【個別】ぼくたちに押し付けられたいくつかの課題
十埼・竜 2022年6月26日
「――――というわけで今日は補講です」
「特別講師、連れてきてくれました?」
夏に足を突っ込んだ休日、真昼。
廃灯台、ちょっと新しくなった放送室の応接ブース。
#奉利・聖
#十埼・竜
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奉利・聖 2022年6月26日
もし出来るのなら、そうしたい。
きっと思い出さなくてはいけないことですから───。
(次いで、彼から告げられる言葉に)
え?
奉利・聖 2022年6月26日
(人間50人を使って)
(呪い殺す?誰を?いや、分かっている)
(僕のことだ)(誰に、いつ?なぜ?)
【通常はありえぬ】
【一人に対して行うなら、多くても5人程度だろう】
奉利・聖 2022年6月26日
【…単純に、呪いの対象に此奴が含まれているだけで】
【もっと大きな範囲を指定した可能性もあろう】
【あるいは───】
奉利・聖 2022年6月26日
【本来の呪いの対象が、消え失せてしまった】
(セヴラトはわざと、含みがある言い方をした)
(龍には何か、見解があるようだ)
(無効票)
十埼・竜 2022年6月26日
(先輩の“波”がさざなみ立つのが聴こえて)(逆に、つとめて、平坦な声を取り繕う。)
……「通常はひとり殺すのに多くて精々5人」。……ぼくはそれも割に合わないと思うけど。
「単に、先輩を含んだ大きな範囲を呪い殺す気だった」かもしれない、か……
「本来の呪いの対象が消え失せた」?
それって、どういう意味?
(無効票)
奉利・聖 2022年6月26日
【呪いをかけた時、対象がいなくなってしまった場合】
【その呪いは一体何処に行くと思う?】
【人の子よ。呪いとは厄介で、悪辣に作られるものだ】
奉利・聖 2022年6月26日
【術者が最も強く、情念を抱く相手に】
ㅤ
ㅤ、、、、、、
【移ってしまうことがあるのだ】
奉利・聖 2022年6月26日
【それがたとえ、不本意な転移になってしまうとしても】
【正しく履行されなかった呪いは、術者が嫌がる方向に矛先を向けることだってあるのだ】
【まぁ、早々起こるようなことではない。呪いの対象がその時、消えてしまうことなど。いや、そもそも呪いとして発動しようとしたのかさえも疑わしいな。偶発的に呪いの形を為してしまった事例は幾つもある】
【ともあれ…突然消えるなどという異常事態が珍しすぎるのだ】
【人の子よ。貴様には…否、貴様らには思い当たることがあるであろう】
奉利・聖 2022年6月26日
【唐突に人が、文明が】
【消え去ってしまう異常事態に】
(無効票)
十埼・竜 2022年6月26日
…………。(ヘッドホンごと、頭を、抱えた。)
(見ていたら心配になるくらいの間、そのまま。)
十埼・竜 2022年6月26日
…………、
「呪いの対象がいなくなってしまったとき」
「術者が一番強く、想っている相手に、その呪いが移ることがある」
(けれど、続ける。押し殺した声で)
「呪いとして発動させる気がなくても」
「たまたま、呪いの形ができあがってしまっただけだったとしても」
十埼・竜 2022年6月26日
…………相手が刻逆で消えてしまったから、その呪いは先輩に降り掛かった。
でもおかしいだろ!?(漆黒の龍骨を握りしめて)先輩がこうなったのって刻逆よりずっと前じゃん!!
(無効票)
奉利・聖 2022年6月26日
(当の本人は、といえば)
(どこか考え込むように、俯いていていた)
……もし、そうだとしたら…………。
奉利・聖 2022年6月26日
そもそもの事の起こりから、認識が間違っていた……?
僕の記憶は本当に正しいのか…?
(うわ言の様に、呟いている)
【刻逆よりも前…我は此奴の全てを知るわけではない】
【あくまで我は、“死”に関しての見解を述べているだけだ】
【人の子よ。どのような時系列であるにしてもだ】
【此奴の記憶は随分と、不明瞭な部分が多いように思うが】
(無効票)
十埼・竜 2022年6月26日
……。
(手を伸ばす。)
先輩。
(やさしく、呼んで)
(紋様だらけの手に重ねた。)
十埼・竜 2022年6月26日
大丈夫、大丈夫。
ゆっくり、考えて……検証すればいいじゃん。ね。
ぼく何クラスだと思います? 黄ですよ?
《――――セヴラト。》
十埼・竜 2022年6月26日
《“死”って》
《こんな集まってくるものじゃないよね?》
《このひとと似たような顔をして。》
《少なくともぼくが聴いてるのは、そうじゃない。》
(無効票)
奉利・聖 2022年6月27日
………はい。
分かります。大丈夫です。
(重ねられた手に、安心を覚えたから
(深い呼吸を繰り返す)
奉利・聖 2022年6月27日
【……確かにここまでとは、異常ではあるが】
【何が言いたい、人の子よ】
【何か、思うところでもあるのか?】
(無効票)
十埼・竜 2022年6月27日
(死体の温度、だって言うんだろう)
(それでもぼくにとっては、“きみ”でしかない)
(冷たい手を、握る)
《……“死”に惹かれるとこまで込みで呪い、なの?》
《もし呪いが解けたら》
《せんぱいは》
(ぎり、と、指に力が籠る)
《生きることを選んでくれると思う?》
(賢龍に問うには、あまりに“人間”すぎるだろうけれど。)
(無効票)
奉利・聖 2022年6月27日
【………我にはそこまでは分からぬ。分からぬが】
【死しても尚、生き続け】
【安らかに眠れず、終わらぬままというのは】
奉利・聖 2022年6月27日
【我には、辛い】
奉利・聖 2022年6月27日
【何を愛しても失って】
【何を為しても、自らの記憶にしか残らぬ】
【此奴はそれを、どれだけ繰り返したのだろうか】
奉利・聖 2022年6月27日
【多くの者には、理解できぬかもしれないが】
奉利・聖 2022年6月27日
【贅沢な言い草に聞こえるやもしれぬが】
奉利・聖 2022年6月27日
【生きるというのは】
【疲れるのだ】
奉利・聖 2022年6月27日
【その疲れを拒絶しろと、我は言えぬ】
【同じ立場で、あるが故に】
【……しかし】
奉利・聖 2022年6月27日
【貴様の様に思う者が居るのは】
【我には、良いことだと思うよ】
(無効票)
十埼・竜 2022年6月27日
…………知ってるよ。
十埼・竜 2022年6月27日
もう擦り切れて、疲れて、ずっと、ずっと、楽になりたがってるのは。
聴こえてる。
……でもさ。
十埼・竜 2022年6月27日
模擬戦で昂ってたり、普段の生活で嬉しそうにしてたり。
疲れてることを、ちょっと忘れてたりするのが
ぼく、すごく、うれしいんだよ。
十埼・竜 2022年6月27日
だか…………
(肉声で普通に喋っている自覚を今更得た)
………………。
十埼・竜 2022年6月27日
………………。
いやその別にこっそり変な話してたわけじゃなくってさ話してた内容はマジで真面目だったんだってちょっとプライベートっていうかぼく個人的に気になってた質問だったからクローズ回線でやりとりしてたってだけでほんとに変な話じゃなくって詳しく言うのは控えさせてほしいんだけど悪口とかでも先輩の個人情報のタレコミとかでもなんでもないから。
ね。
ほんとに。
(無効票)
奉利・聖 2022年6月27日
(不意に浴びせられた言葉に、それはもう)
(どういう表情をしていいか分からないという状態になっていて)
えと……あの……………。
奉利・聖 2022年6月27日
ありがとう、ございます。
(手を強く、握り返していた)
(生きてくれと、こんなにも強く望まれるのは)
(あまりに嬉しくて)(あまりに、心に響いて)
奉利・聖 2022年6月27日
【……まだここに居ろと宣うのなら】
【諦めずにやることだな】
【燃やし続ける為に、薪を放り込むことを】
奉利・聖 2022年6月27日
【まずは心から満たせ】
【結果どうなろうと、それは救いになる】
【…喋り過ぎた。少し疲れたな】
(龍骨は、大きく溜息を吐く)
【あぁ、最後に一つだけ】
奉利・聖 2022年6月27日
【四つの死の内の一つだが】
【記憶の可能性が、大いに高い】
【欠落した記憶を誤りで埋めている可能性もあろう】
【いつ呪われ、いつ奇妙な世界に放り込まれたか】
【未だ不確かだ。疑い続けておくがいい】
(無効票)
十埼・竜 2022年6月27日
……ほら。
(そういう“波”ですよ。)
(これが聴こえたなら、今の失敗も恥ずかしさもチャラにしていいや。)
十埼・竜 2022年6月27日
(燃やすために焚べるのは、きっとぼくたちの役目で、我儘だろうから)
「心を満たせ」「それが救いになる」……ってさ。
(その熱を受け取ってもらえるように。)
あと。
十埼・竜 2022年6月27日
「四つの死のうち、一つは多分、記憶」
「いつ呪われて、奇妙な世界に放り込まれたのか、疑え」
……ってさ。
(ありがとうございました、と、また漆黒の棒を撫でて。)
十埼・竜 2022年6月27日
………………ぅ゛ぁ゛ーーーーー(大きく溜息を吐いて背中を丸める)あぶなくなかった……あぶなくなかった……大丈夫だった……たぶん……
(無効票)
奉利・聖 2022年6月27日
………ありがとう、セヴラト。
(彼が嘘を吐くはずがないので)
(沢山の助言をくれた偉大なる龍帝に)
(ただ、感謝しかなかった)
奉利・聖 2022年6月27日
……心得ました。
どうやら、過去にお話ししたことも含めて精査しないといけないようです。
(片手で彼の手を取ったままで)
(少しだけ、移動して)
(背中をさする)
お疲れさまでした。良く休んでください…。
(無効票)
十埼・竜 2022年6月27日
(背中を擦る手が)(懐かしい、と、思う)
(握ったままの手が、やっぱりつめたい)
(ちゃんと生きてるひとの手って火傷しそうに熱いんだって)
(そう思ったのは、丁度一年前)
十埼・竜 2022年6月27日
(……ゆっくり、頭を振った)
記憶。……あと、「痛み」と、「怒り」。
でしょ。先輩の中で死んでるのって。
(今と未来のことを考えていられる方が、今は、息がしやすい。)
十埼・竜 2022年6月27日
ね。またちょっと前進した。
先輩も、お疲れさま。……何かおやつでも食べます?
(どのみちぼくたち二人とも、休息が必要そうだった。)
(無効票)
奉利・聖 2022年6月27日
…………そうですねぇ。
恐らくそこは、当たりだと思います。
(…それでも死に切っていないのは)
(やはり例の力が、抑止になっているのだろう)
奉利・聖 2022年6月27日
問題、沢山ありますね…。
あ、僕は………あの、おにぎりか何かあれば。
(がっつり飯を食いに行ったのであった)
(■)
十埼・竜 2022年6月27日
(――――だんだんと白米がおいしい店に詳しくなっていく、ラジオ屋である。)
(■)