【個】星海から、きみへ
竜城・陸 2022年7月6日
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#竜城・陸
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#ルクス・アクアボトル
subject:遅くにごめんね
今、少し出てこられる?
――そんなメールが届いたのは、7月6日、23:00のこと。
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竜城・陸 2022年7月7日
む、……それは、こう、ゆっくり用意してくれてよかったのに。
(急がせてしまったろうか、とか、少し考えて――)
…………。
そう、かな。そう見える?
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
(その指先を)
(くすぐるように、絡めるように――するりと這わせながら、引かれる動きには逆らわぬままに)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
夏の夜だもの、たまにはいいでしょう?
――一応、ちゃんと着ていたわけだし。
(なんて。悪戯っぽく、笑って)
ええ。とても、綺麗よ?
竜城・陸 2022年7月7日
勿論、悪いとは言わな――ちゃんと着てない可能性があったの??
(いやまあその格好で外には出ないだろうけれど)(けれども!)
(一瞬、ちょっと想像しかけてしまったのを慌てて追い出して)
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竜城・陸 2022年7月7日
(小さく、吐息)
……うん、その言葉は素直に嬉しい。
俺ね、ずっと自分のことが呪わしくても、この見目を厭ったことだけはないんだ。
(なんて、言いながら――)
(擽るような指先の動きに、少しだけ手の動きが止まって)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
――ね、ルクス。
星が見たい、って言ったの。
実は半分くらい口実だ、って言ったら怒る?
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
ん〜。
可能性は……ルリアより低いんじゃない?
(なんて。特に否定するでもないなんとも言えない回答であった)
(なお実際に低いかどうかは闇の中だ)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
良かった。――ええ、素敵なことよ。
好きなところは好きなところと、美しいものは美しいものと、認められるべきだもの。
(そう、小さく、笑いながら――目を細めて)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
あら。何か怒る理由があって?
誰かと会おうと言うのだもの。当然のことだと思うケド。
――そういう話ではなくて?
竜城・陸 2022年7月7日
その可能性、高いか低いかいまいちわからないのだけど。
(わかったのは彼女の中で当社比妹の方が奔放ということくらいである)
というかつまりそういうこともありはするんだな……
(いや)(まあそれはいいんだけど)
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竜城・陸 2022年7月7日
ふふ。昔は、余り褒められた理由ではなかったけれどね。
今は純粋に、素直に、自分の好きなところだ。
(そんな風に言って、小さく笑って――)
……うーん、そういう話でもあるけど……
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(引き寄せた、彼女の手に)
(そっと、小さな包みを差し出して)
一番は、誕生日おめでとう、を一番最初に言いたかったから。
(時計の針は、もう頂点を回るころ)……そういう話。
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
あら、恥ずかしい。
家の中でくらい、気を抜くものでしょう?
(なんて。わざーとらしく――色々な意味でわざとらしく、くすくすと、笑って)
ふぅん……?(小さく、首を傾げつつも)
――そうね。今が好きなところなら、それが一番じゃないかしら。
(ん、と、首を傾げて)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
――――ふふっ。それ、独占欲?
もしかして、とは思ったけど……ここまでするなんて。
ええ――ありがと、嬉しい。
開けても?
(なんて。口にしながら、返答を待たず、そっと包みに手をかけて)
竜城・陸 2022年7月7日
気を抜きすぎじゃない? とは言わせてもらっていいところだよね?
(ミサゴもいるでしょ。とやや咎めるような)(というよりはむしろ――)
……ああ、大したことじゃないんだよ。自分の価値はそこにしかない、と思っていただけ。
(母の似姿である、という、そこにしか)(受け継いだものも、自身の価値も、ないと思っていただけで)
今はもうそうじゃないから、ただ、そうだっただけの話で、今はもう大丈夫な話、かな。
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竜城・陸 2022年7月7日
――――、
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(どういたしまして、とか、いいよ、とか)
(言うべき単語が出てこなくて――――)
あ、……ああ、うん……
(なんてそんな、曖昧な返事だけ、口をついて出て)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
おや、やきもちね。
(なんて)(さらりと、意趣返し)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
――――そっか。
ええ、「それだけ」でなくなったおかげで、好きが残ったなら――素敵なこと。
(言いながら)(詰まった言葉を追及するでもなく、とりだしたそれ――箱に収められたペンダントを。躊躇いなく箱を開いて、手にとって)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
(細工物となれば、ある意味、専門でもある。指先に取り、じっと、目を細め、――ふ、と、浸るようにその瞳を緩めて)
――素敵。私だけの一点物ね。ふふ、光と……海。
これ、貴方が?
竜城・陸 2022年7月7日
…………、それは、
……そう、かも。
(しれない、)(と、歯切れ悪く、呟くように)
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竜城・陸 2022年7月7日
(素敵なこと、なんてそんな言葉だって、)
(耳には入って来ていても、なんだかうまく言葉を返せなかった)
(――ぐるぐる、まわっている。)
(多分、彼女にしてみたらちょっとした軽口なのだろう、その言葉が――、)
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竜城・陸 2022年7月7日
あ、…………、と、ああ、うん。
……そう、――俺というか、俺だけじゃないけど、まあ……。
(“そういう技芸”を持っていて、行使できるのは、“僕”のほうだ)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
(くすりと、笑って)(それ以上、その肯定には何も触れようとせず)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
そっか。そっちの。――そう。
貴方に貰ったものだもの。私は、貴方の、と、受け止めるけど――
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
とても素敵よ、本当に。凄く嬉しい。
――――だから、ねえ。
着けてくれる?
(なんて。さらりと、小首をかしげてみせて)
竜城・陸 2022年7月7日
…………、
(それこそ、その笑みに余計、ばつが悪そうに視線を逸らしてしまった)
(ちゃんと、わかってる。弁えている。)
(――はず、なのに)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
ん、……そう、“僕”の方。
それは勿論、あっちがそうだからといって、俺が出来ないことはそもそも十全には出来ないから、俺も努力はしたけれど、
――――、
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
――うん、
(結局、ぐるぐると回るそれを、処理しきれてはいないのだけれど)
(でも、彼女が喜んでくれたのだったら――それは、素直に、嬉しくて)
……そう言って貰えたのなら、よかっ
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
――た、って…………、
…………、うん、俺でいいなら……。
(貸して、と、手を出して)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
分かってるつもりよ? 私だって、素人ではないもの。――どれだけ丁寧に作ってくれたか、くらいはね。(変わらずくすくすと、笑って)
だから、――他の誰に頼むの?
(なんて、悪戯ぽく口にすると)
(受け取ったばかりのペンダントを、指先を重ねるようにそっと手渡し、ボートの上で、きし、と、身を乗り出して)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
(――身を乗り出した姿勢のまま、無防備に、目を閉じた)
(首に、ということだろう。おとがいを軽く上げた顔の角度で、形の良い唇も閉じられて)
(夏らしい薄着で身を乗り出した緩い襟元は、気付いているのかどうなのか、割に深くまで覗き込めて)
(その姿勢はまるで、別の何かをねだっているように見えたかもしれないし――)
(実際に無防備で、どうしたって逃げたりするつもりはないのだろうと、思わせもした)
竜城・陸 2022年7月7日
それはまあ、……知っているし。
だから頑張った、というか……ああいや……(もう何を言っても墓穴だな、と思って、小さく息を吐いて)
……君の目に適うものになっているなら、安心したよ。
いや、それは勿論その――、他の人に頼まれても、その、嫌だけど……、
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竜城・陸 2022年7月7日
(嫌だ、なんて言葉が自然と自分の口から出たことにも驚いたけれど)
(――手渡されたそれの感触を確かめる前に、)
(手が止まる)(思考も、止まる)
(言いかけた言葉もわからなくなったし)
(今どうすべきなのかもわからなくなって)
(視線はどこを見詰めていいかわからないように彷徨って、)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(――不意に、思い出してしまったのは、)
(いつかの、船上)
(自分ではない誰かに向けられていた、言葉――――)
――――、
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(――小さな金具を外す音は、彼女の耳に聞こえたかわからない)
(けれど首元に回された細い鎖の感触は、しっかりとわかったろうし、)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
――――ルクス。
そういうのは、ちょっと、ずるいよ。
(――――背中に回された腕の感触と)
(間近に感じる、ひとより少し低い、体温も)
…………欲しいのか、欲しがらされているのか、わからなくなってしまう。
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
――あら。
(目を閉じたまま、変わらぬ声が、くすりと笑い)
(貴方の腕の中で。そっと、貴方の胸板に、撫でるように指先が這って)
難しいことを言うのね。欲しがらせようとしてはいけないの?
(そう、くすくすと笑ったかと思えば、間を置かず――)
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ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
(そ、と。その胸を押して。――まるで、じゃあここまでね、と言うように。少しだけ体を離すように、貴方を見上げながら)
――ありがと、陸。大事にするわ?
(指先で。胸元に下がるペンダントに触れてみせ)
竜城・陸 2022年7月7日
――――、だって、それは、
(俺が、自分の意思で選んでないから――)(なんて)
(浮いた言葉が、喉の奥で詰まって、止まった)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(見上げる瞳と、視線が合う)
(逸らせなくて、だから瞳の奥の当惑したような色は、きっと彼女にも筒抜けだった)
(望まれるから、叶える)
(乞われるままに、手を差し伸べる)
(そう在ってほしいと願われるままに、そこにある)
(そういうものだった、はずなのに――――)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
(――――とっくに、違っていたことに、今更気が付いた)
(だって、)
(望んでほしくて手を伸ばしているんだから)
…………いけなくなんて、ないよ。
多分、俺も、同じだから……、
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
――――うん、
……どういたしまして。
大事にしてくれたら、嬉しい。
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
そうなんだ。
――ふふ。ええ、そうかもね。
(一度、聞き返してから)
(――納得したように、くすりと、笑う。自分の行動は、そのルーツに由来する性分でもあるけれど、同時に自分の思うままの行いでもあって)
(その辺りまで、含めて。多分同じ、と言われれば、――そうかもしれない、と、素直に思えて、おかしげに笑い)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
もちろん。
――それじゃあ。お互い遅くなっても心配されちゃうでしょうし、そろそろ、陸に戻りましょうか。
(、)
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
来た時より少しだけ遠回りで、ね。(ぱちんと)(指先を弾けば、船はゆったりと、大回りに進路を変えて)
竜城・陸 2022年7月7日
(笑むような音に、言葉少なく小さく、頷いて)
(――続いた笑声に、バツが悪そうに視線を落とした)
(そう望んでほしいから、そうする、なんて)
(他人にそうされれば嬉しいくせ、自分がそうすることはひどく利己的に思えてしまう)
(無効票)
竜城・陸 2022年7月7日
うん、そうだね、……特に君は、女の子なんだし。
もうずいぶん遅いでしょって言われたら、まあ、そうなんだけど――
(戻ろうか、と)(言葉を続けて――――)
(、)
竜城・陸 2022年7月7日
――――うん。
(少し遠回りで、なんて言葉を聞けば、顔を上げて)(微かに、喜色を帯びたような色は、窺えるかもしれない)
……そうだね、それじゃあ、もうひとつ。
戻ったら。家の近くまでくらいは、送らせてもらってもいい?
ルクス・アクアボトル 2022年7月7日
あら、そう?
ええ、それじゃ遠慮なく。エスコート、お願いするわね――
(なんて。口にする声は、やっぱりいつもと変わらずに)
(けれどどこか楽しげに声を弾ませて、もう一度、流れ行く夜空を見上げていた)