【卍】 緑之卍奪戦 凪乃攻城 【卍】
クリスタ・コルトハード 2022年7月18日
.
─━==卍奪戦 第伍試合━==ニニニ==━─ ─━==ニニニ==━─━==ニニニ==━─
“森羅番長”クリスタ・コルトハード
VS
“城郭”グスタフ・カツラギ
━==ニニニ==━───━==ニニニ==━“流行最前線街”ハラジュク・ストリート==━─==
🏙 特殊ルール 🏙
【 ニーズは移り変わる 】
流行と需要は、常に変遷を続ける為、創造者には常に新しい発想が求められます。
その為、「同じ行動」を連続して繰り出すと、その効果が大きく減じます。
個性を研ぎ澄ませて行われるは、想像と創造
Klient
無貌の顧客の求めるものは、驚愕と衝撃
いざ、おもてなしの時間です
────────────【 七月十九日 二〇三〇 開戦 】
0
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「――貴女が無敵なら、私も無敵になれる。」
「緑のクラスで、貴女を目指して本当によかった。」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――バウンサーは何でも使う。
対戦相手も、相手の力も、相手の存在も、逆境も。
何でも使って戦って、何でも使って強くなる。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
その手には、一本の刃の無い刀が握られている。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――試製鋼薪塔、とは。
竜城・陸にプレゼントした刃の無い刀の試作品である。
コンセプトは「出力転換」。
かのぶっ飛んだ魔力量の知り合いに向けて用意した、魔力で刃を形成する鉱石の刀。
尤も、その鉱石の性質はエネルギーであれば何でもよいわけで、今までに散々被弾して体内に溜めた発散していない衝撃を――
高出力の電磁刃に、変換する。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
右手に電磁の刃を、構えて。
・・・・
握り潰す。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
当然、保持されないエネルギーが爆発するように放出される。
暴走する奔流はすべて機械の義手が絡め取り、衝撃として受け止めて。
「『蛸蛇玖併呑』。」
衝撃というリソースを、展開された長い長い義手が保持する。
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=30175
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
左手を地面に突き刺し、独楽のようにぐるりと回り。
試合開始直後に持っていたタワーシールドを装着する。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――骨肉八連式二対塔盾「捌鐘」、とは。
自らのために用意した、防御用の機構であり。
その種別はアームドフォート。
つまるところ、本質は『砲台』である。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
ドガン!!!!!!!!!!!
と。戦闘開始を思い起こすような炸裂音が二つ。
盾が二つあれば同じ機構も二つ。
二つで撃てば、自らに掛かる衝撃も二倍。
これは、攻めるための防具だ。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――さて。
ここまでグスタフ・カツラギは攻撃しか行っていない。
攻撃そのものは手札を入れ替え策を変え、としていたが……全体としてはそうではない。
それは例えば攻撃であったり、挑発を交えた口撃であったり。
ルールをもう一度見てみよう。
【 ニーズは移り変わる 】だ。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
本来であれば、こと最後のフィニッシュブロー程【弱く】なってしまうであろう。
では何故?
何故最後だと思われるこの攻撃が斯くもこのような威力を保持しているのか?
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――季節は春から冬で終わるだろうか。
――次の春は別の区切りだろうか。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――否、続いている。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――ずぅっと、続いている。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――結論。この試合中どころか、その前から。
――変わらず、その行為を続けている。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――「やると決めて、やる。」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――だから、これは最初で最後の一つだ。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「これが、わた、しの集大、成。」
「行くよ。」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
『機械化改変技巧:廻天之力』。
鋼の腕を軸に、鍛え上げた肉体をただぶつけに行く異形の闘法。
天を足蹴に地を掴む。
最も不敬で、最も礼儀に満ちた、最後の一撃だ。
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「なるほど、なるほど、このために、最初から……」
細かくは違うが、見覚えのある挙動だ。
無茶苦茶ではあるが、籠もっているエネルギー量は本物だ。
真っ当に受けるのも、捌くのも、不可能だとすぐに分かった。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
単に手数を増やし続けただけでなく、料理人であればスペシャリテと呼べる一品を、用意していたのだ。
よく高めたものだと、クリスタは微笑んだ。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
だからこそ、やはり本気で応えねばならない。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「出番ですよ、鏖殺刃、ナギ」
顎を引き、前髪でできた影のなかで、クリスタの赤い瞳が、燃え滾るようにギラついく。
命の輝きが、激しく昂ぶる。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
クリスタ・コルトハードはメイドとして名が知られているが、本質は芸術家である。
『本業』のためにクリスタが夢想したのは、自身が同時に複数存在すること。
夢想に対して足りないものがあれば、それ補い背を押すのが卍器、鏖殺刃ナギである。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
───存在を感じ取れる異能を持つ者なら、クリスタがその場に重なり合って複数いたように感じるだろ───
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「森羅万象、束ねて穿つは城郭!」
たったの一歩に込められた十歩が、道路を砕く。
強い踏み込みと同時に、十人のクリスタが重なり合った貫手を、グスタフに向けて放った。
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――城郭は、退かない。
最終防衛ラインが逃げてどうする?
――城郭は、避けない。
最終防衛ラインが逃げてどうする?
――城郭は、免れない。
最終防衛ラインが逃げてどうする?
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
暴威を堰き止めるのが、私の役目。
脅威を押し留めるのが、私の願望。
示威を食い止めるのが、私の意思。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「――成る程」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
流石に万には、流されてしまうか。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
破砕音。
衝撃波。
土煙。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
群衆を突き抜け、外壁にぶつかり埋まる。
――それでも、なおも、立ち上がり。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「あなたが、本当に強くて。」
「心から、嬉しく思います。」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
そう。
――倒れるときでも、前のめりに。
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「……全く、無茶苦茶なことをしますね」
構えを解いて、呼吸を抑える。それから、ゆっくりとグスタフに近づいて
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「実は俺、この一ヶ月は『これであっさり負けたらグスタフ様はどんな顔するのかな』って考えてワクワクしていたんですけど」
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「一貫して『クリスタ・コルトハードには強くあって欲しい』なんてニーズをぶつけて来るクライアントがいたら、応えるしかないじゃないですか」
(肩を掴むと、ころんと転がして仰向けにさせる)
「ほら、解毒剤飲ませますよ。口開けてください」
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
意識レベル低下。
混濁する視界。
警鐘が鳴り響く頭蓋の中。
瞼すら開けなくても、その様子と言葉は把握できてしまう。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
なんというか、こういってしまってもいいのかとも思ったが、言わないよりも言った方がいいだろう。
「……貴女、も、
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
わりかし律儀、なんです、ね?」
抵抗もせず転がされ、言葉通りに従う。
少しばかり口が開き切らないのはご愛敬。
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
口に入るように薬を垂らしていく。
これ以上毒が進行することはないから、復讐者の回復力をもってすればあとは自然に治癒するだろう。
「クライアントの希望に応えてこそのプロフェッショナルですので。まぁ、そのクライアントがいま倒れてるんですけど……」
指先で額を軽く突く
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
こく、こく、と染み入るように飲み込み、こつんとした衝撃に頭を抑える。
「いてっ……思いっきり突かれて裂けてるんだからご容赦くださいな……。」
「……ああもう、本当に。」
心根も。
在り方も。
実力も。
それを支える全ても。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「……強いなぁ。貴女は。」
心底、そう感じたのだ。
すぐさま解毒されるというわけではないが、解毒の安心感と終わりの感覚で体が楽な気もする。上半身だけどうにか起こし
「……後で飲ませてくださいね、熱過ぎない奴。」
(無効票)
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「紅茶ですね、ミルクもご用意がありますが……そうですね、いまはまず、ギャラリーにご挨拶を」
その場に立ち上がると胸に手を当てて頭を下げる。
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「皆様、ご覧いただきましてありがとうございます。卍奪戦緑の部はこれにて終了します。惜しくも敗れた挑戦者に今一度、拍手をお願いします」
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「……無茶言いなさる……。」
腕を振るえば『捌鐘』が。
杖とするには些か不都合だが、松葉杖代わりになるのがこれぐらいしかないから致し方ない。
ゆっくりと、重たい身体を持ち上げて。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
それでも最後は、笑顔で締めねば。
「私は……負けました。ですが、同時に森羅番長の強さ、素晴らしさも皆様に知れ渡ったことでしょう。」
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
「――故に、疑問を持つならば。」
「一筋縄じゃないぞと私は言っておくからな?」
「もちろん、コルトハードさんを支持するこの私もだ。」
恫喝のような、信頼を言葉に。
そう。
グスタフ・カツラギ 2022年7月20日
――嘘は吐かない。
だから、思ったことは言うのだ。
(卍)
クリスタ・コルトハード 2022年7月20日
「ああ、またクライアントのニーズが、ニーズが強くて濃いです……」
(となりで大々的に宣言されるとまた恥ずかしくて、両手で顔を覆った)
(卍)