【個】いつもの場所から
ルクス・アクアボトル 2022年10月13日
「週末暇?」――なんて。
今宵は女の方から、花火大会の日の予定を聞いて。
……ただ、それにしては、厳密には「参加の誘い」とは、ちょっと違う風情だったかもしれない。
なにせ。彼女が呼び出す場所は、イベント区画として用意された辺りを、随分外れて。
見慣れた青の縄張り。彼女の小さな船が泊まる、貴方の敷地というのだから。
#竜城・陸
#ルクス・アクアボトル
2
竜城・陸 2022年10月13日
(しばらくまじまじと、差し出されたそれを見つめたあと)
……食べます。
(なんだかやたら畏まったふうに言って、とりあえず手に持っていたパックを差し出した)
(ここにおいて、の意である)
ルクス・アクアボトル 2022年10月13日
そりゃそうね。ふふ、誤解なく伝わって何より。
(言われてみれば当たり前か、と。面白がるように、小さく笑って)
いいな、か。
こんな話で良ければ幾らでも、だけれどね。
ええ、……何もかも、楽しい暮らし。
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月13日
ん。
(悪戯っぽい顔で、そのままゆっくりと口許に近付けていく)
竜城・陸 2022年10月13日
俺にとっては、とても素敵な話。
……ルクスさえよければ、いくらでも聞いていたいくらいだよ。
代わりに出せる話がないのは、申し訳ないけどね。
(なんて、肩を竦めて、)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月13日
ん゛、
(――いや、それは、まあ)(なんとなくこうなるような気はしていた、といえば、そうなのだけど)
…………。
(少しの間があって、)(やがて覚悟を決めたみたいに――というには少しばかり控え目に――口を開けて)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
申し訳なく思うことでもないけど――
(そっちで掘り下げても彼は楽しくないのだろう、ということは、わかっているし)
(一つ、首を傾げて、)
――あぁ、そうだ。じゃあ、代わりに。
質問をしてもいい?
(きら、と悪戯っぽく目を光らせて)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
ふふ。――あーん、ね。
(これみよがしに定番のセリフを口にしながら)
(あー、ん)
竜城・陸 2022年10月14日
そう?
だって、碌に面白い話もできないし――質問。
勿論構わないけれど……
(なんだろう、と言うように首を傾げて)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
――、
(やっぱり、控え目に、差し出されたそれを口で受け止めた)
(普段何気なく弟にしていることなのに、妙に気恥ずかしく感じてしまって)
(口元を手で抑えながら――なんだか顔が熱い気がする――彼女の“質問”を待つように、視線だけでそちらを窺う)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
(くすくすと)
(楽しげな顔で。そのまま手元に戻した爪楊枝でもう一つ、躊躇いなく今度は自分がぱくり)
(視線に気付いていながら、焦らすように楊枝を咥えて)
(それからやっと、)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
最後の最後に自分のことしか見えなくなってもらうのが好きなんだ? とか。
竜城・陸 2022年10月14日
(目の前の光景に慌てて逸らしかけた視線が、)
(彼女の口から飛び出してきた言葉で、一周回ってそっちに吸い寄せられて)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
………………それは、
……ごく一般的な感傷だと、思うんだけど。
(苦し紛れの逃げ口上だ、とは)(何となく自分でもわかっている)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
感傷なんだ?
性癖――好き嫌いじゃなくて。
(ふふっと、冗談めかして、くぐもった笑いを漏らして)
でも、ま、一般的……そうね。
夢中になってほしい、っていうのは、一般的かも?
竜城・陸 2022年10月14日
う、……その辺の違いはまだよくわからないけどさ……。
なんというか、ええと――“そうしてくれるから好き”じゃなくて。
好きなひとだからそうして欲しいみたいな……そういうの。
それを、なんと呼んでいいのかはわからないけど……
…………
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
……でも、うん。
そうだったらいいのに、って、いつも思ってる。
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
そ。いつも、ね。
(今度は、変にからかうような言い方でもなく、一つ頷いて)
(蓋を開けたジュースを一口。上がった花火を、ちら、と横目に見上げて)
……私、ママ……母親が、2人いるのだけどね。いえ、義理だけど。
(なんて。割に唐突に、呟くような)
竜城・陸 2022年10月14日
そう、……いつも。
不思議だよね、いつだって自分らしく、自由でいてほしいって思ってるのに。
同じくらい、自分だけを見てほしい、欲しがってもらいたい、なんて思ってしまう。
(なんて、どこか、独り言みたいに零して)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
…………、ご母堂が、お二人……。
(自分の世には、おそらくついぞない話)
(だけれど今の世には、ありふれてはいないけれどままある話)
(そのくらいの理解だ。違和感を覚えもせず、続きを促すように視線を向ける)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
そ。船長のママは、欲張りな、女好きでね。……ああ、いや、ほんとは男もアリなんだったかしら。
言っても、昔はもっとずっとスゴかったみたいだケド。美人や可愛い子と見るやちょっかいかけて、ってタイプ。
結局のとこ、海賊らしく、「宝物」が好きなんだと思うわ。
綺麗だと思ったものを、手で触れて愛でたい蒐集家。
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
もう一人の――踊り子のママはね。
長年男を手玉に取ってきた魔性の女、サキュバスらしいサキュバスで。
でもある時、そんな悪い女船長に手を出されて、そのまま惚れて、ドハマリしちゃったワケ。
(なんて。明け透けといえば明け透けな話を、目を細めて、楽しげにくすくすと語り、)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
――でも、そこで終わらないのが、踊り子のママのスゴいところで。
結局最後には、何一つ縛るようなことをしないまま、船長のママの心を鷲掴んで、夢中にさせて、手の早かった船長を、自分から「まぁこいつがいれば満足だしな」って思わせて、変えてしまうの。
凄いでしょう? 船長の宝で、持ち物で、その関係をそのままに、持ち主の心を支配してしまったファム・ファタール。
そんな女が、私の両親。
竜城・陸 2022年10月14日
(――たぶん、途中までは)
(そんな話を聞いてしまってもいいものなのだろうか、なんて、少し戸惑ったような顔をしていたかもしれない)
(なんならちょっと、顔とか赤かったかもしれない)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
(でも、そのうちに)
(――じっと、その言葉に、聞き入っていた)
…………。
何一つ、縛らなくても、……。
(そっか、と)(噛み締めるように、呟いて)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
――ルリアはねぇ。
どちらかといえば、「船長のママ」が理想像なんだと思うのよね。
欲張りに、手を伸ばして、支配して、満足しているうちはそれでよし。
(言いながら。そっと、身を乗り出すように)
(手を、貴方の襟元に伸ばして)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
(さら、と、頬にかかる貴方の青い髪を、指先で流して)
私の理想の「いい女」は、「踊り子のママ」。
手を伸ばさせて、惑わして、抑えられないくらいに欲しがらせて、こいつは自分の女だぞ、って自慢させる側でいたいの。
だって、格好良いじゃない?
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
ま。
理想は理想で、私がどう思うかなんて、私にも決められないことだケド。
(それこそ、船長のママだって、踊り子のママだって。自分が恋に負けて変えられた側だと、言うだろうから)
(誰に何を求めたって、人の勝手だけれど――)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
私が、どういう女になりたいのか。
陸。
貴方には、知っておいて欲しかったの。
とくべつよ?
竜城・陸 2022年10月14日
(――目を逸らさないまま、最後まで)
(それを、聞き遂げて)
(口をついて出そうになった言葉を、呑み込んだ)
(それを聞いて、そんなことを言うのは、ひどく格好が悪い気がしたから)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
――うん。
(頬に掛かる髪を流した、彼女の指先を)
(捉えようとするみたいに、片手を伸ばした)
――聞かせてくれて、ありがとう。
そのことも。ご両親……、のことも。
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
――なんとなく、俺も。
ちゃんと、自分がどうしたいのか、わかったような気がするしね。
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
そ? なら良かった。
恥ずかしい話をした甲斐があったわ。
(なんて。心にもなさそうな顔でしれっと言ってみせながら、)
(――掴まった指先を、軽く、絡めるように握り返して)
(どうするの? というように。ちら、と一度その手に視線を向けてから、小首をかしげてみせた)
竜城・陸 2022年10月14日
優しいね。代わりに聞き出されるかと覚悟してたのに。
(なんて、全くそんなことを思っていないというような声音で言ってみせて、)
ね、ルクス。
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
(――重ねられた手に、こちらも指先を絡めるようにして)
(きゅ、と握って)
――……キス、しても、いいかな。
(ここに、というように)(軽く、繋いだ手を引いて)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
いい女になりたい、と言ったでしょう?
(なんて。冗談めかして、片目を閉じて)
(格好を付けようと飲み込んだ言葉を引き出すのは、ルクス的にいい女の振る舞いではないらしい――とまではっきり考えているかは、ともかくとして)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
あら、――わるいひとね。
(なんて。何を、とも言わず、からかうように口にしてみせながら、)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
聞かなくていいのに。
――ここなら、ね。
(くすりと、笑って。そっと、引かれるままに指先を差し出して)
竜城・陸 2022年10月14日
……ふふ、そうだったね。失礼。
(なんて、こちらも冗談めかせたように笑みを浮かべて)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
わるいひとになりたくないから聞いてるの。
許可もなく、が許される間柄ではないんだから。
(なんて、わざとらしく拗ねたような声音――が、面映ゆさを隠しているだけなのは、もういい加減悟られてしまうだろうけれど)
(そんな風に言いながら、)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
(引き寄せた彼女の手の甲に、優しく触れるだけの口付けひとつ)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
――……ふふ。
(先の言葉には、あえて何も言わず)
(指先に落ちた感触に、くすぐったげな笑いを漏らして)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
ね。
そろそろ設定した航路も後半だから、しばらく、止まっていこうと思うのだけど。
――そっち。隣に座っても良い?
竜城・陸 2022年10月14日
(すこしだけ、)
(名残を惜しむみたいに、その手を握ったまま、――)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
――――
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
聞かなくていいのに。
(君の舟なんだから、と)(半分、さっきの意趣返しみたいな言葉)
勿論、いいよ。
――君と向かい合っていたら、花火よりも綺麗なものにばかり目がいってしまうものね。
(なんて、冗談めかせた物言いとともに)
(どうぞ、と少しだけ縁に寄るようにして、スペースを空けて)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
ま。
――ふふ、そんなこと言ったら好き放題、幾らでも閉じ込めてしまえるわね?
(くすくすと、おかしげに、からかうように)
それに――――、
(そっと腰を上げて、貴方の隣に移りながら、)
(、)
ルクス・アクアボトル 2022年10月14日
隣でも、視線を向けてくれるでしょう?
(なんて、囁き一つ、貴方の左隣へ。それはきっと、花火に近い、学園の側で。止まった船の向きがそうなら、貴方はそちらを譲るだろうから)
(もし、言葉に誘われるまま、傍らに視線を向けたら)
(いつもと違う髪の結び方のおかげで。あら綺麗、と花火の方を見遣る彼女のうなじが綺麗に目に入るところまで、どうやら計算のうち)
竜城・陸 2022年10月14日
おや、ずっと閉じ込めておくと思わぬ反撃を受けるかもしれないよ?
(なんてくすくす笑って、)
……それに?
(なんて、続いた言葉に首を傾げて、)
(つい、つられるように視線がそちらを向けば)
(無効票)
竜城・陸 2022年10月14日
――――、
(思った以上に近い距離、とか)
(丁度、空に咲いた炎の花に照らされた横顔が、綺麗なこととか)
(――同じくしてそちらを見遣った彼女の、いつもよりかなり無防備に晒された項のあたりに、つい、視線が向いてしまったこと、とか)
(……そういうの全部、わかってやってるんじゃないだろうか、とか)
(いろいろなことが綯い交ぜになって)
(、)
竜城・陸 2022年10月14日
……どっちがわるいひとなんだか……。
(なんて、真っ赤になった顔で呟いてしまったのも、無理からぬ話であるし)
(結局、隣だろうと、向かい合っていようと)
(花火よりも彼女のことばかり気にしてしまうのは、変わらないのでした)