第2試合:雪月風花
緋野・氷織 2022年10月5日
ステージ:ステージ:港
戦 場:南側・波止場
トライデント・第2試合。
試合開始直後の状況下、ノーマルギガースの密集する南側の波止場で相対するのは二名。
しかし、当然、重要な得点源となるこの場所を無策で明け渡すチームがあるはずもなく――
それぞれの思惑入り混じる乱戦が今、幕を開ける。
#志波・巽
#竜城・陸
#波瑠乃・あわゆき
#ロキシア・グロスビーク
3
波瑠乃・あわゆき 2022年10月7日
青の番長である対戦相手の彼には、未だ、見せていなかったもう一つの奇蹟の能力。
──リソースの他者譲渡。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月7日
リソースは個々に付与され、それは有限であるというトライデントのシステムの裏を突く手立て。
少女の能力を知らないならば、或いは虚を突くこともできるかもしれません。
光が少女の全身を包み込み始めます。
自己を最小限のリソースのみ残した体に組み替え、今渡せる全てのリソースをロキシアへと。
深深と降る雪のような淡い光がロキシアへと注がれれば、負った傷は塞がり、技に費やせるリソースは、彼の考える最大の手を撃つに何とか足りるぐらいの補充が叶うでしょう。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月7日
『さぁ、行って──』
波瑠乃・あわゆき 2022年10月7日
小鳥が空に舞うための、そよ風ほどの手伝いを。
自分を構成するリソースを最大限削り、恐らく、四つ五つの子ども程の体躯となった少女にできる残る助力は祈りだけとなりました。
(無効票)
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
……あったはずの、詠唱を止める手立ても。
屠龍の一撃を放ったことでリソースのさらなる消耗が生んだ躊躇が。
瓦解の時を早めてしまったのかもしれない。
伸ばした手が届くには、あまりに遠く。
「巽さんっ!」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
必中の青槍と紫の閃光。二つの力の衝突のあとに。
守るべき人を守り抜き、最後まで足掻き切った、先輩の消滅は。
……少年を決意させるには、十分すぎるほどでした。
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
ルビーの輝きを見せるその瞳は、
湧き上がる激情に、今にも滴り落ちそうな潤いに満ち。
白き少女の献身と祈りを受け、
決定的な力を振るうリソースと。
何よりも大切な、勇気が今、補充された。
「……いってきます。巽さん、あわゆきさん」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
彼の前方、生じた0と1のモザイクが3つのカードを生み出し、
突き出す右手に応じるように、眩い光となって。
渦を巻いて、この場限りの勇者の剣を生み出す。
ロキシア・グロスビークの固有能力――
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
【パラドクスを使える】。
それは単なる基本パラドクスを広く使えるというものではなく。
既に戦場に刻まれたものならば自在に能力を変動させ再現する、
或いは。混ぜ合わせ、強大な一撃を生むことすら可能である!
パラドクス・ユナイト
「Paradox Uniteッ!」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月7日
―――――
―――
―
(5月下旬の、ことだったかな)
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
“あのひと”と、カフェテリアのテーブルで交わした言葉。
(持ち技の名前は「天晴」
「天、晴れる」って書いて「アウロラ」って読むんだけどなー)
一等星の如く精気に瞬く茶色の瞳。
輝く金髪、クラスを象徴するかのような赤眼鏡。
その人は新技に悩んでいたみたいだったから。
僕は思い付きでこう言ったんだ。
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
「天晴。に、英語の極光」
「じゃあ。■■■と書いて■■■■■、みたいなそういう方向性ですか」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
(お、そーそーそんな感じ)
(もっと言うとアレだな、ちょっとめでたい感じの名前が……)
―
―――
―――――
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
黒。
ロキシアが扱うには、些か大き過ぎる虚無を宿す黒い極光の剣が、
いつの間にか消えていた朱槍の代わりに握られている。
乾坤一擲、消滅しないだけのありったけを注いだリソースで作られたその剣は。
きっとあのひとには及ばないだろうけれど。それでも。
今の僕を示すのには、これ以上無いと、思ったから。
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
・ ライバル
「行くよ、最大の強敵」
"因果ごと全てを喰い断つ概念斬"。これを用い。
波止場をプチギガースや貨物船ごと、青の頂点を斬るべく。
最後に放つのは――!!
「叫 べ」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
エクリプス
「天中殺ッ!!!!!」
同格かそれ以上の概念攻撃や、
近い属性の技で無くば、容赦なく喰らうロキシア最大最強の一撃!
(無効票)
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=31174
(無効票)
竜城・陸 2022年10月8日
無造作に投げつけられた自身の腕を、纏った暁光が灼いた。
その一瞬に行われた“譲渡”の委細なメカニズムを、考察する必要はない。
必要なのは、それによって得られた“結果”のみ。
明らかに体躯の縮んだ少女の姿を視れば、
・・・・・・・・
無い袖は振れないタイプの復元能力だ、とわかる。
つまり、一撃で奪い尽くすつもりでの攻撃は、彼女の“復元・譲渡”を封じうる。
それがわかれば――
竜城・陸 2022年10月8日
「――十分だ」
竜城・陸 2022年10月8日
刃のない柄を片腕で引き抜き、直刃を形成して構える。
目の前で形成される“剣”を見遣り、
「――――、」
竜城・陸 2022年10月8日
――構えたその刃に、青い光を纏わせる。
竜城・陸 2022年10月8日
・・
それが誰を意識しているものかということくらい理解できる。
細かな概念構築は違うだろうが、それが齎す結果は似たようなものだろう。
だからか。
竜城・陸 2022年10月8日
あるいは。
竜城・陸 2022年10月8日
. ライバル
「――強敵 ?」
声音が冷えたのは自分でもわかった。
彼を、弱いと思っているわけではない。
彼を、侮っているわけでもない。
だけれど。
竜城・陸 2022年10月8日
「――俺をそう呼んでいいのは」
彼の、その刃が。
「この世界に、唯一人だけだ」
“そこ”には到底足りないとも、冷静に、冷徹に、判断している。
竜城・陸 2022年10月8日
――この一連の戦いにおいて、当然ながらこの竜は、一切、手は抜いていない。
けれど、同時に、それは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どこまでも、リソースを温存することを見越した戦い方でもあった。
侮っているからでもない。
それで十分、と思っていたわけでもない。
ただ、それが、“戦闘”ではなく、“競技”であるから。
あくまで、“競技”としての戦い方を。
チームを勝たせるためにリソースを配分することを、心掛けた。
竜城・陸 2022年10月8日
――――けれど。
いま。
それを頭に置いておくことを、やめる。
戦闘であるとはいえ、競技だ。
逆に言えば。
競技であるとはいえ、戦闘だ。
なれば――
竜城・陸 2022年10月8日
――青い極光が収束、凝縮して、握った刃の一点に宿る。
・・
そう挑まれたのなら。
――神なる“世界”と竜なる“幻想”のその権能は十全に宿らずとも。
・・
こう返す。
――竜城陸が“人”として織り上げたこの青き極光は、彼の赤き明星に比肩する輝きは。
竜城・陸 2022年10月8日
――――“竜城陸”というヒトの持つモノであるがゆえに。
この仮想空間においても、十全にその力を発揮する。
竜城・陸 2022年10月8日
「断ち斬れ、」
黒き極光の余波で、彼の周囲の的が千切れ飛ぶように消えていく。
いいだろう。
それくらいは許してやろう。
それだけの力を示したことは認めよう。
――けれど。
竜城・陸 2022年10月8日
この光の、後ろには。
この身体には。
僅かたりとも、届かせてはやらない。
竜城・陸 2022年10月8日
その星の遥か高きを。
その光の遥か深きを。
. ノーザン・
「――――“天涯の――」
それが、“絶対”であることを。
竜城・陸 2022年10月8日
. ライト
「――極光”!」
――示すことこそが。
この肩書
“蒼海番長”を名乗る自身の自負であり、矜持であるがゆえに――!
竜城・陸 2022年10月8日
――――放たれた深青の煌閃は、黒き極光を呑み込んでなお青く。
少年と、そしてリソースを半ば使い尽した少女の立つその場所を、両断するように薙ぎ払って――
(無効票)
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
……憧れでは、どうにもならない。
我武者羅では、まだ足りない。
恐れるだけでは、踏み出せない。
「何も無い」から生まれる虚無を傍に置いてでも。
貧しき自分が、この舞台に立つまでに至った成果としては。
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
いいや。反省会だ。
「……まったく。満足したつもりだったか」
日食を大きく凌ぎ、青が空を満たし。
自らを断たんとする煌く輝きを前に。
「まだまだ。僕は馬鹿者に未熟者ですね、お師匠さま」
ロキシア・グロスビーク 2022年10月8日
イカロスを夢見た小鳥が、燒かれて落ちる。
(🔴離脱)
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
この仮想空間において……少女の“他者に自分のリソースを譲渡する”という能力により、誰かの1を2に近い形にする事は、可能です。
が、
一方で──、現実世界では可能である“他の事物から減少した自分のリソースを補完する”という能力……自分の0.5を1に戻す能力については、さすがにトライデントという仕組み自体を破綻させかねないため、再現されていません。
つまるところ、これ以上の手は少女には打てず、せめて、せめてもう一度……と、願って伸ばす手をリソースに変換するならば、最早崩壊しか待ってはいないのです。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
迫る輝きに吞み込まれるより早く、その指先は崩壊の予兆を見せていました。
泡と消える童話の娘のように、その指先は光の粒子となり解け始めています。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
巽が守ってくれて、
ロキシアが全力で撃ってくれて、
そうして、わたくしも、頑張れるだけはやった。と、思う。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
はい。後悔はしていません。
番長の強さを身をもって知ることもできました。
少女がここで得たものは恐らく、とても大きかったでしょう。
迫る輝きは無慈悲に、そして一切の区別無く、周囲の物を芥へと換えてゆきます。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
大丈夫。大丈夫。
ここでわたくしたちが、リソースの全てを尽くしてしまったとしても、そう、
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
_ “ 競 技 ”
これは、トライデント。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
「お願い。ね? 橙」
残る一人が、きっと、掴んでくれるはずです。
少女は、間違いなくそれを信じていますから。
波瑠乃・あわゆき 2022年10月8日
強い光が差せば、雪は融けてしまうもの。
その希望の言葉の端すら残さず、少女もまた、この空間から消失したのでした。
(🔴離脱)
竜城・陸 2022年10月8日
ふ、と息を吐いて、刃を霧散させる。
見る影もなくなった戦場を一瞥してから、自身の左腕を見遣った。
リソースの漏出はさすがにもう停止している。
今の一撃でかなり大きくリソースを使ったものの、戦闘に支障のない程度は残されているようだった。
竜城・陸 2022年10月8日
「……大人げなかったな。時間とリソースを使いすぎた」
そこまで計算したうえで敢えてああしたのだったら大したものだけれど――。
なんて呟きながら、踵を返す。
三分は既に過ぎているはずだ。
その上で試合がまだ決していないのならば、向かうべきは背を向けていた先。
北西の貨物船――――
竜城・陸 2022年10月8日
――――それを視界に捉えたまま、
残った片腕に、暁のそれに似た光を生み出し、収束させて、
竜城・陸 2022年10月8日
――――――そこで、試合終了のアナウンスが流れた。
手の中の光を霧散させて、息を吐く。
失った腕を庇うようにさすりながら、静かに目を閉じて――
竜城・陸 2022年10月8日
――――その青もまた、空の青に溶けるように消えていった。
(🔴離脱)