を……誰かに理解してほしかった)
あ、やっぱりそうなンだ!
……ええ! セーラーに変わったの!? 着物に袴ってカワイイのになあ。本当に不思議だね、……セーラー服、自体は今の新宿にもあるけど……やっぱりアレかな。着やすさの問題、とかかな。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
中国といえばー、四大料理とか言うよな。四川料理はすげー辛いって聞いた事ある。(ウム、と重々しく頷き)
……ぴろしき。わっちも食べてみたい!
黒というと……魔術とか、そういうのの専攻だっけ?
(少し驚いたように目を見開く。この人には、魔術の素養があるのだろうか)
其の通り! 薬とか研究しとけばさ、皆の支援もしやすくなるだろ?
橘・月華 2022年10月21日
あら……其の様子ですと、助けて頂いた方は憎からず想っていらっしゃるのでしょう?
ちっとも変ではありませんよ。女性は殿方に少し甘える位が丁度良いのですし、助けて頂いた事を素直に喜んでも。
(そういう自分は恋どころではなかったが、いくつになっても仲睦まじい両親の受け売りだった)
其れもありますが、着物はきちんと仕立てると洋服より高額になりますからね……。
安価に手に入る生地で作られたセーラー服が普及したのも頷けます、中流家庭の女学生は大変だったでしょうから。
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
あら、四川。私、何方かと云うと甘党ですけれど辛い物も好きですよ。
ぴろしきは見た目カレーパンの様ですけれど、どんな味がするのでしょうね……。
嗚呼、私魔法や魔術と云った類には素養が無くて。
霊媒にも適正は有りますが、主に呪詛や呪術と云った分類ですね。
幼い頃に、現在得物にしている呪物の適合者となってから制御が出来ずに居て……其れを学ぶ為にも。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
ににに憎からず!? え、あ、いや、そうっ、じゃないことはないけど! あのっ、……。…。其の子は、…心配性で。優しくて。……傷付いて欲しくないって。思ってる。笑って欲しいって。…、月華さンは、其の……殿方に甘えた事とか、ありマス、か!
(わっちより大人のこの人だから、もしかしたら巧い甘え方など知っているのではないかと)
ああー……確かに。今も着物のレンタル料とか高いよな…
成る程、値段の問題もあったンだな。……。…。月華さンから、やんごとないお家の感じを、感じる!
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
あ、四川が食べたいってゆうか、評判でな!聞いたの!
わっちはどうだろう…… ……? 今まであんまり味を気にした事ないな。(己でも不思議そうな顔をして)
ピロシキってカレーパンみたいなンだ!? すげー。中身は…辛いンだろうな。多分。辛い料理って身体をあっためるから。
呪詛や呪術……得物にしている呪物って、エート……あれか。いつも包んで持ってる長いヤツ? 其れを制御するための勉強なンだ?
(あれって中身、薙刀だと思うんだけどどうだろ。案外弓とかかもしれないしな、と言葉をぼんやりぼかしつつ)
橘・月華 2022年10月21日
……ええと、特には……嗚呼、此の間御宮の御祭りでえすこーとして頂きましたね。
御祭りの帰りには御食事を御馳走して頂く約束も致しましたから、其れでしょうか。
(彼に恋心を持っているのかは分からないが、優しくされて嬉しかったのは確かだった)
新宿島に来る前は父以外の男性と接する機会が殆ど無かったもので、参考になるかは分かりませんが……。
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
ぴろしき、辛いのでしょうか……?
辛いと温まりそうですし、確かに理にかなってはおりますね。
(齧ると辛い中身のピロシキがむくむくと想像の中で生み出されていった)
然様です。此処で出すと幾ら三日月とは云え危険ですので御見せ出来ませんが、薙刀の姿をしております。
満月に近付く程強力になるのですが、如何せん強力過ぎて……人の身には過ぎた力なのですよ。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
エスコート!!?
(思わず声を上げてしまった。)
(いやまて、今わっちが月華さンにしている事も、一種のエスコーt…)
お、お食事の約束ぅ!!!?
すご……月華さン、其れは! 其れはデートだよ!! デートしましょうっていうお約束だよ!!
(きゃあきゃあとはしゃぐ様は、まさしく16歳の少女である)
で、で? 月華さんは其のお食事、行くンか?
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
いや、判らン。判らンけど……ロシアのものって大抵辛いイメージが…ないか? わっちはそう思っちゃってる。あとお酒が強いとか。
(カレーパンみたいで、齧ると辛い。其れってただのカレーパンじゃね?と思わないでもないけれど)
そうなンだ……わっちはそういう呪詛とかはまだ習い始めだから、あンまり判ンないけど、じゃあ月華さンの目標は――満月に其の薙刀を抜いても耐えられるくらいになる……ってこと、かな。
橘・月華 2022年10月21日
……え、ええ……御言葉に甘える事に致しましたが……。
(言えない。食事の内容が学食の天とじうどんなんて盛り上がってる彼女には言えない)
でーと、なのでしょうか……。
もう少し違った感情を感じた物ですが……。
(恋愛に疎い箱入り娘ゆえか、それがデートの約束なのかどうかすら分からなかった)
(無効票)
橘・月華 2022年10月21日
嗚呼、御酒が強い印象は御座いますね。
ロシアの方は御酒に強いそうですし、御酒は酒精で身体が温まるそうですし。
ええ、正確には「何の準備が無くても」ですけれど。
一応新宿島に来てから、手元に『下弦』……薙刀が無い状態でも満月を見る事は出来ましたが、万全の準備の上でしたから。
適合者となった以上、例え他世界に居たとしても呪詛が途切れる事はありませんから、満月の元で『下弦』で闘っても制御出来る様になる事ですね……。
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月21日
デートだー!! そうだよな、そうだよな! 月華さンとっても美人だもン、モテない訳がないンだ!
(まるで自分がデートに誘われたかのようにきゃあきゃあと)
……違った感情?
(思案)
……そういやわっちも、誰かに言った覚えがある。好きな人とするからデートなんだと……月華さンにとっては、其の人は、お友達?
(う、我ながら結構な言葉をいったものだ。気まずそうな顔をして)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
そうそう、ウォッカ?とか、テキーラ?とかさ。強いの飲んでウラー!って言ってるイメージあるよな。
わっち、お酒飲んだ事ないからよくわかンないけど……暖かいものじゃだめなンか?って思う。
何の準備が、なくても……そっか……
……準備をせずに満月を見ると、月華さンはどうなるンだ? そういえばわっち、月華さンと知り合って結構経つのに月華さンの事何にも知らないや。
(其れは少しだけ、診察に似ている問いの連鎖。まるでどの薬が適合するのかを計算しているような)
橘・月華 2022年10月22日
御宮の花火は、見たい物が見えたり会いたい人に会えるとイドラ様が仰っていらしたでしょう?
其処で……何とも言えない、複雑な思いをしてしまって。
「人間は空腹で寒くて眠いと、考える事全てが嫌な事に振り切ってしまう。だから温かい物を食べに行こう」と。
励まして下さっている、そう云った印象でしたね……。
御友人ですし、御学友である事に間違いは有りません。
恋をしているかと云われますと……分かりませんね。恋をした事が、無いものですから。
(恋をした事がない。恋を諦めてしまった)
(後者は口に出す事なく)
(無効票)
橘・月華 2022年10月22日
(――遂に其の質問が来てしまった)
(軽蔑されないだろうか。嫌われないだろうか。折角出来た友人なのに)
(……でも、彼女なら……)
一度だけ、初めて『下弦』に触れた時が其れでした。
殆ど記憶に残っていませんが、人を斬る感触……生暖かい血の感触、其れははっきりと覚えております。
恐らく私達を越える強者と対峙した時が満月であれば、死ぬまで……いえ、死んでも……、
……申し訳御座いません、此の様な場でする様な話では御座いませんね……。
(目を伏せ、口を噤んで)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
ああ、そういえば……わっちはあんまり覚えてない、けど。
――……そっか。
(どうして複雑な思いをしたのか。其れにはきっと触れてはいけない。まだわっちが知ってはいけないところだと思うからだ。)
……其の人の言う通りだね。
お腹が減るとさ、苛々したり、不安になったりしちゃう。……優しいね、其の人。月華さンの事、励ましてくれてたンだ。
――そっかあ~!
(だからわっちは、努めて明るい声を出すのだ)
恋はねー、わっちもない! だからわかんないけど、……其の人が良い人だって言うのは判るよ! うンうン、安心した。これで月華さンを送り出せるってモンだな! どんな奴だ?って警戒してたけど!
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
――。
(話を、黙って聞く。刃で人を裂く。人は死ぬ。血が流れる。……わっちには想像しか出来ない。これまで経験がなく、そして毒を扱うならば、これからも経験する事のないだろう事だからだ。)
……。
ううン、ううン。
(謝らないで、とわっちは頭を振る)
話してくれて、アリガト。つまり、アレだな。満月の時点で下弦――薙刀を握っちゃうと、戦いたくなっちゃうって事なンだな。
……。
……。
ねえ、月華さン。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
もし、わっちが“其れを打ち消す毒を作る”って言ったら。
――月華さンは、其れを飲もうと思う?
(其れを口にさえすれば)
(月を見て怯える事もなく)
(其れを口にさえすれば)
(薙刀が血に濡れる事もないのだとしたら)
橘・月華 2022年10月22日
ええ、御優しい方です。
其の方に抱く感情が、どの様な物かは未だ分かりませんが……。
ふふ、其れは御食事の際にでも分かるやも知れませんね。
(くすり、と微笑んで)
(無効票)
橘・月華 2022年10月22日
……――。
……可能、なのですか……?
いえ、ワチカ様の腕を疑っている訳では御座いませんが……。
呪詛を薬で打ち消す……其の様な薬、夢にも見た事が無かった物で。
ええ、勿論……どの様な副作用があろうと、願ってやまない事ですから……。
(今まで幾度も解呪を試みてきたが、全て打ち消された)
(当然だ、呪詛を受けた事で反する浄化の能力は綺麗さっぱり無くなってしまったのだから)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
――。判ンない。
(正直なところを述べる)
わっちも今、色々と薬品を試しているところだから……そういう毒を作れるという確証は、出来ないけど。
でも、――わっちは、月華さンみたいな人の為に毒を作りたいって思ってる。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
だって、満月って綺麗じゃン。
綺麗だねーって、9月にはお団子用意して見上げるものじゃン。
警戒して、こわごわと見上げるものじゃない筈だよ。
――……いつか、月華さンが、自分の力で下弦を制御できるようになるまで……少しでも、わっちが力になれたらって思ったンだ。
……。いや、まあ、部類としては毒物に入ると思うから。
迷惑かも、知れない、ケド……
(声はだんだんと小さくなる。作れるかも判らないのに相手に期待を抱かせた、そんな罪悪感が今更のように発芽して)
橘・月華 2022年10月22日
迷惑だなんて、そんな……。
例え解呪出来なかったとしても……そう思って下さるだけで、充分です。
だって……、
(少し俯き、小さく言葉を震わせながら)
……人殺しの殺人鬼なんて、大昔からの大罪人です。
万人殺せば英雄、なんて云いますが、私が手に掛けたのは無辜の人々です……。
……でも、ワチカ様は軽蔑しないばかりか、解呪の方法を考えて下さった。
一生此の呪いと付き合っていかなければならなくとも、其れだけで嬉しいのですよ……私は。
(毒薬で呪いを解くなんて、どの文献でも読んだことがない)
(残念な結果に終わるかも知れない)
(それでも――彼女の思いが、優しさが、何より心を救ってくれた)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
……。
あのね、月華さン。わっちはね、そンなに優しい訳じゃなくて。
実感が沸かないだけ、っていうのかな。
今の月華さンを、わっちは見てるの。
優しくて、紅生姜が苦手で、和装が似合ってる月華さンしか、わっちは知らないの。
(焼きそばはすっかり冷めている。片手に器をもって、もう片手を彼女の手へ伸ばす)
英雄だとか、殺人鬼だとか、そンなの関係ないよ。
いま此処に、困っている月華さンがいて――其れを放っておきたくないンだ。
わっちの毒は、“そうありたい”。
苦しんでいる人を、悲しんでいる人を、救う為の毒であってほしい。
――ねえ、待っててよ。
一週間、一か月、……判らない。どれだけかかるか判らないけど。
わっちね、いっぱい頑張る。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
でも“いつか”“必ず”“絶対に”。
月華さンが下弦を抑えるための手伝いができる毒を、作ってみせる。
(そう、これは薬ではない)
(下弦が発する呪詛に対しての“毒”なのだ)
だから、……期待しないで、待ってて。ね?
(小首をかしげて、ふにゃ、と笑うのだ)
橘・月華 2022年10月22日
……、……――。
(実のところ、彼女とは頻繁に話した事があるわけではない)
(それでも、嘘を言うような……約束を破るような子ではない事くらいは知っている)
……、……ええ。
(話を続ける)
橘・月華 2022年10月22日
ええ、勿論です。
何ヶ月でも、何年でも……刻逆が解決して、元の時代に戻るまで。
きっとワチカ様が、『下弦』の呪詛を打ち消して下さると信じております。
……焼き蕎麦、少し冷めてしまいましたね……。
折角の御祭りですし、頂きましょうか。
(俯いていた顔を上げると、元の穏やかな微笑みを浮かべていて)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
(言っちゃった)
(言っちゃった)
(わっちは正直、プレッシャーに押しつぶされそうだった。きっとこの下弦という薙刀は、この人の人生をこれ以上ないほどに捻じ曲げてきている。そんなものにわっちの毒が対抗できるのかは、正直判らなかった)
(でも)
(ただただ、ただ、笑って欲しいと)
(そう思う)
(心の底から嬉しいと、そう笑って欲しいと思うから)
(わっちはわっちに、命題を課したのだ)
(話を続ける)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月22日
……うン!
(笑え、わっち。笑ってみせろ。自信たっぷりに、いつも通りに!)
元の時代に帰った時の為に、沢山作らないとだな!
へへ。
うん、食べよ食べよ。
其の後はー、デザートだよな!綿あめもいいな、林檎飴も美味しそうだよな。色々…
(今は祭を楽しもう、と思考を切り替えた。穏やかな微笑みに、にへら、とつとめて笑ってみせるわっち。空で、どん、と咲いた花火が真ん丸だったから……見上げたわっちは其の“円さ”に、負けるもんかと誓いを立てた)
橘・月華 2022年10月22日
(祭りの夜は過ぎてゆく)
(少女の作る毒がどうなるかは、まだまだ先のお話――)
橘・月華 2022年10月22日
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