Blue Bard

【個】いつか大きな樹の下で

薬袋・凛杏 2022年5月19日
青のクラスが担当する生産区画
その中でもまだ担当者が決まっていない敷地の前に立つ二人の姿

一人は細い端麗な容姿をした中性的な青年
もう一人は大きな白衣を学園の制服の上から纏った少女

何かしらの生産者というには華奢である彼等は、
真剣な眼差しで意見を交わしているのであった。

いつか大きな樹が見下ろすであろう、この地で。

#薬袋・凛杏
#竜城・陸




演出継続
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
竜城さん、此処が…私が使用していい区画、ということでよいでしょうか。

(メモ用の紙を載せたクリップボードにボールペンでこの区画の情報を書きとりながら、隣の青年に向けて話す)
(目の前の区画はまだ整備されきっていないのか、雑草などが多く生えているのであった)
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竜城・陸 2022年5月19日
うん、大まかにロープで区切られている範囲内は、自由に使って大丈夫だよ。

(残留効果が常時保たれる関係か、学園敷地内には植物が異様に繁茂している場所も多く、今回選んだこのあたりもそういう立地)
(今は、海もほど近い場所――恐らく大地を取り戻せば、また変わってくるが)

……ただ、問題がひとつあったりして。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
(無表情で感情の起伏が分かりにくい凛杏も、少しだけだが無表情のまま胸の前で両手を握りながら喜びを嚙みしめているように見えるかもしれない)


…問題、ですか。
(はっと感情を戻しながら、腋に挟んでいたクリップボードを持ち直してメモの準備をする)
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竜城・陸 2022年5月19日
そう、問題……といっても数年は問題ないんだけど……。
新宿島……というか、東京という街か。このあたり、建物が物凄く密集しているじゃない。
地下もくまなく開発されてたりして、つまり……あまり大きな植物が根を張るスペースがなくて。

……要するに、一定以上の大きさになるのが難しい可能性があって。
ああ、でも、心配ないからね。解決策はちゃんと考えてるから。
(と、ひとまずそこで言葉を切り)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
…それは…。
(成程、と納得はする。)
(ただ無くなったわけではなく、『今』はまだ殆どこの地と繋がっていない新宿島より外の地域。その存在を考えれば、地盤を揺るがすモノは邪魔となったり、そもそもスペースを使えない可能性は確かに高いのであろう。)

(少し残念そうな表情をしながらも、解決策という言葉にはっと彼の顔を見つめる)
解決策、ですか。
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竜城・陸 2022年5月19日
そう。
といってもことは単純で、ある程度大きくなった時点で植え替えればいい、という話。
それこそ日本という国にも、そして世界中を探せば色々なところに、人の手の入っていない土地や、自然の多く残る土地があるわけだから。
そういう場所であれば余人の生活を妨げることなく成長させられると思うんだ。 (無効票)
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竜城・陸 2022年5月19日
勿論、そうとなれば大地の奪還が前提となるけれど――そこは問題ないだろう?
(少なくともこの竜は、「数年以内に」それが“必ず”為せると信じている)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
植え替え、ですか。
確かに、この学園の許容を超えるような物になるのであれば……いえ、そうなるように育てるつもりですので、その提案は願ったり叶ったりです。
(場所は、どこだっていい。)
(ただ、世界の中でも一番大きな樹を育てられれば……そんな表情が表に出ているかは分からないが、明らかにほっとした様子は見せる) (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
勿論です。

私は皆さんほど戦闘に特化はしていませんが…私も最大限お手伝いを。
大地の、そして人類の奪還を目指すということは私達の使命ですから。

(彼がそう言うのであれば、私も自信が湧いてくる。)
(そんな様子で『必ず』というその自信に力を貰うように、メモに『奪還後の土地に植え替えを予定』と力強い文字で記載する)
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竜城・陸 2022年5月19日
土地の選定については、先々の話になるけれど。
世界地図とか、……今だと、衛星写真……というがあるのだったっけ。そういうものであらかじめアタリをつけておいてもいいかもね。

(わかりにくいながら、先程から感情の変化はほんのわずかな様子の違いから見て取れて)
(少しだけ、微笑ましげに笑みを零す) (無効票)
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竜城・陸 2022年5月19日
ん、その意気だ。
大丈夫、必ず成せるさ。……その時の為にも、植え替えに耐えるように強い子に育てていかないとね。

……ところで、幾つか聞いてもいい?
といってもこれは敷地の申請とは関係なく、俺の個人的な興味なのだけれど。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
はい。
早とちりしすぎることはよくは無いと思いますので、しっかりと事前の確認は怠らないよう準備しておきます。
(衛星写真、そういった物も確認が出来るのであれば、使うに越したことはないと頷きながら。) (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
? はい。
先程までは私の方から質問させていただくことも多かったですので、竜城さんが気になることがあるのであれば是非。
(ここまでお世話になりっぱなしであるので、特に警戒などもせず『なんでも仰っていただいても』というような様子で質問を待つ)
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竜城・陸 2022年5月19日
ん、いや、……大きな樹を育てたいと思ったきっかけはなんだったんだろうな、と思って。
それこそ、植物の生育に携わる道を選んだ理由もだけれど……。
この間お話しした感じ、薬の製作はあくまで副次的なもので、メインはそちらのような印象だったから。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
ええ、まあ。
(彼に話した、区画の利用用途。)
(それに専攻についても目的などは話したものの、確かに珍しい内容でしたか、と思い頷きながら話しだして。)

少し昔話になるのですが…。

元々は刻逆が起こる前から、私は身内以外の他人といるよりは一人でいる方が好きな子供だったので、山で一人で遊びに行くことが多かったんです。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
そこで見つけたハーブや花などを持って帰ってきては、染色用に使ったり、すり潰してアロマのようなものを作ったり…。
そんな事をするのが、好きな子供でした。
(『親には泥だらけになって帰って来るんでよく怒られてはいましたけど』と少しだけ笑いながら思い出して)

それが今の薬学を学ぶ元になったものですかね
(と一旦言葉を区切る)
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竜城・陸 2022年5月19日
へえ、山に一人で……。
(ということは比較的安全な土地の生まれだろうか、と)(人の手の入らない山中は、この時代でさえもやはり危険な獣が多いと聞く)

ふふ、でも気持ちはわかるかな。
俺も出歩けるようになってからは、色々な土地の石や植物を集めたりしたし。
(そんな風に相槌を打ちながら、続きを促すように視線を向けて)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
大きな樹を育てたい…って、いうのは…すみません、笑っていただいても大丈夫です。
(この後に話すエピソードに、少しだけ苦笑しながら)

小さな、小さな子供の。
先程の山で遊ぶようになる前の頃の話です。 (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
家族全員でとても大きく、天まで伸びるような樹が観光名所にもなる地へと旅行に行った時でした。

この学園でいう小等部に入る少し前くらいの年齢の時期の私は親とその樹を見て帰り道の途中で、あの樹をもう一度見たいと思っていたのか山道を戻って見に行ってしまったんです。
(小さな頃なのでちょっと曖昧ではありますけども、と付け足しながら続ける)

自分ながら馬鹿をやらかしたと思います。
そのことを誰にも告げず、一人で行ってしまったんですから。

大きな樹だったので、そこに辿り着くまでは迷うことなく辿り着くことは出来たんです。 (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
…その後は、お察しの通り。
満足した頃にはもう日も傾き始める頃で山の中も暗くなりかけていて。
恥ずかしながら、少し歩いては、怖くてその樹に戻ってくるを繰り返していたんです。
(子供は考え無しですよね、と自嘲気味にふふっと口元を緩めて)
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竜城・陸 2022年5月19日
うん? ……笑ったりしないよ。安心して話してくれて大丈夫。
(小さく頷いてそう言って)(静かに、彼女の話す言葉を聞く)

……なるほど、その時の樹が君の中では思い出深いということなのかな。
ということは、――その時にもう少し、何か印象に残るようなことがあった?
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
ええ。
(続き、失礼しますね。と話し始める)

もう森林の中では赤い夕陽の光も差し込まなくなってきた頃、私の事を探して父が来てくれたんです。

基本的に温和で優しい父でしたが、あの時は流石に怒られるって思って、状況も相まって怯えていたことを思い出します。 (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
―――でも、父は怒りませんでした。

そっと私を抱きかかえた後に、自分たちの何倍、何十倍もの背が高い樹を見上げながら
『目印になる彼が居てよかった』と。

その一言だけ呟きながら、私に笑いかけてくれたんです。
心配したでしょうに、とても疲労したでしょうに。 (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
その後、母には勿論合流した後には怒られましたが、父と母と、そして姉も交えて一つ約束をしました。

『もしも家族がはぐれてしまったら、凛杏が好きなあの樹のような大きな樹に集まろう。そうすれば、きっと今日のように巡り合えるはずだ。』
…って。 (無効票)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
―――だから、私は…いつ、父と母がこの世界に戻ってきてもいいように。

そこで待っていればいつかもう一度巡り合えるように。

世界で一番、目立つような大きな樹を育てたい…いや、育てるんだって、決めたんです。
(子供っぽいですよね、と表情が見えないように少し振り返って)
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竜城・陸 2022年5月19日
……そう。それは、素敵な思い出だね。
(家族の絆――というべきなのだろうか)……少しだけ羨ましいかな、そういう思い出があることは。

それじゃあ、いつ君の家族が帰ってきてもいいように――早く大地を取り返して。
誰もが思わず見上げるくらい、大きな樹を育てないとね。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
はい。
子供のような御伽噺のようかもしれませんが……。

見上げても、見上げても天に辿り着かないくらい。

『世界樹』とも人々から呼ばれるような、大きな樹を育ててみせるます。
(はい、と彼の言葉に同意するように大きく、無表情ながらに力強く頷いて。)
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竜城・陸 2022年5月19日
おや、子供のようだ――なんて、そんな。
今の世界で普遍的に行き渡っている技術だって、案外そういう気持ちから生まれているものかもしれないよ。
空を飛んでみたい、とか――どこまでも広い世界を見たい、深い海の底へ行きたい、とか。

だから、胸を張って追い求めるといい。
それを笑うような子は、きっとうちのクラスにはいないからね。
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
先人たちも通った道、ですか。
…それじゃあ、子供っぽいからって恥ずかしがるわけにはいきませんよね。

(表情を見せないまま、澄み渡る初夏の青空を見上げて)

…私、このクラスに着てよかったです。 (演出継続)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
竜城さん。
(と、振り返りながら彼の名を呼ぶ。)
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竜城・陸 2022年5月19日
そもそも子供っぽいか、なんて言われたら、俺はそうは思わないしね。
家族への想いや、遠い日の思い出を夢の糧にするのは、素敵なことだと思うよ。

……それにそんなことを言ったら、俺の理由のほうがもしかしたら子供っぽいかも知れないし。 (無効票)
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竜城・陸 2022年5月19日
……ん?
(振り返った彼女と、目線を合わせて)(小さく首を傾げた)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
これからも、ご迷惑をおかけるでしょうが…

どうか、よろしくお願いします。
(深く、深く、頭を下げながら。)
(そう彼に伝えるのであった。)
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竜城・陸 2022年5月19日
おや。
……ふふ、あらたまって言われずとも。

俺は広く浅く学んでいるし、どちらかというと海が専門だからね。
きっと凛杏は、俺にはない知識や経験をたくさん持っているだろう。
頼りにさせてもらう場面も、きっと多いと思うから。

……こちらこそ、今後とも宜しくお願いするよ。
(そう言って)(膝をついて、恭しく礼をして)
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薬袋・凛杏 2022年5月19日
頼り、頼られ。
貴方に支えていただける分、持てる知識を存分に共有し貴方の役に立つことを約束しましょう。
(膝をついた彼の手を取る)

…竜城さんの理由というのも、気になりますしね。
(先ほどの言葉を思い出しながら、少し微笑みながらまた話してくれますか?なんて聞いてみる)
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竜城・陸 2022年5月19日
ああ、……有難う。
(取られた手を軽く握って、顔を上げる)
俺も、君の願いと夢の為に協力を惜しまないことを約束するとも。

……ふふ、そうだね。
じゃあまた機会があったら、お話しさせて戴くよ。
といっても本当に子供っぽくて、お恥ずかしいのだけれど…… (演出継続)
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竜城・陸 2022年5月20日
……さて、それでは。
植物を育てるにも環境整備は必要だからね、少し作業をしていくかい?
今日は俺も業務がないから、少しお手伝いしていくけれど。
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薬袋・凛杏 2022年5月20日
ええ、手伝っていただけるのなら是非。

私も三日三晩作業しても問題は無いくらいに体力はありますけど、流石に授業を抜けるわけにはいきませんからね。
(でもやり続けていたら授業を忘れそうで)

竜城さんの力をお借りできれば、私もそんなことをせずとも片付きそうです。
さあ、では初めて行きましょう。
(と、青のクラスの備品である手袋や道具を手に持ちながら、勇ましく作業を始めていくのであった)

(いつか大きな樹が見下ろすであろう、この地で。)
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