【個】海鳴りは遠く
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
xx日未明 新宿島外縁
広大な海に面した港の倉庫地帯
戻って来たドイツへと運び込むための物資が蓄えられているその中。
人の目から隠れるように、他の物からは少し離れた倉庫。
その倉庫には、武器や認可の降りていない食料等。
非合法な物資と一緒にカタギではない人相の男たちが鎮座していて――――
掃除しに来た人
#奉利・聖
今掃除されると困る人
#ミサゴ・ゾーリンゲン
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奉利・聖 2022年5月21日
探気功。対象が持つ気運を探知し、位置を探る広域探査気功。
それをより活性化させて、どこにいるかを探す。
性質上、存在ごと消失させるほどのステルスは看破できないが…。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
獣の耳は、人よりも多くの音を拾うことが出来る。
それはメリットではあるが、勿論それだけではない。
今回のような大きな音は、拾いすぎて逆にダメージになってしまう。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
自分が、射撃に重点を置いた獣人でよかった。
自分の射撃で耳を潰さないようにと詰めていた耳栓を外す。消音の“まじない”が衝撃でかき消されている。新しいものを詰め直して――――
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
――――“探気功”が気配を捉える。
天井。鉄筋の梁の上。
左半身の装甲に刃を噛ませ、狙撃態勢を取った狐の姿を捉えられるだろう。
――――動き出しと同時、僅かな気配を逃さずに引き金を引かんとしている狙撃手の姿を。
奉利・聖 2022年5月21日
───上だ。
既にそこまで移動しているとは…なんて早い。
そして判断が良い。上ならどの位置に敵が居ても、射線を通せる。
抜き打ちの感覚で、FARBLOSの銃口を向けた。
躊躇なく引き金を引き続ける、が。
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奉利・聖 2022年5月21日
先ほどと違い、この距離と。
銃での撃ち合いに関しては。
──向こうが上手なのだ。
だからきっと、彼の射撃はきっと刺さると。
そういう予感が、ある。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
――――銃声。
放たれた銃弾の雨を一筋の光のように銃弾が切り裂いて、男の身体を確かに撃ち抜いた。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
射撃から一拍遅れて、相手の放った銃弾が届く。
さっきと同じ銃弾なら、まともに受けるのは避けたいが――間に合わない。
回避が難しいとわかれば、素早く身を隠して最低限の被弾に絞りながら、受けざるを得ない弾丸を左腕で受ける。“停滞装甲”の出力がイカレた部分だ。近接戦では余り活用できない。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
左腕で数発の銃弾を受けながら、そのまま梁の上を転がって、落ちる。
くるくると、猫が着地するような身軽さでコンテナの上に降りれば、銃撃を受けて穴だらけに――まじないを切り刻まれた――なったパーカー“幻影迷彩”を脱ぎ捨てた。
「……作り直すのもタダじゃねえんだけどな」
奉利・聖 2022年5月21日
──銃弾が我が身を貫く。痛みは無い。
だが受けた場所は……確かに致命的だった。
常人であっても…否、復讐者であっても。
戦闘不能に足るダメージだった はずだった。
「セブラト」
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奉利・聖 2022年5月21日
龍骨が、哭いている。
この場に渦巻き始めた“死”を求めて。
生命が持つ負の側面を、強めて、強めて、強めて。
死の権能が顔を出すのだ。
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奉利・聖 2022年5月21日
経験済みの死では、殆ど死なず。
経験したことの無い死は、その場で蘇る。
果たして彼の銃弾は、どちらだったのかは分からない。
銃で死んだ経験は星の数ほどあるが、彼の弾丸は特別なものだろうし。
まぁ、どちらにしてもだ。
現在こうして、当たり前のように活動を再開していることに変わりなし。
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奉利・聖 2022年5月21日
「それは──残念ですね」
ザンッ!!と踏み込んで
降り立つ彼へと、龍骨を振り下ろしにいった。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
――殺しに行ったつもりだった。
いや、確実に殺したつもりだった。
“ディアボロスであれば戻ってこれる”というのに甘えたのは否定しない。否定しないが。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
何故、彼はまだ生きているのだろう。
リターナー――成程。これがそういう特異か。
殺してもなお向かってくる姿に、鼻を突くような死の気配に、思わず口角が上がり、笑みの向こうに鋭い犬歯が覗いた。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
「暫く徹夜――――」
向かってくる相手に合わせて、黒狐もコンテナを蹴る。
空中。足場が存在せず、お互いに踏み込む力を衝撃へと転換出来ない空間。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
「――だッ」
そんな空間で、存在しない足場――空を蹴り、踏み込む。
ス カ イ ・ ウ ォ ー カ ー
偽銃弾拳法 が 陸式
空を蹴り、宙を歩くが如きその技で何もない空間へ強く踏み込みながら、龍骨を迎え撃つように銃剣を振るった。
奉利・聖 2022年5月21日
随分と、楽しそうだ。
実を言うとこちらも結構、楽しんでいる。
未知の技、磨かれた戦術勘と判断力。
素晴らしい。人が積み上げたものの美しさだ。
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奉利・聖 2022年5月21日
空中を蹴る?そんなことまで出来るのか。
踏み込みの力が増す分、彼の方がパワーは強い。
ギリッ…と競り合うが。すぐにでも押し負けそうだ。
彼の目的の為に退いてもいいとは思うが──あれだけ楽しそうにされると、出来る限り応えたくなる。
「それはなんとも」
(FARBLOSの射撃を後方に行い、反動によるブースト。僅かであろうが、位置的には己が相手よりも少しばかり上に行くのが、理想的だ)
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奉利・聖 2022年5月21日
そして、その状態で。
FARBLOSを一時手放し、空いた手で彼自身か、あるいは彼の装備か
なんだっていい。掴みに行って。
『重」
己の重さを、極限まで高める気功により。
質量で、潰しに行く。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
刀身と、棒の衝突。
空中での鍔迫り合いは一瞬だ。押し返すように刃を薙ぎ払えば――――
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
ふわりと、男の身体が頭上へ滑り込んでくる。
振り抜いた直後。これを迎撃する事は難しい。銃剣を押さえつけられ――何かが来る。
咄嗟に、ハンドガンを相手の腹へと押し付け、弾倉が空になるまで至近距離で発砲。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月21日
――――銃声を伴いながら、重なった2人の影が地面へと衝突して轟音を上げた。
奉利・聖 2022年5月21日
死なぬ、とはいえ。
ダメージは普通に入るし、再生するわけでもない。
ハンドガンの連射は全て入っており、出血もある。
よろり、立ち上がって。
深い呼吸を繰り返し、気を練り上げて。
錬気が強く、渦巻いた。
「用心棒とは、大変だ」
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奉利・聖 2022年5月22日
「ここまで身体を張らなきゃいけないのですから」
彼もかなり、キているはずだ。
終わりの刻が近いだろう。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
土煙の中、男とは反対側に黒狐が立ち上がる。
ゆらり。どこか夢現のような、ふらついた足取り。
「まあ――――」
乱れた前髪をかきあげながら――
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
肋骨か、胸か。どこかの骨が軋むように悲鳴を上げている。
ライフルとハンドガンも、落下の衝撃でどこかに転がっていった。
使い物にならないと割り切っていた左腕は、肩が外れた感覚があって。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
「――――お陰で、オレはまだ強くなれる」
その服の下で、“停滞装甲”に蓄積された反動がバチバチと明滅するのが見えるだろうか。
リコイル
これまでの銃撃で“反動”は十分に溜まっている。
左半身を前に、右腕を引き絞るように構え、腰を落とす。
奉利・聖 2022年5月22日
「それは羨ましい」
しゅるり、髪の結びを解いた。はらりと金髪が降りる。
あの服の下の装甲。明らかに何かある。
何かをチャージしていたのだろうか。少なくとも危険な力を秘めてそうであることは、確かだ。
龍骨が、再び哭く。
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奉利・聖 2022年5月22日
──死を“与える”権能。
それを応用した使い方。
距離を死なせて、詰める手段に変えたように。
概念やシステムといったものにも、それを与える。
人には無意識のセーブがある。
脳のリミッターとも言う、その制限。火事場で発動され、馬鹿力として発揮されることもあるだろう──それを、自在に引き出す為に。
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奉利・聖 2022年5月22日
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ、、、、、
───制限に、死を与えた
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奉利・聖 2022年5月22日
ゴキリ。筋肉に強大な力が宿るのを感じる。
最も効率の良い方向で、最大限に力の流れ構築し。
錬気を宿し力とする。
爆発の推進力を得て、杭打機の様に威力を増加させる爆気功。
火薬なんぞ無いはずなのに、その場に熱が満ちて。
本当に、爆発が起きる……!!
「行きましょうか」
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奉利・聖 2022年5月22日
ザンッ!!!!
途轍もない踏み込みと共に、身を回転させて!
強大な破壊の力を籠めた拳を。
突ㅤきㅤ出ㅤしㅤたㅤ!
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
「モンスターじゃん、それ」
苦笑する。想像していたよりも、ずっと斜め上の出力だ。
なにより、デカいというのはそれだけで強い。
対して―――――
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
――――“停滞装甲”に反動は十二分に溜まっている。
花束と戦った時のような、40mmボフォースを数発撃った後のような、過負荷状態。
あの時のような加速状態が再現されるのか――――出たとこ勝負だ。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
――――繰り出すは、あの時と同じ。
今、自身が出せる最大の一撃。
ナックル・パラベラム
偽 ・ 銃弾拳法参式
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
軋む骨に鞭を打つ如く、リコイルを左足へ。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
突き出された拳に合わせ、引き絞っていた右腕を。
リコイルを乗せ、砲弾のような一撃を。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
そして――着弾の瞬間に、残った全ての反動を。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
ここまでの戦いで使用した射撃の反動、全てが拳に一撃に集約し――――炸裂した。
奉利・聖 2022年5月22日
──ぶつかりあったエネルギーが、周囲の空間に破壊を振りまいた。
物が吹き飛び、コンテナがべこべこと凹んでいる。
力は拮抗したかに、見えていたのだが。
ビキッ───!!
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奉利・聖 2022年5月22日
拳から、嫌な音が響いた。
あぁ、まったく…死なないというのに、我が身は頑丈さが足りない。
それもそのはず、耐久性を担保していた分の錬気さえ攻撃に回して。
彼に合わせて、拳を使うのを選んだのだ。
不壊の龍骨であればまた違っただろうが。とはいえ、後悔はない。
拳に拳を合わせたくなるのは、オトコのサガというものだろう。
「お見事」
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奉利・聖 2022年5月22日
腕が砕け、彼の拳はきっと。
我が身に届くのだろう。
「生きてる人って、やっぱり美しいな」
なんだかとても、良い物を見た。だから晴れやかな表情のままだった。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
貫く。
砕けた拳を横に弾いて、そのまま彼の身体を倉庫の外――夜の海まで飛ばす
そこなら、後はいい感じに姿を晦ましてくれるだろう。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
最後に残していった言葉に苦笑した。
「アンタだって同じだろ」
――相手の拳を砕くほどの一撃ならば、自分の拳だってまともではいられない。
ヒビでも入ったのか、右腕は痺れる様な感覚でまともに動かない。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
崩れるようにその場に膝をついて――――
「オレも、アンタも、生きようとしてるんだからさ」
結果としては勝ったようにも見えるが……負けだな。相手が武器を構えてたら、こうはならなかったはずだ。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
バツの悪そうな顔で顔を上げて――
「追い払っといたから、後は頼むわ。暫く動けそうにない」
何処かで値踏みをしているだろう人間に向けて声をかけると、床に大の字になって倒れて天井を見上げた。
――――とはいえ、あの時のような加速は起きなかった。
つまり、あの“偶然”を起こす条件は“これではない”ということになる。
(、)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年5月22日
「――――また、振り出しだな」
奉利・聖 2022年5月22日
…気づいた時には、海の中だった。
死なないというのは便利なもので、片腕を失い強烈な一撃を受けてもまだ生存していた。溺死も経験済みで、死なないのでいつまでも潜っていられる。
ここからどうするか。とりあえずどこか遠くで浮上するとして……掃除の仕上げは彼がやってくれるだろうし。
………しまった。
海の中で、何かに気付いて気が落ちる。
(、)
奉利・聖 2022年5月22日
……FARBLOS、置いてきちゃったな。
どう回収しよう。