【個】メイドさんと花の魔法使い
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
楽しかった夏漣祭が終わり、新宿の季節が一つ巡ったある日の事。
鮮やかな花々が初秋の風に揺れる花壇の前に、魔法使いの格好をした一人の少年がおりましたとさ。
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#フラン・ベルジュ
#スィーリ・ラウタヴァーラ
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スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
喜んで綺麗な花を咲かせ、それを見た我々がさらに嬉しい気持ちになる、と。
相互扶助の関係ということですね。
(お互いに利益のある行動というわけだ)
(少年のお手本のような動作は、流石に慣れた動きだからかとても洗練されていた)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
雑草だけを殺すような便利な薬はないのですね。ならば、手作業というのも仕方ありませんか。
(こう、ですか?と適当な草を一本引き抜いてみるのでした)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
そうご……?
(こてり、小首を傾げて不思議そうな顔をしますが、すぐににっこりと笑顔を浮かべて)
難しいことは分からないですけれどー……
そうですね、嬉しい気持ちになって、幸せな気分になって。
そういうのが、とっても素敵だと思うんです!
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(早速雑草を引き抜く貴女の姿に、少年はおぉ、と感心の声を上げて)
そうですっ、上手上手!
引き抜いた草はですねー、これに入れちゃってください!
(と、傍のビニール袋の口を広げて、貴女の前に差し出すのでした)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
……えぇ、そうですね。嬉しいの幸せなのも、とても素敵なことです。
(首をかしげた後笑顔をでそう語る少年を見て)(そう難しく考えることでもないのかもしれない、と思うメイドです)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
こいうった単純作業でしたら、得意ですので。
(ありがとうございます、と)(差し出されたビニール袋にぽいぽいっと抜いた草を投げ入れ)
(そのままの勢いで一気に終わらせようと思い──)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
(ぷちっ)
……ぁ。
(流れ作業の弊害か。どうみても雑草ではない真っ白な花まで一緒に抜いてしまったのでした)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(貴女の言葉に、少年は満足そうに頷きます。誰かを嬉しい気持ちにすること。誰かを幸せにすること。少年は、それが大好きですから。自分のことを肯定してもらえた気がして、なんだか胸がぽかぽかして)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
ふふー、もう手馴れてきましたね!
お姉さん、とっても呑み込みが早いです!
(あっという間に綺麗になっていく花壇! 見ていて気持ちのいいくらいの手際で、なんだか楽しい気持ちになってきますね! でも……)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
……あっ。
(可憐なお花が一本。彼女の手に握られているのを見て、少年は素っ頓狂な声を漏らしました)
あ、わ、わ……
えっと、ええっと……!
だだだ、大丈夫です、いったん落ち着きましょう!
(なんて、落ち着き無い様子で少年は言うのでした)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
慣れぬ作業で調子に乗ってしまったようです。申し訳ありません……。
(手の中で、しんなりと。命を失ったその花を静かに見つめ)
これも、捨てるしかないでしょうか?
(雑草で埋まるビニール袋に視線を移した)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
ま、待ってください!
ええと、まだ根っこは付いてるでしょうか!
付いてるなら、植え直せばまだ助かるかも……
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
……根っこはついておりまね。半分ほど
(残ってはいる、残ってはいるが……それは残滓のようなもので)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
もう、この花は死んだ身でしょう。
疎い私でも分かります。
……この花は美しく幸せを与えることもまっとうできずに、役目を終えたのですね。
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
あぁ……
(一縷の望みをかけた少年でしたが……彼にも分かります。この花は、もう生きてはいけないと)
(沈んだ声を出して、けれどすぐにはっとした様子でぷるぷると顔を左右に振って)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
ご、ごめんなさい。
抜いちゃいけない花がどれなのか、僕がちゃんと教えてなかったから……!
(彼女が気に病まないようにと、あくまで自分のせいだとそう言って)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
…………
(彼女の手から、その花を受け取ろうと手を差し出します)
……ううん。
……まだ。
まだ、終わっていませんよ。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
いいえ、悪いのはこの私です。
素人が花壇いじりなど……やはり私にはこういったものは似合わないと──。
(メイドとしての知見を増やすために手を伸ばしてみた。だが結果は──)
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スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
まだ、でございますか?ですが……。
(差し出される手に、訝し気な表情を浮かべ)
(だが、私にできることは懺悔しかなく。彼が欲しいというならば)
(終わったはずの花を手渡すのでした)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
そんなことないです!
(少年にしては珍しく、語気を強めて彼女の言葉を遮って)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
……自分がそうしたいと思って、手を伸ばしてチャレンジして。
それは、とっても素敵なことなんですよ。
似合うとか、似合わないとか。
そんなの、関係ないです。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(手渡された花を、慈しむようにそっと両手で包んで)
……はい。
まだ、この子は……きっと、人を幸せにできます。
(それはまるで、彼女ではなく自分に言い聞かせるようで)
(人を幸せに出来る力を持っていて。けれども、人を幸せにする前に終わってしまって)
(それが、なんだか他人事のように思えなかったから)
(少年は祈ります。祈るように、その手に魔力を込めます)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(はらり)
(少年の帽子にコサージュのように飾られた青薔薇から。1枚だけ零れ落ちた花弁が、光の粒子となって宙に消えました)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(少年の手に、淡い光が集まります。光って、光って。暖かく柔らかな光は、その手の中の白い花を包み込んで)
(光が晴れた後には……まるで造花と見紛うほどに美しく整えられた、一輪の白い花がありました)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
……っ。
(想定外に強い少年の言葉に、続けて吐き出そうとした後悔を胸の奥に飲み込む)
(彼の言いたいことも分かる。挑戦するということは、成長につながる第一歩だ)
(だが、それでも。終わったものは返ってこない。返ってこないのだ)
(その、はずだった──)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
──。
───。
いったい、何を?
(役目を終えた花を両手で包むのを見つめながら、疑問を零す)
(もうただのモノに成り下がったソレを。いったいどうしたいというのだ)
(少年の行動が理解できない。あるいはこれは彼なりの警告か?二度とこのようなことをするなと)
(殉教者のように祈る姿に、もうやめてくれ!そう叫びだしそうに……)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
(はらり)
(…神秘…が場を支配した)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
(柔らかな光が、その手に集まって、集まって)
(役目を果たせなかった。無価値に落ちたはずのそれが)
(美しさを湛えて、そこにあったのだ)
なん、で?
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
…………
お花さんは、喜ぶととっても綺麗な花を咲かせてくれるんです。
この花のように。
ありがとう、って、綺麗な花を咲かせて恩返しをしてくれるんです。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
……この子は。
まだ、恩返しし足りないみたい。
もうちょっとだけ、頑張りたいみたい。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(ふ、と。少年は自嘲します)
(無くした記憶は、未だ戻らないけれど)
(いつかの過去に、きっと自分も。同じことを、思ったことがあるから)
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
(でも、自分は――)
……僕には。
(浮かべた笑みは、少し悲しそうで)
……生き物や草木を蘇らせる力はありません。
だから……
……本当に終わってしまう時を、ほんのちょっと先に延ばしただけ。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
……ね、お姉さん。
(だから、せめてこの子には)
……この子に、恩返しをさせてあげてください。
お部屋とかに飾って、眺めてあげてください。
そうして、綺麗だなって思ってあげたら……
きっと、この子も満足すると思うんです。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
恩、返し……?
(誰が、誰に?)(私は何もしていない)
(むしろ命を摘み取った側だ)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
(目の前の花はとても美しい。それはまるで宝石のように)
・・・・・
(あぁ、そうか。美しすぎるのだ)
(最高の一瞬を切り取ったかのようなその姿は、まさしく少年の言う通りなのだろう)
(先延ばし。やはりもうこの花は──)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月3日
満足、ですか。
そうですね。それがこの子への贖罪になるというならば。
それがいま私のできる唯一の罪滅ぼしなのでしょう。
(すでに散った命の残された願いを叶えられるというのなら、それは確かに私の果たすべき役目だろう)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
はい、恩返しです。
だってお姉さんは、僕のお手伝いをして……この子達を綺麗にしてあげようとしてくれた。
それは、この子達を幸せにしてあげようとしてくれたことに他なりません。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月3日
結果はこうなってしまいましたけど……
それでも、この子は。
その恩を返したいから、僕の魔法に応えてくれたんです。
(無効票)
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
ええ、ええ。
……でも、罪滅ぼしだなんて思わないでください。
(ふ、と小さく笑って。彼は白い花を差し出します)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月4日
あのような拙い所業でも、恩だと思ってくれたというのですか……。
(世の中は結果が全て。その意見には大いに頷くところがある)
(であるならば、今回のこれは大失態もいいところだろう)
(演出継続)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月4日
(それなのに、少年は、この花は……)
では、どう思えば……?
(そっと。簡単に手折れてしまいそうな白い花を両手で受け取って)
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
(こくり。力強く頷く少年は、屈託のない笑みを浮かべて)
自分を責めないでください。
それが、僕達の願いです。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月4日
(真っすぐで……残酷な願いだ。罪滅ぼしも許されないというのだから)
(だが、彼らがそう望むというのなら──)
かしこまりました。
私はこの美しい花を部屋に飾り。目を楽しませていただくとしましょう。
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
はいっ、そうしてください!
(きっと、彼女なら大丈夫。言葉には出来ないけれど……そんな予感がするから。少年は安堵の表情を浮かべると、一歩貴女に近寄って、貴女の顔を覗き込むように見上げます)
……ね、お姉さん。
お姉さんのお名前は?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月4日
(そっといただいた花を胸に抱き、見上げる少年に告げるのでした)
スィーリ。スィーリ・ラウタヴァーラと申します。
花と願いを共にする、あなたのお名前を教えていただけますか……?
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
スィーリさん。
(貴女のお名前を聞けて、少年は嬉しそうに頷いて)
僕は、フラン。
エルフのフランです。
(満足そうに、己の名を告げました)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月4日
フラン様、でございますね。
(エルフ、そういった種族がいることも知識としては持っている)
今日は素敵な贈り物を、ありがとうございました。
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
……ふふ。
(素敵な贈り物、だなんて。自分の行為に傷付いてしまうような、優しく純粋な心をもった貴女と出会えたことの方が、よっぽど素敵なのに)
(ちょっぴり可笑しそうに。ちょっぴり照れ臭そうに)
どういたしまして!
(はにかんだ笑顔を浮かべて、少年は言うのでした)
(演出継続)
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
(これは初秋のある日)
(メイドさんと花の魔法使いが出会った日のお話)
フラン・ベルジュ 2022年9月4日
【〆】