【個】君があんまりに眩しいから
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
屋台通りの騒がしさから逸れ、少し歩く。
そうすると花火が見えにくい林へと差し掛かる。
空を見上げる花火大会には不向きなこの場所だが…
林の入り口に、そっと少女はいた。
静かに佇んで、木々の間から空を見上げていた。
🎆Talk
#十埼・竜
#虚ヶ谷・ワチカ
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十埼・竜 2022年10月19日
…………ぼく、そんな風に見える?
(軽い笑いを含んだ穏やかな声は、夜風に吹き飛ばされてしまいそうに柔らかく――――しかし、しっかりと耳に届くのだろう。)
(安心させるように。)
(ひとの手に、触れるのが好きだ)
(握るその力強さに籠められた心が、聴こえないのがもどかしい)
十埼・竜 2022年10月19日
……ああ、(肩にかけた鞄を、ぽんと叩いて)中だよ。
危ないから、手放せなくって。
(どうして?と、きみの顔を見返した。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
む。
…むむ。
……むむむむむ!!
(君の言葉を聞けば、隣に並ぶ少女の顔はみるみる険しくなっていく)
そこは! 可愛いって! ゆうとこ!
(あくまで“男物を着る参考”だと思っているのだ。だからなんか、会話がちぐはぐになる)
そうだろ? ただでさえラジオで忙しいンだし。
――え、そんなに昔なのか。じゃあ来年とか着ようよ。やっぱり小さい頃と今じゃ違うぞ?
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
VR…! へえ……あ、トライデント、って張り紙で見たかも…竜くンも参加してンの? なんか、ええと、アレ……点取りゲームみたいな感じ、だっけ。よくわかってないンだけど。
…VRの中では、びゅんびゅん動き回ったりするのか?
(想像できないな、と笑みを浮かべて)
成る程なあ。つまり竜くンを探すならまずは此処、と。
…良いのか? わっちに横流しするってことは、絶対わっちには見つかるって事だぞ?
(にやりと笑う。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
……。見える。
なンか、……だから、不安。
(困った。存外声音に真剣さが交ってしまった。「なんてね」と言ってももう遅かろう。からりと下駄を鳴らして少し前に出て、せめて表情は見られるまいと)
(だから、泣きそうになった。しっかりと声は届いている。いつだって、聞いてる。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
そっか。そっか。
(頷いて、……一呼吸。振り返る顔は笑みを浮かべて、)
いや、ちょっと、其れ……着けてみたいなって思って。
(どれくらい無音になるのだろう。気になってしまったら、とことん気になってしまう性なので。)
駄目なら勿論良いんだけど、……あ。着いたよ。
(脚を止める。ほら、と指差せば――蔦がくるくると巻き付いた折り返し式の階段があった。開発の名残か、そこからは上空もよく見渡せそうだ)
(無効票)
十埼・竜 2022年10月19日
いやかわいいって話だよ!?(怒られた!?なんで!?)
かわいいからぼくも着たいなぁって……!!
そー、もう昔過ぎて着心地も忘れちゃったし。急に言われたら着付けからバタバタだっただろうね。
きみのそれって、自分で着られるの?
十埼・竜 2022年10月19日
点取りゲーム、で大体合ってるよ。マップ内走り回ってターゲットの奪い合いするやつ。
……そんなにびゅんびゅん、は無理だなあ。運動能力、生身からそんなに大きくずらしても仕方ないしね。
(頼めば戦闘ログ見せてもらえると思うよ、なんて言いながら)
……サボってるぼくを見つけるってことは、その時ワチカちゃんもサボってるってことだぜ?(穴二つ。にやり笑いを返す)
十埼・竜 2022年10月19日
…………。
(それがぼくの生存戦略だ。頑張るところは頑張って見せつつか弱く儚く、そんな自分が周囲にちょっとした助けを求めたときには、みんなに快く応じてもらえるように。)
(常人に劣る聴力の今でも、その声音の重みには、気付く)
(…………ぼくが未だに返上しきれない、ぼくの狡さが、少し嫌になる)
……ぼくが消えたら困らせる人、いーっぱいいるからなあ。
(わざと、どこか偉そうな声音で、冗談にしてしまおう)
だから、大丈夫だよ。……それに、ぼくだってやることはまだまだあるんだ。
十埼・竜 2022年10月19日
……着けてみたいって、これを!?なんで!?
(予想外の言葉に、きょとんと見開いた目を――――)
(――――あ、と、指さした先に向けたことで言葉は途切れた。)
おー……ほんとに階段だ。ぼく、ここは知らなかったな。
なるほど、これだけ開けてたらよく見えそう。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
わっちがじゃなくて浴衣がでしょ!?
――えぇ!? 着たい!? これ女物だよ!?
(そういう趣味をお持ちで!?)
(お持ちなんだな、これが)
自分で? まさか! わっちは浴衣着た事ないもン。
着付けも髪もして貰ったよ。…バイトしてて良かった。
(そう、バイト代が今日のお洒落に繋がっているのである――)
……じゃあ、来年。もし覚えてたら。
約束して、浴衣でお出掛けしようよ。そうしたら一年あるから、余裕いっぱいあるでしょ?
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
あ、そうなンだ。でも、……走り回るってVRで? ……なンか難しそうだな。だから体育みたいなのが要るのか。
(なるほどな、と納得し)
――あは! そうだな。あんまりに動けるようになっても、自分の感覚が追い付かなかったら意味ない。
うっ。……確かに…(痛い所を突かれた、と)…仕方ねえ、そうなったら一緒にサボるか。薬学以外の時限定だけど。
(薬学・毒学だけはしっかり単位を取っておきたいわっちである)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月19日
……。
(君は優しい。きっとわっちの言葉のうっかりした重さにも、わっちが其れに後悔している事にも気付いて、冗談にしてくれるんだから。)
――そうだよ! わっちだってそうなンだからな。
(だから、わっちもこうやって、冗談っぽく返せるんだ。)
竜くンがいなくなったら、誰がわっちを寝かせてくれるンだ。ちゃんとラジオ、聞いてるンだからな!
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
興味!
(たった一言で十分だった。わっちは研究者だから。――そうして、階段を見上げ)
そうだろ?
座って見られる特等席だ。ほらほら、早くいこ!
(引いていた手に己のもう片手も添えて、ぐいぐい引っ張る。花火がやむことはないけれど、見られない花火が増えていくのは大変だ!)
(無効票)
十埼・竜 2022年10月20日
いやワチカちゃんもかわいいよ!?(正直)
…………。
十埼・竜 2022年10月20日
…………ぼく、結構似合うと思わない?
(やたら自信ありげな顔をした)
十埼・竜 2022年10月20日
なるほど、着付けてもらえるんならぼくも気が楽だなぁ(そこそこタッパのある男子に女物着付けてくれるところがあるのかはどうあれ!)
わくわくモールにも確か、レンタルやってるとこあるし……スタッフ割効かないかなあそこ(ぶつぶつ、もう来年の算段をつけている)
じゃ、来年はちゃんと浴衣着て、お祭りいこっか。一緒にさ。
十埼・竜 2022年10月20日
ぼくも物理と情報系は外せないや……いやほんと、最近は他のもサボらないようにしてるんだけどさ。
……そっか、薬学系を学びにきたんだもんね。きみがやりたいことって……
(照れたように、はにかんだ)……ちゃんと、聴こえてたんだ、ぼくの声。……ありがとね。
ちゃんと眠れてる? 夢にぼく出てきたりしない?(そのまましれっとそんな冗談も言う)
十埼・竜 2022年10月20日
……興味かーーー……危険はないと思うんだけど、こっち側には……
っと、わっ
(たん、たん、手を引かれるまま、階段を昇る)
まって、あんまり走ると転ぶよ!?(どっちかが!)
(ぱぁん。どぉん。カラフルな閃光が、段に不思議な陰影を浮かび上がらせる。つまり、空は、)
……わぁ。(歩きながらも、見上げて、嘆息。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
本当か!?
(勢いで言ってんじゃないだろうな!?)
……。
むむ。
むむむむむむ…… …似合わない、事は、なさ、そう、だけど。
(謎の敗北感)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
最近のレンタル屋さんには、大抵着付けサービスがあるからな。ついでに近場の美容院で髪も予約してーって流れかな。
――…うン。(嬉しそうに笑って、頷く)来年。約束な? …とか言って、わっちの方が忘れっちまいそうだけど。…すっかり忘れててさ、女物着た竜くンが来たら腰抜かしそうだなあ。あはは! わっち、負けちゃうかも!(魅力とか、そういうので)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
サボらないように? おやおや、何か心境の変化でもありましたか。
――そうだよ。わっちの本領は毒なンだもン。(えへん、と)
……。ま、あ…ね。(照れられると、こちらまで照れてしまう。視線を逸らして)
夢? 夢は……見ないな。深く眠れてるって事なンだろうけどさ。…夢に竜くンが出たら、出演料取られそうだなあ…
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
そ、興味! 研究者には一番たいせ――……
(ずるり)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
(あ、花火綺麗。)
(そんな事を、不意に上に跳ね上がった視線で想った。ころり、と下駄が奇妙な音を立てると同時に。ずるりと滑る。彼の懸念通りに、転ぶ、と直感で悟った。そうしてまず思ったのは、)
(竜くンが危ない。)
(ただ、其れだけだった。だから、酷くゆっくりとした時間の中でわっちは、真っ先に彼の手を離そうとした。ああ、これじゃ受け身は取れないな――)
(無効票)
十埼・竜 2022年10月20日
ほんとだよ。かわいい。(照れのひとつもなく褒める)
……じゃあ、思いっきり驚かせてあげなくちゃね?
(なんて言いながらも、来年は来年だ。……そのときまで、ぼくがそういうのが似合う“ぼく”である確証もない)
(やっぱり今年着とけばよかったな。笑うきみを見ながら、そう思う)
十埼・竜 2022年10月20日
日頃の行いが祟って、とうとう甘やかしてもらえなくなったんです。(大袈裟に神妙ぶって)
……なんてね。ぼくだってこのままじゃいられないんだなって思っただけなんだけどさ。
(死の長い長い一歩手前の、孤独な病室を想う――――ぼく自身だって、まだずっとあの延長線にいるんだと思っていたから)
(やっと、その一歩から、抜け出しかけている気がするんだ)
十埼・竜 2022年10月20日
出演料なんてそんな、むしろゲストに来てほ……
(くん、手が奇妙な方向に引っ張られて、)
(花火の色に染められた白い浴衣が、大きく傾ぐのが、いやにゆっくり見えた)
十埼・竜 2022年10月20日
(咄嗟に神経が逆立つ、イヤホンで封じていた知覚が耳元でノイズを爆発させる)
(きみを聴く。きみに、追いつく。)
(振りほどかれそうになった手に追いすがり、腕を伸ばして肩を引き寄せる。髪が乱れるかも知れない。少し痛いかも知れない。ほとんど最上段だったのが幸いで、そのまま転がり落ちるとは反対側、階段の上にふたりでへたり込むように座り込んで)
(きみの肩から、手を離せないまま。)
十埼・竜 2022年10月20日
…………だい、じょう、ぶ?
(肩で呼吸を繰り返し、消え入りそうな声で)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
(きみをきずつけたくない)
(それなら、わたしがきずついたほうがマシだ)
(ただ、それだけだった。ノイズに紛れて流れていく、わっちの感情)
(肩を掴まれて、視界が急回転する。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
(からん、からん、からん……)
(簪が階段を落ちていく音が、遠く聞こえる。さらり、と落ちた髪が肩をくすぐる。……何が起きたのか判らなくて、少しの間、瞬きも忘れていた)
――……だいじょう、ぶ。
(こてん。糸の切れた人形のように、相手の肩に頭を半ば預けたまま)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
――…ころんじゃった。
(びっくりの余韻が抜けない、)
……ごめん。 びっくり、させた、ね。
(無効票)
十埼・竜 2022年10月20日
(きこえた。)
十埼・竜 2022年10月20日
(そっか、そうだよな。ぼくそんくらい頼りなく見えるよな)
(じゃあこの頭を引き裂かれそうな轟音もぼくの積み上げた狡さの報いだ)
(少しずつ、聴覚を狭めて、もとに戻して。)(肩に頭を預けているなら、深く息を吐いたのも聴こえただろう)
(苦しそうに、一度。整えるように、一度。)
十埼・竜 2022年10月20日
…………言わんこっちゃない。(最後に、軽い嘆息へと。)大丈夫?足ひねってない?(とんとん、背中を叩いて……手に髪の毛先が触れるのに気付いた)……髪、どっかで直さないとね。あれだけ屋台あるんだから、どっかにヘアメイク屋さんだってあるでしょ。
(大したことじゃない、そう、ぼくの声に語らせる。)
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
――…ごめン…
(今度はきちんと、申し訳なさを含んだ声だった。)
…ありがと。助けてくれて……、大丈夫?
(苦し気な吐息に、思わず相手の横顔に視線を向け……其の近さに、ほんの少し息をのんだ)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
大丈夫、滑った感じだから、ひねってはない、と、思う。
(実際には足を動かして見なければ判らないが、大丈夫だろうと思う。――髪を引っ張る感覚が消えている。背中をとんとんとあやされて、ほう、と息を吐いた)
……竜くンこそ、大丈夫? どこか怪我してない?
わっちを助けて、その、無理したりとか……
(そちらの方が心配で。顔を上げて、心配そうに伺った)
(無効票)
十埼・竜 2022年10月20日
(ほっと、息を吐いた)よかった。
ぼく? ぼくの方はなんとも。(さらりと答える、その頬から血の気が引いている)
(耳鳴りと頭痛と吐き気を噛み殺しながら、)
十埼・竜 2022年10月20日
………………あーでもね?
超肝が潰れた。(ぐんにゃり、逆にきみにちょっとよっかかる勢いでへたれていく……!)
というか今も心拍がすごい。痛い。今更じわじわ恐怖が来てる。
(今ぼくたちは階段の上に腰掛けている形なわけで。昇ってきた高さを目の当たりにしながら)……よかったぁ……(全然締まらない嘆息を漏らすのだ)
ちゃんと、きみを助けられて、ほんとに……
十埼・竜 2022年10月20日
(――――ぱぁん)
(まるで真上に、大きな大きな花火が咲いて。)
十埼・竜 2022年10月20日
…………さすが特等席だ。
(無効票)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
――竜くン。
(顔色が悪い)
竜くン、……なんともないわけ、ないだろ…! そんな真っ青な顔して…!!
(思わず頬に両手を伸ばそうとした。何で? どうして? 何が起きたの、どうしてそんなに真っ白な顔してるの)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
へ、
あ、わ、わわわ……!(ぐんにゃりとした君を胴で支える。わっちもそこまで力持ちじゃない。でも一緒に倒れる訳にはいかない。一生懸命だ)
え、えと、……ごめんね、ほんとに……
……。
(でも、……助けて貰って嬉しいという気持ちが抑えきれなくて)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
(焔の花が咲く)
(確かに綺麗だろう。でも、其れ以上にこの人の心の方が、わっちは)
……うン。
……綺麗だね。
(花火なんて、見えてやしないのに)
(わっちはちっぽけな嘘を吐いた)
(🎆)
十埼・竜 2022年10月20日
ほんとうになんでもないんだよ。
(これでも随分、マシになった方だし)
よくあることだからさ。
(苦しみ方だって、慣れたもんなんだから。)
……ぼくってちょっと体弱いんだよ、もともと。
(頬に触れた手があったかくて。猫みたいに群青の瞳を細めて、唸るように呟いた)
十埼・竜 2022年10月20日
ね、来てよかった。……連れてきてくれて、ありがとね?
(ぱぁん。……体に響くような低い音は、ぼくにはもう聴こえない)
(ここで休んで暫くすれば、頭痛も吐き気も引くだろう)
(ぼくは空を見上げる。)
(きみが何を見ているのか、その心が何を奏でているのか、わからないまま)
(すぐ隣の温度だけが、確かに、そこにあった。)
(🎆)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
でも、……わっちの前で苦しいの隠そうとしないで。
(確かめるように指先)
(恐れるように掌)
(そっと、相手の頬に添えて。少しでもこの体温が移ってくれれば良いと)
――うン。
そうだと思ってた。
(ほんの少しだけ、笑うように。きっとそうだろう、と思っていた。)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
――……わっちの方こそ。
一緒に来てくれて、ありがとう。
(きっと、大きな音は辛いのに)
(きっと、今だって辛いのに)
(其れでも笑ってみせる君に、泣きたくなって)
(体勢を少し変えて、互いに寄りかかるように)
(聞こえなくて良かった。わっちが「このままでいられたらいいのに」なんて思ってる事を知られなくて、良かった)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
(光の花がまた一つ咲いて、消えていく)
(ああ、本当に。よく見えて眩しいね)
虚ヶ谷・ワチカ 2022年10月20日
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