【個】つぎへのいっぽ
新堂・亜唯 2022年6月6日
とある、放課後のＭＭ学園。
人のいない、静かな時間帯の礼拝堂。
同級生やら学友らに「この時間ならそこに行くって言ってたよ」と聞いて
目当てにして訪ねてきたのは――。
#新堂・亜唯
#グレイ・コリントス
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新堂・亜唯 2022年6月6日
ほんとかなぁ……。
ほんとかぁ……？
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新堂・亜唯 2022年6月6日
（と、そこまでは、あくまで冗談めかして）
……そういうこと。
ウチの番長で、ウチの寮長だ。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
…………。
挑む分には、別にいいと思います。
ただ、挑むということはあい君は「ミーレちゃんが番長であることに不満がある」ということですよね？
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グレイ・コリントス 2022年6月6日
ボクは別に、そんなに不便に思ってはいないので。
……まーそもそも教会にばっかり籠ってるってゆーのもありますケド！
その辺り、どう考えていますか？
“挑みたいから”なんて軽い考えではないんですよね？
新堂・亜唯 2022年6月6日
そこんとこな。正直言って、ミーレにトップとして不満があるかと言われれば……あいつが信頼できるリーダーだってことは、何より俺たちが知ってるわけじゃん？
だから決して、ミーレ個人に文句をつけるところは、やっぱ見当たらないんだよね。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……ただ、俺には番長になってやりたいことも、作りたいクラスの風景も、変えていきたい学校の展望も、確かにあってさ。
そういうの、今日まで卍奪の話を他のクラスメイトや番長ともしてて、一層はっきりしてきたんだ。
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
……それは、今いる番長に任せるものじゃない。
俺がこの手でやることなんだ。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
……それって、番長でないとできないことなんですか？
新堂・亜唯 2022年6月6日
できない。
番長であることと、番長に「なる」過程に意味がある。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……俺が作りたいのは、本当の意味で学年も肩書も越えて、誰かを助けられるクラスであり、学校だから。
それは個人で目指すぶんには、今のクラスのままでも出来るだろうけど……。
現実として、それを訴えるには俺自身に格が要る。
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
何より……そういう理想を描く上でさ。
「最初から一人君臨するトップ」には、やっぱり、退いてもらうことになるんだと思う。
（がりがり頭を掻いて）
そういう意味じゃ、やっぱり、「不満がある」ってことだな。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
―――――――。
(無効票)
グレイ・コリントス 2022年6月6日
……それって、番長じゃなくて生徒会長みたいですね。どちらかと言えば。
新堂・亜唯 2022年6月6日
…………。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……そういうことになるね。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
じゃあ目指す相手違うくありません？
新堂・亜唯 2022年6月6日
まあ突き詰めればそこに行き着くよな、って話だけど、今のところ生徒会に代替わりのシステムはないよ。
あそこは当代でも、花束の選抜だろ？
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新堂・亜唯 2022年6月6日
勿論そんなもん無視して挑んで、もし万が一、億が一、勝てたところでそれは「ただ花束に勝った奴」だし……
花束個人の事を想ってる奴がそれやるのは、なんか意味があるかもしんないけど。
番長が生徒会に対して意見できる立場だ、ってのもあるけど
何より……ルールの中でやらなきゃ意味ないよ。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
（むむむ、と少し考えて）
つまり、自分のやりたいことのために友達の立場を脅かす――ということなんですが。
それしかない、と考えて考えた結果なんですよね？
新堂・亜唯 2022年6月6日
でも結局、それが卍奪戦ってものだと思う。
だから俺がミーレを引きずり下ろそうとしてるってのは、間違いないよ。
今ここに来てるのが、単なる思い付きでないってことも。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……グレイを選んできたことも、今、間違いじゃないと思ってる。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
……それは買いかぶりかもしれませんよ？
（箱を倉庫に収めれば、すたすたと礼拝堂の中央まで歩いて行って）
新堂・亜唯 2022年6月6日
「そもそも勝てるのか？」とか「それは番長にならないとできないのか？」とか……「どういうクラスを作りたいのか」とか、そういうことは当然、聞かれ続けてきたわけだけどさ。
「友達を引きずり下ろしてまでやりたいことか？」って聞ける人だしね、グレイは。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……俺、この卍奪戦で皆に話を聞き始めるまではさ。
「番長に相応しい奴が、推薦票を貰って挑むもの」だと思ってたから。
でも、違ったわ。
（歩いていく姿を見ながら……それから間を開けて、中央のほうへと歩き）
グレイ・コリントス 2022年6月6日
まあ、ボクもそれに関してはおんなじです。
やりたい人がじゃなくて、相応しい人がと思っていますから。
それに――――
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グレイ・コリントス 2022年6月6日
それ――――（礼拝堂のステンドグラスを背負って）
“友達を引きずりおろしてまで”っていうのは、ボクのほうが経験者ですから。
新堂・亜唯 2022年6月6日
………………。
（そうだ。聞いてたじゃないか――〝友達との約束〟って）
……グレイがシスターなのって……。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……俺、心配させたのかな。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
いえ、どちらかと言えばちゃんと覚悟があるのか確認しようと思いまして。
口で言うよりも、けっこー辛いですからね！
新堂・亜唯 2022年6月6日
俺、グレイのとこに来たのは、当番で一緒になるのぞみ以上に「クラスの仕事をしてない普段の俺」を試してくれそうだから、だったんだよね。
こうやって目掛けてこないと、まず仕事してる時間被らないとこだし。
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新堂・亜唯 2022年6月6日
……さっきも言ったけど、俺、この卍奪戦は、最初から相応しい奴が票を集めに来るんじゃなくて
皆にこうして話して、問われて、考えて……その過程でようやく、本当に番長として相応しくなれるか、試される物なんじゃないかと思えてきてさ。
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
……やっぱり、会いに来て良かったと思う。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
まーーー確かにボクはここに来てるか近くの小学校とかで子供と遊んでますしね……。
(無効票)
グレイ・コリントス 2022年6月6日
まあ、でも――――
（腰に下げていたランタンを胸の高さに掲げる）
（ランタンの中、揺れている青い炎の中から）
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グレイ・コリントス 2022年6月6日
（――――すらりと、剣が引き抜かれ）
“わかんない”とか、中途半端な覚悟なら２人とも傷つくだけですから。
強引に試さないといけないところでした。
新堂・亜唯 2022年6月6日
……それがグレイの武器だったんだ。
かみさまの、剣？
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新堂・亜唯 2022年6月6日
戦うのは嫌いじゃない、っていうか正直好きなほうだけど……。
そういう形で試された時点で、俺の覚悟が足んなかったんだろうから、その必要が無かったのならホッとするべきかな。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
（ふるふると首を振って）
魔法でも悪魔でも、なんでも斬れちゃう聖なる剣です。
(無効票)
グレイ・コリントス 2022年6月6日
……もう一つだけ。いいですか？
新堂・亜唯 2022年6月6日
すっと出してくるなあそういうのを……！
ていうかとんでもないもの持ってるねえ！
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
……いいよ。なんだろう？
グレイ・コリントス 2022年6月6日
今回駄目でも、諦めないでくださいね。その理想は。
新堂・亜唯 2022年6月6日
もちろん！！
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
……もう、俺一人の抱えたものじゃないからね。
グレイ・コリントス 2022年6月6日
（くるくると聖剣を回して）
――――では
(演出継続)
グレイ・コリントス 2022年6月6日
（カツンと、礼拝堂の床にその切っ先を突き立てる）
（真上に向いた柄の上に掌を乗せて――）
今代の“群青の空”は貴方の挑戦の背を押すことを約束します。
新堂・亜唯 2022年6月6日
……それが、グレイの継いだものの名前なんだ。
（おそらくは、あの剣も、もしかしたらあのランタンも）
（だとしたらあの剣はきっと、見た目以上に重く感じるのかもしれなくて。それを前にして宣言される言葉は――）
(無効票)
新堂・亜唯 2022年6月6日
（頭を下げるのは、なんだか、彼女の示してくれた礼に返すには、不十分な気がして）
……。
（だとしたら、他に自分が知っているのは、これしかない）
(演出継続)
新堂・亜唯 2022年6月6日
（ぱしん、と拳を掌で包む。抱拳礼――最上さんにも教えた、螺月流の作法）
押忍！！
（その言葉をしっかりと捕まえるように、拳を固く握りしめた）
