【個】Case study:伯爵 & ...?
リップ・ハップ 2022年5月29日
日曜日の、多くの生徒が居ない校舎。その図書室。
気楽に調べ事をするには丁度いい。
雑多に開かれた書物が机の上で扇を描き、その要にはレザーマスクの少女が居た。
#奉利・聖
#リップ・ハップ
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奉利・聖 2022年5月29日
(日曜日であろうと、この男はのんびりと休んだりしない)
(放課後の時間を様々な金策に当ててる現状、腰を据えて掃除できる休日は重要だ。速くから登校しては掃除を行っており)
(図書室の掃除は出来そうかと、扉を静かに開いた)
奉利・聖 2022年5月29日
……おや。
(そこには、知った少女。特徴的なレザーマスクと、その雰囲気)
(見遣れば随分と書物を開いている。休日に図書室で勉強…というよりは、文献を参考に何かを調べているような)
(ゆっくり近づいて、様子を見てみる)
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
(ぺい。と手にしていた本を下ろし――いや、雑過ぎない程度に落とし)
…………ーーぁ。
(背もたれに身体を預ける。きっと一区切りなのだろう、吐息が零れる)
リップ・ハップ 2022年5月29日
(そうして顔を上げてようやく気付いた。いつの間にやら近くに同級生の姿)
(二度見した。静かな図書室にがたたん、と椅子が鳴る。リアクション◎)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
…そこまで驚かれるとは思いませんでした。
(二度見のリアクションに苦笑いして)
こんにちは。何か調べていたようですね。
……小説や漫画でも描くのに使いそうなラインナップですね。
(武器、鎧、神話、英雄譚…およそ男の子が好きそうなものと言われそうな書物達に、思わず訝し気な声音になった)
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
いやだって急に居るし。ちょっち気配殺しすぎじゃね??
(口ではそう言いながら「そんなに没頭してたかな」なんて零しもして。ひらひらと彼に手を振る)
あーこれ??
……確かに。
(彼の言葉に改めて卓上をぐるりと眺め)
リップ・ハップ 2022年5月29日
新曲はそゆ方向だったりして。ナイショねナイショ。
(なんて冗談を飛ばしながら)
リップ・ハップ 2022年5月29日
てのもまー実際アリか?? 忘れなかったらちょっち練ってみっか。
(脇の椅子に立てかけた大鎌。彼女が伯爵と呼ぶそれに視線を向けた)
……今はちょーっちこいつの素性探りにね。
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
むしろリップさんが随分と集中してたような気もしますけど。
(気配消しは嗜みではあるが、彼女の程の人が気付かないレベルとまでは自惚れてはいない)
おっと、先駆けてヒントを知れてしまいましたね。
これはラッキーだ。
奉利・聖 2022年5月29日
……素性。
(つられて大鎌に視線を向ける)
そちらに何か、気になることでも?
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
やね、名前さ。思い出したんだよ。半分。……半分か??
まーざっくり半分。入れ物の方。
(中身については未だ失念したまま。片方思い出したなら半分でいいだろうとどんぶり勘定で)
その思い出した時にさ、陸のバリア。障壁。あれが斬れちまったわけ。この鎌で。
(青の番長がそれを解いたのでなく、他者からの干渉により損壊した。彼と手合わせをしたことのある者なら彼女の言葉は一定以上の関心を引くに十分なものだろう)
ただもんじゃねいとは思ってたけど、でもそりゃ私は中身の方と思ってたのよ。
だから今更んなってね。色々、
リップ・ハップ 2022年5月29日
コイツについて調べてるわけ。
(人差し指が開かれた書籍の一項目の上に乗る)
(ハルパー)
(そこにはそう記されていた)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
…あの蒼海番長の護りを?
(彼と手合わせをしたことがあるのなら、それがどれだけ凄まじいことか当然のように理解できる。物理的手段であれを斬れるなんて、一体どんな代物なのだろう)
奉利・聖 2022年5月29日
(ハルパー)
(ギリシア神話において、アルゴスの暗殺やメドゥーサの討伐に使用された神剣。鎌の様に歪曲した剣として有名なものだ)
(その神剣が持つ力は)
奉利・聖 2022年5月29日
不死の神すらも殺す武器。
(大鎌──伯爵をもう一度見る)
(これがもし、そうなら)
(不死性を持つ者を、終わらせられるのだとしたら)
(この歪な生命も、終わりを───)
奉利・聖 2022年5月29日
っ………。
(我に返る。思わず渇望してしまった。これで斬られることを)
それが、ハルパーそのもの…だということですか?
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
なかなかすごい事書いてあんよねー。
(神造の金属により作られた故の不壊。神に届く刃故にかの障壁を斬り裂けた。確かにこの大鎌の特徴、そして実績と符合する点はある)
(しかしその上で)
……さぁ??
マジでそれそのものあるか?? っつー。私蹴りとか入れてたんですけど?? っつー。
……まあったトコを思えば、これを何のために使ってたかを思えば納得もありはすんだけど。
リップ・ハップ 2022年5月29日
(紙面文面から顔を上げ、顔を向けた先の男の、その気配に少しの違和感を感じた――ような気がした)
とりま。
例え偽もんだったとしてもそれを目指して、理想として造られた位には思ってた方がいいっしょ。
実際陸にも傷付けちまった。そう浅からぬ。ボロボロんなった模擬戦相手も立ちどころに魔力で癒しちまうような奴に、外から治療をしなくちゃならねーような傷を。
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
伝承の神剣を目指し、鍛え上げたもの。
そしてそれは確かに、伝承のような効力を持っているかもしれない…と。
(そのものかどうか、それは別にどうでもいいことだ)
(何を使い、どう作ったかではない。結果それが何をもたらすのか)
(不死殺し。歪な生命を正しき理に戻すもの)
蒼海番長殿のケースは、よく理解できました。
………実際に、不死者を相手に試したことはないのですよね?
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
無い無い。
アンデッドの類はあってもありゃ一回限りの死にぞこないだし。
リップ・ハップ 2022年5月29日
試せるもんなら試さねーと不味いんだけどね。
クロノヴェーダ相手じゃねいと迂闊にカバー外せねーよ、これもう。
(目下一番よく知る不死は限定的なもの。その能力を持つ者たちは"復讐者"と呼ばれている)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
……………でしたら。
(復讐は死したとて、再び海岸に流れ着く。ある意味では不死者ではあるが、それはあくまで復活するというだけ。例えば己の様に、脳や心臓を潰されても尚動き続けるような存在であれば──)
(ただ、それはつまり)
(彼女に同級生を殺せと、唆すようなことでもある)
(もし己が正しく死んで、海岸に流れ着くとしても)
奉利・聖 2022年5月29日
(言い淀む。騙すような真似は、できない)
試す方法が、あるかもしれません。
ただそれは……学友を一度、殺害しなくてはならないことになる。
その結果どうなるかの保証は…何も出来ない。
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
――――…………ここで出てくる冗談にしちゃ割と最悪なの来たな。
(現実とは最善と等しく最悪もまま起きるものだ)
それはお前、いいか、試す方法はねーってことだ。
(彼の人となりを思えばこの場面で口にするジョークではない。であるならば、到底取り合えるものでもない)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
……最終的に海岸に流れ着くだけの可能性が───。
(いや、それであっても……殺せというのは酷だ)
いえ、申し訳ございません。
出過ぎたことを言いました。
(彼女が承服しかねるなら、その時点で無意味だ)
奉利・聖 2022年5月29日
(しかし彼女の言う通り、これでは試す方法が無い)
(得物としている龍骨を使う場合も考えたが、壊れた瞬間完全に終わってしまうかもしれないと考えると……少々憚られる)
検証…しにくいですね。
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
(可能性という言葉が選ばれている次点で彼も分かっていることだろう。そうならない可能性もあるのだと)
(だから試さない理由を並べる必要もないと判断して)
いいよとは言いにくいけど、ま、うん。はい。
(彼の言葉に一つ頷く)
リップ・ハップ 2022年5月29日
……だからまー、あると仮定して考えてく。そゆ力も。だってどっちかわかんねいし。ほらあれ、何とかの猫だっけ??
で、コントロールしねーとならねい。自在に。
実際のとこさ、安定して出てはねーっぽいのよ。こいつの性能。
リップ・ハップ 2022年5月29日
拮抗してる、っちゅーのかな。
中身と入れ物とで。
陸の障壁は破ったけど、でもさ、前にやったときはそうはならなかったわけ。普通に阻まれた。
斬れた時に何が違ったかって言や、中身が、こいつに入ってる怪物が弱ってたってとこだ。
(陸の魔力、彼の身を苛む力。啜った怪物はその影響を受け一時的に弱体化していた)
リップ・ハップ 2022年5月29日
多分それでハルパーの性質がちゃんと出てきたんだと思う。
なら私の方からも干渉して引き出すとか出さないとかできたらなー……ってね。その辺のヒント探しもしてたわけよ。
リップ・ハップ 2022年5月29日
…………怪物が弱ってハルパーが強くなったってなら、逆にハルパーの力を強く引き出せりゃ怪物の方もきっちし従えられんじゃねーかとも思うし。
(彼女にとってそれはひとつの光明だ)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
重ねて、非礼をお詫びします。
口に出すべきでは無かった。
(もしも役に立てたならば、という感情で提案したことだったが)
(やはり言うべきでは無かった。だからこそ男は、失言をかなり気にし続けていた)
奉利・聖 2022年5月29日
…恐らく、浄化の類の力が働いたのでしょうか。
それで均衡が崩れ、偏りが生じて力が引き出された。
これを利用し、もう一方を強めることで均衡を崩す…と。
(その方法は、皆目見当もつかない、が)
奉利・聖 2022年5月29日
ハルパー…別名は確か、アダマスの鎌。
それを目指して作られたもの、であるのでしたら。
それが持つ性質も内包しているかもしれません。
(少しお待ちを、と。古代ギリシア語辞典の本を探し当てて、持ってくる。ぱらぱらと捲られたページを止めて、指し示し)
アダマスとは古代ギリシア語において、「征服されぬ者」「不屈なる者」という意味があります。故に怪物にも負けない、と解釈するならば…その性質を増強すれば、あるいは。…精神性の問題じみてきましたね。
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
(命を顧みぬ献身。それは彼女の言葉で言う所の愛だ)
(聖が? 私に? そんな関係か?? ないない。そうやって一蹴できてしまうもので)
(だから、そう。彼の真意が別のところにあるのではと、そんな想像、妄想が生まれたりもする。この得物の持ちうる性質を知った彼に覚えた小さな違和感を合わせれば、それは引っかかりにもなって)
リップ・ハップ 2022年5月29日
征服されない。不屈。
(怪物を宿しながらにして力を失っていない事。それに乗っ取られていない事。納得もいく事柄だ)
(一方で、その性質をもつ物に宿りながら存在し続けている怪物の異質さも改めて認識せざるを得ない)
リップ・ハップ 2022年5月29日
ここにきて気の持ちよう?? ウケんね。
性質、増強ねーー。神頼みでもしてみっか? ししし。
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
…気の持ちようは、意外と馬鹿には出来ないものです。
復讐者がその怒りを燃やし、強き精神によって──。
パラドクス
『矛盾』を振るうことが出来るように。
奉利・聖 2022年5月29日
神頼みではなく、他ならぬ自らによって。
何者にも負けるものかと示すのが我々が復讐者たる所以なのではないでしょうか。
……などと言ってみましたが、確たるものは何も無い。
もっと複雑で、深遠なものがあるのかもしれませんし。
(ぱたん、と本を閉じた)
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
わかっちゃーいるんだけど、ね。
(実際に思い込む事、信じ抜くことによる技術や道理を越えた恩恵を行使してもいる)
(しかしながら、調べて行き当たったものの『大きさ』の前にどこまで届くだろうかと思ってもしまって)
リップ・ハップ 2022年5月29日
(そんな思考そのもの、既に逆効果なのだろうと自責したりもする)
ま。
ざっくり素性は分かった。
お陰で、どこまでやれっかは知らんけどどんな風に気を持てばいいかも方向性くらいは見えた。
リップ・ハップ 2022年5月29日
後は実践あるのみだな。
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
……それは、素晴らしい事です。
より強く、より高く……力と向かってそうなれるなら、これほど良いこともない。外野ながら、応援しております。
(一礼して、本を戻しに行って)
奉利・聖 2022年5月29日
これ以上お邪魔するわけにもいきませんから、僕は掃除に戻ろうかと思います。
(何も無ければ、そのまま図書室を去るだろう)
(無効票)
リップ・ハップ 2022年5月29日
さーんきゅ。
バシっとキメねーとね。やっぱカッコつかねいから。わはは。
……人に話したりって整理にもなるし。聖と会って運良かったわ。
(だから邪魔なんてそんなことなかった。そんな風に)
仕事しようってとこにあんがとね。
……あ。本はちゃんと片付けてくんで。責任もって。
(ぱたぱたぱた。放っていた書籍を順に閉じて行って)
(無効票)
奉利・聖 2022年5月29日
…そう言ってもらえれるならば、有難いことです。
それでは、これにて。
お帰りはお気を付けて。
(一礼して、図書室を後にする)
奉利・聖 2022年5月29日
(外に停めていたトロリーにしまってある、龍骨を一瞥する)
(偉大なる龍。死に塗れ、屍となってしまった生命)
(僕と同じ、正しく終われなかった者)
(それでも尚、此処に生きよと彼らは言う。しかして未だ…終わりを求める心は、止まず)
奉利・聖 2022年5月29日
(生者は生者の世界へ。死者は死者の世界で)
(そうであれば……どれほど)
(こんなことを考えてしまうのは、もしかしたら)
(生き続けることに、疲れてしまったのかもしれない)
お前も、僕も。起きてる時間が長すぎるのかな。
(小さく呟いて、トロリーを押す音を響かせた)
(演出終了)
リップ・ハップ 2022年5月30日
(もっともよく知る不死の存在。それは復讐者である。何せ彼女自身もそうだ)
(では、その次に知る存在は?)
リップ・ハップ 2022年5月30日
運が良かったっつーのは、ちょっち早かったのかな。
(同級生の去った後、再び静かの図書室。頬杖ついて大鎌を見やり、少しの後書籍の片付けを始めるのだった)
(演出終了)