私立MM学園

【個】ツルギモツモノ

クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
それは逃れられない宿命。
己の愛刀を手にした者同士が出会ってしまったのだから。

・参加者
#クリスタ・コルトハード
#鷹遠・幾





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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(人の子ならば、必ず一度はあるだろう。道を歩いているとき、ふと足元に落ちていた木の棒を手に取ったことが。この棒はどこから来たのだろうか。なんの木の枝なのだろうか。気になるところはいくつもある。だがこの棒を手にとって思うことは唯一つ。なんと丁度いい棒だろうか。己の愛刀見つけたり。ただそれだけが心を埋め尽くすのだ)

フッ…………
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(この硬さ、この長さ。手にもつとしっくり来る。名前をつけよう……花束丸……花丸……)

フッ…………

(そうしてそんな二人が出会った)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(相対するは、自らと同じく刀を持つ者。ひと目で分かる。その表情、その手付き、その心。己の半身とも呼べる愛刀を持つ者なら、必ずそうであろう。この刀を振り、その力を味わいたい)

(だから言葉も交わさずに、刀を握る。身体は半身に。刀は肘よりも上げて、大上段に構えた)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(スッ……とまるで刀を抜くように木の枝を左から右へ。無造作に払い、半身となる)

(仕掛けるのは、幾) (無効票)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(クリスタの頭上へと、跳ぶ)

(速度は十分)

(自由落下の勢いのまま、その身へと愛刀・花丸を振り下ろす!)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(飛び上がる幾を、目で追う。大上段は攻撃的だが下段の防御がおろそかになる。それに備えて、足技を使う用意もあった。だが幾が選んだのは、大上段の更に上。自分よりも小柄で胸の小さい幾に頭上を取れられるとは、クリスタも思っていなかった。だからこそ) (無効票)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(────面白い)

(振り下ろされた花丸に、自らの愛刀・花蘇枋を合わせると、膂力で弾く)

(すぐさま一歩踏み込み、左手を添え、一気に切り上げた)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(捌くか)

(頭上を超えた大上段の一撃を弾かれた、その後の判断は一瞬)

(この状態で切り上げをいなすのは難しい。ならば) (無効票)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(空中で体を捻りながら、花蘇芳の切り上げに対して横一線の一撃を合わせる)

(先手の好機を潰すことになるが、そういう意味では初手を防がれた時点で今更だ)

(距離を離し、宙で姿勢を戻して着地する)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(切り上げの力も利用された。お見事。心の中で喝采を贈る。花丸と打ち合う花蘇芳も、メキメキと喜びの声をあげている。終世の好敵手となり得る刀だ)

(距離は二十尺ばかりであろうか。再び上段に構えて一歩で踏み込むには、やや遠い。だからクリスタは、右手で握る花蘇芳を左下方へ構えて、さらに腰を深く落とした。最も深くまで、たった一歩で踏み込むために)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(居合、あるいは抜刀術)

(刀を抜き放つ動作で致命の一撃を与えるそれは太刀筋を見極めづらい)

(無警戒で突撃するのは即ち)

(首を差し出すことと同義)

(ならば、抜かざるを得ない状態を作る) (、)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(腰を深く落とし)

(花丸の峰に右手を添える)

(ピシッと音を立てる花丸。放たれるのは)

(神速の左片手一本突き)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(鋭く身体に突き刺さる剣気。刃が当たる前から分かる。この突きに当たれば、命はない───)

(弾かねば。最良のタイミングではないが、花蘇枋を居合のように抜き放つ。花丸に花蘇芳を当てたまま、横薙ぎに振り抜いた。だが、踏み込みができなかった。力が伝わらない。幾の手から花丸を弾くほどの威力はないだろう)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(突きの速度は十全だった。並大抵の剣士であれば反応する事なく突き殺されていたであろう。この一撃にはそれだけの威力があった。しかし。)

(相手へのカウンターではなく、必殺を躱すことを選んだ。居合を崩す目論見は成功したが、恐ろしい勘の良さだ。)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(一時は凌いだ。だがこの速度で何度も突っ込まれてはかなわない。加速させないために、距離を詰めるべきだ。花蘇芳をやや下に構えて前へ。下方突き、そして斬り上げの連携を仕掛ける)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(防御に徹するか)

(いや、刃で受け止めるには限度がある。ならば必要なのは防御を兼ねた攻撃だ)

(左腰へ花丸を構える。必要なのは速度だ)

(下方突き、切り上げに対して二連撃。抜き放ち、相殺する)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(初速から、十分に速い。弾かれた花蘇芳を引っ込めて、柄を上に。縦に構えて攻撃を待つ)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(体力ではこちらが不利。そろそろ決める必要がある)

(敢えて低姿勢から迫る。狙い打つは顎。地から打ち上げるような花丸の一撃)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(低い。まっすぐ横に振り抜くには低すぎる。くるりと花蘇芳を回して、上段へ。両手で握り、踏み込むと同時に、花丸と打ち合うために頭上から左脇へ振り下ろした)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(勝負は一瞬。上段から振り下ろされる花蘇芳と打ち合った花丸は拮抗し、そして)

(花丸は粉々に砕けた)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(空気を弾くほどの強い衝撃。この瞬間、ふたりは間違いなく最強の剣士だった)

(砕け散った花蘇枋と花丸が、混ざりあって地面に落ちる) (、)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(手にしていた愛刀の重さが、もう無い。それは相手も同じこと。つまりは、引き分けだ)

(身体を起こして、相手を見やる)
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(愛刀を失ったその顔は晴れ晴れとしていた)

(花丸も、きっと同じ気持ちだろう)

(スッ、と礼をした。おなかがすいていた。)
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クリスタ・コルトハード 2022年5月10日
(唯一無二の愛刀は失ったが、それよりも大切なものを手に入れられた気がする。礼をして、手を差し出した)

寿司、握りますよ
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鷹遠・幾 2022年5月10日
(ぐっと手を取る。爽やかな風が吹いていた)

アタシ……イカと玉子と甘エビね。


(完)
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