戦技研究部

第5試合:炎と炎とお掃除と

神居・メト 2022年10月9日
ステージ:ショッピングモール
戦  場:③平面駐車場

ゴールデンギガース発生場所である平面駐車場。
無論一番の激戦区画となるそこに対して、まず一人の竜が突撃してきた。
既に炎が幾重にも点在する駐車場にて、熱戦が開始される。

#火撫・穂垂
#御掃除・すいすい
#一恋・未樹





3
1

火撫・穂垂 2022年10月9日
(道理としては単純だ。対の端にいた『彼女』が、急接近を掛けた故に、鎖が緩んだ、それだけである)

つかまえた。
(火の中を跳び出し抜ければ、その姿ははっきりと。突如目の前に現れたようにも見えるその手には、片割れの手鎌がしっかりと握られており)
(今度こそ完全に地に墜とさんと、細腕に見合わぬ力で振り下ろす)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
──時は一分ほど前に遡る。

駆ける。消える。現れる。
自身の持ちうる最大速度でもって、すいすいは転送場所たるC棟から北東の平面駐車場へと移動をしていた。
自身の転送場所から考えて、おそらく他のチームの方が目的地への到達は早いだろう。
ゴールデンプチギガースが現れる前にたどり着くか、あるいは戦闘が始まってから奇襲をかけるべきか。
思案しながらすいすいは大通りに面したB棟の出口へと達していた。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
刹那、感じたのは気配。あるいは、VRという環境であっては電子的ノイズと呼ぶのが正しいのかもしれない。
どちらにしても、すいすいはそれを感じ取った。
慣れ親しんだ魔力の感覚を。『彼』の力の片鱗を。

……『彼』と戦いたいという気持ちが、ないわけではない。
『彼』と交わした約束を思い出す。それは遠く遠く、今はまだ手が届かない星。
そう確信できるほどに、すいすいは『彼』の力を知っている。……そして、『彼女』の想いを知っている。
で、あるならば。
今『彼』と戦うべきなのはすいすいではなく、『彼女』なのだ。

(勝ってください、とは言いません。ただ、ひとめ様の望むままに)

(陸様をびっくりさせてください。……“やりたいようにやってください”) (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
その思考の最中、大通りにて爆炎が迸る。どうやら大通りでも戦闘が始まったようだ。
戦闘の余波で目的地にたどり着けない、など笑い話にもなりはしない。
確実に、かつ迅速に目的地にたどり着く必要がある。可能であればリソースは節約したかったが、そうも言ってはいられない。

──『物体を吸い込み、排出する』ことは、掃除機の基本的な機能だ。
故に『自身を吸い込み、遠方にて排出することで擬似的な空間転移を実現する』こともまた、掃除機の機能だ。
例え詭弁であろうとも。拡大解釈であろうとも。
そう定義する。定義することで機能を実装する。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
それが肉体的には完全にサキュバスでありながらも根本を未だロボット掃除機から脱却できていない今のすいすいにできる成長(アップデート)。
これまでは短距離転移のみの実装だった。だが、今求められるのは違う。
大通りを超える数十メートルに及ぶ転移。ならば、それを実装しよう。
足止めを行う蜜味様に報いるために。『彼』と戦うひとめ様のために。自らに課せられた役目を果たすために。
すいすいは、平面駐車場への転移を行った。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
転移位置は平面駐車場上空。
交戦中と思しきプレイヤー2人の位置を視認。

(戦況はわかりませんが……まずは一手目)

解き放つはすいすいタンク。
降り注ぐは転送直後にC棟で吸い込んだ数多の物品。
大小様々雨霰、平面駐車場の天気は晴れのち家電製品。
頑丈な傘の準備をお忘れなきよう。すいすい天気予報でした。
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一恋・未樹 2022年10月9日
(呪炎の中へ落ちそうになるタイミングで、穂垂に強襲される。
もう片方の鎌を、左手を突き出して掌で受ける。)
っってぇな!!!
(無論、VRであるからして痛みは無い。反射で口をついただけだ。) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
――ぁああん!!?
(左手に刺さった鎌からリソースが漏れる間に、辺り一面に物体が散乱する。
乱入者が増えた!?まだこっちが負け気味だってんのに!!) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
ライトハンド
右腕開放――
ブロードキャスト
強制送信
ドラゴンロア
竜咆伝心
(未樹の両手袋は遺産だ。
左右それぞれに別の物を「拡大」する。
右腕側が拡げるのは「思念」であり、未樹の考えている事を一定範囲へ強制的に頭の中へと届ける。)
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!
(叫びながら使えば、思念で使う猿叫となる。それを放出した。
牽制と威嚇の為だ。)

(しかし追撃を受けぬ為にソレを使ったが、しかし突如出現した電子レンジが頭にぶつかり、ダメージが入る。)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
く……っ!
(ぐわん、と脳を直接揺らされるような感触がした)
(自身の気を直接乱されるような感覚。気功術に長けているとはいえ、至近距離で不意に食らえば影響はある)
(思考よりも本能に身を任せる。突き刺した鎌を引き抜いて、即座に身を翻す)

(思念派の影響下から抜け出すのが最優先。結論としては最善手ではあろうが、横やりにまで気を回す余裕がなかった。何かがちょいちょい体にぶつかって、その都度衝撃を叩き込んでくる) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(ふぅ、と一つ息をつけば、乱れた気は整って。意識を巡らせ、気配を探る)
(あちこちに散らせた呪術の火は、敵対者を蝕む毒であり、己の身を隠す霧であり、それと同時に、揺らぎを以て異物を知らせてくれる感覚器官でもある)

……あっちに、もう一人。
(追加の異物は、それ一つ。まだゴールデンギガースの出現には早いか)
(向こうの出方がいまだわからぬ。距離を取って遠距離からの横やりに徹するなら、ギガース出現時の距離のアドバンテージはこちらにある)
(だとするならば、不用意にあちらを狩りに行くよりも……) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(――こちらを先に仕留めるほうが先決であろう)
(じゃらりと鎖を鳴らして、頭上で鎌をぐるぐると回して勢いをつけて)
(左腕を赤く彩る鮮血が、炎となって鎖を伝う。その先端、高速回転する鎌の刃先にまで紅炎がいきわたると同時)

先に、こっち。
(真っすぐに、未樹の腹目掛けて、投げつける)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
いくらか命中はしたようだが、それで終わるほど甘くはないだろう。
すいすいは次の手を打とうとして──脳を直接響く声にそれを断念した。

(これは……!?)

状況的に発生源は直下のプレイヤーだ。
平面駐車場の地上、2人のプレイヤー達からやや距離を取った場所に再転移する。

声の影響を脱するのを待ちつつ、すいすいはプレイヤーの姿を眺める。
1人は未樹様。そしてもう1人はひどく姿が朧だ。
周囲に散りばめられたこの炎の仕業だろうか。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
朧なシルエットが何らかの武器を未樹に投擲する。
どうやら先に元々の勝負を決める腹積もりのようだとすいすいは判断した。
であれば、すいすいが取るべき行動は必然定まってくる。
つまり、いつも通りだ。
両手と虚空、合わせて3つのお掃除の輪を展開。清掃対象は平面駐車場。
「さあ、散らかった炎をお掃除しましょう」
かざしたお掃除の輪が、呪術の火を吸い込んでいく。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
すいすいに呪術の知識はない。
しかし、この火を長く吸い込んでおくべきではないという予感はしていた。
故に、そのままにはしておかない。
すいすいタンクの中で、呪術の火を自前のサキュバスミストと混ぜ合わせる。
呪術の火ではない別のものへと変じさせる。
どの程度の効果があるかはわからないが、そのままにしておくよりはいいだろう。
すいすいタンクの中で練り合わせ、混ぜ合わせ、変質させながら、すいすいは油断なく二人の斬り結びを観察していた。
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一恋・未樹 2022年10月9日
ッッッッッッてぇなくっっそ!!?
(ドカドカと家電製品の雨が降り注ぐ。
タイマンなら捌き切れたかもだが、あいにくと乱戦でランダムに現れるそれらは回避しきれない。
身体のあちこちに家電がぶつかりリソースが少しずつ漏れていく。)
電子レンジは投げつけるもんじゃねえぞ!?暖かい飯食わせる為のもんだろ!?
(変なキレ方をする。家事を預かる身として譲れないポイントらしい) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
(右腕解放で追撃は避けられたが、以前呪炎はあちこちにあり、不利は変わらず。
しかし)
…穂垂か!?
(ようやく朧げだった襲撃者の顔がうっすら見える。
辺りをみれば呪炎の数が減っている。乱入者が減らしてくれているらしい。)
(そして、穂垂がグルグルと鎖鎌で狙いをつけているのが見えた。)
…来るのが分かってんなら…… (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
『我が力、依代に宿りて形を為せ。宿るは鱗。強靭なる無欠の鱗。』
(燃える木刀から符を引き剥がし、穂垂の方へと飛ぶように走る。
次いで右手で符を握り、特攻服へと貼り付けた。)
――ガガン!!!
(腹部に衝撃。
しかし衝撃以外のダメージは少ない。
「竜の鱗」を特攻服にエンチャントし、防御力を上げた為だ。) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
『我が力、為す形を変え新たなる姿を見せよ。蝶の如くに羽開け。』
――お返し、だ!!
(未樹が持つ木刀がドロリと溶けて、穂垂へと形を変えながら進んでいく。
変えた形は鎖だ。
ぐるりと穂垂の回りを空中で取り囲み、縛るようになりながら鎖のもう片方の先端を右手で引っ張り上げた。)
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火撫・穂垂 2022年10月9日

(呪火が吸われる。穂垂にとってこの状況の大部分を支えていた要素を取り除かれるのは致命的と言っていい)

……っ
(舌打ち一つ。隠れたままの一撃であったら決定打にもなり得たものを)
(相手の木刀が、形を変え、蛇のようにのたうつのが見えた。仕掛けに来る、というのはすぐに知れた) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(「あまり、使いたくはないけれど」)
(次の瞬間。轟と勢いよく左腕から巻き起こった炎が、穂垂の身を包み込む。その身が炎の中に消えようとするのと、そうはさせじと未樹の鎖がその中に飛び込んでいくのはほぼ同時だった)

(からん、鎖鎌の片割れが地面に落ちる音がし、絡めとられた穂垂の小さな体がひっぱり上げられ宙を舞い――) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(――その身が、宙を舞う中で突如、内側から爆ぜるように発火し、焼失した)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
火を吸った結果として、朧な影の姿が知れる。
斬り結びの結果は痛み分け、あるいは突如発火して姿を消した少女の優位か。
どちらにしても、斬り結びのあとの隙をすいすいが逃す理由はなかった。

(さて、吉と凶、どちらが出るでしょうか) (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
運否天賦に身を任せるのは機械からは程遠い思考であり、同時に早めに呪術の火だったものを放出しておきたいという機械らしい合理的な思考の産物でもあった。
サキュバスミストと呪術の火を混ぜ合わせた妖しい焔をショッピングモール内で回収したプラスドライバーに纏わせて、鎖を引っ張り上げたばかりの少年に向かってすいすいタンクから発射する。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
毒。相手を侵し影響を与えるもの。
魅了。相手を惹きつけ逃さないもの。
その2つの性質を混ぜ合わされた濃い桃色の妖しい焔は眼を侵す。
すなわち、『視認した相手の視線を惹きつける』
そんな焔を纏ったプラスドライバーが、少年に向かって飛翔する。
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一恋・未樹 2022年10月9日
――は!?
(空を切った鎖を手元に向けて引っ張りながら、状況を考える。)
(こちらに鎖鎌を投げつけたのは間違いなく穂垂だった。
しかし、その穂垂が炎に包まれて消えた。
自爆では無いはずだ。
となると転移か新たな迷彩……!?)
(まで考えた所で、新たな熱を感じる。
振り向けば焔を纏う物体がこちらへと飛んで来ていた。) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
――!!?
(ただしかし、それだけであれば問題は無い。
今特攻服には竜の鱗の力があり、貫通力やよっぽどの魔力が込められでもしない限りは未樹の身体まで攻撃は到達し得ない。
その筈だ。) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
(しかし。)
(ただの物体である、という判断は下せなかった。)
(回避や防御をしようにも、集中が削がれる。
その燃える「何か」をずっと見てしまう。)
(ヤバい。なんだか知らないが、どう考えても不味いものだ。) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
ッッッッッッだッッッラァ!!!

(だったら迎撃の一手しかない。
巻き取った鎖を右腕に纏わせ、右の拳で撃ち落とすように
焔にまみれたソレを下に向かって叩きつけた。)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(種を明かせば、己に気質を限界まで寄せた火の塊をデコイとした空蝉の一種である。間一髪のところですり替わってみせたのだ)
(そして本物のほうはというと、姿勢を低くして這うように未樹の側へと駆けていた)
(こちらに気づくか、肉薄するか、どちらが早いか。その先を取った側がこの勝負を決める)
(その『火』が飛来したのは、穂垂がちょうどそんなことを考えた矢先の事であった) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(未樹に向けて放たれた、あの火の『感じ』には覚えがある)
(命ある物は、得てしてぬくもりを求めるもの。火撫の呪術には、その性質をより強く見出した魅了の術も存在する。あれは、その術の火に非常に近しいものだ)
(どのような経緯で彼女がその火を見出したのかは存ぜぬし、案外ただの偶然なのかもしれないが。その性質を知るがゆえに、未樹に及ぼす影響も手に取るようにわかる)
(そしてそれが正しく作用するのであれば――) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(それは、この戦いにおいて、致命となる) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(先ほど、未樹へと投げつけ、そして防がれた片割れの鎌。それを彼の足元で通り抜けざまに拾い上げたのと、未樹が誘いの火を叩き落したのは、ほぼ同時)
(彼が気付いた時には、もう遅い。すでにこの身は、その背後を取っている)
(服が刃を通さないなら、服が隠さないところを狙えばいい。単純な話だ) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(すなわち、頭蓋。後頭部目掛けて、手鎌の刃先を振り落とす――!!)
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一恋・未樹 2022年10月9日
――!!????
(焔を拳で叩き落とした瞬間。
背中から強く殺気を感じた。これまで全く感じていなかったのが不気味な程に。
今の焔に魔術的な欺瞞が含まれていたのか――!?)
(そんな考えが頭を過ぎりながら、振り返った所に斬撃が振り下ろされた。
頭部の左側がリソースとなって身体から剥がれ落ちる) (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
――まだだ。 (無効票)
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一恋・未樹 2022年10月9日
(ゴールデンプチギガース発生まであと幾許も無い筈だ。
つまりこの後。
「未樹が遺した呪文で撃破出来れば」まだ、勝ちの目はある。
前回トライデントでも、ログアウト後に発動させた呪文で赤番の攻撃の軌道を変えてみせた。なら、それだってやってやれなくは無い筈だ。) (、)
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一恋・未樹 2022年10月9日
(ズタズタになった顔で呪文を唱え、消えかかる身体で符を取り出し、魔術を込めた。)
『我が力、依代に宿りて形を為せ。宿るは記憶。 無窮の記憶なり。』

(符には自らの記憶――かつて暴走し、数mの化け物竜の姿となって暴れた時の記憶、その化け物竜の頭部部分のみの力を込めた。
それを符に仕込み、ゴールデンプチギガース発生のタイミングに発動し、――竜の息吹として炎を吐くようにと準備を整えた。
その魔術さえ起動出来れば、と)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
焔を纏わせたプラスドライバーは少年に撃ち落とされ、少女の鎌の一閃が少年の頭部を斬り裂いた。
偶然と必然が折り重なって紡がれた結果はそのようなものだ。
これで一対一。
……だが。

「……これでも、掃除が専門です。『それ』は、見逃しませんよ」

消滅する少年のアバターから零れ落ちた符。
床に落ちているものを見逃す清掃業者がいないように。
すいすいがそれを見逃すはずもない。
呪術の火を吸い込み転用したのと同じく、空を駆けるお掃除の輪が符を吸い込み、取り込む。
ことリソースが物を言うこのトライデントに置いて、すいすいの吸引は簒奪にも等しい。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月9日
改めてこれで一対一。
あとは少女──穂垂様を抑え、そして。

戦闘開始から、3分が経過した。
そのとき戦場で起きたことはみっつある。
ひとつ。定められたルールに従い、ゴールデンプチギガースがその姿を現した。
ふたつ。すいすいが吸い込んだ符がその効力を発揮した。
みっつ。それを察知したすいすいがすいすいタンクからその力──竜頭より放たれるドラゴンブレスを少女に向かって解き放った。
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(まずは一人)
(だらんと力なく垂れた己の左腕を一瞥する。少々、血(リソース)を使いすぎたか。この状態でもう一人を迎撃せねばならないのは厳しいものがあるが……)

……ごめん、こっち、ちょっと厳しいかも。
(聞こえているかもわからない仲間に向けて、それだけ告げる。それを受けて救援が間に合うか……は、まぁ無理だろうが)

(そして……ここで、3分) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
……これは
(とんだ置き土産を残していったものだ)

(鎖鎌の片割れをダメージの重なった左腕で引き寄せるのは難しいし、悠長に持ち替えてなどいればその間にその息吹に飲まれるであろう。先のような空蝉も、広範囲に広がるブレス攻撃には無力である)
(防ぐしかない。左手を眼前に掲げ、竜の息吹と対峙する) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月9日
(ぽたぽたと腕から血が地面に滴り落ちれば、赤い筋が紋を描く)
(紋より出でて巻き起こる炎の渦は、穂垂を包み込んでドーム状の幕となり)

(自然万象は火から成る。火撫の教えに基き、紡がれる火はそれ自体が一つの『世界』となり、それに包まれるということは、隔絶された世界に隔離するということだ)
(その隔絶を突破する労力は、異世界を隔てる壁を砕くに等しい) (無効票)
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火撫・穂垂 2022年10月10日
(――尤も、それほどまでの強固な断絶を生み出す世界の壁を紡ぐにも、それ相応の力をささげる必要があるのは当然のことで)

……っく……。
(ブレスをやり過ごし、渦巻く火が掻き消えて。残った穂垂の身体がぐらつく)
(頭がくらくらする。力が入らない――貧血だ)
(ここで動きが鈍るのはまずい……と心では感じても、リソースの削られた身体は心だけではどうにもなるものでは無かった)
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御掃除・すいすい 2022年10月10日
激しいドラゴンブレスが収まり──それでもなお、少女の姿は健在であった。
防がれたか。だが、防ぐことにも相当のリソースを消費したことが見て取れる。
そしてこの戦場における目標は、敵を倒すことではない。
標的を──ゴールデンプチギガースを倒すことである。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月10日
標的は出現した途端に脱兎を始める。
逃げる標的を乱戦の中で討ち取るのは困難だ。
増援の気配もまだない今、相手が動けないこの絶好機を逃す手はない。

両手のお掃除の輪から発射されるのはショッピングモール内で吸引した商品の数々。
標的はそれをぴょいぴょいと避けていく。
元よりこれを当てられるとは思っていない。ただ、回避で足が止まればそれでいい。 (無効票)
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御掃除・すいすい 2022年10月10日
飛来した懐中電灯をジャンプして避けた標的は、着地しようとしてそのまま何かにずぼりと嵌った。
脱出しようともがくものの、その何かが身体を吸い寄せてそれを許さない。

「……すいすいトラップ、とでも名付けましょうか」

標的が嵌ったのは、着地点に先回りして移動させたお掃除の輪だ。
標的を吸い込みきらない程度の広さ、吸引力で開かれた吸引口は即席の落とし穴となる。 (、)
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御掃除・すいすい 2022年10月10日
そしてその吸引口は、すいすいの攻撃が射出される排出口でもある。

「これにて、お掃除完了です」

すいすいタンクから発射された包丁が、その出口たる排出口に嵌った標的の身体を刺し貫いて。
第五試合の戦いは、終わりを迎えるのであった。
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火撫・穂垂 2022年10月10日
(「……駄目、か」)
(ふらつく身体で、その様を見届けるのが精いっぱいだった)

(勝負は水物、なるようにしかならない)
(それもまたよし、というべきところなのだろうが……それでも、無力感というのは残るもので) (、)
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火撫・穂垂 2022年10月10日
(そんな思いも置き去りに、終了処理はつつがなく行われていくのである)
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