【個】シンイ
水槽・ロロ 2022年6月11日
未だ明けぬ朝4時の屋上で。
「推薦について、話があるから来て欲しい」と伝えた彼が、必ず現れるという確信は未来視を抜きにしても明らかであった。
人の来る前、空が白む前に。
己が真意を伝えて彼は、一体どんな試練を与えるだろうか?
#竜城・陸
#水槽・ロロ
1
水槽・ロロ 2022年6月12日
(障壁を足先で感じる。続いてより一層の冷気に呑まれそうな感覚から……逃れるように、再度飛び上がる)
(踏みつけるような襲脚は予備動作。本気はここから、とでも言わんばかりに先ほどよりも高く飛んで――告げる)
水槽・ロロ 2022年6月12日
新技、見せてあげるよ。
水槽・ロロ 2022年6月12日
(ふと、男の頭が四角かった頃に言われたことを思い出す)
「え、まじ?ほんとに何も合わないの?」
「合わないです。ロロさんは何もかもとっかえひっかえ、手を変え品を変え必要な時に必要でないものも十分に使う人でしょう?」
(明確な武器という武器を持てないロロに、その答えは確信を突いていた。武器は使い潰すし、何なら潰したスクラップで戦うこともしばしば。全て、何もかもが厭になってストリートで荒れていたときに学んだ戦い方だ)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(だが、今は復讐者だ。だから俺は――今こそ、新たな戦い方を。新たな武器を持つ時だ)
(揺らぐのは流体の――"血液"。人に見せたくないと頑なだったその青い血液が、ロロの周囲を揺らぐ。そして液状のそれを、)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(掴む)
水槽・ロロ 2022年6月12日
まだ、赤より遠い血液が。
("化け水"が、武器と成る。鋭利な刃物に、そして弓のようにしなり、最後に槌の形を取る。欲張りな彼の武器は"そのすべてを象る")
準備はいいかい、陸。
(液状の槌は確かに重く、より強い勢いで障壁へと打ち付けられる――)
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
勿論――でも、まだ遠いな。
竜城・陸 2022年6月12日
――――。
・・
(――恐らくあれのせいで健康診断を逃げ回っていたのだろう)
(それを迷いなく晒したことへは、僅かの驚きを見せながらも)
(驚きを露わにする、ということは)
(視えている)(追えている)(そういうことだ)
(ゆえ、)
(振り下ろされる一撃は、なおも障壁が阻む――)
(無効票)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(阻まれた)
("阻んでくれた")
あぁ、
水槽・ロロ 2022年6月12日
だからこそ。俺はキミの力を信じているのさ……!
(繰り返すように、そう告げる)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(血液が形成した槌は当然、彼の零度に晒され――みるみるうちに流体を損なっていく。そうして出来た氷結の槌は、荒い霜塵をまき散らしながらも今一度強く叩きつけられる!)
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
それは結構――でも。
矜持
(ただ叩きつけるだけで、崩れる障壁ではない)
足りないな。
(必要なのは“相手の力を信じる事”ではない)
竜城・陸 2022年6月12日
――君が目指すのは空の果ての明星だろう。
(“あらゆるモノを象る武器”。)
(“ただそれだけ”で、あの高みへ届くと思っているのなら――)
…………、
(いや、)
竜城・陸 2022年6月12日
(――“ただそれだけ”を、あの高みへ届かせるつもりなら。)
もっと、意地を見せなよ――!
(砕け散る霜塵の向こうを、)(真っ直ぐ、見据える)
(無効票)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(曰く、)
(竜城・陸の障壁を無効化することはできても、過去――彼の障壁を突破する光景はついぞ見ることは叶わなかった)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(けれど、それがなんだというのだ)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(曰く、)
(水槽・ロロの能力には限界がある。容量としての限界ではなく、できることの限界だ。彼に魔力はなく、あるのは高い身体能力と、異常現象(アノマリー)としての能力。ふたつをひとつにしただけの歪な力)
(けれど、それがなんだというのだ)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(曰く、)
(相対すれば、勝てる見込みは限りなく薄い。正直に明かすなら、未来視を切ったのだって「その事実を見たくない」からの側面が大きい。ゆえに、合理的に結論を出すならば……全くの努力無駄である)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(けれど、それがなんだというのだ――!)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(勝ちたいと願い磨き努力した結末に合理的な理屈が通用してたまるか。"それを覆すためにここにいるのに!")
(空を、落ちる)(防がれた渾身の一撃……その結末を今、覆すために)
あぁ、
水槽・ロロ 2022年6月12日
俺は――俺は!
(思いは肉体を凌駕する。理屈常識の枠を思い切り蹴破って、先ほどとは比べ物にならない威力の蹴りを氷結の槌を伝って叩き込む)
超えるべき、友がいる。
倒すべき宿敵がいる。
誰もが安心して笑える世界のためなら――、
水槽・ロロ 2022年6月12日
(ふいに、屋上に光が差す)(朝日だ)
水槽・ロロ 2022年6月12日
俺は常識(セカイ)さえ、ブッ壊してやる。
(朝と夜さえ、均してしまうような強烈な一撃を――)
【
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=30688 】
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
(――砕け散った青の向こう側に迫った、その姿は)
(まるで流星みたいだ、と思った)
竜城・陸 2022年6月12日
(――竜城陸の用いる“障壁”は)
(自身が“復讐者”と成ったいま、それ自体がクロノ・オブジェクトと同様のものとして挙動するが)
(それは、あくまで――“クロノ・オブジェクト”であり)
(つまりは、)
竜城・陸 2022年6月12日
. パ ラ ド ク ス
(“因果をも変える力”の前では、その持ちうる性質の十全は、働かない)
(そこに込めた矜持こそ、揺ぎ無くとも)
(それに抗する逆説が強ければ、当然の帰結として――)
竜城・陸 2022年6月12日
.
(――――その逆説に抗しきれずに、砕け散る)
竜城・陸 2022年6月12日
(が、当然)
(霜塵の向こう側で、ただ、相手の攻めるに任せるなどという愚は、犯さない)
(だって、信じていた)
(――こうなることを信じていたのだから、)
(迎え撃つのは、紅く赤熱した刃)
(剣を成したそれに、)
. Claidheamh Soluis
――“ 光 輝 の 剣 ”。
(自身の成す、“逆説”を載せて、振るう)
【
https://tw7.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=19893 】
竜城・陸 2022年6月12日
(けれど――――)
パ ラ ド ク ス
(振るわれる剣の帯びる異能こそ、“因果をも変える力”へと昇華されてはいても)
(それを振るう動きは、どこまでも、彼と、彼の目指す者とが教えたものを外れない、忠実で、堅実で、基本的なもの)
(きっとだからこそ、彼にならば)
(必ず、見切れるはずの――)
(無効票)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(光輝の剣と、赤け方の一撃がぶつかる――)
(氷結の槌は衝撃にみるみる溶けて……それどころか、塵一つ残さぬように消滅していき)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(残ったのは、二人の青年だけだった)
……どうよ。
(朝の来た屋上に大の字で倒れて、竜城に向けて訊ねる。足に負った裂傷からは、わずかに残った周囲の青い血が戻ってきている)
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
(その横に座り込んで、)
やきもきさせないでよ。
まさか何も手立てを用意してないかと思ったじゃない。
(とか憎まれ口を叩きつつも)
竜城・陸 2022年6月12日
(全霊を以て叩き込まれた一撃のお陰で、右腕は完全に砕けていた)
(傍らに投げ出された刃のない柄を、拾うこともできない)
(相手に与えた負傷との交換比を見れば、“やられた”のは明らかで)
(憎まれ口も、負けず嫌いの気からくる八つ当たりみたいなものだ)
(――当然、すぐ復元は叶うはずのものだが)
(“停滞”しているゆえに遠いこの痛みを、それでもしばらくは残しておこうと思った)
竜城・陸 2022年6月12日
あと忘れないでよ、クラスの推薦票の確保も最低限の前提条件だからね。
そっちのほうはちゃんと考えてるんだろうね?
(無効票)
水槽・ロロ 2022年6月12日
ははは。
奥の手は……もう少し取っておきたかったんだけどね。
(けれど、意地を見せろと言われたのだから。実力を、信じてくれたのだから――それだけで、温存する選択肢は消えてなくなっていた)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(身体にかかったあらゆる負荷を押して腕を上げる。人差し指と中指だけ立てた指は、普段のお調子者のピースかはたまた……「あと2つ」を示しているか)
忘れるわけないだろ。
本気で挑むんだから、下準備はしっかりやるさ。
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
出し惜しみする余裕がある相手だと思われてたなら心外ですけど。
(と、わざとらしく言ってみせつつ、)
竜城・陸 2022年6月12日
(別に気にしているわけではないので、けろりと表情は元に戻って)
(二本立てた指に、左手で二本立て返した)
ま、そうだよね。
……ちゃんと背中を押してもらっておいで。
俺から偉そうなことを色々言ったけど、結局のところ実際に直接的に影響があるのはクラスの子たちなんだ。
彼らの話、ちゃんと聞いてあげて、ちゃんと自分の伝えるべきことも話すんだよ。
……言うまでもないとは思うけど。
(言うまでもないとは思うが、)(結局やっぱり“心配性”の気は抜けないのである)
竜城・陸 2022年6月12日
……ちなみに始業までまだけっこうあるけど。
これから何か次の予定は?
(無効票)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(何やってんだこいつって顔で左手で立てた二本指を眺めて、)
水槽・ロロ 2022年6月12日
……英雄にはなるんじゃない。"俺たち"が英雄になるんだ――全員で。
認められる番長になるさ。
何せ、俺は後輩が大好きだからね。
(あの時の言葉を思い出して、反芻する。覚悟はとうにできていた)
水槽・ロロ 2022年6月12日
とりあえず……、保健室かなぁ。
身体の体積と比例してるわけじゃないけどアレ、結構失血してるから今。
(生理食塩水たくさんもらってこよ……っと呟きながら、のそのそと立ち上がる)
(無効票)
竜城・陸 2022年6月12日
(真似しただけなので特に意味はない)
(首を傾げてその顔を見る)
竜城・陸 2022年6月12日
そ。
なら、これもあれこれ口うるさく言うことじゃないね。
(まあ、あれやこれやと言いつつ)
(晴が負けると思ってはいないのだけれど――)
(というか、自分以外に負けてもらっては困るのだけれど)
竜城・陸 2022年6月12日
(だけれど、“そう”と信じて彼が進むのであれば、応援したいと思うのも事実だ)
(――自分だって、あの明星に憧れていて)
(だからこそ並びたくて)(だからこそ負けたくないのだから)
竜城・陸 2022年6月12日
了解、じゃそれ終わったら校門前ね。
朝ごはん食べてこようよ。あ、出るの面倒だったら学食でもいいけど。
どっちがいいか後でメールして。
俺、ちょっと雑務片付けてくるから。
竜城・陸 2022年6月12日
(言うが早いか、砕けた右腕を一瞥して、)
(息を吐いて、吸って、)
(――逆回しみたいに右手が、砕けたことなんてなかったみたいに復元して)
(その手で、落ちた柄を拾い上げる)
じゃ、またあとで。
(もう完全に朝食が確定事項かのように言って、)(翼を広げる)
(発言終了)
水槽・ロロ 2022年6月12日
ん、オッケー。
ハンバーガーでも食べに行こうか。
(もう完全にいつもの調子に戻った様子で、いつも通りの軽口で)
水槽・ロロ 2022年6月12日
(一度、白んだ空を仰いでから)
よし。
(澄んだ朝はいつもより冴え渡ったような感じがして、それをひとつ呑み込むと、階段を下りて行った)
(発言終了)
水槽・ロロ 2022年6月12日
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