第4試合:ブリッツクーゲル
緋野・氷織 2022年10月7日
ステージ:学園校舎
戦 場:校舎:A棟
「誘導失敗――混戦は不可。単独突撃?――情報が不足。」
『銃声、B棟にはスィーリ、正面広場の方にシエロ。』
「回避突破――挟撃が想定。連戦必死――損失を抑える。」
『その間に俺はゴールデン――って行きてえ所だが。』
「結論――足を、引っ掛ける。」
『……まっすぐ突っ込んで来やがる、お前は何だ?』
#グスタフ・カツラギ
#文月・流火
1
文月・流火 2022年10月7日
(知らない学校の校舎の昇降口、並ぶ下駄箱の影に隠れ、ちらりと此方へ迫りつつある影を見る)
(「こっちの居場所がわかってるのか、あるいは偶々か。どちらにしても自分が来ている事をこっちにアピールしてるような感触だな」)
(「多分、アレだ。相手に先に動かせてから仕掛けるタイプ。そーいうヤツか?」)
文月・流火 2022年10月7日
(「相手が何して来ようと素早く判断して切り抜ける自信があると見た」)
(「手強いぞ」)
(そう、少年自身は判断しました)
(何時もであれば、すぐさま飛び出し仕掛ける所ですが。まだ彼はVRとリソースの管理に慣れていません。今は様子を見て慎重にならざるを得ません)
(何より、開始早々に指針を決定した対戦相手の判断力。それが少年を受け身にさせていました)
文月・流火 2022年10月7日
じゃあ、様子見からいくか……!
(彼が自分の居る方へ突っ込んでくるのを見て、傍にある鉄筋コンクリートの柱へ熱を浸透させ強度を低下させる。風鳴る程の加速を付けた蹴りで柱を粉砕、相手との距離は未だ有りますが蹴りの勢いで飛び散った瓦礫を散弾のように浴びせ掛けようとします)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(誘導は失敗……乗ってこなかったか。2:1に誘えば数的不利はこっち。……前回のトライデントからして避けたか?)
(数的不利と合流、近場の湧き。ゴールデンのところを引っ張り出していくつもりが随分と計画倒れだ)
(ともあれ)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(速攻に変わりはない。)
(いわゆる「忍者走り」の姿勢のまま、正面から壁に突っ込んでいく。単純な重さと、速度。そして強度があれば壁など容易く破れる)
(壁を破る。鉄礫の嵐。連絡が行っていたのか?)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(「突破優先」)
(礫を、瓦礫を、一切を浴びたまま全力で肉薄する。被弾と裂傷でリソースが漏れ出ていくのも構わず、ただ一点を突破するためだけに)
(温度変化を知覚。近辺にダメージ。攻撃の点はそこから。)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(走りながら体を弓の如く逸らし、鋼の拳を握り締める。引き絞って、引き絞って、引き絞って――)
時間はかけられませんのでね。
(周囲壁ごと打ち砕くが如く、薙ぎ払う!)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
(瓦礫を避けねえ!! なんなら弾きすらしねえ!)
おまえっ!!
(お前は、一貴と同じタイプか!)
(驚愕に怯み回避のタイミングを逃す。ならば受けるかと反射的に薙ぎ払う拳へ手を突き出す)
文月・流火 2022年10月7日
(速さは眼で追えない事もない、一見するとそこまで脅威でも無いように見えた拳は、受けた上から衝撃を伝え少年の身体を易々弾き飛ばす。ドンと、少年は壁を身体を打ち付けるもすぐさま姿勢を立て直す)
ッ痛てえ! なんでできてやがんだ……お前の腕は!
(壁が砕けた粉塵の中で構え直す。熱を視る、赤外線カメラのような視力で相手を捉えその身体を見る)
(見ながら構え相手の次の手を返すべく備える)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
しいて言えばダマスカスですかね。原材料は秘密ですけど。
(軽い、というわけではない。しっかりと「受け」られている。そしてタフネスもある。何より、落ち着いている。)
(長引かせるとまずいな……。)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(下駄箱の蓋、とも言うべきか。蝶番を割り閉じられたそれを引き千切り――即席の手裏剣である)
(それに細工を一つ。真っ黒な板が張り付いた)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
90秒。あなたに掛けられるのはそこまでです。
ですが代わりに、維持分を除く生体リソースの8割と武装リソースの5割を費やせますね。
(ヒュン、風切り音。精度は甘く、速度も遅い。当たったとて、それなりに尖った角が少し刺さるくらいだ。重さだってない)
(ただし、地雷を張り付けていることだけが、前提を覆す)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
マジもんの超合金ってわけか! はぁん。
ソイツもリソースかかってんの?
それとも元の身体はリソースかかんねーのか?
まっ! いけーどよ!
(言われるまま彼を見る、視界に映る熱の差で彼の身体の異様さが理解る)
(「金属がそこからそこまで――なら頭か、腹か、しかし先に脚を潰すのも悪くはねえが……俺も時間は賭けられねえな」)
文月・流火 2022年10月7日
(熟練の奇術師がするような職人の流れるような「小細工」は見通すに居たなかった)
(ただ、経験則として投げモノには警戒はする、それが地雷とまでは判らなかったが)
(多分、毒――、いや魔術か何かの触媒か?)
(ギリギリそれを避けるようなコースで相手へ駆け寄る)
文月・流火 2022年10月7日
分からんが! 当たらねーなら大丈夫だろ!!
(いっきに相手の懐へ飛び込んで行く)
(ズンと大地を踏みしめ地面を揺らす。震脚。自身と言う砲台をここに固定、相手の腹へ向けその砲撃たる掌底打ちを叩き込まんとする。肩から腕、手の爪の先まで精密に計算された機械のように力を伝導し肉体の内へ衝撃を浸透、内へ衝撃を響かせるような一撃を繰り出そうとする)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
それを言ってしまえばネタバレでしょう。
(この腕は――武器リソースである。そこをバラせば想定がつく。想定がつけば作戦も見える)
(つまるところ、総リソースの7割はこの目の前の男に注ぎ込めるという事)
(逆に言えば、それほどまでに注ぎこめばこの後をどうにかできるという算段があるという事)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(分からんが?自分で言うのか?ブラフ?)
(――ともあれ、だ。仕込みは上々。後は……躓かせるところまで。)
(接近、いや、これは震脚!)
(トラックがぶつかった、と表現するのは温いだろう。それよりももっと……銃器に叩かれたとでも言うべきか)
(ぐらり、と思い体が浮き、口から血液の形をしたリソースが噴き出した)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
(相手に打ち付けた衝撃が広がり、波紋のように体の隅々から掌へと帰る。さながらエコーのように、それで相手の次の動きを読み追撃を仕掛けるのだが)
(「次の動きが……分からん。体の一部が金属だからか? 筋肉の収縮が生身と違う――読めない。或いは……もう既に何か仕掛けた後なのか」)
(迷いを抱きながらも身体は止まらない。浮いた身体を追いかけるように踏み込み、肩から背中辺りを当てるような、靠撃と呼ばれる体当たり仕掛ける)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(中国武術。八極と呼ばれるもの。一撃の重さを重視した系譜)
(脳内に浮かぶいくつかの分析事項。続けざまの連撃)
(浮いた体がなおも――いや、沈む)
(きっと彼の体は不自然なスパークのようなものを感じ取っているはずだ)
(それは実に非人間的で、同時に機械的な構造故のものだと言える)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(それは彼のチームメイトの行動に見えたかもしれない。近くにいたあの男は重力操作を武器としている。打ち上げたはずの体がなおも重くなるなど、そうそうある事ではない)
(だが事実は違う。衝撃を電流に変換し、電圧が鋼の骨に負荷をかける。磁化させる)
(その体を、重い重い磁石とする)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(上から振り下ろせば引かれてなお重くなり、下から蹴り上げれば弾かれてなお鋭くなり)
(そして香る、肉の焦げるであろうそれ)
電撃戦とは、機動力を活かし高速で縦深的に攻撃を行うものである――!
(大技へのカウンター。先程より加速した拳が、超近接戦で振るわれる)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
(身体を突き当てた直後、さらに連撃を繰り出せる姿勢ではあるが)
重い――!
(その理由は理解できないが、変化があれば何か仕掛けが動いたと言う事。追撃を強制終了し回避へと切り替えるべく地を踏むが)
文月・流火 2022年10月7日
(かぁ……間に合わねえな)
(なら、まだ悪足掻きに攻撃していた方がマシだったかもしれない)
(超近接で振るわれた合金の腕は少年の胸を激しく叩き。そのまま下駄箱を幾つも薙ぎ倒しながら吹き飛ぶ)
(肋骨は折れ肺も破裂していただろうが。タイミングを合わせた呼吸で衝撃を息として吐き出し。そのままリソースを全損する事だけは切り抜ける)
文月・流火 2022年10月7日
(下駄箱の残骸の中に倒れる、息を整えてもすぐ立ち上がれない)
(相手を視る、視界の中で奇妙な動きをする破片見た、序盤で自分が砕いた鉄筋コンクリート、その金属片が相手に吸い寄せられるように見えた)
へぇ……電磁石……か?
(身体のリカバリーが追いつかない。倒れたまま、声だけ掛ける)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
……正解、と言っておきましょう。
(極端な話、骨を構成するカルシウムも金属だ。鉄分だってそうだろう。もっともこの体に流れていたり構成しているそれは普通のものではないが)
(そして当然、そんなことをすれば肉体のダメージもバカにはならない)
(左手を掲げ、そして伸ばし)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(遠隔からの、肉弾戦)
(徹底的に磨り潰すための、攻勢)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
……そりゃどーも……化学は……
(だいたい5ヶ月くらい前に始めたが、そんなに嫌いじゃない)
(一部の金属は電気を通すと電力に比例して磁力を帯びる)
……そんな悪かねえんだ。(成績は)
文月・流火 2022年10月7日
(余力を纏め、自分へ伸びる腕を掴む。掴んだ箇所から熱が伝導し、それは肩へ目掛け燃え広がって行く)
俺のもう一個の能力は熱なんだなぁ!
(金属は熱を通すと、一方向に整列していた磁気の力が熱振動でバラバラに拡散する、磁力が働かなくなる)
(例え合金の耐熱温度が高くても、金属である以上熱の伝導率は悪く無い筈、熱を通し磁力を封じる策に出る。もちろん高熱は人体や機械部分を破壊するだろう、そのまま熱が身体にまで通じれば――)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
勉強は大事です。よいことです――よ?
(掴まれる。熱源感知――成る程最初のはこれを使っていたのか!!!)
(熱伝導率はかなり高い……いくら長い腕とはいえ、すぐさま伝って――!)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(肉の焦げる音。血の沸騰する音。組織の液体が溢れ出てくる音)
(左肩周辺が、赤熱した腕で焼けていく。迷わず、左腕を切断した)
……見えていたのを踏むとは、焦り過ぎましたかね。
(ここから取れる択は2つ。2つに1つ。)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(片方は、自己バフだ。切り離した腕を■■■■の原料にして)
(片方は、使い捨て。腕にため込んだ武装リソースごと全部吐き出す)
(逡巡、しかし即断)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
コード「致死」起動。
(火を起こすには、延焼反応を起こす相応のエネルギーを)
(水を出すには、一酸化二水素結合を起こす相応のエネルギーを)
(熱を放つには、相応のエネルギーに、放った分の体温を)
(物理的な、頭の固い、等号理論)
(ゲーム的に言えば、カウンター型のデバフ)
【
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=27240 】
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(それと、ついでに言うならば)
(切り離された腕は補助を失い、そのままの重さで自由落下するのみだ)
(おおよそ、100kg)
(無効票)
文月・流火 2022年10月7日
(ズドン、その長い腕一本が落ちただけで部屋が微かに揺れた。長い棒のように固まった腕はそこに固定化された柱のように微動だにしない)
こんなもん二本も……どうやって運んでやがんだ……
重い男だなぁ!
(このトライデントのルールではリソースは回復しない。だが、彼が会話の応じてくれた事で時間というリソースを得た。時間は呼吸を、気の流れを整え、もう一度立ち上がる力を与えてくれる。こうやって軽口を叩ける程度には)
文月・流火 2022年10月7日
(しかし直ぐにそれも叩けなくなった猛烈な寒気が全身を襲う。高温を生み出すのと物を冷却するのでは消費するエネルギーはイコールではない。だからすぐ全身が凍り付く等と言う事は無いがこのまま力を使い続ければ凍死は確実に訪れる)
これがそうか、卍奪戦で見せたあの、神秘対策
(これそのものが一つの神秘では無いか? そう思う所もあるが、しかしそれこそパラドクス、体現された逆説に違い無いのだろう)
(身体も万全ではない。神秘も封じられた――)
(どうする……)
文月・流火 2022年10月7日
(だが、それでも)
(完全に封殺されているわけではない。バンっと破裂音が一つ。少年の背中で小さな爆発が生じそれで身体を浮き上げる)
(再び高熱を空間に設置、空気が膨張する爆発で身体を突き動かし、グッと拳を握りしめる)
お前だって腕一本捨てたんだ!! 俺だってやってやる!!!
(自分の左腕を右手で掴み固定する。その左腕の肩から肘へ熱が集まる)
(爆発が起き腕が発射される。ちぎれ切り離された腕は小爆発を繰り返して加速を続け相手へ迫る)
文月・流火 2022年10月7日
(あれは呪いのように相手を害した瞬間に跳ね返ってくるようであった)
(それなら一発、大きくキメてやれば跳ね返ってはこないのではないか? そんな予想。こんな攻撃はもはや自爆と変わらないが、なによりリソースを使い切らずに死ぬよりはずっといい)
(そのロケット砲のように迫る腕は白熱していた、太陽の様に真白く輝いていた、膨張し、形を喪い、純粋なエネルギーとなって破裂する)
(その腕一本の破裂が部屋の天上まで瓦礫にして崩すような大爆発を起こす)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
……よく、自分でも思います。
(苦笑いのようなものを返して、最後の足掻きとも取れそうなそれを顔面で受け止め)
(真正面から、その爆発をその身で受ける)
(これは礼儀というわけでもなければ、作戦でもない。勝利に向かうための行動でも、癖でもない)
(ただ、躱すという行為ができないがために、受け止める)
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(切り離した左腕に仕込んでいた爆薬の連鎖爆発。エアスポットのように、彼の周囲だけが――より酷かったから何もなくなったのか、都合よく何も起きなかったのか――空白となっていた)
……次は、捨て身が許されない状況でやりましょうか。
怒られますからね。
グスタフ・カツラギ 2022年10月7日
(右腕を首に当て、ごきりと鳴らしすぐさま走る。狙いは体育館の陣取りだ)
(終わった後を見ることはしない。こちらのリソースでここに割けるものはもうないのだ)
(全身にやけど、胴体と顔面に打撲、無数の内出血と――左腕の喪失)
(残ったものだけで、勝ちにいかなくては――)
(演出終了)
文月・流火 2022年10月7日
(彼が走り去って行った後。高熱と激しい爆風に揺れたA棟は昇降口を中心にして崩れ去った)
(少年はもうここには居ない、ただ土煙の立ち昇る崩れた瓦礫だけが静かに次の戦場に向かう貴方を見送るのでした)
(演出終了)