【個別】海の幽霊
十埼・竜 2022年9月17日
ふわりと翻る、それは――――
――――のちに当事者は語る。
絶対何かいたんだって。こう、ご都合主義を超えた何かが。
#鷹野・結芽
#十埼・竜
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鷹野・結芽 2022年9月17日
み、見たまま……///
(少し落ち着いて来たのに、また。はわ、と頬が熱くなってしまいます。嬉しいのに、どこか恥ずかしい。実に困ってしまいます。)
(とぼけているのか、それとも本当に当たり前だと思っているのか。どちらにしても爽やかに微笑んでいるあなたを見て、優しい、良い人だなぁと、思うのでした。)
鷹野・結芽 2022年9月17日
なんでも、無いの……?
……良かった。何か、しちゃったかなって、思ったから。
(えへへ、とはにかめば、十埼くんの言葉で海へと視線を移して)
ほんとだ……。
(そこに広がっていたのは、新宿のそれとはまた違う、とても静かで、穏やかな海と浜でした。)
すっごく、綺麗……。
鷹野・結芽 2022年9月17日
えっ?う、うーん……どうなんだろう……?
およ、げる……と、思う……?多分……。
(泳ぎ方は知っていますが、泳いだことがあるか、また泳げるかについては知りませんでした。なにせ記憶がありません。それに物覚えてからも、泳いだことはありませんでしたし。なので曖昧な返事になってしまいました。)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
何もしてません何もしてません(むしろ邪なのはぼくですごめんなさい)
十埼・竜 2022年9月17日
(咳払い)
そっか。ね、こーんな綺麗な海をぼくたちで独占ってすごいよね。
泳いだらすごーく気持ちよさそう……(波の間を、ちゃぷちゃぷ歩く。時々大き目の波にふわりと足をとられながら――――)
十埼・竜 2022年9月17日
(――――原因がわからないので結果だけを記す。)
(突風に近い、強い風と波が真正面から一瞬ぼくを襲い)
(視界の隅に白と青が翻って、急にすうすう風通しがよくなった)
へ?
十埼・竜 2022年9月17日
…………へ!!??
(脱げた!? パーカーが!? 何故!?)
うわ、ちょ、
(完全に露わになった自分の体を見下ろし)(きみを見て)(もっぺん自分の体を見て、)
えええ!!!???
(なぜかやったことは、自分の両肩を抱きかかえるように体を隠すことだった)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
そっか。
(えへ、とあなたに微笑んで)
ふふ。とっても、贅沢だねっ。
(そして楽しそうに笑うと、また視線を海へと戻します)
鷹野・結芽 2022年9月17日
泳いだら……。
(恐る恐る、ゆっくりと海へ脚を着けました)
ひゃっ。
(もちろん、その水が冷たくないわけがありません。びっくりするように引っ込めると、またゆっくりと着けて)
おぉ……。
(脚にあたる柔らかい波と、海底の砂が沈む感触。それがとても楽しく、そして気持ちよくて。確かめるように、何度もその場で足踏みをしていると——)
鷹野・結芽 2022年9月17日
あれ……?
(なにか騒がしくなったあなたの方を見れば、いつの間にかパーカーが消えていて。何故か身体を抱き抱えるようにしているあなたを不思議そうに見つめました。)
パーカーは……?
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
(恐る恐る、でも楽しそうな声は聴こえていたし)
(その注意がうっかりこっちに向いたのも!)
ひょわッ(自分の体を抱いたままぐるん!!ときみに背を向けた。痩せた白い背中は、まだちょっと背骨が目立つ。)
いやあの、なんでかわかんないんだけど、脱げた…………(恥ずかしそうな、かそぼい声で返事をする)
十埼・竜 2022年9月17日
(――――パーカーは波に揉まれながら、少しずつすこしずつ沖に向けて流されつつあった。ものが白くてでかいため、目視するのは簡単なのである)
(問題は。)
……あの辺って確かもう足つかないよなあ……(ヘッドホンありじゃあ泳げないのだ。取りにいけない。)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
ええっ!?
(普段、出さないような大きい声に、自分でもびっくりしちゃって。でもなにせ、それほどの驚きでしたから。)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(あのパーカーが、十埼くんにとって大切なものかは分かりません。でも、あのパーカーはとてもあなたに似合っていて、それに、そんなに恥ずかしそうにしている姿を見てしまえば。)
……取りに、行ってくるね。
鷹野・結芽 2022年9月17日
(泳げるかは分かりません。たとえ泳げたとしても、パーカーの元へ辿りつけるかも。
……でも、そういうことを考える前に、身体が動いてしまっていましたから。仕方ありません。)
(決意するように頷くと、腰に纏っていたパレオを外し、ひらりと投げるようにその場へ置けば、勢いよく飛び込んで)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
(普段滅多に聴かない大声に、思わずこっちも振り向いた。)
(見えたのは、波の向こうに揺れるぼくの上着を目で追っている、きみの横顔。)
(聴こえたのは、どこか決意めいた声。)
取り、って、いや、そんな無理には……(今の波は穏やか、さっきみたいな突風や急な波がなければ泳ぎ切るのはそう難しくはなさそうだ。……泳げるのなら。)
(でも、さっきのなんだか自信なさそうな声を、ぼくは聴きとっている。)
十埼・竜 2022年9月17日
(きみを今、ちゃんと制止して、)
(例えばこのノイズイーターをきみに預けて、完全に海の中に潜って、上着を回収して、海から頭を出さずにきみのところまで戻ってくる。)
(あるいは、あれはもういいんだって諦める。)
(どの手段が一番マシなのかを検討しなきゃいけない時点で出遅れていて、ぼくはきみの残したパレオまで流されないように手を伸ばして引っ掴んで、飛び込む背中をただ見送っていた。)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(——その先はもう、無我夢中でした。考えるより先に腕で掻いて、思うより先に脚を動かす。その様は運動の得意な人達に比べれば不格好かもしれないけれど、それでも自分が思うより、そしてあなたが思うより、人並みかそれ以上に泳げていて)
鷹野・結芽 2022年9月17日
ぷはっ……!
はぁ、はぁ……。
(そして浮かび上がったその手には、あなたのパーカーが握られていました。)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(自分のその手に握られたものを見て——)
やった……!やったよ!十埼くんっ!
(もしここが陸地であれば飛び跳ねて居たかもしれない。それくらいの喜びようで、向こうにいるあなたへ手を振り、にっこりと笑顔を浮かべました。)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
……!
(静かなプールならいざ知らず、常に波立つ海で泳ぎを維持するのは結構きつい。……海のそばで暮らしていたぼくは、それを知っている)
(それは、決して、泳げないひとの動きではなかった。)
十埼・竜 2022年9月17日
すごい、すごいじゃんゆめさん!!すごいや!(ラジオパーソナリティだって、たまには言葉を失う事ってあるだろ!?)
(ざばざば、きみの方に向かって、飛び跳ねるように歩いてゆきながら、手を掲げてぶんぶん振り返す)
ありがとう!!
(こっちに向かって戻ってくるなら、その手を握るために。)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(そしてまたとぷん、と潜って、あなたの元に向かいます。)
(ぱぁ。と顔を上げ、波をかき分けて、あなたの元に。)
やった……!やったよ、取れたよ……!
泳げた……!わたし、泳げたよ十埼くん……っ!
(どこか涙声のように聞こえるのは間違いではなく。濡れた顔ではわかりづらいですが、よく見るとその目は潤み、涙が溜まっていました。喜びと、驚きと、嬉しさと。色んな感情が混ざった潮水が、頬を伝います)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(そして、彼の元へと向かうわたしは気づいていませんでした。今、パレオをしていないことに。トップスと合わせた色とデザインをしたビキニが、丸見えなことに。)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
(ぼくは、耳がいい)
(その声に渦巻く感情は聴きとれても――――どうして、まではわからない)
(何故そんなに嬉しそうで、泣き出しそうなのかは、想像するしかないから)
十埼・竜 2022年9月17日
(片手を差し伸べて。パーカーを握らせてもいいし、心細いなら、捕まえてくれればいい。)
ちゃんと見てましたよ、ゆめさんが泳ぐとこ。(落ち着かせるような、柔らかな声音で)……昔から泳げた、って感じでした。体が覚えてました?
十埼・竜 2022年9月17日
(――――透明度の高い水面の下に、差し込む夏の日差しを白く跳ね返す健康的な腿と、薄桃色のビキニがちらちら見える)
(そしてそこを覆っていた薄布は今ぼくが握りしめて)
…………あとこれ、その(もう片手もソ……と、先に差し伸べた手に添えた。)つかまえておきました……
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
わ……。
(あなたの腕に寄りそうように、そっと、ぎゅっと、捕まって。身体を押し付けるように、寄りかかってしまう。安心と疲労で、少し気が抜けてしまったみたいで。)
見てくれて、たんだ……えへへ。
(パーカーを握りしめていない方の腕で、涙を拭いました。)
……うん。身体が、覚えてたみたい。
鷹野・結芽 2022年9月17日
あ、ありが——。
(その手に、控えめに握られたそれを見て。一瞬、空気が凍り付いたように、時が止まりました。)
鷹野・結芽 2022年9月17日
わーーー!?わ、わぁ、わぁーーーっ!
(パニックに陥ったように甲高い、可愛らしい声で叫びながら、急いで離れるように、両脚を隠したい気持ちでその場にしゃがみこんで)
鷹野・結芽 2022年9月17日
み……見た……?
(先程とは違う理由で、うるうるとした目であなたを見つめます。)
(……その、別に見られても構わないのですが、それには心構えというものが必要で……。)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
わ、と、大丈夫?
(しっかり支える、くらいはしようと気を張った)
(すごい気を張った)
(上着がないからくたっと寄りかかられて直接触れてしまった柔らかい肌のことはあまり意識しないように――――)
十埼・竜 2022年9月17日
……わ、わぁ!?(耳を打つカワイイ(これすらもカワイイんだもんなあこのひとは!)悲鳴にこっちもびっくりして手を離し)
(まだちょっと水深あるから、きっと足を隠そうとしゃがんだら肩とか首から上だけ水面に出てるんだろう)
(うみぼうず……ゆめさん……!)
十埼・竜 2022年9月17日
…………
(あまり見ないように見ないように、わかりやすく顔を背けながら)
………………ごめんなさい、ちょっとは……見えました……
(まだ握ったままのパレオを返そうと、そっちの方へあてずっぽう、ゆっくりと手を差し出す)
いやでも、その。……恥ずかしがるよーなこと、なくない、足……?(精一杯のフォローのつもり!)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
……ぶくぶくぶく。
(不満げな目で何かを言っているのでしょうが、顔の下半分が水中に沈んでいるため、ぶくぶくとしか聞こえませんでした。)
(パレオを握るあなたの手に、人間に警戒する小動物のようにおず……おず……と近寄りながら、パレオを受け取り、そして交換するようにその手にパーカーを置きます。)
鷹野・結芽 2022年9月17日
それは……そうだけど……!
でも、やっぱり、恥ずかしいものは、恥ずかしいもん……!
(今日1番、顔を紅1色に染めながら、そっぽを向いたまま答えました。)
(そしてどこか身体を隠せる場所でなくここでいそいそとパレオを着け始めるあたり、やっぱりいきなりだったのがダメだっただけで、別にそこまでダメというわけでもなさそうです。)
……ありがとう。
(ぽつりと、呟くように言いました。)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月17日
(ちら)
(……さっき無防備に寄りかかってきたのはなんだったのか、腰が引けまくってるし警戒心丸出しだ……)
(小動物みたいでこれもなんかちょっとかわい(いやいやいやいや!!))
十埼・竜 2022年9月17日
……ま、まあ、(すっかり濡れたパーカーになんとかかんとか袖を通すと、肌にぺったり貼りつく。)ぼくも、いきなり脱げたら、きゃーってなったし……(それはもう恥ずかしいくらい……)
心の準備は、大事だよね。うん。
十埼・竜 2022年9月17日
(その小さな呟きに、くすりと笑って)ぼくの台詞。
……さ、久々に泳いで疲れたんじゃない?
あっちに飲み物とか持ってきてるから、ちょっと休む?
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月17日
……うん。
(心の準備は、大事。)
(……とはいえ、混乱で酷い態度を取ってしまった申し訳なさと、その後分かり合えたことによる心の距離の近付きで、近くに寄って良いのか、どうすればいいのか悩んだ挙句)
鷹野・結芽 2022年9月17日
(十埼くんの斜め後ろ、という位置に落ち着きました、が)
……!
(飲み物、という言葉に反応して)
(うんうんうんと頷きながら、スススとあなたに近寄りました)
(無効票)
十埼・竜 2022年9月18日
(渚へとざぶざぶ歩く自分の視界の外、少し後ろからついてくるきみの“波”)
(これが心の距離ってやつかぁ、なんて噛み締めて)
(……でもちょっと)(気まずい、というより、)(寂しいので。)
……そうだ、ゆめさん何飲みたい……
(ふっと振り返る)
十埼・竜 2022年9月18日
!
(思ったよりずっと近くにきみがいた)
(これはどういう心の距離なんだ)
十埼・竜 2022年9月18日
……。
十埼・竜 2022年9月18日
(じゃあもう少し、この距離を埋めてみよう)
(何も握ってない手を差し出して。)
(捕まってくれたら、万一転んでまた脚が見える、なんてのを防げるだろうし)
(取ってもらえたら、多分仲直りの握手だ)
(無効票)
鷹野・結芽 2022年9月18日
(開いた距離を埋めるように。とてとてと、パシャパシャと。あなたのそばに近づいて。)
鷹野・結芽 2022年9月18日
(ぎゅっ、と。握られていないあなたの手を、やさしく、でもしっかりと握り返しました。)
(お互いの熱が伝わりあって、なんだかこそばゆくて、少し恥ずかしいけれど。それでも)
鷹野・結芽 2022年9月18日
(今度は逸らすことなく、あなたの顔を、綺麗な藍の瞳を見つめ返して。)
(にっこりと、微笑んで、握手するようにぶんぶん、と腕を振りながら、一緒に歩きだしました。)
(🌊)
十埼・竜 2022年9月18日
(濡れた肌の向こうの温度がくすぐったくて、でもほっとするのは)
(多分ふたりともだったんだと思う)
(夏の日差しを受け止めてきらめく、深い赤の瞳を見つめ返して。)
十埼・竜 2022年9月18日
(――――子供みたいにぶんぶん手を振りながら。)
(熱い白い砂の上に、ふたりぶんの足跡を残していったのだ。)
(🌊)