【イベント】ワンナイトカーニバル・猿楽
山本・宇割斎 2022年9月25日
剣豪は扉の前に立っていた。
ここにいれば自ら出向かずとも強者が来ると知っていた。
掃除屋は扉の前に辿り着いた。
無二の友との約束を果たすため強者と相対する覚悟をした。
カーニバルの終幕が、一つ始まる。
【シチュエーション】
時空間が歪み、物理法則の乱れたホテルの大広間。
猿田・松ノ進がいる部屋に繋がる唯一の扉がここにある。
【演者】
#山本・宇割斎
#奉利・聖
1
奉利・聖 2022年9月26日
同じこと、言ってる───。
端末は、光を失っていた。
顔をあげた。内なる火が燃え上がっている。
あぁ、勝ちたいな。勝ちたい。
もっと、強く願うよ。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
────勝ちたい。
ちっぽけな『欲望』だ。
沢山諦めてきた。
これまでの人生は、諦めと妥協の連続。
己の死も、周囲の死もしょうがないと諦め続けた。
どれだけ必死に頑張ったって、叶わないものはある。
もういい。頑張った。割り切ろう。
違うっっっ!!!!
今は違うだろう!!
変わったんだろう!この新宿島で!
強くなりたいだろう!どんな敵にだって負けないように!
誰だって護れるように!もう奪われない!奪わせない!
最後の一線を越えて、踏み出せっ!
生ける者の果てへと!
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
「…まだ、終わりじゃ…ない!!」
生命の炎は、完成した。
ついに目覚める。
魂に刻まれし起源。
『反逆者』───運命を、捻じ伏せろ。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
『死』は祝福であり、呪いである。
『死』は四つの権能を与え、代わりに四つの代償を課す。
代償とは即ち
『欲望の死』
『怒りの死』
『記憶の死』
『才能の死』である。
今、『反逆者』の力で以てそれに抗い。
代償に縛られることはなくなった。
そして──『死』と『生』は同じコインの表と裏。
『死』の力を引き出せるということは、逆もまた然り。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
つまりは、あらゆる制約から解放され。
『生』の力を得たということだ。
そこに、さらなる一滴を加える。
https://tw6.jp/garage/gravity/show?gravity_id=169741
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
──見るがいい。
倒れ伏した奉利・聖は煙のように消え去り。
空間から生じるようにして何かが現れるのを。
髪は色が抜けたような白になり、タトゥーもピアスも無くなった。
エネルギーの集合体のように揺らめく衣と、人ならざる者の如き眼。
携えるは白き槍。龍の力を宿すそれは、元が漆黒の龍骨だったとは思えぬほどだ。
──超越者。神の領域に居たりし者。
そう感じさせる超然たる圧力があった。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
錬気の最終到達点、仙気。
あらゆる制約が消え去った今なら、至ることができる。
これは、『死』の制約──『四死縲壘』から転じて。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤネメシス形態
『生』の果て───『希 死 丐 生』
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
「山本・宇割斎」
「戦ろうか。まだ終わってないのだし」
槍の切っ先を向ける。
山本・宇割斎 2022年9月26日
最初に斬ったのは、六歳の時。
手合わせの相手だった、山本神刀無敵流剣術の門下生。
・・・
十歳のその門下生を、宇割斎は竹刀で斬った。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
幸い、門下生は一命を取り留め、宇割斎も斬ってはならぬ者を斬ったと反省した――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
故に、斬っても良いならず者を斬ることにした。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
天下泰平、お江戸の頃と言えど、治安の悪い場所などいくらでも存在した。
泣く子も黙る、大の大人も震え上がるような悪党の巣窟にこそ宇割斎は飛び込み。
あるときは木材の端切れで、あるときは木の枝で、その尽くを斬って捨てた。
齢十の頃である。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
斬って良い者がいなくなった
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
斬ってはいけないものを斬ることにした
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
山本神刀無敵流剣術の看板を餌に、我こそはというものを募りに募り。
あらゆる流派、あらゆる武術、あらゆる地方の猛者達を
全て一太刀にて斬り伏せた。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
十五になる頃には、山本神刀無敵流剣術に挑む者もいなくなった。
山本神刀無敵流剣術の当主の座を継ぐ者として、皆が認め、恐れるようになっていた――。
たった一人の、兄を除いては。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
当主たるは山本神刀無敵流剣術十代当主の長兄たる我こそがふさわしいと、兄は声高々に主張した。
兄は天賦の才があり、また血の滲むような努力を惜しまぬ者でもあった。
そんな兄に、宇割斎は言った
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
「当主の座が欲しいと言うなら譲ろう」
「しかし、良いのか?」
「拙者より弱いものが継いで」
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
兄は激昂した。
激昂した兄は宇割斎に決闘を申し込んだ。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
兄を斬り捨てた。
門下生のように。ならず者のように。挑んできた猛者のように。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
特段、感情は浮かばなかった。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
斬って斬って、斬って斬って斬り続けたのは。
全て、己と比する、己を超える猛者と死合いたい、その一点のみに尽きた。
その為だけに宇割斎は生き、それを満たせぬが故に文化や芸術で暇を潰した。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
故に。今。この死合の場にて。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!
(三面六臂の剣鬼は歓喜に打ち震えていた)
そうか!! 貴様が!! 貴様が拙者の渇望を満たしてくれるというのか!!
(齢三十六、死合うこと一万を超え、斬り捨てた人数はもはや数えることも出来ぬ闘いに満ちた人生の中で)
(間違いなく最強と言える敵と相まみえた幸運に!!)
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
「もちろんだとも、奉利・聖!」
剣を構える。左の三手には名刀・紀国一文字、右の三手には霊剣・幽冥照剣。
かつてないほどの歓喜に満たされた剣鬼の刃に、切り裂けぬモノはなし!!
奉利・聖 2022年9月26日
今この場において、ようやくこの男の目線と並んだ。
技比べをしてみたいが───慣れない形態だ、
時間はあまりない。
「決するとしよう、私とお前…この死合いの結末を」
セヴラト──行こうか。
ボウッ!!と白き槍に炎が灯る。第七位階魔法、詠唱破棄。
膨大なる熱量と、人ならざる者──三面六臂を破るに相応しき力を宿し。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
『衝』『爆』『穿』『朽』
神なる者の錬気はこれまでの比ではない。
あらゆる敵を打ち砕かん。
そして──『反逆者』の起源。
意志の力で以てあらゆる運命も、因果も捻じ伏せん。
概念を斬るその力、『無礼講』──それすら突き抜けてやる。
「行くぞ」
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
「山本ォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!!」
叫ぶほどに渇望する勝利への欲。
それを体現するかのように、今持てる全てを叩き込まんと駆ける。
余波で周囲の空間が歪み吹き荒れていた───
七千年以上に渡る努力と哀しみ。
そして今此処に至った、生命の熱の全てを賭けて!!
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
龍を携えし神仙が、最上の戦士へと切っ先を向けた!!
山本・宇割斎 2022年9月26日
山本・宇割斎が斬れない概念は実は多い。
ネットワークなど、宇割斎が知って間もない概念。
あるいは、宇割斎が斬れないと思ってしまった概念だ。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
斬れないと思った概念――斬るにはあまりにも大きすぎる概念。
この人の身では斬れぬと、はっきりとではないが、心の何処かで諦めていたが故に斬れないでいたもの。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
. モノ
しかし今の宇割斎に、斬れぬ概念はない
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
深く、深く集中する。無我夢中、無我に没頭する、夢見心地の境地。
五感からあらゆるものが抜け落ちていく。
今、世界で認識すべきは斬るモノのみであるがゆえに。
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
深く――
深く――――
深く―――――――――
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
――――――――――――――――――――――――
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
.
一閃
.
山本・宇割斎 2022年9月26日
放たれた斬撃が斬るのは――『宇宙』
三千世界のあらゆる理と共に、神域に踏み込んだ者を斬る。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
───凄まじい男だと、つくづく思う。
宇宙を切り裂ける剣豪など、この男以外に居ようか。
見事だ。
全ての理を、切り裂いて無にすると言うのならば。
私が。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
、、、、、、、、、
全ての理を紡ぎ直し、正すまで。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
神なる者の錬気、その真髄は。
『生命』を司る陽の気
『創造』を司る陰の気
この二つの特性、その極致にある。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
斬られ、壊れゆく宇宙をそっくりそのまま作り直し。
解れ、消えゆく理をそっくりそのまま作り直し。
元と同じ森羅万象を敷くのだ。
そして如何に、我が身が斬られようとも。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
『生命』の『創造』によって。
私は、再誕する─────
奉利・聖 2022年9月26日
「本当に、斬ってしまった」
「見事なり……無双の剣豪よ」
「だが、正しき理とは不滅なんだ」
幾度もそうして、人々は紡ぎ直してきたのだから。
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
「理も生命も、幾度だって生まれ直す」
「それでもなお、私は私で」
「世界は世界だ」
再び紡がれた理で以て、今度こそ──終止符を。
山本・宇割斎 2022年9月26日
「――――ははははははははははは!!!」
「なるほど、道理であるな!!」
(無効票)
山本・宇割斎 2022年9月26日
「ならば」
「今はその道理に従うが『正義』であろう」
(、)
山本・宇割斎 2022年9月26日
「――『無礼講』は、ここまでだ」
どこまでも清々しい、満ち足りた笑みと共に。
侍は終幕を受け入れた。
奉利・聖 2022年9月26日
「……欲を叶えるというのは、気持ちいいな」
(全てを出し切った)(満足だ)
(無効票)
奉利・聖 2022年9月26日
そして、反動がやってきて。
新宿島の海岸へと、流れ着くのだろう。
(、)
奉利・聖 2022年9月26日
───以後、暫くの間。
奉利・聖は意識不明となるだろうが。
それからの話はまた、別で語るとしよう。